| 【発明の名称】 |
クランクシャフト加工機のレスト装置及びそのレスト方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】下村 真素美
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| 【要約】 |
【課題】黒皮のまま精度良く加工でき、黒皮を剥がすための前加工が不要となるクランクシャフト加工機のレスト装置及びそのレスト方法を提供する。
【解決手段】クランクシャフト(1)のメインジャーナル部の軸心に略垂直な面内で開閉自在に設けられた1対のレストアーム(12,12)と、メインジャーナル部軸心に対して垂直方向に伸縮自在に、かつメインジャーナル(2a)又はカウンタウエイト(3)の外周面を囲むようにレストアーム(12,12)に設けられ、クランプパッド(19b)を装着した複数の液圧クランプ手段(18a〜18e)と、開操作自在で、閉時には液圧クランプ手段(18a〜18e)の加圧側液室(17)からの油を逆止するパイロットチェック弁(21a〜21e)と、パイロットチェック弁(21a〜21e)と液圧発生源(20)との間に設けられる減圧弁(22)とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クランクシャフト(1)の加工時に加工部近傍をレストするクランクシャフト加工機のレスト装置において、クランクシャフト(1)のメインジャーナル部の軸心に略垂直な面内で開閉自在に設けられた1対のレストアーム(12,12)と、クランクシャフト(1)のメインジャーナル部の軸心に対して垂直方向に伸縮自在に、かつメインジャーナル(2a)又はカウンタウエイト(3)の外周面を互いに異なる少なくとも3方向から囲むように、前記1対のレストアーム(12,12)に設けられ、そのピストンロッド(19)の先端部にクランクシャフト(1)と当接するクランプパッド(19b)を装着した複数の液圧クランプ手段(18a〜18e)と、開操作自在で、閉時には該液圧クランプ手段(18a〜18e)のそれぞれの加圧側液室(17)からの油を逆止するように前記液室(17)に接続したパイロットチェック弁(21a〜21e)と、前記パイロットチェック弁(21a〜21e)と液圧発生源(20)との間に設けられ、液圧発生源(20)からの圧力液を所定圧に減圧する減圧弁(22)とを備えたことを特徴とするクランクシャフト加工機のレスト装置。 【請求項2】 請求項1記載のクランクシャフト加工機のレスト装置において、前記1対のレストアーム(12,12)は揺動開閉式であることを特徴とするクランクシャフト加工機のレスト装置。 【請求項3】 請求項1記載のクランクシャフト加工機のレスト装置において、前記1対のレストアーム(12,12)は直動開閉式であることを特徴とするクランクシャフト加工機のレスト装置。 【請求項4】 請求項1記載のクランクシャフト加工機のレスト装置において、前記1対のレストアーム(12,12)に代えて、固定式レスト(4)を備え、該固定式レスト(4)に前記複数の液圧クランプ手段(18a〜18e)を設けたことを特徴とするクランクシャフト加工機のレスト装置。 【請求項5】 クランクシャフト(1)の加工時に加工部近傍をレストするクランクシャフト加工機のレスト方法において、レスト装置に設けられた複数の液圧クランプ手段(18a〜18e)のそれぞれの加圧側液室(17)に接続された開操作自在なパイロットチェック弁(21a〜21e)を開状態にし、かつ前記液圧クランプ手段(18a〜18e)の加圧側液室(17)の液圧力を所定圧力に制御した状態で、該複数の液圧クランプ手段(18a〜18e)のピストンロッド(19)をクランクシャフト(1)のメインジャーナル部の軸心に対して垂直方向に移動させて、ピストンロッド(19)の先端部に装着したクランプパッド(19b)をメインジャーナル(2a)又はカウンタウエイト(3)の外周面に互いに異なる少なくとも3方向から囲むように当接させてクランプする工程と、前記メインジャーナル(2a)又はカウンタウエイト(3)の外周面をクランプした後、全ての開操作自在なパイロットチェック弁(21a〜21e)を閉状態にすることにより、液圧クランプ手段(18a〜18e)の加圧側液室(17)からの圧力液を逆止してクランプを完了させ、加工準備完了とする工程とを有することを特徴とするクランクシャフト加工機のレスト方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、クランクシャフトミラー等のクランクシャフト加工機で切削するワークを支持するためのレスト装置及びそのレスト方法に関する。 【0002】 【従来の技術】クランクシャフトのメインジャーナルやピンジャーナルを切削加工するとき、反力でワークが動かないように加工部近傍をクランプする(通常レストと呼ばれており、以後レストと言う)必要があり、従来から、このためのレスト装置(静止装置)が多く提案されている。例えば特開平6−320319号公報に記載されたクランクシャフトミラーのレスト装置が知られており、図9及び図10を参照して同公報に示された従来技術を説明する。図9は同公報に記載されたクランクシャフトミラーのレスト装置の説明図であり、図10は従来の切削加工工程の説明図である。 【0003】図9において、レスト装置10Aは、それぞれピン14a,14bの回りに揺動自在に設けられ、かつアームシリンダ11により開閉自在とされた上下1対のレストアーム12、12を有している。また、これらの1対のレストアーム12、12の対向面に設けた略半円形状の切欠部には複数のクランプパッド12aを備えており、該複数のクランプパッド12aによりクランクシャフト1のメインジャーナル1aをクランプするようになっている。前記1対のレストアーム12,12のピン14a,14bと反対側端部には、クランクシャフト1の加工時に該レストアーム12,12が開放しないようにロックするロック機構13が設けられている。 【0004】加工の手順としては、従来は、例えば図10に示すように、4気筒エンジンのクランクシャフト1を加工する場合、第1工程でクランクシャフト1をレストしない状態で、まず第2メインジャーナルJ2を加工し、次に第2工程では第1工程で加工した第2メインジャーナルJ2をレスト装置10Aによりレストした状態で、第3メインジャーナルJ3と第1ピンジャーナルP1を同時に加工する。第3工程では、第2工程で加工した第3メインジャーナルJ3をレストした状態で、第4メインジャーナルJ4と第2ピンジャーナルP2を同時に加工する。以後同様にして第4工程から第5工程まで加工を繰り返し、各メインジャーナルJ5と第2ピンジャーナルP3,P4とを順次加工するようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特開平6−320319号公報に記載の従来技術においては、以下のような問題がある。即ち、従来のレスト装置10Aは求芯タイプとなっているので、レストする基準面(ジャーナル部)が鋳物や鍛造素材の黒皮のように偏心していたり円筒状でない場合、レスト時にクランクシャフト1を曲げてクランプして加工することになるため、加工後クランクシャフト1をアンクランプすると前記の曲がりが元に戻って加工精度を高くできないということが生じる。このため、従来は前述のように、クランクシャフトミラーでの一連の加工工程において、前工程で加工した部位を基準面とし、この基準面をレストして次の部位を加工するようにしているものの、第1工程では切削部近傍をレストしない状態で加工するので加工精度を充分に高めることが困難である。また、あるいは、クランクシャフト加工機での加工工程以前に旋盤等の別機械で前加工することもあり、このため加工工程が増え、加工時間が長くかかり、製造コストが嵩むという問題もある。 【0006】本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、黒皮のまま精度良く加工でき、黒皮を剥がすための前加工が不要となるクランクシャフト加工機のレスト装置及びそのレスト方法を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目的を達成するために、第1発明は、クランクシャフトの加工時に加工部近傍をレストするクランクシャフト加工機のレスト装置において、クランクシャフトのメインジャーナル部の軸心に略垂直な面内で開閉自在に設けられた1対のレストアームと、クランクシャフトのメインジャーナル部の軸心に対して垂直方向に伸縮自在に、かつメインジャーナル又はカウンタウエイトの外周面を互いに異なる少なくとも3方向から囲むように、前記1対のレストアームに設けられ、そのピストンロッドの先端部にクランクシャフトと当接するクランプパッドを装着した複数の液圧クランプ手段と、開操作自在で、閉時には該液圧クランプ手段のそれぞれの加圧側液室からの油を逆止するように前記液室に接続したパイロットチェック弁と、前記パイロットチェック弁と液圧発生源との間に設けられ、液圧発生源からの圧力液を所定圧に減圧する減圧弁とを備えた構成としている。 【0008】また、第5発明は、クランクシャフトの加工時に加工部近傍をレストするクランクシャフト加工機のレスト方法において、レスト装置に設けられた複数の液圧クランプ手段のそれぞれの加圧側液室に接続された開操作自在なパイロットチェック弁を開状態にし、かつ前記液圧クランプ手段の加圧側液室の液圧力を所定圧力に制御した状態で、該複数の液圧クランプ手段のピストンロッドをクランクシャフトのメインジャーナル部の軸心に対して垂直方向に移動させて、ピストンロッドの先端部に装着したクランプパッドをメインジャーナル又はカウンタウエイトの外周面に互いに異なる少なくとも3方向から囲むように当接させてクランプする工程と、前記メインジャーナル又はカウンタウエイトの外周面をクランプした後、全ての開操作自在なパイロットチェック弁を閉状態にすることにより、液圧クランプ手段の加圧側液室からの圧力液を逆止してクランプを完了させ、加工準備完了とする工程とを有する方法としている。 【0009】第1又は第5発明によると、パイロットチェック弁の開状態で、複数の液圧クランプ手段(例えば油圧シリンダ等)によりクランクシャフトのメインジャーナル又はカウンタウエイトの外周面を所定圧でクランプするので、黒皮を被っている場合でも液圧クランプ手段の液室から余分な圧力液がパイロットチェック弁を経由して外部に排出される。これにより、前加工していないクランクシャフトを曲げないでその黒皮部をクランプすることができる。そして、この後パイロットチェック弁を閉状態にしてレスト装置のクランプをロックするので、上記液圧クランプ手段の液室から圧力液が排出されることがなく、クランクシャフトに加工時の反力がかかっても強固にクランプでき、従って精度良く加工できる。 【0010】また第2発明は、第1発明において、前記1対のレストアームは揺動開閉式である構成としている。また第3発明は、第1発明において、前記1対のレストアームは直動開閉式である構成としている。 【0011】第2発明又は第3発明によると、揺動開閉式や直動開閉式のレストアームに対して容易に適用可能であり、カッター交換の容易性やワーク搬出入の容易性を満たした汎用性の高いレスト装置が構成できる。 【0012】第4発明は、第1発明において、前記1対のレストアームに代えて、固定式レストを備え、該固定式レストに前記複数の液圧クランプ手段を設けた構成としている。第4発明によると、固定式レストにも適用できるので、より汎用的なレスト装置を構成できる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。先ず、図1〜図3により第1実施形態を説明する。図1はクランクシャフト加工機の斜視図で、図2は本実施形態のレスト装置の要部一部断面側面図で、図3はその油圧回路図である。尚、図9と同一の構成要素には同一符号を付して以下の説明を省き、以後も同様とする。 【0014】図1により、本発明に係るレスト装置が適用されるクランクシャフトミラーを解略説明する。ベッド41上の左右端部に、加工すべきワーク(クランクシャフト1)の両端部を支持する2基のワークヘッド42,42が設けられており、両ワークヘッド42,42の対向面にはワークをクランプするチャック44,44がそれぞれ設けられている。両ワークヘッド42,42の間に2基のカッタユニット45a,45bが設置されており、2基のカッタユニット45a,45bはベッド41の長手方向(V軸)に移動自在なサドル49,49をそれぞれ有していて、これらサドル49,49上に、V軸と直交するY軸方向に移動自在にスライド46、46がそれぞれ設けられている。また、両スライド46,46の対向面には、一端側が支軸47によりサドル49側に支承されたスイングヘッド48,48がそれぞれ設けられていると共に、各スイングヘッド48の他端側は前記スライド46上に設置された揺動機構50に接続されていて、この揺動機構50によりスイングヘッド48の他端側が支軸47を中心に上下方向(X軸)に揺動されるようになっている。 【0015】また、上記両スイングヘッド48,48内には、カッタドラムモータ51により回転されるカッタドラム52がそれぞれ設けられており、一方例えば左側のカッタユニット45aに設けられたカッタドラム52の内周面にはメインジャーナル加工用カッタ52aが、また例えば右側のカッタユニット45bに設けられたカッタドラム52の内周面にはピンジャーナル加工用カッタ52b(図示せず)が取付けられている。 【0016】また、各カッタユニット45a,45bのサドル49には、互いに対向する位置にそれぞれレスト装置10a,10bが設置されている。両レスト装置10a,10bの構成は同じなので、以下ではレスト装置10aのみを説明する。 【0017】図2に示すように、レスト装置10aは、ピン14a,14bの回りに揺動自在に設けられた上下1対のレストアーム12,12を備えており、この揺動面はクランクシャフト1のメインジャーナル2aの軸心に略垂直面内に設けられている。上下1対のレストアーム12,12の互いに対向する面に設けた略半円形状の切欠部12b,12bと、レストアーム12,12の外面との間には、4個の貫通孔16がそれぞれ形成されており、該貫通孔16の前記外面近傍端部には貫通孔16よりも大径の液室(本例では油室)17がそれぞれ形成されている。それぞれの貫通孔16内には、ピストンロッド19がその先端部を切欠部12b,12bから突出させて嵌挿されており、ピストンロッド19の基端部19aは油室17に嵌挿されている。ピストンロッド19の先端部には、クランプパッド19bが装着されている。また、各油室17の前記外面端部には油給排口部17aが取り付けられており、外部から油給排口部17aを経由して圧油が給排されるようになっている。これらにより、油圧シリンダ18a〜18dからなる液圧クランプ手段が構成されている。各油圧シリンダ18a〜18dの軸心は、前記切欠部12b,12b内でクランプされるクランクシャフト1のメインジャーナル2aの軸心に略垂直となるように設けられている。 【0018】また、上下1対のレストアーム12,12の揺動中心となるピン14a,14bには互いに噛合うギア15,15がそれぞれ装着されており、1対のレストアーム12,12の一方(図示では下側)の端部に設けた突出部に取付けたアームシリンダ11の伸縮により前記ギア15,15を介して両レストアーム12,12が開閉するようになっている。 【0019】図3に示すように、前記4個の油圧シリンダ18a〜18dは、それぞれ電磁操作式パイロットチェック弁(以後、パイロットチェック弁と言う)21a〜21dを経由して共通の管路26に接続されており、管路26は油圧源20と減圧弁22及びチェック弁23を順に介して接続されている。また、管路26は、リリーフ弁24を経由してタンク25に接続されている。パイロットチェック弁21a〜21dの操作ソレノイド部は図示しない制御器に接続されており、該制御器からの開閉指令により該チェック弁を開閉するようになっている。 【0020】減圧弁22の設定圧は、クランクシャフト1の切削加工時の反力に打ち勝つ圧力に設定され、例えば1〜3MPa程度である。また、リリーフ弁24のリリーフ圧は上記減圧弁22の設定圧よりもやや高い圧に設定される。 【0021】本実施形態の構成によるクランクシャフト加工機の作動を説明する。 (1)先ず、ワーク(クランクシャフト1)の両端部をクランクシャフト加工機の両側のチャック44,44で把持してワークを位置決めすると、1対のレストアーム12,12を開状態のまま、本レスト装置10は長手方向に移動(V軸)され、クランプすべき所定位置に割り出され停止する。 (2)次に、アームシリンダ11によりレスト装置10の1対のレストアーム12,12を閉じた後、ロック機構13により1対のレストアーム12,12を閉状態でロックする。このとき、それぞれのパイロットチェック弁21a〜21dはその操作ソレノイド部に開指令(例えば通電による)を入力して開いてあるので、油圧シリンダ18a〜18dのそれぞれのクランプパッド19bがワーク(ここでは、クランクシャフト1の黒皮を被ったままのメインジャーナル2a)に当ると各油室17から圧油が押し出され、余分な圧油はリリーフ弁24よりタンク25へ排出される。 【0022】(3)次に、前記開指令のオンが所定時間(油室17内の圧力が安定する時間であり、例えば0.2〜0.5秒としてもよい)経過した後に、前記開指令をオフ(つまり閉指令出力)してパイロットチェック弁21a〜21dを閉じて油圧シリンダ18a〜18dの各油室17を密閉する。これにより、各油室17内の圧油が管路26及びリリーフ弁24を経由してタンク25に戻ることがなく、従ってワークがクランプされる。尚、上記開指令をオフするタイミングは上記に限定されず、例えば管路26に圧力センサ(図示せず)を設け、該圧力センサの検出圧に基づき管路26内の圧力が略一定に安定したときにオフするようにしてもよい。 (4)この後、ピストンロッド19によるワーク支持部に外力が加わっても、パイロットチェック弁21a〜21dにより油圧シリンダ18a〜18dの伸縮がロックされているので、ワークが動くことはない。 【0023】以上による本実施形態の作用効果を説明する。 (1)パイロットチェック弁21a〜21dを開いた状態で油圧シリンダ18a〜18dによりクランクシャフト1のメインジャーナル2aの外周部をレストするようにしたため、黒皮を被ったままのメインジャーナル2aをクランプしてもクランクシャフト1の反力により油圧シリンダ18a〜18d内の油室17から余分な圧油が排出されるので、クランクシャフト1が曲がってクランプされることがない。そして、この後パイロットチェック弁21a〜21dを閉じた状態で切削加工を行なうので、加工中にクランクシャフト1に反力が加わっても油圧シリンダ18a〜18dによりクランクシャフト1を強固にクランプし、クランクシャフト1の位置をロックできる。従って、第1加工工程で黒皮のメインジャーナル2aをレストしてもレスト不良状態で加工することがなく、確実に、かつ強固に本レスト装置10でレストした状態で加工できるので、加工精度を向上できる。また、本レスト方式を採用しない通常の求芯クランプ方式のレスト装置においては、本機とは別の機械(例えば旋盤等)で、先ずいずれか一ヶ所のメインジャーナル2aにレストクランプ基準(円周方向に溝形状を加工)を前加工しておき、この基準面をレストクランプして第1工程でこの近辺のメインジャーナル2aを加工し、第2工程では第1工程で加工した前記メインジャーナル2a部位をレストクランプして別のメインジャーナル2aを加工し、以下順次残りのメインジャーナル2a及びピンジャーナル2bを加工していくのが常である。がしかし本発明においては、旋盤等で前加工する必要がないので、前加工のためのコスト及び加工時間を無くすことができると共に、黒皮加工するための旋盤等が不要となる。 (2)メインジャーナル2aの径が変わっても、クランプパッド19bを交換する(厚さを変更する)必要が無く、油圧シリンダ18a〜18dの伸縮により対応できるので、ワーク径の異なるものに対しても汎用的に本レスト装置10を適用できる。 【0024】次に、図4により第1実施形態の他の実施態様を説明する。即ち、前記油圧シリンダ18a〜18dの数は4個に限定されず、少なくとも3個以上あればよい。3個以上の油圧シリンダ18a〜18cがあれば、クランクシャフト1のメインジャーナル2aの外周面を安定的にクランプできる。 【0025】次に、図5により第2実施形態を説明する。本実施形態では、ジャーナル部以外のカウンタウエイト部をクランプするレスト装置を示している。ここでは、前実施形態と異なる構成を説明する。図5において、1対のレストアーム12,12の互いに対向する部位には、角状の切欠部12cと、半円形状の切欠部12dとが形成されており、前記角状の切欠部12cには3個の油圧シリンダ18a〜18cが、また前記半円形状の切欠部12dには2個の油圧シリンダ18d,18eがそれぞれのピストンロッド19の先端部を突出させて設けられている。3個の油圧シリンダ18a〜18cの軸心はクランクシャフト1のカウンタウエイト3の外周側面に略垂直になるように、また2個の油圧シリンダ18d,18eの軸心はクランクシャフト1のピンジャーナル2bの外周面に略垂直になるように設けられている。尚、油圧シリンダ18a〜18eの油圧回路は図3と同様に構成される。 【0026】第2実施形態によると、第1実施形態と同様の作用効果が得られると共に、さらに次の作用効果が得られる。 (1)黒皮の被ったメインジャーナル2aのみでなく、黒皮の被ったカウンタウエイト3やピンジャーナル2bも押圧してクランプできるので、加工手順の制約が少なくなり、しかも強固にクランプができるようになる。 (2)任意形状のクランクシャフトにも対応でき、汎用性が高い。 【0027】次に、図6により第3実施形態を説明する。これまでの実施形態では、1対のレストアーム12,12がピン回りに揺動自在に設けられた揺動開閉式の構成で示したが、本本実施形態では、例えば図6に示すように直動開閉式のレストアーム12,12を備えている。図6において、左右1対のレストアーム12,12は左右方向に開閉自在に装置フレーム33,33に支承されて設けられており、互いに反対のネジ方向を有する左右のボールスクリュウ31a,31bがナット部32a,32bに係合している。さらに、ボールスクリュウ31a,31bはギアを介してモータ34に連結されており、該モータ34によりレストアーム12,12は開閉するようになっている。このような直動開閉式のレストアーム12,12に、前記第1〜第2実施形態で示した油圧シリンダ18a〜18e(図示では18a〜18d)を設ける。尚、油圧回路は前記図3と同様である。これにより、前記実施形態と同様の作用効果が得られる。 【0028】また、図7及び図8により第4実施形態を説明する。図7は、レスト装置の構成の模式図であり、図8は作動説明図である。図7において、レスト装置10のレスト本体4はクランクシャフト加工機のベッド41(図1参照)上に長手方向(図7の紙面垂直方向)に摺動自在に設けられており、上部には上方に開口した切欠部4aを有している。切欠部4a内には、加工時にクランクシャフト1が挿入され、該クランクシャフト1は、そのメインジャーナル2a及びピンジャーナル2bの軸心に略垂直な方向に伸縮自在なピストンロッド19と、該ピストンロッド19の先端部に設けたクランプパッド19bとをそれぞれ有する複数の油圧シリンダ18a〜18eからなる液圧クランプ手段により支持されるようになっている。上部の油圧シリンダ18a,18bはそれぞれのクランプパッド19bがクランクシャフト1のカウンタウエイト3の外周側面上部に当接するように設けられ、下部の油圧シリンダ18c,18dはそれぞれのクランプパッド19bが前記カウンタウエイト3の外周側面下部及び外周下面にそれぞれ当接するように設けられ、また油圧シリンダ18eはそれぞれのクランプパッド19bがクランクシャフト1のメインジャーナル2a又はピンジャーナル2b(図7ではピンジャーナル2bで示す)の外周上面に当接して押圧するように設けられている。各油圧シリンダ18a〜18eには、開操作自在なパイロットチェック弁21a〜21eが接続されている。尚、他の油圧回路は図3の回路と略同様であり、ここでの説明は省く。 【0029】本実施形態による加工手順を説明すると、図7に示すように、先ずクランクシャフト1の両端部をクランクシャフト加工機のチャック44,44により把持する。次に、レスト本体4をベッド41の中央部所定位置に位置させて固定した後、複数の油圧シリンダ18a〜18eで、黒皮を被ったカウンタウエイト3の外周側面、及び黒皮を被ったピンジャーナル2bの外周面を上記レスト装置10によりレストし支持する。次に、このレストした状態で、図8に示すように、全メインジャーナル2aを複数枚のカッタ36により同時に加工する。 【0030】従って、本実施形態によると、旋盤等による前加工を必要とせずに、精度良く加工できると共に、同時加工により切削加工時間を短縮化できる。 【0031】尚、所定の圧力でワークを押圧してクランプする液圧クランプ手段はこれまでの実施形態で示した油圧シリンダに限定されず、その他の液圧によるシリンダ等でも構成できることは勿論である。 【0032】以上説明したように、本発明によると次のような効果を奏する。開操作自在なパイロットチェック弁を経由して液圧クランプ手段の液室内に所定圧の液圧を供給するようにし、クランプ時には、まず上記パイロットチェック弁を開状態で液圧を供給するため、液圧クランプ手段でクランクシャフトを黒皮が被ったままでクランプしても、液圧クランプ手段の液室内の余分な圧力液は上記パイロットチェック弁を経由して排出されるのでクランクシャフトが曲がってクランプされることはない。そして、次に加工時には前記パイロットチェック弁を閉状態にするため、液圧クランプ手段の液室は密閉され、クランクシャフトの切削部が反力を受けても液圧クランプ手段により強固にクランクシャフトがクランプされ、位置がずれることはない。従って、精度良く加工できる。このとき、旋盤等で前加工する必要もなく、黒皮のままクランプして加工できるので、加工時間の短縮化、製造コストの低減化ができる。また、メインジャーナル部だけでなくカウンタウエイトやピンジャーナル部も黒皮のままクランプして加工できるので、種々のクランクシャフトの加工が可能となり、汎用性の高いレスト装置が構成できる。さらに、レスト本体としては、揺動開閉式、直動開閉式又は固定式等種々のものに容易に適用が可能なので、より汎用性を高めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】394018524 【氏名又は名称】コマツ工機株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月15日(2001.5.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073863 【弁理士】 【氏名又は名称】松澤 統
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| 【公開番号】 |
特開2002−337014(P2002−337014A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月26日(2002.11.26) |
| 【出願番号】 |
特願2001−144489(P2001−144489) |
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