| 【発明の名称】 |
軟磁性金属粉末粒子、軟磁性金属粉末粒子の処理方法、軟磁性成形体、軟磁性成形体の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】八木 渉
【氏名】丸山 宏太
【氏名】伊豫田 義治
【氏名】中島 愛子
【氏名】寺澤 俊久
【氏名】神谷 直樹
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| 【要約】 |
【課題】透磁率を高くするのに有利な軟磁性金属粉末粒子、軟磁性金属粉末粒子の処理方法、軟磁性成形体、軟磁性成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】軟磁性の金属粉末粒子であって、切断面において、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数が平均で10個以内である。金属粉末粒子の表面には、金属粉末粒子の母相よりも比抵抗が高い高抵抗物質が生成していることが好ましい。軟磁性金属粉末粒子の処理方法は、軟磁性の金属粉末粒子を用い、金属粉末粒子を加熱雰囲気で高温に加熱することにより、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数を加熱前に比較して低減させる結晶粒数・低減処理を行う。軟磁性成形体は、上記した軟磁性の金属粉末粒子同士が接合されて構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】軟磁性の金属粉末粒子であって、切断面において、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数が平均で10個以内に設定されていることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子。 【請求項2】請求項1において、金属粉末粒子の表面には、金属粉末粒子の母相よりも比抵抗が高い高抵抗物質が生成していることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子。 【請求項3】請求項2において、高抵抗物質は、りん酸系化成処理被膜であることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子。 【請求項4】軟磁性の金属粉末粒子を用い、金属粉末粒子を加熱雰囲気で高温に加熱することにより、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数を加熱前に比較して低減させる結晶粒数・低減処理を行うことを特徴とする軟磁性金属粉末粒子の処理方法。 【請求項5】請求項4において、結晶粒数・低減処理は、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数を加熱前に比較して1/2以下に低減させることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子の処理方法。 【請求項6】請求項4において、結晶粒数・低減処理後の金属粉末粒子の切断面において、一個の金属粉末粒子内の結晶粒の数が平均で10個以内であることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子の処理方法。 【請求項7】請求項4において、加熱雰囲気は非酸化性雰囲気であり、加熱温度は750〜1350℃であることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子の処理方法。 【請求項8】切断面において、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数が平均で10個以内である請求項1〜請求項7の少なくともいずれか一項に記載の軟磁性の金属粉末粒子同士が接合されて構成されていることを特徴とする軟磁性成形体。 【請求項9】切断面において、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数が平均で10個以内である請求項1〜請求項7の少なくともいずれか一項に記載の軟磁性の金属粉末粒子を用い、金属粉末粒子の集合体を加圧成形または加熱加圧成形して軟磁性成形体を形成することを特徴とする軟磁性成形体の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、軟磁性金属粉末粒子、軟磁性金属粉末粒子の処理方法、軟磁性成形体及び軟磁性成形体の製造方法に関する。軟磁性とは、高透磁率を有すると共に、外部磁場の除去により残留磁気の低減が大きい性質をいう。 【0002】 【従来の技術】近年の産業機器等の進歩に伴い、軟磁性材料は、従来よりも更に高い透磁率が要望されている。更に、高い透磁率の他に、高い比抵抗(比抵抗)を有することが求められている。こられの要求に対し、これまでに種々の研究が進められ、種々の軟磁性金属粉末粒子が提案されてきた。 【0003】例えば、文献1(National Technical Report Vlo.40No.1 feb.1994)、文献2(特開平5−326289号公報)には、軟磁性の金属粉末粒子の表面に高い比抵抗をもつ酸化物を被覆した軟磁性金属粉末粒子を作製し、この軟磁性金属粉末粒子を高温・高圧焼結することにより鉄損の少ない軟磁性材料(軟磁性成形体)を得る技術が開示されている。また、文献3(特開平5−47541号公報)においては、軟磁性の金属粉末粒子上にメカノフュージョンにより高抵抗の軟磁性物質を被覆した軟磁性金属粉末粒子を作製し、これを高温・高圧焼結することにより鉄損の少ない軟磁性材料を得る技術が開示されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの軟磁性材料は、透磁率は必ずしも充分ではない。このため、透磁率を更に高めた軟磁性金属粉末粒子、軟磁性成形体が要望されている。 【0005】本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、透磁率を高くするのに有利な軟磁性金属粉末粒子、軟磁性金属粉末粒子の処理方法、軟磁性成形体、軟磁性成形体の製造方法を提供することを課題とする。殊に、請求項2、請求項3は、透磁率を高くするのに有利であり、且つ、比抵抗を高くするのに有利な軟磁性金属粉末粒子を提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は軟磁性金属粉末粒子、軟磁性成形体について鋭意開発を進めている。そして、切断面において、軟磁性をもつ一個の金属粉末粒子における結晶粒の数が平均で10個以内に設定すれば、軟磁性の金属粉末粒子で成形した軟磁性成形体の透磁率がかなり高くなることを知見し、試験で確認し、本発明を開発した。更に一個の金属粉末粒子における結晶粒の数を低減させるためには、750〜1350℃の高温に加熱保持すれば、金属粉末粒子の結晶粒数・低減処理を行ない得ることを知見し、試験で確認し、本発明を完成した。 【0007】即ち、本発明に係る軟磁性金属粉末粒子は、軟磁性の金属粉末粒子であって、切断面において、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数が平均で10個以内に設定されていることを特徴とするものである。これにより軟磁性の金属粉末粒子の透磁率が高くなる。 【0008】本発明に係る軟磁性金属粉末粒子の処理方法は、軟磁性の金属粉末粒子を用い、金属粉末粒子を加熱雰囲気で高温に加熱することにより、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数を加熱前に比較して低減させる結晶粒数・低減処理を行うことを特徴とするものである。これにより軟磁性の金属粉末粒子の透磁率が高くなる。更に金属粉末粒子は、同一重量・同一材質の塊体に比較して比表面積が大きいため、内部への伝熱が速やかに行われ、加熱時間つまり結晶粒数・低減処理に要する時間を短時間で済ませ得る。 【0009】本発明に係る軟磁性成形体は、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数が平均で10個以内に設定されている請求項1〜請求項7の少なくともいずれか一項に記載の軟磁性の金属粉末粒子同士が接合されて構成されていることを特徴とするものである。これにより軟磁性成形体の透磁率が高くなる。 【0010】本発明に係る軟磁性成形体の製造方法は、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数が平均で10個以内に設定されている請求項1〜請求項7の少なくともいずれか一項に記載の軟磁性の金属粉末粒子同士を用い、金属粉末粒子の集合体を加圧成形して軟磁性成形体を形成することを特徴とするものである。これにより軟磁性成形体の透磁率が高くなる。更に、軟磁性の金属粉末粒子を高温に加熱されることにより結晶粒数・低減処理が行われている場合には、金属粉末粒子における結晶粒の数の低減、つまり結晶粒のサイズの増大に伴い、金属粉末粒子の硬度の低減が期待されるため、金属粉末粒子の集合体を加圧成形して軟磁性成形体を形成する際、軟磁性成形体の高密度化が期待される。 【0011】 【発明の実施の形態】・金属粉末粒子の材質としては鉄系を採用することができる。鉄系は純鉄系でも良いし、合金元素を含む鉄系でも良い。即ち、一般に軟磁性材料として用いられる成分であるNi、Si、Al、P等の1種または2種以上を含むことができる。透磁率を低下させるC、O等は少ない方が好ましい。従って、金属粉末粒子の材質としては、純鉄、鉄−アルミニウム系、鉄−シリコン系、鉄−ニッケル系が例示される。Cは0.1%以下、殊に0.01%以下とすることができる。Oは0.5%以下、殊に0.1%以下とすることができる。金属粉末粒子は水アトマイズ法で製造したものでも良いし、ガスアトマイズ法で製造したものでも良いし、場合によっては、機械的破砕法で製造したものでも良い。 【0012】・金属粉末粒子の粒径が過剰に小さいと、満足する磁気時性が得られにくい。金属粉末粒子の粒径が過剰に大きいと、軟磁性成形体を圧縮成形する際に圧縮成形性が低下する。従って、金属粉末粒子の粒径としては10〜1000μm、殊に50〜300μm、50〜150μmを採用することができる。軟磁性成形体の密度を高めるためには、粒径を揃えた金属粉末粒子を用いるよりも、大きい粒径をもつ金属粉末粒子と小さい粒径をもつ金属粉末粒子とを併せて用いることが好ましい。 【0013】・切断面において、一個の金属粉末粒子内の結晶粒の数は、平均で10個以内に設定されている。10個を越えると、満足する透磁率が得られにくい。透磁率を高めるという意味では、一個の金属粉末粒子内の結晶粒の数は少ない方が好ましいが、加熱時間が長時間化し、コスト的に好ましくない。そこで透磁率の確保、コスト等の要因を考慮し、平均で、8個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下とすることができる。1〜6個の範囲、1〜5個の範囲、1〜4個の範囲を例示できる。 【0014】なお、一個の金属粉末粒子内の結晶粒を異なる基準で規定すれば、一個の金属粉末粒子の切断面において、一個の金属粉末粒子内の結晶粒の大きさは、JISG0552(鋼のフェライト結晶粒度試験方法)に基づいて、平均で、粒度番号の5番で規定される結晶粒よりも大きいものを採用することができる。 【0015】・上記したように切断面における結晶粒の数が平均で10個以内に設定されている軟磁性金属粉末粒子を製造するにあたっては、次のように行うことができる。即ち、軟磁性の金属粉末粒子を用い、金属粉末粒子を加熱雰囲気で高温に加熱することにより、金属粉末粒子における結晶粒の数を加熱前に比較して低減させる結晶粒数・低減処理を行う。結晶粒数・低減処理は、金属粉末粒子における結晶粒の数を加熱前に比較して1/2以下に低減させる形態を採用することができる。この場合には、結晶粒数・低減処理は結晶粒を加熱前に比較して1/3以下、1/4以下、1/5以下にする形態を採用することができる。なお、結晶粒の数が低減されるときには、一般的には、結晶粒のサイズが大きくなる。 【0016】金属粉末粒子を加熱する加熱雰囲気としては、金属粉末粒子を酸化させなくない場合には、非酸化性雰囲気を採用することが好ましい。金属粉末粒子を一部酸化させる場合には、鉄に対しては酸化性をもたないが、金属粉末粒子に含まれている合金元素に対しては酸化性をもつ雰囲気を採用することができる。上記した非酸化性雰囲気としては還元性雰囲気(例えば水素ガス雰囲気、水素ガス含有雰囲気)、真空雰囲気、アルゴンガス雰囲気が挙げられる。還元性雰囲気の場合には、金属粉末粒子の還元を図ることができるため、金属(一般的には鉄)本来がもつ透磁率を確保するのに有利である。また、鉄を主成分とすると共に鉄よりも酸化性の強い合金元素を所定含有量(例えば3.5重量%未満)含有してなる合金で軟磁性の金属粉末粒子が形成されている場合には、金属粉末粒子を加熱する加熱雰囲気としては、鉄に対しては還元雰囲気であると共に上記合金元素に対しては酸化雰囲気である雰囲気を採用することができる。この場合には、還元性ガスである水素ガスに水蒸気を含ませた雰囲気を採用することができる。 【0017】結晶粒数・低減処理における加熱温度が高ければ、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数の低減を図り、高い透磁率を得るのに有利であるが、消費熱エネルギが大きくなり、コスト的に不利となる。従って結晶粒数・低減処理における加熱温度としては、金属粉末粒子の材質、要請される透磁率、コスト等の要因を考慮して選択され、一般的には750〜1350℃を採用できる。従って上記要因の重視度合に応じて、加熱温度の上限値としては1320℃、1300℃、1280℃、1250℃、1220℃等を例示でき、加熱温度の下限値としては780℃、800℃、820℃、840℃、860℃、880℃、900℃、950℃等を例示できる。一個の金属粉末粒子における結晶粒の数の低減、コスト等の両立を考慮すれば、加熱温度としては800〜1320℃の範囲、820〜1280℃の範囲、850〜1220℃の範囲、900〜1100℃の範囲が好ましい。但しこれらに限定されるものではない。 【0018】加熱時間としては、要請される透磁率、加熱温度にもよるが、一般的には20分間〜2時間、30〜90分間を採用することができるが、10分間以上が好ましい。なお、金属粉末粒子の集合体は、同一重量、同一組成の金属塊体に比較して比表面積が大きいため、内部への伝熱が速やかに行われ、結晶粒を低減させるための加熱時間は、同一材質の金属塊体を加熱する場合に比較して短時間で済む。加熱方式としては特に限定されず、加熱炉内で伝熱加熱、輻射加熱することにしても良いし、誘導加熱することにしても良い。 【0019】・金属粉末粒子の表面には、金属粉末粒子の母相よりも比抵抗が高い高抵抗物質が被覆されていることが好ましい。これにより渦電流損を低減するのに有利である。殊に多数の金属粉末粒子を接合して成形体を形成したときに、金属粉末粒子の金属相同士が接合されることが抑えられ、軟磁性成形体の比抵抗の低下が抑えられる。よって渦電流損を低減するのに有利である。 【0020】・軟磁性をもつ金属粉末粒子は、鉄を主成分とすると共に鉄よりも酸化性の強い合金元素を含有していることが好ましい。これにより透磁率が良好な鉄の酸化を抑えつつ、鉄よりも酸化性の強い合金元素の酸化物を生成することにより、比抵抗の高い高抵抗物質を形成することができる。高抵抗物質は、軟磁性をもつ金属粉末粒子を加熱することにより、金属粉末粒子の表面において上記合金元素を選択酸化させて生成させた酸化物とすることができる。この場合には、上記金属粉末粒子に含有させる合金元素を所定値(3.5重量%)未満とするので、鉄リッチとなり、鉄本来の優れた透磁率、磁束密度を維持することができ、かつ、上記選択酸化により高抵抗物質を容易かつ均一に形成することができる。 【0021】なお、上記金属粉末粒子において鉄よりも酸化性の強い合金元素が過剰に少ない場合には、比抵抗の高い酸化物を高抵抗物質として形成することが困難となるので、上記合金元素の含有量の下限値は重量比で0.3%、0.5%とすることができる。鉄よりも酸化性の強い合金元素としては、例えば、Al、Si、Mg、Caのうちの1種または2種以上等が挙げられる。酸化性の強い合金元素の割合は、合金元素の種類にもよるが、必要な高抵抗物質の生成を考慮すると、3.5重量%未満、2.5重量%未満であることが好ましい。上記した酸化物で形成された比抵抗が金属粉末粒子の母相よりも高い高抵抗物質としては、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、マグネシウム酸化物、カルシウム酸化物が挙げられる。 【0022】上記高抵抗物質は、酸化ばかりではなく、金属粉末粒子に対して、メカニカルアロイとも呼ばれるメカノフュージョンによる機械的エネルギを用いて被覆することもできる。メカノフュージョンとは、混練時の衝突に伴う機械的エネルギにより付着物質を付着させる方法をいう。 【0023】・また、高抵抗物質としてはりん酸系化成処理被膜を採用することもできる。りん酸系化成処理被膜は比抵抗が高いため、渦電流損を低減するのに有利である。りん酸系化成処理被膜は、金属粉末粒子に単独で被覆されている形態を採用でき、または、比抵抗が高い酸化物と共に金属粉末粒子に被覆されている形態を採用できる。後者の場合には、選択酸化またはメカノフュージョン等により形成した第1の高抵抗物質の上に、さらに第2の高抵抗物質として機能できるりん酸系化成処理被膜が被覆される。この場合には、選択酸化またはメカノフュージョン等により形成された第1の高抵抗物質の剥離を抑え得る。 【0024】上記したりん酸系化成処理被膜は、りん酸を含有する処理液を用い、この処理液を高抵抗物質の表面に塗布し、処理液を乾燥させることにより形成することができる。この場合には、高抵抗物質の表面に容易にりん酸系化成処理被膜を形成することができる。処理液はほう酸、マグネシアを含むことができる。上記した場合、次の(a)(b)の形態を採用できる。 【0025】(a)鉄を主成分とすると共に鉄よりも酸化性の強い合金元素を所定値(3.5重量%)未満含有してなる合金よりなる軟磁性の金属粉末粒子を用意し、鉄に対しては還元雰囲気であると共に上記合金元素に対しては酸化雰囲気である雰囲気において金属粉末粒子を、結晶粒数・低減処理に相当する熱処理を行うことにより、金属粉末粒子における結晶粒を粗大化させて結晶粒の数を低減させると共に、金属粉末粒子の表面において上記した合金元素を選択酸化させた酸化物よりなる比抵抗が鉄よりも高い第1の高抵抗物質を形成し、次に、金属粉末粒子の表面に、りん酸を含有する処理液を塗布し、この処理液を乾燥させることにより、上記金属粉末粒子に生成された第1の高抵抗物質の表面に、第2の高抵抗物質としてりん酸系化成処理被膜を生成させた軟磁性金属粉末粒子を得る軟磁性金属粉末粒子の製造方法。本製造方法によれば、上記した優れた軟磁性金属粉末粒子を容易かつ確実に製造することができる。 【0026】(b)軟磁性の金属粉末粒子を用意し、軟磁性の金属粉末粒子と高い比抵抗をもつ高抵抗物質との存在下においてメカノフュージョンによる機械的エネルギーを付与することにより、上記金属粉末粒子の表面に第1の高抵抗物質を生成し、次に、第1の高抵抗物質の表面に、りん酸を含有する処理液を塗布し、処理液を乾燥させることにより、上記した金属粉末粒子の表面に、第2の高抵抗物質としてりん酸系化成処理被膜を生成させた軟磁性金属粉末粒子を得ることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子の製造方法。この場合には、第1の高抵抗物質の被覆をメカノフュージョンに基づく機械的エネルギにより行うので、金属粉末粒子と第1の高抵抗物質との組み合わせの自由度を大きくすることができる利点が得られる。メカノフュージョンにより金属粉末粒子の表面に被覆する材料としては、例えば、Mn−Znフェライト(Mn0.6 Zn0.3 Fe2.1 O4 )、SiO2が挙げられる。 【0027】・上記したように一個の金属粉末粒子における結晶粒の数が低減された軟磁性金属粉末粒子を用いて軟磁性成形体を製造する形態としては、次の実施形態が挙げられる。即ち、上記した軟磁性金属粉末粒子同士がりん酸系化成処理被膜による被覆状態を維持したまま、りん酸系化成処理被膜を介して接合されている軟磁性成形体が挙げられる。この軟磁性成形体では、高抵抗物質として機能できるりん酸系化成処理被膜による被覆状態を維持しているので、その内部の高抵抗物質による厚みも維持されており、高い比抵抗を確保することができ、渦電流損の低減に有利である。 【0028】・軟磁性成形体は、上記した軟磁性金属粉末粒子同士が接合されて構成されている。接合する手段としては、加圧成形または加熱加圧成形を例示できる。即ち、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数が低減された軟磁性金属粉末粒子の集合体を用い、軟磁性金属粉末粒子の集合体を加圧成形または加熱・加圧成形することにより、各軟磁性金属粉末粒子同士が接合された軟磁性成形体を得ることを特徴とする軟磁性成形体の製造方法を、実施形態として挙げることができる。また、軟磁性金属粉末粒子の集合体を加圧成形または加熱・加圧成形することにより、各軟磁性金属粉末粒子同士がりん酸系化成処理被膜による被覆状態を維持したまま、りん酸系化成処理被膜を介して接合された軟磁性成形体を得ることを特徴とする軟磁性成形体の製造方法を、実施形態として挙げることができる。 【0029】ここで、加熱・加圧成形とは、粒子の集合体を加熱すると共に加圧することにより一体的に結合させる成形方法をいう。本製造方法によれば、上記優れた軟磁性成形体を容易かつ確実に製造することができる。加熱・加圧成形の際の温度としては150〜600℃、450〜600℃が好ましい。温度が過剰に低い場合には、金属粉末粒子の変形抵抗が大きすぎ、緻密な軟磁性成形体を得るのに不利となる。温度が過剰に高い場合には、りん酸系化成処理被膜の変質という問題がある。加圧力は例えば2.0〜10tonf/cm2、殊に4.5〜7tonf/cm2とすることができるが、これに限定されるものではない。加圧時間は例えば5〜120秒、殊に10〜60秒とすることができるが、これに限定されるものではない。加圧する雰囲気としては、アルゴンガス雰囲気、大気雰囲気を採用することができる。なお、必要に応じて、製造された軟磁性成形体に対して400〜600℃付近で焼鈍することができる。 【0030】また、軟磁性の金属粉末粒子に対して結晶粒数・低減処理を行えば、金属粉末粒子内の結晶粒のサイズが大きくなり、金属粉末粒子の硬度低下を期待できるため、加圧成形する際の圧縮が容易となり、軟磁性成形体の密度を高めるのに有利である。この場合、軟磁性成形体の透磁率の向上、機械的強度の向上を図るのに有利である。 【0031】 【実施例】本発明の実施例を具体的に説明する。 (実施例1) (1)下記の軟磁性をもつ金属粉末粒子の集合体を用意した。 【0032】組成:重量比で、Fe−0.004%C−0.25%O−0.01%Si−0.01Mn−0.001%P製法:ガスアトマイズ法粒子粒径:50〜150μm上記したように粒子粒径を50〜150μmと広く分散させたのは、軟磁性成形体の高密度化のためには、粒径を揃えた金属粉末粒子だけを用いるよりも、大きい粒径をもつ金属粉末粒子と小さい粒径をもつ金属粉末粒子とを併用することが好ましいからである。 【0033】次に、上記した金属粉末粒子の集合体を加熱雰囲気である還元性雰囲気(純水素ガス雰囲気)において1000℃に1時間保持する熱処理、つまり結晶粒数・低減処理を行った。その後、炉冷した。上記した結晶粒数・低減処理により軟磁性の金属粉末粒子において結晶粒のサイズを粗大化させ、一個の金属粉末粒子の一断面における結晶粒の数が平均で10個以下(殊に5個以下)の軟磁性金属粉末粒子を形成した。一個の金属粉末粒子において、処理後の結晶粒の径サイズは組織観察により約100μmであった。 【0034】(2)上記した結晶粒数・低減処理を行った金属粉末粒子の粉末100gをりん酸系化成処理液(主成分:りん酸、ほう酸、マグネシア)5ccに混合した。りん酸系化成処理液は、水1リットル当たり、重量でりん酸163g、ほう酸30g、マグネシア30gを含む。その後、200℃×20分間乾燥させた。その後、乾燥したものを解砕した。解砕後の金属粉末粒子にはりん酸系化成被膜が被覆されている。 【0035】(3)上記したりん酸系化成被膜を被覆した軟磁性粉末50gを大気中において、450℃に保持した成形型の成形キャビティに装填した。これにより成形温度450℃、成形圧力7tonf/cm2 の条件で、軟磁性金属粉末粒子の集合体を加熱・加圧成形することにより、外径30mmの円柱状をなす高密度の軟磁性成形体を得た。この軟磁性成形体の密度は7.55gf/cm3 であった。この場合、上記軟磁性成形体の重量を電子上皿天秤で測定し、マイクロメーターで軟磁性成形体の寸法を測定して体積を求め、密度=(重量/体積)にて、軟磁性成形体の密度を算出した。 【0036】(4)軟磁性成形体の磁束密度は次のように求めた。即ち、軟磁性成形体から、直径10mm×10mmのサイズをもつ円柱体をワイヤーカットにより作製し、この円柱体を直流磁化特性自動記録装置(理研電子(株)製(BHU−60))の電磁石にはさみ、H=625[Oe](Oe:エルステッド)の印加磁場中にて、磁束密度B625=1.92T(T:テスラ)の値を得た。また最大透磁率μmは300(比透磁率)が得られた。1[Oe]≒79[A・m-1]とすれば、625[Oe]はSI単位系で49375[A・m-1]である。この際、上記した結晶粒数・低減処理を行わない従来技術に係る成形体では最大透磁率μmは200であり、低かった。軟磁性成形体においても、一個の粒子の一断面における結晶粒の数が平均で10個以下(殊に5個以下)であった。 【0037】なお本実施例では、還元性雰囲気において金属粉末粒子を加熱することにより結晶粒数・低減処理を行っているため、金属粉末粒子における酸化成分の除去に有利であり、鉄本来のもつ透磁率を確保するのに有利である。 【0038】(5)軟磁性成形体の体積鉄損測定は次のように行った。即ち、前記した軟磁性成形体から、直径11mm×直径15mm×厚み2mm(あるいは、直径19mm×直径26mm×厚み2mm)のサイズをもつリング体をワイヤーカットにより作製した。このリング体に1次側側、2次側ともに、50ターンのコイルを巻き、交流磁気特性装置(岩崎通信機(株)製、B−HanalyzerSY−8232)にて、10kHz、鉄損は50mTで105kW/m3 という低い値が得られた。 【0039】(6)軟磁性成形体の比抵抗測定は次のように行った。即ち、前記した軟磁性成形体から、2mm×3mm×12mmのサイズをもつ直方体をマイクロカッターにより作製した。直方体の表面をバフ研磨により鏡面仕上げした。その後、四端子法により10000μΩ・cmという高い比抵抗の値が得られた。 【0040】(実施例2)実施例2は実施例1と基本的には同様な条件で行った。以下、実施例1と異なる部分を中心として説明する。実施例2では、軟磁性をもつ金属粉末粒子の組成は、重量比で、Fe−0.004%C−0.03%O−3.0%Si−0.01%Mn−0.001%Pである。つまり、軟磁性をもつ鉄を主成分とする金属粉末粒子には、鉄よりも酸化性が強い合金元素として、Siが約3.5%未満含まれている。 【0041】実施例2では、金属粉末粒子を加熱する雰囲気は、窒素雰囲気中に体積比で3%の水素が含まれ、H2/H2O=10とされている。これにより金属粉末粒子の主成分である鉄に対しては酸化性が弱いものの、Siに対しては酸化性をもつ雰囲気となるようにされている。従ってSiは金属粉末粒子においてSi酸化物となる。このSi酸化物は、金属粉末粒子の主成分である鉄よりも比抵抗が高い高抵抗物質となる。 【0042】上記した雰囲気において1000℃に1時間保持する熱処理、つまり結晶粒数・低減処理を行った。これにより軟磁性の金属粉末粒子において結晶粒のサイズを粗大化させ、一個の金属粉末粒子の一断面における結晶粒の数が平均で10個以下(殊に5個以下)の軟磁性金属粉末粒子を形成すると共に、合金元素の酸化物を生成した。前述したように、合金元素の酸化物は比抵抗が鉄よりも高いため、渦電流損を抑えるための高抵抗物質として機能できる。 【0043】更に、上記した結晶粒数・低減処理を行った金属粉末粒子の粉末をりん酸系化成処理液(主成分:りん酸、ほう酸、マグネシア)に混合した。更に、処理液から取り出して乾燥させた。その後、乾燥したものを解砕した。この金属粉末粒子にはりん酸系化成被膜が被覆されている。りん酸系化成被膜は合金元素の酸化物を被覆するため酸化物の脱離を抑えるのに有利である。 【0044】上記したりん酸系化成被膜を被覆した軟磁性粉末を大気中において、加熱された成形型の成形キャビティに装填し、軟磁性粉末を加熱・加圧成形することにより、円柱状をなす高密度の軟磁性成形体を得た。実施例2に係る軟磁性成形体においても、実施例1の場合と同様に、透磁率が各段に向上していた。 【0045】(実施例3)実施例3は実施例2と基本的には同様な条件で行ない、基本的には同様の効果が得られた。以下、実施例2と異なる部分を中心として説明する。実施例3では、軟磁性をもつ金属粉末粒子の組成は、重量比で、Fe−0.004%C−0.03%O−3.0%Al−0.01%Mn−0.001%Pである。つまり、軟磁性をもつ鉄を主成分とする金属粉末粒子には、鉄よりも酸化性が強い合金元素として、Alが約3.5%未満含まれている。そして結晶粒数・低減処理により軟磁性の金属粉末粒子において結晶粒のサイズを粗大化させ、一個の金属粉末粒子の一断面における結晶粒の数が平均で10個以下(殊に5個以下)の軟磁性金属粉末粒子を形成すると共に、合金元素であるAlの酸化物を生成した。更に実施例2と同様に、りん酸系化成被膜を被覆した軟磁性粉末を大気中において、加熱された成形型の成形キャビティに装填し、軟磁性粉末を加熱・加圧成形することにより、円柱状をなす高密度の軟磁性成形体を得た。実施例3に係る軟磁性成形体においても、実施例1の場合と同様に、透磁率が各段に向上していた。 【0046】(試験例) ・試験例1試験例1は基本的には実施例1に基づいた。図1はガスアトマイズ法で製造した軟磁性の金属粉末について結晶粒数・低減処理を行なう前の顕微鏡写真(倍率200倍、ナイタル腐食)の模式図を示す。図2は同粉末に対して結晶粒数・低減処理(純水素雰囲気、温度1000℃、時間60分)を行なった後の顕微鏡写真(倍率200倍、ナイタル腐食)の模式図を示す。図1及び図2の比較から理解できるように、結晶粒数・低減処理を行う前は、一個の粒子の切断面において結晶粒は10個を越えていた。結晶粒数・低減処理を行った後は、結晶粒のサイズは大きくなっており、一個の粒子の切断面において結晶粒は2〜3個であった。つまり、結晶粒数・低減処理により、一個の粒子の切断面において結晶粒は1/3〜1/5に低減されていた。 【0047】そして、上記した金属粉末粒子の粉末に対してりん酸系化成被膜処理を行い、りん酸系化成被膜を被覆した金属粉末粒子の粉末を用い、実施例1に基づいて加熱加圧成形を行い、高密度の軟磁性成形体を得た。図4はこの軟磁性成形体の顕微鏡写真(倍率400倍、ナイタル腐食)の模式図を示す。図4に示すように、軟磁性成形体についても、切断面において、一個の金属粉末粒子内で結晶粒は1個、2個、3個であった。つまり平均で数個以内(3個以内)であった。 ・比較例1比較例1は試験例1と同様な条件に基づいて行った。但し比較例1では、結晶粒数・低減処理は行われていない。比較例1に係る粒子に対しても同様にりん酸系化成被膜を被覆し、更に、りん酸系化成被膜を被覆し金属粉末粒子の粉末を用い、実施例1の場合と同様に加熱加圧を行い、高密度の成形体を得た。図3はこの軟磁性成形体の顕微鏡写真(倍率400倍、ナイタル腐食)の模式図を示す。図4に示すように、軟磁性成形体についても、切断面において、一個の金属粉末粒子内で結晶粒の数は平均で50個程度であった。 ・試験例2試験例2は基本的には実施例1に基づいた。図5は水アトマイズ法で製造した軟磁性の金属粉末について結晶粒数・低減処理を行なう前の顕微鏡写真(倍率200倍、ナイタル腐食)の模式図を示す。図6は同粉末に対して結晶粒数・低減処理を行なった後の顕微鏡写真(倍率200倍、ナイタル腐食)の模式図を示す。金属粉末粒子の組成は重量比で、Fe−0.001%C−0.1%O−0.02%Si−0.18%Mn−0.014%P−0.013%Sであった。結晶粒数・低減処理等の各条件は、実施例1に基づいた。図5及び図6の比較から理解できるように、結晶粒数・低減処理を行う前は、一個の粒子の切断面において結晶粒は平均で50個程度であった。これに対して結晶粒数・低減処理を行った後は、一個の金属粉末粒子の切断面において結晶粒の数は平均で10個以下であった。つまり結晶粒数・低減処理により、一個の金属粉末粒子における結晶粒の数は1/5程度に低減されていた。 【0048】そして、上記したりん酸系化成被膜を被覆した金属粉末粒子の粉末を用い、加熱加圧を行い、高密度の軟磁性成形体を得た。図7はこの軟磁性成形体の顕微鏡写真(倍率200倍、ナイタル腐食)の模式図を示す。図7に示すように、軟磁性成形体についても、切断面において、一個の金属粉末粒子内で結晶粒は平均で10個以内であった。 【0049】・本発明者らは、一個の軟磁性の金属粉末粒子の切断面における結晶粒の数と、結晶粒数・低減処理における加熱温度との関係を求めた。図8はその結果を示す。図8の縦軸は一個の粒子の切断面における結晶粒の数(平均)を示し、図8の横軸は結晶粒数・低減処理における加熱温度(℃)を示す。図8に示すように、加熱温度が増加すると、結晶粒の数が減少していた。一個の粒子の切断面における結晶粒の数を10個以内(平均)に規定するためには、加熱温度は800℃以上が望ましいことがわかる。好ましくは850℃以上が良いことがわかる。 【0050】また、本発明者らは、軟磁性金属粉末粒子の集合体を加熱加圧成形した軟磁性成形体の透磁率と、結晶粒数・低減処理における加熱温度との関係を求めた。図9はその結果を示す。図9の縦軸は軟磁性成形体の透磁率を示し、図9の横軸は結晶粒数・低減処理における加熱温度(℃)を示す。図9に示すように、加熱温度が増加すると、軟磁性成形体の透磁率が増加していた。結晶粒のサイズが粗大化し、1個の粒子における結晶粒の数が減少してためと考えられる。 【0051】その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例、試験例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。実施の形態、実施例、試験例に記載した語句は一部であっても請求項に記載できるものである。 【0052】(付記)上記した記載から次の技術的思想も把握できる。 (付記項1)軟磁性の金属粉末粒子と、その表面に被覆された高抵抗物質と、高抵抗物質の表面に被覆された化成処理被膜(例えばりん酸系化成処理被膜)とを有し、金属粉末粒子は、切断面において、一個の金属粉末粒子における結晶粒が平均で10個以内であることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子。 (付記項2)軟磁性の金属粉末粒子と、その表面に被覆された高抵抗物質(りん酸系化成処理被膜等の化成処理被膜)とを有し、金属粉末粒子は、切断面において、一個の金属粉末粒子における結晶粒が平均で10個以内であることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子。 (付記項3)付記項1または2において、金属粉末粒子は、鉄を主成分とすると共に鉄よりも酸化性の強い合金元素を3.5重量%未満含有してなる組成をもつ合金よりなり、かつ、上記高抵抗物質は、上記金属粉末粒子を加熱することにより金属粉末粒子の表面において上記合金元素を選択酸化させて生成させた酸化物であることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子。 (付記項4)付記項1〜3において、高抵抗物質は、軟磁性金属粉末粒子に対して、メカノフュージョンによる機械的エネルギーを用いて被覆してあることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子。 (付記項5)付記項1〜4において、上記りん酸系化成処理被膜は、りん酸を含む処理液を上記高高抵抗物質の表面に塗布し、該処理液を乾燥させることにより得られたものであることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子。 (付記項6)付記項1〜5のいずれか1項に記載の上記軟磁性金属粉末粒子同士が上記りん酸系化成処理被膜による被覆状態を維持したまま該りん酸系化成処理被膜を介して接合されていることを特徴とする軟磁性成形体。 (付記項7)鉄を主成分とすると共に鉄よりも酸化性の強い合金元素を3.5重量%未満含有してなる合金よりなる軟磁性の金属粉末粒子を準備し、鉄に対しては還元雰囲気であると共に上記合金元素に対しては酸化雰囲気である雰囲気下において上記金属粉末粒子を加熱することによりその表面において上記合金元素を選択酸化させた酸化物よりなる高抵抗物質を形成し、次に、高抵抗物質の表面に、りん酸を含む処理液を塗布し、処理液を乾燥させることにより、上記金属粉末粒子と、その表面に被覆された高抵抗物質と、高抵抗物質の表面に被覆されたりん酸系化成処理被膜とよりなる軟磁性金属粉末粒子を得ることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子の製造方法。 (付記項8)一個の金属粉末粒子における結晶粒が平均で10個以内である軟磁性の金属粉末粒子を用い、金属粉末粒子と高抵抗物質との存在下においてメカノフュージョンによる機械的エネルギーを付与することにより、上記金属粉末粒子の表面に上記高抵抗物質を被覆し、次いで、該高抵抗物質の表面に、りん酸を含有する処理液を塗布し、処理液を乾燥させることにより、上記金属粉末粒子と、その表面に被覆された高抵抗物質と、高抵抗物質の表面に生成さたれりん酸系化成処理被膜とよりなる軟磁性金属粉末粒子を得ることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子の製造方法。 (付記項9)付記項1〜付記項8のいずれか一項に記載の上記軟磁性金属粉末粒子の集合体を加圧成形または加熱・加圧成形することにより、各軟磁性金属粉末粒子同士がりん酸系化成処理被膜による被覆状態を維持したままりん酸系化成処理被膜を介して接合された軟磁性成形体を得る事を特徴とする軟磁性成形体の製造方法。 (付記項10)金属粉末粒子を加熱雰囲気で高温に加熱することにより、金属粉末粒子における結晶粒の数を加熱前に比較して低減させる結晶粒数・低減処理が行われていることを特徴とする軟磁性金属粉末粒子。 (付記項11)金属粉末粒子を加熱雰囲気で高温に加熱することにより、金属粉末粒子における結晶粒の数を加熱前に比較して低減させる結晶粒数・低減処理が行われている軟磁性金属粉末粒子を固結して形成されていることを特徴とする軟磁性成形体。 (付記項12)軟磁性成形体を構成する多数の金属粒子うちの一の金属粒子の断面において、結晶粒の数が平均で10個以下(殊に7個以下、5個以下または3個以下)である軟磁性成形体。 【0053】 【発明の効果】本発明に係る軟磁性金属粉末粒子によれば、透磁率を向上させるのに有利である。本発明に係る軟磁性金属粉末粒子の処理方法によれば、透磁率が高い軟磁性金属粉末粒子を得るのに有利である。本発明に係る軟磁性成形体によれば、透磁率を向上させるのに有利である。 【0054】本発明に係る軟磁性成形体の製造方法によれば、透磁率を向上させるのに有利である。更に軟磁性の金属粉末粒子を加熱保持して結晶粒数・低減処理すれば、結晶粒の数の低減ばかりか、金属粉末粒子の硬度の低減を期待できるため、軟磁性の金属粉末粒子の集合体を圧縮成形する際に高密度化を図り得、これにより軟磁性成形体の透磁率の向上に一層有利となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000011 【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年10月16日(2000.10.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081776 【弁理士】 【氏名又は名称】大川 宏
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| 【公開番号】 |
特開2002−121601(P2002−121601A) |
| 【公開日】 |
平成14年4月26日(2002.4.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−315282(P2000−315282) |
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