| 【発明の名称】 |
圧延方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】土屋 卓
【氏名】佐野 武司
【氏名】沼野 正慎
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】一対のクランプ手段で帯板81の両端を把持しつつ、帯板に一定の張力を掛け、この帯板をターンテーブル90に載せた圧延手段60の上下ロール64,66で局部的に薄肉化する際に、ターンテーブルの旋回角をθとし、上下ロールが帯板の長手軸に直交するとき旋回角θを0゜とし、旋回角が0゜のとき圧延手段の圧下荷重をPとしたときに、圧下荷重は、(P/cosθ)、又はこれに近似する値に設定する圧延方法。差厚部83を厚さT2に形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対のクランプ手段で帯板の両端を把持しつつ、帯板に一定の張力を掛け、この帯板をターンテーブルに載せた圧延手段の上下ロールで局部的に薄肉化する圧延方法において、前記ターンテーブルの旋回角をθとし、前記上下ロールが帯板の長手軸に直交するとき旋回角θを0゜とし、旋回角が0゜のとき圧延手段の圧下荷重をPとしたときに、圧下荷重は、(P/cosθ)、又はこれに近似する値に設定することを特徴とする圧延方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は帯板に局部的に薄肉化した差厚部を成形する圧延方法に関する。 【0002】 【従来の技術】本出願人は、先に特願平11−336790号「圧延装置」を提案した。この技術では、次図で説明するように圧延を行う。図10(a),(b)は先に提案した圧延装置の圧延の要領説明図である。(a)において、まず、圧延装置100の旋回可能な圧延手段101に帯板102を寄せ、上下のロール103,104間に帯板102をセットする。その次に、帯板102の端をクランプ手段105,105で把持し、張力を付与しながら、ロール103を圧下して、薄肉部106を形成するとともに、圧延手段101を角度θ並びに角度βに旋回させ、薄肉部106を延ばす。 【0003】(b)において、圧延後に、薄肉部106を成形した板材107を取り出す。このように圧延することで、角度θの境界ライン108及び角度βの境界ライン109を有する薄肉部106を帯板102に成形することができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来の圧延要領では、圧延手段101を旋回させて薄肉部106の境界ライン108、109を角度θ,βに成形すると、薄肉部106に厚さeのばらつきの大きい不揃い部111,112が生じやすく、薄肉部(差厚部)106の厚さを修正するのに手間がかかる。 【0005】そこで、本発明の目的は、圧延手段を旋回させて差厚部を形成しても、差厚部の厚さを均一に形成することができる圧延方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1では、一対のクランプ手段で帯板の両端を把持しつつ、帯板に一定の張力を掛け、この帯板をターンテーブルに載せた圧延手段の上下ロールで局部的に薄肉化する圧延方法において、ターンテーブルの旋回角をθとし、上下ロールが帯板の長手軸に直交するとき旋回角θを0゜とし、旋回角が0゜のとき圧延手段の圧下荷重をPとしたときに、圧下荷重は、(P/cosθ)、又はこれに近似する値に設定することを特徴とする。 【0007】圧延手段の旋回角θが大きくなるのに伴なって圧下荷重は(P/cosθ)の描く曲線の通り、又はこれに近似する値で大きくなるので、ロールが帯板を延ばす力は旋回角θが変化してもほぼ一定となり、差厚部の厚さのばらつきが大きくなる心配はない。なお、近似する値とは、(P/cosθ)の95%〜105%の範囲に納まる値をいう。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。図1は本発明に係る圧延方法に用いる製造ラインの平面図であり、製造ラインは、図右から左へ、巻き戻しリール11(リコイラーとも云う)、案内部12、ループ装置13、圧延装置14及び切断機15をこの順に直列に配置したものである。16,17,18はローラコンベヤ、21は制御盤、22は油圧ユニット、23は操作盤である。81は帯板、81aは帯板81の長手軸、θは旋回角を示す。 【0009】図2は本発明に係る圧延方法に用いる製造ラインの側面図である。巻き戻しリール11は、帯板のコイルをセットするものであり、その都度コイルを戻し、帯板を送り出すものである。切断機15は、圧延装置14で差厚部を形成した帯板を切り離すものである。圧延装置14は、テンション装置30と、圧延手段60とからなる。 【0010】テンション装置30は、X軸方向(図1参照)に移動できるものであり、X軸移動ガイド30a、30aと、これらのX軸移動ガイド30a、30aに載せたX軸移動ベース30bと、このX軸移動ベース30bをX軸方向に移動させる、図1に示すX軸駆動手段30c,30cと、X軸移動位置検出器30dと、次図で説明する要素とを有する。 【0011】図3は本発明に係るテンション装置の斜視図であり、テンション装置30は、移動台31上に左クランプ手段32、右クランプ手段33並びに張力付与手段34,35を有する。移動台31は、ベース36に第1ガイド37を介してY軸移動ベース38を取付けたものである。 【0012】左クランプ手段32は、Y軸移動ベース38の左側にハウジング41を取付け、このハウジング41の中央にガイドを介して上押圧部42を上下移動可能に取付けるとともに、この上押圧部42に対向する下押圧部43を固定し、ハウジング41の上部に油圧シリンダ44,44を取付けたものであり、油圧シリンダ44のロッド45を上押圧部42に取付けて、油圧によって上押圧部42を下押圧部43側へ押し付けるものである。 【0013】一方、右クランプ手段33は、Y軸移動ベース38の右側に第2ガイド46を介して取付けたハウジング47に左クランプ手段32と同様の上・下押圧部42,43、油圧シリンダ44,44を設けたものである。48は左クランプ位置検出器、49は右クランプ位置検出器であり、これら左・右クランプ位置検出器48,49は、例えば、リニアエンコーダやリニア位置センサである。 【0014】また、張力付与手段34は、油圧シリンダ51であり、油圧シリンダ51の取付け部52をベース36に取付け、ロッド53をY軸移動ベース38に取付けた。張力付与手段35は、油圧シリンダ55であり、油圧シリンダ55の取付け部56をY軸移動ベース38に取付け、ロッド57を右クランプ手段33に取付けた。 【0015】図4は本発明に係る圧延手段の斜視図であり、圧延手段60は、スタンド61に第3ガイド62,62(手前は図示していない)を介して昇降自在に軸受箱63,63を嵌合し、これらの軸受箱63,63に図示せぬ軸受を介して上ロールとしてのワークロール64、バックアップロール65,65を嵌合し、これらのロール64,65,65に対称に、スタンド61に図示せぬ軸受を介して下ロールとしてのワークロール66、バックアップロール67,67を嵌合し、スタンド61の上部に圧下油圧シリンダ68,68を取付け、この圧下油圧シリンダ68,68のロッドを軸受箱63,63に取付け、ワークロール64,66をロール駆動部69,69に嵌合したものであり、ロールが6重で、単一の圧延機である。71はワークロール位置検出器、72は左クランプ移動限検出器、73は右クランプ移動限検出器、74,74は加熱手段、90はターンテーブルである。 【0016】ワークロール位置検出器71は、例えばリニアエンコーダやリニア位置センサであり、左・右クランプ移動限検出器72,73は、例えばリミットスイッチである。また、加熱手段74は、電磁誘導加熱(誘導加熱)の熱源(ヒーター)であり、ワークロール64,66の左右に設けたものである。 【0017】ターンテーブル90は、据え付け台91の中央に回転支持部92を設け、端部に駆動部93を設けたものである。駆動部93は、据え付け台91に取付けたガイド94と、このガイド94を駆動するウオーム減速機95とからなる。 【0018】すなわち、ターンテーブル90の回転支持部92に圧延手段60を嵌合するとともに、圧延手段60にガイド94の一端を取付けることで、ターンテーブル90に圧延手段60を載せたことになる。96は原点位置検出器、97は右回転限検出器、98は左回転限検出器である。 【0019】次に本発明に係る圧延方法を説明する。図5(a),(b)は本発明に係る圧延方法の第1説明図である。 (a):まず、圧延装置14に帯板81を通す。具体的には、油圧シリンダ51(ロッド53)の前進(矢印■の方向)によって左クランプ手段32は所定位置に至る。この際、左クランプ手段32の行過ぎを左クランプ移動限検出器72によって防止する。 【0020】その次に、左・右クランプ手段32,33上の油圧シリンダ44,44(ロッド)が後退(矢印■,■の方向)すると、上押圧部42が上昇する。一方、圧延手段60の圧下油圧シリンダ68によって、軸受箱63とともに、ワークロール64、バックアップロール65,65が上昇する。 【0021】そして、左クランプ手段32まで帯板81を矢印■の如く通した後、左クランプ手段32の上押圧部42を下降させて帯板81の厚肉部82を把持する。一方、圧下油圧シリンダ68で帯板81にワークロール64、バックアップロール65,65を圧下する。 【0022】この場合、ターンテーブル90(図4参照)は停止状態にあり、ターンテーブルの旋回角θ(図1参照)は0゜である。その結果、圧延手段60は旋回せず、上下のワークロール64,66は帯板81の長手軸81a(図1参照)に直交するので、圧下荷重は、Pと設定する。なお、ワークロール64の圧下位置はワークロール位置検出器71によって検出する。 【0023】(b):引続き、ワークロール64を所定のロール速度で駆動回転させることで、差厚部83を形成する。同時に、左クランプ手段32を張力方向(矢印■の方向)に移動させることにより、帯板81に一定の張力tを掛けつつ、差厚部83を形成する。左クランプ手段32が所定位置に至ると、停止する。 【0024】続けて、圧延手段60を逆回転せさるために、圧延手段60の近傍まで右クランプ手段33を寄せ、右クランプ手段33上の油圧シリンダ44で上押圧部42を下降させて帯板81の厚肉部82を把持する。その際の右クランプ手段33の位置は右クランプ移動限検出器73によって検出する。 【0025】図6(a),(b)は本発明に係る圧延方法の第2説明図である。 (a):引き続き、圧延手段60のワークロール64を逆回転させ、差厚部83をより薄く延ばす。その際、圧下油圧シリンダ68でワークロール64をさらに圧下し、ロール間隔を制御する。同時に、油圧シリンダ51でY軸移動ベース38を逆移動させる。なお、逆移動によって、帯板81が上流側へ移動すると、ループ装置13(図2参照)によって帯板81の移動量を吸収する。 【0026】(b):Y軸移動ベース38を逆移動しつつ、Y軸移動ベース38上の油圧シリンダ55によって右クランプ手段33を移動することで、帯板81に一定の張力tを掛ける。その際、右クランプ手段33の位置は右クランプ位置検出器49によって行う。この後、図5,図6に示した差厚部83の形成をさらに繰り返し、所望の厚さの差厚部83を形成する。 【0027】すなわち、帯板81を左・右のクランプ手段32,33で把持し、帯板81に張力tを掛けながら圧延する。差厚部83に張力tが作用すると、極めて容易に帯板81の厚肉部82の一部に差厚部83を形成することができる。また、張力tによって、差厚部83に発生しやすい「しわ」や曲りを防止することができる。 【0028】次に、圧延手段60の旋回とロールの関係について簡単に説明する。図7(a),(b)は本発明に係る圧延方法の第3説明図である。(a)は、圧延の際のワークロール64,66と帯板81の関係を模式的に示す。既に述べたようにワークロール64を圧下荷重Pで圧下し、差厚部83を成形することができる。ここで、成形前の板の厚さをT1、成形後の差厚部83の厚さをT2、ロールの半径をR、ロール接触長をLrとする。 【0029】(b)は、ターンテーブル90を矢印■の如く旋回させ、ターンテーブル90の旋回角θをθ3に設定した状態を示す。ここで、ターンテーブル90の旋回によって圧延手段60を旋回角θだけ旋回させ、それに伴い旋回するワークロール64,66の角度をロール角度とすると、ロール角度はθとなる。また、成形前の板幅をb、ロール接触幅をW、ロール接触面積をAとすと、ロール接触幅Wは、W=b/cosθであり、ロール接触面積Aは近似的に、A=W×Lrと表せる。なお、圧延手段60を矢印■の如く逆に旋回させてもよい。すなわち、圧延手段60を旋回させた場合には、ロール接触幅Wは大きくなるので、ワークロール64の圧下荷重P((a)参照)を調整しながら、圧延を行う。次図で圧下荷重Pの変化について説明する。 【0030】図8は本発明に係る圧延方法の第4説明図であり、ロール角度と圧下荷重との関係を示した線図である。横軸をロール角度θ並びにロール接触幅Wとし、縦軸を圧下荷重とする。 【0031】圧延手段60を旋回させない状態では、ロール角度θは0゜であり、この角度をθ0(θ0=0゜)とすると、ロール角度θ0では、圧下荷重をPに設定する。ロール角度θをθ3(図7(b)参照)に設定したときには、圧下荷重をPからP3に増加させ設定する。すなわち、圧下荷重は、圧下荷重=P/cosθ、又はこれに近似する値であり、例えば、圧下荷重P3=P/cosθ3、又はこれに近似する値である。このようにロール角度θ若しくはロール接触幅Wに対応させて圧下荷重を設定することで、ロール接触面積A(図7参照)に作用する面圧(面圧=P/A)をほぼ一定に保つことができる。 【0032】次に、ターンテーブルを旋回させた場合の圧延方法について説明する。図9(a),(b)は本発明に係る圧延方法の第5説明図である。 (a):引続き、ターンテーブル90によって圧延手段60を旋回し、帯板81の長手軸81aに対してワークロール66の軸を非直角に設定する。すなわち、ワークロール66をロール角度θ2(旋回角θ2)に設定するとともに、図8の線図に示すように、圧下荷重をP2に設定する。 【0033】(b):そして、ワークロール64,66を駆動し、ロール角度θ2のワークロール64,66の回転で往復する帯板81に一定の張力を左・右クランプ手段32,33で掛ける。ワークロール64,66は正転、逆転を繰り返して差厚部83を往復させることで、差厚部83は次第に薄く延び、境界ライン86は角度θ2を形成する。 【0034】このように、圧下荷重は、ターンテーブルの旋回角に伴なって設定する。すなわち、圧下荷重は、ロール角度θ2に応じて、圧下荷重P2=P/cosθ2、又はこれに近似する値に設定するので、ロール角度θがθ0からθ2に変化しても、帯板81をほぼ一定の力で圧延することができ、差厚部83の厚さT2を均一に形成することができる。 【0035】さらに続けて、ターンテーブル90(a参照)によって圧延手段60をロール角度θ2だけ戻すとともに、連続してロール角度β(β=θ1)だけ旋回させ、圧下荷重をP1に設定し、同様に往復させて、差厚部83を形成するとともに、境界ライン85の角度をβに形成する。このように、圧下荷重は、ロール角度θ1に応じて、圧下荷重P1=P/cosθ1、又はこれに近似する値に設定するので、ロール角度θが変化しても、帯板81をほぼ一定の力で圧延することができ、差厚部83の厚さT2を均一に形成することができる。 【0036】尚、本発明の実施の形態に示した図9の角度θ2や角度βの傾きは一例であり、角度は任意である。図5に示す圧延方法では、まず、旋回角θを0゜に設定して圧延を開始したが、開始時の旋回角θは任意であり、例えば、旋回角θを10゜に設定し、その後、旋回角θを増減させることも可能である。 【0037】 【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮する。請求項1では、一対のクランプ手段で帯板の両端を把持しつつ、帯板に一定の張力を掛け、この帯板をターンテーブルに載せた圧延手段の上下ロールで局部的に薄肉化する際に、ターンテーブルの旋回角をθとし、上下ロールが帯板の長手軸に直交するとき旋回角θを0゜とし、旋回角が0゜のとき圧延手段の圧下荷重をPとしたときに、圧下荷重は、(P/cosθ)、又はこれに近似する値に設定する。この場合、旋回することで、圧延手段の上下ロールも同様に、角度θとなり、このロールの角度θをロール角度θとすると、ロール角度θが大きくなるのに伴ない、圧下荷重はPから次第に(P/cosθ)が描く曲線のように増加する。その結果、ロール角度θが変化しても、帯板を延ばす力をどの角度においてもほぼ一定にすることができる。従って、圧延手段を旋回させて局部的に薄肉化した差厚部を形成しても、差厚部の厚さを均一に形成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月21日(2001.2.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067356 【弁理士】 【氏名又は名称】下田 容一郎 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−248501(P2002−248501A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月3日(2002.9.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−45647(P2001−45647) |
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