| 【発明の名称】 |
複合金属粉末の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】中塚 賢一
【氏名】大井 茂博
【氏名】西川 俊一郎
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| 【要約】 |
【課題】プラズマ粉体肉盛溶接等に使用するセラミックス等の硬質粒子を分散させた複合金属粉末の製造方法を提供する。
【解決手段】表面に100nm以上のC膜を蒸着させたセラミックス等の高融点、硬質化合物粒子を、溶融金属に混合後アトマイズすることにより硬質化合物粒子が均一にマトリックス中に分散してなることを特徴とする複合金属粉末の製造方法。上記の高融点、硬質化合物粒子がWC,NbC,B4 C,SiC,TiC,ZrC,HfC,VC,TaC,Cr3 C,Mo2 C,W2 Cの1種または2種以上からなり、また上記の溶融金属がNi基合金、Co基合金、Fe系合金からなることを特徴とする複合金属粉末の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面に100nm以上のC膜を蒸着させたセラミックス等の高融点、硬質化合物粒子を、溶融金属に混合後アトマイズすることにより硬質化合物粒子が均一にマトリックス中に分散してなることを特徴とする複合金属粉末の製造方法。 【請求項2】 請求項1に記載の高融点、硬質化合物粒子がWC,NbC,B4 C,SiC,TiC,ZrC,HfC,VC,TaC,Cr3 C,Mo2 C,W2 Cの1種または2種以上からなることを特徴とする複合金属粉末の製造方法。 【請求項3】 請求項1に記載の溶融金属がNi基合金、Co基合金、Fe系合金からなることを特徴とする複合金属粉末の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ粉体肉盛溶接等に使用するセラミックス等の硬質粒子を分散させた複合金属粉末の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、セラミックス等の硬質粒子を分散させた複合金属粉末に関しては、例えば特開昭63−50403号公報には、セラミックス粉末を混合したガスによるアトマイズ方法が開示され、また、特開平5−105918号公報には、溶融金属材料にセラミック粉末を微細に分散して強化した複合材料用の微細分散複合粉末をアトマイズ法によって高い生産性で製造する方法が開示され、さらに、特開平5−247504号公報には、溶融金属材料貯留容器内の溶融金属材料にセラミックス等の硬質粉末と金属粉の複合粉末、または硬質粉末の周囲に金属粉を付着または固着させた複合粉末を不活性ガス等のキャリアガスにより添加する。その際、溶融金属材料貯留容器内の圧力をアトマイズタンクより高く保持する。また、前記複合粉末は事前に加熱または攪拌して供給することが開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】そこで、アトマイズ法によらずに複合粉末を製造するためには、粉砕法もしくはアトマイズ法により製造した金属粉末を複合処理する必要があり、そのために手間とコスト高になるという問題がある。この点ではアトマイズにより複合粉末が作成できれば、コストが大幅に削減することが出来る。しかし、上述したようなアトマイズ法により複合金属粉末を製造する場合、特開昭63−50403号公報では、噴霧ガス中に硬質粒子を混ぜる必要があり、また、特開平5−105918号公報では、噴霧直後の金属粒子に硬質粒子を吹き付けており、粒子を混ぜるための改善が必要になる。さらに特開平5−247504号公報では、アトマイズ前の溶湯に複合粉末を混合しているが、予めセラミックス等を複合した金属粉末を別の方法で作製する必要がある等の各種問題がある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上述したような問題を解消するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、セラミックス等の硬質粒子に簡単な前処理を施すことにより、溶融炉内もしくはタンデッシュ内で、溶融金属にその粒子を混ぜ、攪拌した後にアトマイズする複合金属粉末の製造方法を提供することにある。その発明の要旨とするところは、(1)表面に100nm以上のC膜を蒸着させたセラミックス等の高融点、硬質化合物粒子を、溶融金属に混合後アトマイズすることにより硬質化合物粒子が均一にマトリックス中に分散したことを特徴とする複合金属粉末の製造方法。 【0005】(2)前記(1)に記載の高融点、硬質化合物粒子がWC,NbC,B4 C,SiC,TiC,ZrC,HfC,VC,TaC,Cr3 C,Mo2 C,W2 Cの1種または2種以上からなることを特徴とする複合金属粉末の製造方法。 (3)前記(1)に記載の溶融金属がNi基合金、Co基合金、Fe系合金からなることを特徴とする複合金属粉末の製造方法にある。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明に係る高融点、硬質化合物粒子はWC,NbC,B4 C,SiC,TiC,ZrC,HfC,VC,TaC,Cr3 C,Mo2 C,W2 Cの1種または2種以上からなる。この種の化合物は炭化物粉末から構成され、融点が2000〜4200Kと高く、硬さも1800〜5000マイクロビッカースと硬質化合物からなる。これらの高融点化合物の平均粒子径20〜100μmを採用する。20μm未満ではあまり粒子径が小さいために溶融金属に溶解する速度が早く、作業性等に問題があり、また、100μmを超えると逆に溶融金属に溶解し難いため、その範囲を20〜100μmとした。 【0007】このような平均粒子径20〜100μmのセラミックス等の硬質粒子は、溶融金属に混ぜると、その高い融点にもかかわらず粒子径が小さいため、セラミックス内の金属原子の拡散現象により殆ど溶解してしまう。そのために、逆に硬質粒子の表面に、ある程度の厚さでC膜を蒸着させることにより拡散を遅らせ、硬質粒子自体が溶解する前にアトマイズを行うというものである。この場合のC膜を形成する方法としては、C含有水溶液を用いてセラミックス等の硬質粒子を処理することにより、硬質粒子の表面にCの膜を塗布する方法で行われる。 【0008】また、表面に100nm以上のC膜を蒸着させたセラミックス等硬質粒子を用いる理由は、100nm未満では、上記した拡散を遅らせ、硬質粒子自体が溶解する前にアトマイズを行うための効果が十分でないことから、その下限を100nmとした。本発明に係る溶融金属としては、プラズマ粉体肉盛溶接等に使用する関係から、Co基合金、ハイテロイ、インコネル等のNi基合金あるいは高速度鋼等のFe系高合金粉末、特にNiCr,Co合金からなる。 【0009】図1は本発明に係る溶解炉の概略図である。この図に示すように、Al2 O3坩堝1内にNiCr等の溶融金属4を入れ、Ar雰囲気中で誘導コイル2でNiCrを溶解し、高融点、硬質化合物粒子5である、例えばWCを一気にAl2 O3 坩堝1内に投入し、高周波で60秒間攪拌した後、出湯ノズル3から出湯し高圧ガスでアトマイズすると複合粉末が得られる。図2は本発明に係る複合粉末の断面図である。上記のようにして得られた、その時の溶融金属4、例えばNiCrや溶融Co合金内には、図2に示すように、高融点、硬質化合物粒子5、例えばWCやNbCが溶解し、この時のNiCrないしはCo合金の平均粒径は140〜150μmとなる。 【0010】以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。 【実施例】(実施例1)溶融金属である80%Ni−20%Cr(mass%)に硬質粒子である粒子径が20〜50μmのWC粒子の表面にC膜を1μm程度の厚みで蒸着させた。その粒子1kgを溶解させた80%Ni−20%Cr(mass%)20kgに混合した後、高周波誘導で攪拌後にアトマイズした。この時のアトマイズに要した時間は硬質粒子投入後攪拌するのに60秒間、アトマイズに60秒間をかけた。その結果WがNiCr粉末から検出される。そのときの攪拌温度およびアトマイズ温度ともに1550℃であった。このようにして、Cを硬質粒子であるWCの表面に蒸着させることにより、WCの溶解をC膜により遅らせることができた。 【0011】(実施例2)実施例1と同様に、溶融金属であるCo合金に硬質粒子である粒子径が20〜53μmのNbC粒子の表面にC膜を1μm程度の厚みで蒸着させた。その粒子1kgを溶解させたCo合金20kgに混合した後、高周波誘導で攪拌後にアトマイズした。この時のアトマイズに要した時間は、硬質粒子投入後攪拌するのに60秒間、アトマイズに60秒間をかけた。その結果NbがCo合金粉末から検出される。そのときの攪拌温度およびアトマイズ温度ともに1600℃であった。 【0012】 【発明の効果】以上述べたように、本発明による硬質粒子の前処理により、溶融金属に攪拌した後アトマイズするだけで複合粉末を得ることが可能となる工業的に極めて優れた効果を奏するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000180070 【氏名又は名称】山陽特殊製鋼株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年6月18日(2001.6.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074790 【弁理士】 【氏名又は名称】椎名 彊
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| 【公開番号】 |
特開2002−371304(P2002−371304A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月26日(2002.12.26) |
| 【出願番号】 |
特願2001−183151(P2001−183151) |
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