| 【発明の名称】 |
鉄鋼材料のロウ付け手段 |
| 【発明者】 |
【氏名】上西 正久
【氏名】大友 昇
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| 【要約】 |
【課題】ステンレス鋼をはじめとする鉄鋼材料の、十分な機械的強度を有するロウ付け手段を提供する。
【解決手段】他にステンレス鋼等の鉄鋼材料の母材に膜厚15μm以上のCuメッキを施した後に、ロウ材としてCu−Pを用いてロウ付けする。これによりロウ材中のPと母材のFeが化合して、接合面に機械的強度の劣るFe−P系化合物による脆化層の形成を防止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鉄鋼材料の母材に膜厚15μm以上のCuメッキを施し、ロウ材としてCu−Pロウを用いた鉄鋼材料のロウ付け手段。 【請求項2】 母材がステンレス鋼である請求項1に記載の鉄鋼材料のロウ付け手段。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、鉄鋼材料に適切な膜厚のメッキを施すことにより、所定の機械的強度を有する接合を可能とした鉄鋼材料のロウ付け手段に関するものである。 【0002】 【従来の技術】接合母材間に母材の融点よりも低い融点のロウ材を溶融状態で流入させ、これを冷却・凝固して接合するロウ付けは、様々な機械製品の製造に用いられ、その代表的な例として熱交換器の製造がある。一般に、給湯装置等に組み込まれる熱交換器は、部材(フィン、パイプ等)として銅材が用いられ、これを組み立てて各接合箇所にりん銅ロウ(Cu−P)のロウ材を設置し、炉内に搬入してロウ付して製作されている。Cu−Pロウによるロウ付けは、添加されているりんが母材表面の酸化物を還元する作用を有し、フラックスを用いない接合が可能であり、溶融温度も比較的低温であるから作業性に優れ、極めて経済的な接合手段である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】一方、耐圧性、耐食性、耐熱性が要求される装置に組み込む熱交換器には、素材としてステンレス鋼が用いられるが、ステンレス鋼をはじめとする鉄鋼材料のロウ付けには、Cu−Pロウを用いることはできないとされている。これは、ロウ材中のPと母材のFeが化合し、接合面に機械的強度に劣るFe−P系化合物の脆化層が形成されるためである。したがって、より高融点のCuロウやNiロウが用いられ、製造コストが高価であった。 【0004】この発明は、ステンレス鋼をはじめとする鉄鋼材料の母材に、適切な膜厚のCuメッキを施すことにより、Cu−Pロウを用いたロウ付けで十分な機械的強度を有するロウ付け手段を提供し、この発明のロウ付け手段を、熱交換器等の製造に適用することで、製造コストの大幅な低廉化を達成することを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、この発明の鉄鋼材料のロウ付け手段は、鉄鋼材料の母材に膜厚15μm以上のCuメッキを施し、ロウ材としてCu−Pロウを用いてロウ付けするものである。特に、ステンレス鋼の母材に適用することで、Cu−Pロウを用いた経済的な接合手段を可能とするものである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下に、具体的な実験のデータについて説明する。実験データとして、ステンレス鋼(SUS316)の母材である試験片1によるデータを示す。図1に示す形状及び寸法(長さ30mm×幅5mm×厚さ2mm)の試験片1に、Cuメッキの下地処理として電解メッキ法により厚さ1μm以下のNiメッキを施した。次に、電解メッキ法により所定厚さのCuメッキを施した。Cuメッキ厚が0から50μmの間でそれぞれの値となるようにサンプリングした。 【0007】同じCuメッキ厚の試験片1を2枚用い、先端部でCu−Pロウ箔を挟持して治具に取り付け、赤外線加熱炉にてロウ付けしてせん断試験片を作成した。このようにして作成した各メッキ厚のせん断試験片に対して、引張試験機を用いてせん断試験を行い、それぞれの破断強度を測定した。測定結果を図3に示す。 【0008】図3は、上記内容のせん断試験の結果得られたCuメッキ厚μmと破断荷重Nとの関係を示す。それぞれ試料数として各条件ごとに複数体のせん断試験片について試験し、その平均値を示している。この測定結果から、次のように評価を得ることができる。 【0009】Cuメッキ厚が10μm以下では、破断荷重はCuメッキなしの場合とほとんど変わらず、Cuメッキの効果は表れない。これは、ロウ付け時にCu−Pロウ中にメッキ層が溶け込んでしまい、母材であるSUS316鋼とCu−Pロウが直接反応する結果、メッキ層の効果が失われてものと考えられる。 【0010】Cuメッキ厚が15μm以上の試料においては、これ以下のメッキ厚の試料に対して2から3倍の破断荷重を示している。この破断荷重は、Cuロウを用いてSUS316鋼をロウ付けした試料の破断荷重とほぼ等しい値であり、15μm以上のCuメッキ層を形成することで、SUS316鋼のロウ材としてCu−Pロウの適用が可能であることを確認することができた。なお、Cuメッキ厚をそれ以上の値(例えば40μm以上)としても破断荷重の増加は見られず、メッキコストを考慮すれば、特にメッキ厚を大きくする必要はないと考えられる。以上、母材としてSUS316鋼の試験片1によるデータに基づいて評価したが、他の鉄鋼材料においても、Cuメッキ厚を15μm以上形成することで、母材である鉄鋼材料とCu−Pロウが直接反応することを防止し、Cu−Pロウをロウ材として用いることが可能であることを確認することができた。 【0011】 【発明の効果】以上のようにこの発明は、鉄鋼材料の母材に膜厚15μm以上のCuメッキを施すことで、Cu−Pロウを用いたロウ付けで十分な機械的強度を有する接合を可能とするものである。また、この発明のロウ付け手段を、ステンレス鋼を用いた熱交換器に適用することで、Cu−Pロウによる経済的な接合手段が可能となり、耐圧性、耐食性、耐熱性に優れた熱交換器の製造コストの大幅な低廉化を達成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000126632 【氏名又は名称】株式会社アタゴ製作所
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| 【出願日】 |
平成13年6月7日(2001.6.7) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−361409(P2002−361409A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月18日(2002.12.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−211409(P2001−211409) |
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