| 【発明の名称】 |
被覆アーク溶接作業におけるアークスタート補助材 |
| 【発明者】 |
【氏名】高田 昇
【氏名】大根田 明由
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| 【要約】 |
【課題】被覆アーク溶接作業において、アークスタート部位を確実なものとし、又初期段階に空気等の巻き込みによって発生する内部欠陥の発生を防止する手段を提案する。
【解決手段】溶接棒と被溶接部との間に磁着、接着、静置により介在させるアークスタート補助材であって、アークスタートを補助する金属製アークスタート補助母材2にフラックス3をアークの発生のための導電性が確保され且つスタート部に内部欠陥が発生しない重量比略8:2で一体化して成るアークスタート補助材1である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 溶接棒と被溶接部との間に磁着、接着、静置により介在させるアークスタート補助材であって、アークスタートを補助する金属製アークスタート補助母材(2)にフラックス(3)を一体化したことを特徴とするアークスタート補助材(1)。 【請求項2】 金属製アークスタート補助母材(2)の表面にフラックス(3)を塗布して成る請求項1記載のアークスタート補助材(1)。 【請求項3】 金属製アークスタート補助母材(2)の表面を凹凸状に形成して該凹凸表面の溝ないし隙間にフラックス(3)を塗布して成る請求項1記載のアークスタート補助材(1)。 【請求項4】 金属製アークスタート補助母材(2)でフラックス(3)を包んで成る請求項1記載のアークスタート補助材(1)。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、被覆アーク溶接作業におけるアークスタート時の欠陥防止のために使用する補助材に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のアークスタート法は、スタートを容易にするため、タッピング法やブラッシング法が用いられており、スタートの良し悪しは作業者の技量に委ねられていた。また、アークスタートにおける欠陥は不可避のものとされてきた。なお、特開昭63−76765、特開平6−262347では、アークスタート性の向上が主眼とされ、欠陥防止には至っていない。 【0003】このように従来からの被覆アーク溶接作業は、手アーク溶接と言われているように、人手に頼り、作業者個人の技量の差が顕著に現れ、安定した溶接品質を確保することは困難とされてきた。そのため、アークスタート部においてはブローホール等の内部欠陥が当然発生するものとして、エンドタブによる施工法が採られてきた。 【0004】即ちスタート時は、母材に溶接棒を近づけるだけでは放電がしにくいため、タッピング法やブラッシング法が用いられているが、アーク発生点を叩いたり、こすったりする方法のため、ねらい位置でのアークスタートを難しくしてしまう上に、安定したアークスタートが得られない。そしてその際、被覆剤が剥がれたり崩れたりするため充分なシールド効果を得られず、ねらい位置に空気等が巻き込まれ、ほとんどの溶接開始部に内部欠陥が発生している。 【0005】アークスタートの補助材として、鉄粉のみを使用したものが前掲特開昭63−76765に提案されているが、アークスタート性は向上するもののアークスタート部の欠陥防止には充分な効果が得られない。また特開平6−262347は、エレクトロスラグ溶接には適応するが、被覆アーク溶接ではアークスタート部に空気等の巻き込みにより、酸化又は窒化による欠陥が生じてしまう。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、被覆アーク溶接作業の上記実情に鑑みてなされたもので、アークスタート部位を確実なものとし、初期段階に空気等の巻き込みによって発生する内部欠陥の発生を有効に防止する手段を提案する。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、溶接棒と被溶接部との間に磁着、接着、静置により介在させるアークスタート補助材であって、アークスタートを補助する金属製アークスタート補助母材2にフラックス3を一体化してアークスタート補助材1を構成する。なお、ここに「フラックス」とは、母材及び溶加材の酸化物等有害物を除去し、母材表面を保護し、又溶接金属の精練を行う材料のことで、「被覆剤」と同義である(以下同じ)。 【0008】また上記構成において、金属製アークスタート補助母材2の表面にフラックス3を塗布して成るアークスタート補助材1である。 【0009】さらに上記構成において、金属製アークスタート補助母材2の表面を凹凸状に形成して該凹凸表面の溝ないし隙間にフラックス3を塗布して成るアークスタート補助材1である。 【0010】さらにまた上記構成において、金属製アークスタート補助母材2でフラックス3を包んで成るアークスタート補助材1である。 【0011】金属製アークスタート補助母材2とフラックス3との重量比は、アークの発生のための導電性が確保され且つスタート部に内部欠陥が発生しないことを条件とするが、凡そ8:2の比率とすることが望ましい。 【0012】なお、補助材1の単体大きさは、実験の結果、数mm未満とすることが気密保持、取扱上から望ましいことが確認された。 【0013】 【発明の実施の形態及び作用】本発明を実施するには、図1に示すように、補助材1を、磁石Mを介して帶磁させた溶接棒Yの電弧端に磁着させ、あるいは被溶接母材Wの溶接ねらい位置に静置させた上、アークを発生させる。なお、金属製アークスタート補助母材2が非磁性体の場合には、図示していないが導電性接着剤を介して補助材1を接着ないし静置させるものとする。 【0014】上記補助材1は、金属製アークスタート補助母材2とフラックス3から成り、且つアークの発生のための導電性が確保され、且つスタート部に内部欠陥が発生しない重量比で一体化されている。一体化の態様は各種あり、磁性粉粒体2bの表面にフラックス3を塗布して成るものが図2に、磁性粉粒体2bの凹凸表面の溝ないし隙間にフラックス3を付着して成るものが図3に、球状に丸めたスチールウール2aの内部にフラックス3を包んだものが図4に、磁性粉粒体2bでフラックス3を包んで成るものが図5に示される。なお、金属製アークスタート補助母材2が非磁性体である態様においては、補助材1は、導電性接着剤を介して溶接棒ないし被溶接母材の溶接開始部に付着させ又は被溶接母材に静置させるものとする。 【0015】 【発明の効果】本発明は以上のように、補助材として、アークの発生のための導電性が確保され且つスタート部に内部欠陥が発生しない重量比の金属とフラックス3の一体化物を使用し、これを溶接棒Yないし被溶接母材Wの溶接開始部に磁着させ、あるいは接着させ、あるいは又静置させてアークスタートするから、タッピング法やブラッシング法を用いなくても、ねらい位置での安定確実なアークスタートが得られる。 【0016】そして、充分なシールド効果を得られることから、アークスタート点における溶接金属への空気等の巻き込みによるブローホール等の内部欠陥の発生のおそれを解消する。エンドタブ等の使用頻度が減って施工行程が短縮できることも大きな利点である。作業者の熟練を不要として、高品質なアークスタート時の溶接部を得ることが可能となり、コストダウンが図れるとともに製品の信頼度を高めることができる。 【0017】従来法(タッピング法、ブラッシング法)によった実験例と、補助材に鉄粉のみを用いた実験例と、本発明による実験例の初期欠陥発生率を比較すると表1の通りである。 【0018】 【表1】
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| 【出願人】 |
【識別番号】591100563 【氏名又は名称】栃木県
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| 【出願日】 |
平成12年8月21日(2000.8.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064403 【弁理士】 【氏名又は名称】福田 尚夫
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| 【公開番号】 |
特開2002−66784(P2002−66784A) |
| 【公開日】 |
平成14年3月5日(2002.3.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−291228(P2000−291228) |
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