| 【発明の名称】 |
粉末成形装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】甲田 実
【氏名】亀井 祐次
【氏名】佐藤 秀雄
【氏名】小林 勝
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| 【要約】 |
【課題】油圧ユニットの所要出力を小さくして、設備コストおよびランニングコスト等を大きく低減させる。
【解決手段】ダイ2と、上パンチプレート3に取付けた上パンチ4と、固定パンチプレート5に取付けた下パンチ6とを具えるものであり、下パンチ6を、固定パンチ7と可動パンチ8とで構成し、固定パンチプレート5に、可動パンチ8を直接的に進退変位させる駆動用シリンダ9および、可動パンチ8を間接的に支持するとともに微速作動させる、駆動用シリンダ9より大出力の位置決めシリンダ11のそれぞれを設け、この位置決めシリンダ11と可動パンチ8との掛脱を司る可動ブロック12を設けてなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ダイプレートに設けたダイと、上パンチプレートに取付けられてダイ内へ進入する上パンチと、固定パンチプレートに取付けられてダイ内へ進入する下パンチとを具える粉末成形装置であって、少なくとも一方のパンチを、複数の部分パンチにより構成し、それらの部分パンチの少なくとも一つを可動パンチとし、いずれか一方のパンチプレート側に、その可動パンチを直接的に進退変位させる駆動用シリンダおよび、可動パンチを間接的に支持するとともに微速作動させる、前記駆動用シリンダより大出力の位置決めシリンダのそれぞれを設け、この位置決めシリンダと可動パンチとの掛脱を司る可動ブロックを設けてなる粉末成形装置。 【請求項2】 下パンチの複数の部分パンチの少なくとも一つを前記可動パンチとしてなる請求項1に記載の粉末成形装置。 【請求項3】 上下各パンチの、複数の部分パンチの少なくとも一つを前記可動パンチとしてなる請求項1に記載の粉末成形装置。 【請求項4】 ダイプレートに、下パンチの可動パンチを下方へ押圧する抜き出し補助ロッドを設けてなる請求項1〜3のいずれかに記載の粉末成形装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、粉末成形装置の改良に関し、とくに、上下少なくとも一方のパンチの可動パンチを流体圧シリンダをもってストロークさせるものにあって、油圧ユニットの出力を有利に低減させてなお、所期した通りの高品質の圧粉成形体をもたらすものである。 【0002】 【従来の技術】従来の粉末成形装置としては、たとえば図6に概略を縦断面図で示すものがある。縦断面形状がほぼT字状をなす圧粉成形体を製造するこの装置は、ダイプレート111に設けたダイ112と、上パンチプレート113に取付けられてダイ112内へその上方側から進入する上パンチ114と、固定パンチプレート115に取付けられてダイ112内へその下方から進入する下パンチ116とを具えるものであり、ここで、上パンチ114は、上パンチプレート113を介して機械プレスの上ラムに、またダイプレート111は、タイロッド117によってそこに連結された抜き出しプレート118を介して機械プレスの下ラムにそれぞれ取付けられている。 【0003】そしてこの装置では、下パンチ116を二個の部分パンチにより構成するとともに、柱状をなすその一方を、固定パンチプレート115上に立設した固定パンチ119とし、その他方を、筒状をなして固定パンチ119に外接し、可動パンチシリンダ120によって直接的に進退変位される可動パンチ121としてなる。 【0004】このような装置をもって、たとえば、縦断面形状がほぼT字状をなし、高さが25mm、大径部および小径部のそれぞれの直径が35mmおよび15mmで、それらの各高さが12.5mmである圧粉成形体を製造する場合には、上パンチ114、ダイ112および可動パンチ121のそれぞれを、固定パンチ119に対して、たとえば図7に作動線図で示すように相対変位させることで所要の圧粉成形体Pを形成することができる。 【0005】ここにおいて、充填工程では、ダイ112と下パンチ116とによって区画された成形空間内へ原料粉末Rを充填し、続く加圧工程では、上パンチ114の下降変位下で、それのダイ112内への進入、圧粉成形体Pの寸法に応じた可動パンチ121の下降変位および、ウィズドロアル法に基づくダイ112の下降変位のそれぞれをもたらし、そして、最終加圧工程では、可動パンチ121およびダイ112を停止させて、上パンチ114を、機械プレスの上ラムの作用の下に下降させることで、原料粉末Rを強く押し固めて、製品としての圧粉成形体Pを形成する。 【0006】その後は、パンチ撓み補正工程で、圧粉成形体Pへのいわゆる撓み割れの発生を防止するために、上パンチ114の、低速での上昇変位に基づく、それの、ダイ112からの抜け出し変位により、負荷を解除された固定パンチ119が、それの弾性復元力によって元形状に復帰するのとタイミングを合わせて、可動パンチ121を微小上昇させて、圧粉形成体Pの下面への局部的な力の集中を防止する。 【0007】そして抜き出し工程では、上パンチ114の上昇変位下で、ダイ112を下降させて、圧粉成形体Pの上部をダイ112の上方へ突出させるとともに、可動パンチ121をもまた下降変位させて、それらがともに、固定パンチ119の先端と同一レベルに達したときに、その下降変位を停止させて、圧粉成形体Pの払出しを行う。 【0008】このようにして、一の圧粉成形体Rの形成および、その成形体Rの払出しを行った後は、ダイ112および可動パンチ121のそれぞれを初期位置まで上昇変位させて、区画される成形空間への原料粉末Rの再度の充填を準備し、以下同様の工程を繰返す。 【0009】なお、このようなそれぞれの工程は、たとえば、可動パンチ121を取付けた可動パンチプレート122と、固定パンチプレート115との間に設けた、図示しないリニアセンサによって可動パンチ121の位置を検出することに基づいた油圧サーボバルブのCNC制御によって、可動パンチシリンダ120の作動をコントロールすることにより行うことができる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような従来技術にあって、たとえば、機械プレスの速度を8SPMに設定して、機械プレスの下ラムに連結されたダイ112の、充填準備工程での上昇速度を約80mm/sとすると、機械プレスのこの動きに粉末成形速度を対応させるためには、上記工程での可動パンチ121の上昇速度もまた80mm/sとすることが必要になる。 【0011】ここで、可動パンチ121の受け能力を400kNと設定し、可動パンチシリンダ120の有効直径を(320−125)mmとすると、有効受圧面積は292cm2、油圧は14MPaとなって、充填準備工程での、可動パンチシリンダ120への供給油量は、図8に棒グラフで示すように、292×8×60×10-3=140リットル/minという多量になり、かかる流量を得るためには、ほぼ4.4kW程度の油圧ユニットが必要になる。 【0012】すなわち、成形速度を8SPMとすると1サイクルに要する時間は60/8=7.5sとなり、作動線図における可動パンチシリンダ120の作動時間はそれぞれ加圧工程 0.834s抜出工程 0.169s充填工程 0.311sとなる。 よって、可動パンチシリンダ120は1サイクル7.5s中に作動時間 1.314s停止時間6.186sとなり作動に必要な油体積は292cm2×2.5cm×2=1460cm3となる。停止時間に上記油量をチャージする場合には、1460cm3/6.186s=236cm3=14.16リットル/minとなる。ここで、油動力はP×Q/60/ηで算出されるので、ポンプ設定圧力を16.5Mpa、効率η=0.88とすると、Kw=16.5×14.16/60/0.88=4.4kwとなる。 【0013】しかるに、機械プレス本体のモータ容量は400kNの仕様で5.5kWであることよりすれば、粉末成形作業のための上述したような大きな油圧ユニットは、機械プレスにそぐわないものであって、粉末成形装置の設備コストおよびランニングコストの著しい増加の原因となる等の問題があった。 【0014】そこで、この発明は、油圧ユニットの所要出力を、従来技術に比してはるかに低減させることができ、これにより、設備コストおよびランニングコスト等をもまた大きく低減できる粉末成形装置を提供することを主たる目的とする。 【0015】この発明の他の目的は、圧粉成形体の抜き出し工程において、大きな力を必要とする可動パンチの変位の開始を、機械プレスの動力をもってアシストすることで小さな油圧出力の下での円滑にして確実な抜き出しを担保するにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】この発明は、少なくとも一つの可動パンチを含む複数の部分パンチよりなるこの種のパンチにおける、その可動パンチの動きを見た場合、充填準備工程、いわゆるトラストファ工程、最終加工工程に至るまでの加工工程および、抜き出し工程の中期以降等では、可動パンチの移動速度を速めることが必要である一方で、力はそれほど必要ではなく、また、最終加圧工程ならびに、パンチ撓み補正工程での、可動パンチの微小変位の開始時、抜き出し工程の開始時および、同工程中の可動パンチの変位開始時等のような、静止摩擦の作用状態からの変位開始に当っては、大きな力が必要である一方で、速度はほとんど必要としない点に着目し、可動パンチの変位を、大きな出力と、小さなストロークとを有する大径シリンダと、速度が速く、出力が小さい小径シリンダとの両者によって制御することとしたものであり、この発明に係る粉末成形装置は、機械プレスの動力で昇降変位されるダイプレートに設けたダイと、機械プレスの上ラムによって作動される上パンチプレートに取付けられてダイ内へ進入する上パンチと、固定パンチプレートに取付けられてダイ内へ進入する下パンチとを具えるものであり、少なくとも一方のパンチを、複数の部分パンチにより構成するとともに、それらの部分パンチの少なくとも一つを可動パンチとし、いずれか一方のパンチプレート側に、その可動パンチを直接的に進退変位させる駆動用シリンダおよび、可動パンチを間接的に支持するとともに微速作動させる、前記駆動用シリンダより大出力の位置決めシリンダをそれぞれ設け、この位置決めシリンダと可動パンチとの掛脱を司る可動ブロックを設けたものである。ここで好ましくは、ダイプレートに、下パンチの可動パンチを下方へ押圧する抜き出し補助ロッドを設ける。 【0017】ここにおいて、下パンチの、複数の部分パンチの少なくとも一つを前記可動パンチとし、たとえば、この下パンチを、従来技術で述べたと同様の、一の固定パンチと一の可動パンチとからなる構成とした場合には、上下のそれぞれのパンチおよびダイの、図7に示すような作動に基づいて、所期した通りの圧粉成形体Pを形成できるとともに、その成形体Pを、撓み割れ等の発生なしにダイから抜き出すことができる。 【0018】ところで、この成形装置では、可動パンチの高速変位が必要な、充填準備工程、加工工程および、抜き出し工程の中期以降それぞれでは、小出力の駆動用シリンダに、少量の圧油を供給することによって、可動パンチを所要の位置まで迅速に変位させることができる。 【0019】また、加圧工程に続く最終加工工程では、可動パンチ、直接的には、それを取付けた可動パンチプレートを、可動ブロックの作用に基づいて、大出力の位置決めシリンダに掛合させて、上パンチの、機械プレスの上ラムによる大きな押込み力をその位置決めシリンダによって支持することで、ダイ内の粉末に所要の押固め力を十分に作用させることができる。なおこの場合、位置決めシリンダのピストン位置を適宜に選択することで、可動パンチの下降限位置および押固め力等を容易に微調整することができる。 【0020】またこの位置決めシリンダは、パンチ撓み補正工程で、上パンチの上昇に伴う、圧粉成形体Pに作用する負荷の減少によって、固定パンチが弾性復帰する場合に、その弾性復帰に同期させて、可動パンチを、大きな力で、弾性復帰量と対応する量だけ微小上昇させるべくも機能する。これにより、圧粉成形体Pは、固定パンチおよび可動パンチのそれぞれにより、その下面側から十分均等に支持されることになり、そこへの局部的な力の作用に起因する、圧粉成形体Pへの撓み割れの発生が十分に防止されることになる。 【0021】さらに、大きな力を必要とする、抜き出し工程の開始は、タイロッドおよび抜き出しプレートを介して、機械プレスの下ラムに連結したダイプレート、ひいては、ダイを大きな力で下降変位させ、そして好ましくは、そのダイプレートの下降途中で、可動パンチ、直接的には可動パンチプレートに、ダイプレートに設けた抜き出し補助ロッドをもって下向きの外力を作用させて、その可動パンチの、大きな力を必要とする下降の開始をアシストし、以後,可動パンチを、主には、それの駆動用シリンダのそれぞれの作用下で、ダイとともに、固定パンチの上面と同一レベルまで下降変位させ、これらの結果として、圧粉成形体Pを、ダイから完全に露出した払出し姿勢とする。 【0022】その後は、圧粉成形体Pの払出しを行い、続いて、原料粉末Rの再度の充填を準備するために、上ラムの作用下でダイを、そして駆動用シリンダの作用下で可動パンチを、ともに高速で初期位置に復帰させて一の成形サイクルを終了する。 【0023】以上、この発明に係る粉末成形装置を、従来技術に倣って、可動パンチを下パンチだけに設ける場合について説明したが、上パンチだけに同様の可動パンチを設けること、または、上下のパンチをともに、複数の部分パンチで構成し、上下それぞれの部分パンチの少なくとも一つを可動パンチとすることも可能であり、これらのいずれの場合にも、撓み割れ等のないすぐれた品質の圧粉成形体Pを製造し得ることはもちろん、駆動用シリンダと位置決めシリンダとの機能分離および、機械プレスによる可動パンチの作動アシストにより、油圧ユニットの出力を大きく低減させて、設備コスト、ランニングコスト等を効果的に低減させることができる。 【0024】 【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明する。図1は、この発明の実施の形態を示す、図6と同様の略線断面図であり、図中1はダイプレートを、2は、ダイプレート1に設けたダイをそれぞれ示す。 【0025】ここでは、機械プレスの上ラムに連結される上パンチプレート3に、単一構造の上パンチ4を取付ける一方、固定パンチプレート5に下パンチ6を取付け、この下パンチ6を、固定パンチ7と、固定パンチ7に外接する円筒状をなして、固定パンチ7に対して昇降変位可能な可動パンチ8とで構成する。 【0026】ここにおいて、固定パンチ7は、固定パンチプレート5上に直接的に立設させてなり、可動パンチ8は、小出力で、高速大ストロークの駆動用シリンダ9をもって固定パンチプレート5に連結した可動パンチプレート10に取付けてなる。 【0027】またここでは、固定パンチプレート5の、固定パンチ立設部の周りに、大出力で小ストロークの位置決めシリンダ11を配設し、この位置決めシリンダ11を可動パンチ8の支持および微速作動に寄与させるべく、可動パンチプレート10の下面に、可動ブロック12を水平変位可能に配設するとともに、その可動ブロック12の進退変位をもたらす駆動シリンダ13を配設して、可動ブロック12の進出状態で、そのブロック12、ひいては、可動パンチプレート10を、位置決めシリンダ11のピストンロッド11aの端面に掛合可能ならしめる。 【0028】さらにこの実施形態では、ダイプレート1を、ダイロッド14を介して抜き出しプレート15に連結するとともに、このダイプレート1の下面に、そこから下方へ突出して可動パンチプレート10に当接する抜き出し補助ロッド16を設ける。この補助ロッド16は、機械プレスの上ラムの下降変位に伴う、抜き出しプレート15およびダイプレート1の下降変位に基づいて可動パンチプレート10に当接してそれの下降変位をアシストするべく機能する。 【0029】このように構成してなる粉末成形装置による圧粉成形体の製造もまた、ダイ2、上パンチ4および可動パンチ8のそれぞれを、図7に示すように作動させることにより行うことができ、この場合、加圧工程における、ダイ2および可動パンチ8の下降変位を、図2(a)に示すように、駆動シリンダ13の作用下での可動ブロック12の進出状態にて行い、その可動ブロック12を最終加圧工程で、図2(b)に示すように、位置決めシリンダ11のピストンロッド11aに当接させることにより、上パンチ4が、その後に原料粉末Rに及ぼす大きな押込め力、なかでも可動パンチ8に作用する押込め力をその位置決めシリンダ11によって支持して、所期した通りの形状および寸法の圧粉成形体Pの形成を可能ならしめる。 【0030】従ってここでは、加圧工程での、負荷のほとんど作用しない、可動パンチ8の下降は、駆動用シリンダ9により行われるも、最終加圧工程では、その駆動用シリンダ9を機能させることが不要であり、位置決めシリンダ11に関しても、ピストン位置を所要に応じて特定することで、そこへの圧油の供給が不要である。 【0031】ところでここにおけるピストン位置の特定、いいかえれば、加圧完了位置の微調整はプレスが停止している間に、指令値を与えて、その位置に移動させ停止させることにより行われ、この時には圧油の供給が必要になる。なおここで、油圧サーボバルブを用いる場合は、ピストンロッドが停止している時でも、上下のポートから同圧の圧油が供給されるので、最終加圧工程にて加圧完了位置を決定する時も、その反力相当分を下側のポートより圧油を供給して、最終加圧力に負けないように位置保持を行う必要から、本工程においては、油の体積の変動は無いも、圧力の変動は不可避となる。 【0032】また、パンチ撓み補正工程では、上パンチ4の上昇によって、圧粉成形体Pに作用する負荷が減少することに基づいて、固定パンチ7が、圧縮変形状態から元の長さに弾性復帰するに際し、位置決めシリンダ11の作動に基づいて、可動パンチ8を、固定パンチ7の弾性復元量に対応する量だけ、大きな力で微小上昇させてその圧粉成形体Pの撓み割れを防止する。かくしてここでは、位置決めシリンダ11にだけ少量の圧油を供給することで、撓み割れの発生を十分に防止することができる。 【0033】次いで、抜き出し工程では、機械プレスの下ラムの作用により、ダイプレート1、ひいてはダイ2を大きな力で下降変位させることによって、その抜き出し工程を開始するとともに、ダイプレート1のこの下降途中で、抜き出し補助ロッド16を可動パンチプレート10に、図2(c)に示すように当接させることにより、可動ブロック12の予めの後退変位下で、可動パンチ8の下降の開始を大きな力でアシストし、以後はその可動パンチ8を、主には駆動用シリンダ9の作用によって下降変位させ、ダイ2および駆動パンチ8のそれぞれを、図2(d)に示すように、固定パンチ7の上端面と面一にすることで、圧粉成形体Pの払出しを可能とする。 【0034】そして、続く払出し工程では、その圧粉成形体Pの取り出しと合わせて、可動ブロック12の再度の進出変位をもたらし、その後の充填準備工程では、下ラムの作用によるダイ2の高速上昇変位と、ダイ2のこの上昇変位に追従する駆動用シリンダ9による可動パンチ8の高速上昇変位とをもたらして、それらを固定パンチ7に対する初期位置に復帰させて、充填工程の再開を待機させ、以後、同様の工程を順次に繰り返す。 【0035】以上のようにして圧粉成形体Pを製造する場合、成形速度を、たとえば7.5s/1回(8SPM)とすると、それぞれの駆動用シリンダ9の受圧面積を19cm2、二本のトータル能力を50kNとし、位置決めシリンダ11の受圧面積を292cm2とすることにができ、これにより、それぞれのシリンダに対する圧油流量を、従来技術に比し、図3にグラフで示す程度にまで低減させることができる。 【0036】かくして、この成形装置によれば、この発明に係る駆動用シリンダ9と、従来技術の可動パンチシリンダ120との関係についてみるに、油圧ユニットの吐出圧力は一定とすると、シリンダのボア径は力と比例するため、そのボア径をほぼ1/8とすることができ、また、流量と油圧ユニットのモーターも比例するため、油圧ユニットのモーター容量も約1/8とすることができる。 【0037】この場合、位置決めシリンダ11は、位置の微調整のために機能し、また、撓み割れ防止のために、最終加圧工程の後に少し(1mm以下)動くだけなので、流量はほとんど発生しない。故にこの発明によれば、油圧ユニットの容量を低減することにより、従来技術と同等の能力を持ちながら設備コストが安く、ランニングコストも安い粉末成形プレスを提供することができる。 【0038】図4は、他の実施形態を示す略線断面図である。これは、下パンチのみならず上パンチにもまた、この発明に係る構成を適用したものであり、縦断面形状がほぼ十字状をなす圧粉成形体を製造するものである。 【0039】この粉末成形装置は、説明の重複を避けるため、その構造を、図1に示すものとは相違する点についてだけ述べると、上パンチ21を、固定パンチ22と、それに外接する可動パンチ23とで構成して、固定パンチ22を、上パンチプレート24に植設するとともに、可動パンチ23を、駆動シリンダ25によって上パンチプレート24に連結された上可動パンチプレート26に取付け、また、上パンチプレート24に、大出力の位置決めシリンダ27を設け、そして、このシリンダ27に対する、上下動パンチプレート26、ひいては、可動パンチ23の掛脱を司る可動ブロック28および、その可動ブロック28の進退変位をもたらすシリンダ29のそれぞれを、上可動パンチプレート26上に設けたものである。 【0040】上パンチ21のこのような取付け構造によってもまた、可動パンチ23の、ストロークの大きな高速変位は駆動用シリンダ25により、そして、その可動パンチ23の、大出力の微小変位は位置決めシリンダ27によりそれぞれ行わせることで、圧油の流量を十分少ならしめて、油圧ユニットの容量を有利に低下させることが可能となる。 【0041】このような成形装置による所定の圧粉成形体の製造は、図5(a)〜(e)に示す各工程を順に辿ることにより行うことができる。なおここで、下パンチ6は、トランスファ工程を除き、先に述べたところと同様に作動されることになる。 【0042】ここでははじめは、図4に示すように、ダイ2と下パンチ6とで区画される成形空間内へ原料粉末を充填するとともに、その空間内の粉末を、圧粉成形体の形状と対応する形状に変形させるべく、図5(a),(b)に示すように、ダイ2内で、上下の可動パンチ23,8を所定量ずつ下降変位させるトランスファ工程を、それぞれの駆動用シリンダ25,9の作用の下にて行い、次いで、それぞれの可動ブロック28,12の進出下で加圧工程を開始して、ダイ2の幾分の下降変位の下で、それぞれの可動パンチ23,8を駆動用シリンダ25,9によりともに下降変位させて、このときの変位量を、可動パンチ23で、可動パンチ8のそれより大きくし、そして、最終加圧工程では、図5(c)に示すように、それぞれの可動パンチ23,8を、可動ブロック28,12を介してそれぞれの位置決めシリンダ27,11に支持させた状態で、機械プレスの上ラムによる、上パンチ21の大きな押込み力をもって原料粉末を十分に押し固めることにより圧粉成形体を形成する。 【0043】その後は、上パンチ21の上昇変位に伴うパンチ撓み補正工程を、上下の位置決めシリンダ27,11の作用による両可動パンチ23,8の微小進出変位をもって行うとともに、続く抜き出し工程を、ダイ2の、図5(d)で示すような下降変位と、抜き出し補助ロッド16の作用の下での、下側可動パンチ8の下降変位と、上側可動パンチ23の上昇変位とにより行い、図5(e)に示すように、ダイ2および下側可動パンチ8が下側固定パンチ7と整列し、また、上側可動パンチ23が上側固定パンチ22と整列した時点で抜き出し工程が終了する。 【0044】このような抜き出し工程の終了後は、払出し工程で、圧粉成形体をプレスから取り除き、さらに、充填準備工程で、ダイ2および下側可動パンチ8を迅速に初期位置に復帰させ、これらのことによって一連の成形サイクルを終了する。 【0045】従って、上パンチ21をこのような構成配置とした場合にもまた、可動パンチ23を大出力の可動パンチシリンダをもって駆動する場合に比し、油圧ユニットの出力を有利に低下させて、設備コスト、ランニングコスト等を大きく低減させることができる。 【0046】ところで、図4に示すプレス構造では、上パンチ21の固定パンチ22を、上パンチプレート24に直接的に植設固定していることから、図5(a),(b)に示すようなトランスファ工程では、その固定パンチ22、ひいては、機械プレスそれ自体を一時停止することが必要になるも、このような一時停止は、たとえば、その固定パンチ22を、シリンダその他を用いたフローティング支持構造を介して上パンチプレート24に取付けること等をもって回避することができる。 【0047】また、このプレス構造では、抜き出し工程において、上可動パンチプレート26、ひいては、可動パンチ23の上昇変位をアシストする抜き出し補助ロッドを設けていないので、その上昇変位は、駆動用シリンダ25の出力のみにて行われることになる。 【0048】 【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、この発明によれば、従来技術に比して、油圧ユニットの所要出力をはるかに小さくすることができ、これにより、設備コスト、ランニングコスト等を大きく低減させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000220435 【氏名又は名称】東京焼結金属株式会社 【識別番号】000163176 【氏名又は名称】玉川マシナリー株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年10月6日(2000.10.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072051 【弁理士】 【氏名又は名称】杉村 興作 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−115003(P2002−115003A) |
| 【公開日】 |
平成14年4月19日(2002.4.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−307208(P2000−307208) |
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