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【発明の名称】 クロム酸化物含有物質の処理方法
【発明者】 【氏名】松永 久宏

【氏名】當房 博幸

【氏名】熊谷 正人

【氏名】岸本 康夫

【氏名】櫻谷 敏和

【氏名】佐藤 幸男

【要約】 【課題】ステンレス鋼精錬で発生するスラグ、クロム化合物製造の際に発生するクロム鉱滓、下水汚泥、下水汚泥溶融スラグなどのクロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出を、完全にしかも工業的に簡易な方法で防止することが可能なクロム酸化物含有物質の処理方法の提供。

【解決手段】クロム酸化物含有物質に、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の含有量が0.03重量%超えである水溶液を接触せしめるクロム酸化物含有物質の処理方法、および、クロム酸化物含有物質を、前記した高炉スラグ溶出水に浸漬するクロム酸化物含有物質の処理方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クロム酸化物含有物質に、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の化合物を合計量で0.05重量%以上含有する水溶液を接触せしめることを特徴とするクロム酸化物含有物質の処理方法。
【請求項2】 クロム酸化物含有物質に、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の含有量が合計量で0.03重量%超えである水溶液を接触せしめることを特徴とするクロム酸化物含有物質の処理方法。
【請求項3】 クロム酸化物含有物質に、高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水を散水することを特徴とするクロム酸化物含有物質の処理方法。
【請求項4】 クロム酸化物含有物質を、高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水に浸漬することを特徴とするクロム酸化物含有物質の処理方法。
【請求項5】 高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水に、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有する物質を加え、該高炉スラグ溶出水にクロム酸化物含有物質を浸漬することを特徴とするクロム酸化物含有物質の処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼の精錬の際に発生するステンレス鋼スラグ、重クロム酸ナトリウムなどのクロム化合物の製造の際に発生するクロム鉱滓、廃棄物溶融スラグ、下水汚泥および下水汚泥溶融スラグなどのクロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出を防止することが可能なクロム酸化物含有物質の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼精錬の際に発生するステンレス鋼スラグ、および重クロム酸ナトリウムなどのクロム化合物の製造の際に発生するクロム鉱滓は、数%のクロム酸化物を含有し、操業条件によっては、その一部はCr6+にまで酸化し、Cr6+が溶出する場合がある。
【0003】ステンレス鋼スラグ、クロム鉱滓などを路盤材、仮設材、土木埋立材などとして使用する場合、スラグからCr6+が溶出しないことが絶対条件である。また、近年、ゴミ焼却灰、汚泥などを溶融処理することによってスラグ化し、生成したスラグを路盤材、タイルなどとして有効利用することが検討されているが、ゴミ焼却灰、汚泥などの種類によっては、生成したスラグからCr6+が溶出する場合があり、有効利用を困難にしている。
【0004】このため、スラグを路盤材、土木埋立て材などとして再利用する場合、Cr6+の溶出を防止するための新たな技術が提案されている。ステンレス鋼スラグからのCr6+の溶出防止方法としては、ステンレス鋼スラグにアルミ灰およびマグネシア系産業廃棄物を添加する方法が開示されている(特開平6−171993号公報参照)。
【0005】しかし、上記した方法を工業的に実施しようとすると、受滓鍋内に前記アルミ灰およびマグネシア系産業廃棄物を敷き詰めておき、そこへ溶融状態のステンレス鋼スラグを排出してスラグ落下のエネルギーで攪拌混合する方法を用いることになる。この場合、溶鋼と異なり、スラグは粘性が高いため、このような落下エネルギーのみによる攪拌混合手段では均質な混合状態を形成することは困難であり、スラグ中のクロム酸化物を完全に安定化してCr6+の溶出を防止することはできない。
【0006】また、ステンレス鋼の脱炭精錬後、スラグ中のCrを溶鋼中へ回収する還元処理を経た溶融状態のスラグに対し、FeS などの−2価のS化合物を添加し、不活性ガスの吹き込み撹拌によりスラグ中S濃度を0.20wt%以上としCr6+の溶出を防止する方法が開示されている(特開平8−104553号公報参照)。この方法は、溶融スラグに添加剤を均質に混合するために不活性ガスの吹き込みを行いクロム酸化物の安定化を図るもので、スラグ中のCr6+の溶出を防止する方法としては有効であるが、還元処理終了後に不活性ガスの吹き込みやスラグの粘度を低下させるための添加剤を使用するといった操作が必要となり、経済性の面で問題があった。
【0007】また、上記方法の場合、溶融状態のスラグとの混合を十分にするために、精錬炉内で添加すれば、添加剤が溶鋼を汚染する問題が生じる。一方、クロム化合物の製造の際に発生するクロム鉱滓では、Cr6+の溶出防止方法として、一般にスラグを還元焙焼してCr6+をCr3+に還元して無害化する方法が採用されているが、焙焼法のため経済性の面で問題があった。
【0008】また、下水汚泥などの場合、埋立処分前に減容化のために焼却処分が行われるが、この焼却灰からのCr6+の生成防止の方法として、焼却時の空気比を1未満に制御する方法が採用されている〔下水道協会誌、vol.38 No.378 、pp29-32(1994) 参照〕。しかし当該文献に示されるように、出処などの異なる様々な性状の汚泥に対応して最適な運転を行うことは非常に難しい課題であり、これは産業廃棄物などの焼却処分においても同様であると考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従来技術の問題点を解決し、ステンレス鋼スラグ、クロム鉱滓、廃棄物溶融スラグ、下水汚泥、下水汚泥溶融スラグ、クロム酸化物を含む土壌などのクロム酸化物含有物質を、工業的に簡易で経済性に優れた方法で処理し、これらクロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出を完全に防止することが可能なクロム酸化物含有物質の処理方法を提供することを課題とする。
【0010】さらに、本発明は、上記したクロム酸化物含有物質を、短時間かつ被処理材の体積を大幅に増加することなく処理し、上記した優れた効果を得ることが可能なクロム酸化物含有物質の処理方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した従来技術の問題点について熟慮した結果、従来技術の場合、溶融や焙焼、焼却といった高温状態でクロムの還元条件を設定するために、条件設定の困難さと、経済性の面での問題が生じていると考えた。そこで、常温あるいは常温に近い状態でCr6+の還元を行う方法を検討し、前記した様々なクロム酸化物含有物質を、還元剤を含む水溶液と反応させて、Cr6+を還元する方法に関して種々検討、実験を行った。
【0012】この結果、酸化数が+5価以下の還元性硫黄を含有する水、特に高炉スラグの未エージング材から溶出する硫黄イオンおよび硫黄を含有する水を使用することにより、高反応率かつ工業的に簡易で経済性に優れた方法でクロム酸化物含有物質中のクロムの還元が可能であることを新たに見出し、本発明(第1の発明、第2の発明)に到った。
【0013】また、本発明者らは、前記した知見に基づいて、さらに鋭意検討した結果、下記知見[1] 〜[3] を得、本発明(第3の発明〜第5の発明)に到った。
[1]:下記■〜■の硫黄含有物質を用いることによって、クロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出を極めて効果的に防止することが可能であること。
■;高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水(以下高炉スラグ溶出水とも記す)
■;自然エージング3ヶ月未満の高炉徐冷スラグ(以下未エージング高炉徐冷スラグとも記す)、溶銑予備処理スラグなどの硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有するスラグ■;単体硫黄、硫黄含有温泉から精製した湯ノ花などの単体硫黄を含有する物質(以下単体硫黄含有物質とも記す)
■;チオ硫酸ナトリウム、硫化鉄、硫化水素などの酸化数が+5価以下の硫黄の化合物(以下+5価以下の硫黄化合物とも記す)
〔以下、■〜■を総称して硫黄含有物質とも記す。〕
[2]:上記した■〜■の硫黄含有物質を用い、下記の処理方法(a) 〜(b) によって、クロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出を極めて効果的に防止することが可能であること。
【0014】(a);散水法(b);浸漬法[3]:前記した■〜■の硫黄含有物質、さらには硫酸第一鉄などの2価の鉄を含有する物質(以下2価鉄含有物質とも記す)を組み合わせることによって、下記の効果が得られること。
【0015】高炉スラグ溶出水中の還元性硫黄濃度が濃度変動によって低い場合でも、高炉スラグ溶出水に、前記した単体硫黄含有物質、+5価以下の硫黄化合物もしくは2価鉄含有物質を添加もしくは吹き込み、該高炉スラグ溶出水にクロム酸化物含有物質を浸漬することによって、短時間の処理でCr6+を還元し、クロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出を完全に防止することが可能であること。
【0016】すなわち、第1の発明は、クロム酸化物含有物質に、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の化合物を合計量で0.05重量%以上含有する水溶液を接触せしめることを特徴とするクロム酸化物含有物質の処理方法である。第2の発明は、クロム酸化物含有物質に、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の含有量が合計量で0.03重量%超えである水溶液を接触せしめることを特徴とするクロム酸化物含有物質の処理方法である。
【0017】第3の発明は、クロム酸化物含有物質に、高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水を散水することを特徴とするクロム酸化物含有物質の処理方法である。第4の発明は、クロム酸化物含有物質を、高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水に浸漬することを特徴とするクロム酸化物含有物質の処理方法である。
【0018】第5の発明は、高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水に、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有する物質を加え、該高炉スラグ溶出水にクロム酸化物含有物質を浸漬することを特徴とするクロム酸化物含有物質の処理方法である。また、前記した第5の発明における硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有する物質としては、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の合計含有量が10wt%以上である硫黄含有物質を用いることが好ましい。
【0019】上記した硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の合計含有量が10wt%以上である硫黄含有物質としては、単体硫黄、硫黄含有温泉から精製した湯ノ花などの単体硫黄含有物質、チオ硫酸ナトリウム、硫化鉄、硫化水素などの+5価以下の硫黄化合物などが好ましく例示され、これらを併用することもできる。また、前記した第3の発明においては、クロム酸化物含有物質を、大気雰囲気中で静置し、前記した処理を行うことが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、第1の発明〜第5の発明の順にさらに詳細に説明する。
〔第1の発明、第2の発明:〕第1の発明は、クロム酸化物含有物質に、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の化合物を合計量で0.05重量%以上含有する水溶液を接触せしめるクロム酸化物含有物質の処理方法である。
【0021】第2の発明は、クロム酸化物含有物質に、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の含有量が合計量で0.03重量%超えである水溶液を接触せしめるクロム酸化物含有物質の処理方法である。本発明者らは、試薬のCrO3を純水に溶解して、Cr6+濃度を100mg/l とした水溶液10リットルに、冷却、破砕1週間後の所定粒度の未エージング高炉徐冷スラグまたは6ヶ月自然エージング処理後の高炉徐冷スラグ100gを添加し、6時間震盪後、水溶液中のCr6+濃度を測定し、Cr6+の減少量を調査した。
【0022】表1に測定結果を示す。表1においては、高炉徐冷スラグ1kg当たりのCr6+の減少量を還元能力として示した。未エージング高炉徐冷スラグは、粒度にもよるが、6ヶ月自然エージング処理後の高炉徐冷スラグよりも、約10〜100 倍程度のCr6+の還元能力を有することがわかる。
【0023】また、還元能力は微粉ほど高い。高炉徐冷スラグによりCr6+を還元できる理由は、高炉徐冷スラグ中に存在する硫黄成分が水中に溶出して、Cr6+を還元するためと考えられる。また、同様に試薬のCrO3を純水に溶解して、Cr6+濃度を100mg/l とした水溶液10リットルに、酸化数が+5価以下の還元性硫黄を0.05重量%含む高炉スラグ溶出水100gを添加し、6時間震盪後、水溶液中のCr6+濃度を測定し、Cr6+の減少量を調査した。
【0024】表2に測定結果を示す。表2においては、還元能力として、高炉スラグ溶出水1kgに対するCr6+の減少量を示した。表2に示されるように、高炉スラグ溶出水の場合も、単位重量当たり未エージング高炉徐冷スラグとほぼ同等のCr6+の還元能力を有することがわかる。
【0025】表3に、Cr6+の還元処理に用いた高炉徐冷スラグ中のCr6+の還元処理前後の硫黄の形態別の濃度を示す。還元処理前後の濃度を比較すると、還元後はS2- を除き低くなっている。また、還元処理後の水溶液中の硫黄の形態別濃度を測定した結果、その多くがSO42- であった。
【0026】したがって、高炉徐冷スラグ中のS0, S2O32-, SO42- が水に溶解し、それらのうちS0, S2O32-がSO42- に酸化する際に、Cr6+を還元するものと考えられる。なお、スラグが微粉なほどCr6+の還元能力が高い理由は、微粉ほど比表面積が大きいために、S0およびS2O32-が水に溶解しやすいためと考えられる。本発明は、上記の知見に基づいて完成したものである。
【0027】本発明によれば、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の化合物を含有する水溶液は、クロム酸化物含有物質との接触により、クロムを還元してCr(OH)3 などの安定なクロムの形態とするため、クロム酸化物含有物質からのクロム酸化物の溶出を抑制することができる。また、クロム酸化物含有物質からクロムイオンが上記水溶液中に溶出したとしても水溶液中の反応で還元することができるため、6価クロムの流出を防止することができる。
【0028】第1の発明においては、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の化合物を含有する水溶液の硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の化合物の含有量は合計量で0.05重量%以上であることが好ましい。これは、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の化合物の含有量が合計量で0.05重量%未満の場合、クロム酸化物含有物質の還元処理に数ヶ月以上を要し、工業上使用し難いためである。
【0029】また、第2の発明においては、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有する水溶液の硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の含有量は、合計量で0.03重量%超えであることが好ましい。これは、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の含有量が合計量で0.03重量%以下の場合、クロム酸化物含有物質の還元処理に数ヶ月以上を要し、工業上使用し難いためである。
【0030】なお、上記した硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の含有量の合計量とは、全硫黄量(Total S)量からSO42- 中のS分を差し引いた硫黄の量を示す。また、前記した第1の発明、第2の発明における硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の化合物もしくは硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の供給源としては、下記■〜■の中から選ばれる1種以上の硫黄含有物質が好ましく例示されるが、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有する物質であれば特に制限を受けるものではない。
【0031】■:高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水(:高炉スラグ溶出水)
■:自然エージング3ヶ月未満の高炉徐冷スラグ(:未エージング高炉徐冷スラグ)、溶銑予備処理スラグなどの硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有するスラグ■:単体硫黄、硫黄含有温泉から精製した湯ノ花などの単体硫黄を含有する物質(:単体硫黄含有物質)
■:チオ硫酸ナトリウム、硫化鉄および硫化水素などの酸化数が+5価以下の硫黄の化合物(+5価以下の硫黄化合物)
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】〔第3の発明〜第5の発明:〕本発明者らは、前記した第1の発明、第2の発明に基づいて、さらに鋭意検討した結果、下記知見を得、第3の発明〜第5の発明に至った。[1]:下記■〜■の硫黄含有物質を用いることによって、クロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出を極めて効果的に防止することが可能であること。
【0036】■;高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水(:高炉スラグ溶出水)
■;自然エージング3ヶ月未満の高炉徐冷スラグ(:未エージング高炉徐冷スラグ)、溶銑予備処理スラグなどの硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有するスラグ■;単体硫黄、硫黄含有温泉から精製した湯ノ花(:単体硫黄含有物質)
■;チオ硫酸ナトリウム、硫化鉄、硫化水素などの酸化数が+5価以下の硫黄の化合物(:+5価以下の硫黄化合物)
[2]:上記した■〜■の硫黄含有物質を用い、下記の処理方法(1) 〜(2) によって、クロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出を極めて効果的に防止することが可能であること。
【0037】(1):散水法;
(a) クロム酸化物含有物質に高炉スラグ溶出水を散水する(第3の発明)。
(2):浸漬法;
(a) クロム酸化物含有物質を、高炉スラグ溶出水に浸漬する(第4の発明)。
(b) クロム酸化物含有物質を、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有する物質を加えた高炉スラグ溶出水に浸漬する(第5の発明)。
【0038】[3]:前記した■〜■の硫黄含有物質、さらには硫酸第一鉄などの2価の鉄を含有する物質(:2価鉄含有物質)を組み合わせることによって、下記の効果が得られること。前記した■の高炉スラグ溶出水中の還元性硫黄濃度が濃度変動によって低い場合でも、高炉スラグ溶出水に、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有する物質を加え、該高炉スラグ溶出水にクロム酸化物含有物質を浸漬することによって、短時間の処理でCr6+を還元し、クロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出を完全に防止することが可能であること(第5の発明)。
【0039】すなわち、第3の発明〜第5の発明は、下記の技術内容から構成される。
〔第3の発明:〕第3の発明は、クロム酸化物含有物質に、高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水を散水するクロム酸化物含有物質の処理方法である。
〔第4の発明:〕第4の発明は、クロム酸化物含有物質を、高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水に浸漬するクロム酸化物含有物質の処理方法である。
〔第5の発明:〕第5の発明は、高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水に硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有する物質を加えた高炉スラグ溶出水に、クロム酸化物含有物質を浸漬するクロム酸化物含有物質の処理方法である。
【0040】上記した硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有する物質としては、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の合計含有量が10wt%以上である硫黄含有物質を用いることが好ましい。また、上記した硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の合計含有量が10wt%以上である硫黄含有物質としては、特に制限されるものではないが、例えば、単体硫黄、硫黄含有温泉から精製した湯ノ花(:単体硫黄含有物質)、チオ硫酸ナトリウム、硫化鉄、硫化水素などの酸化数が+5価以下の硫黄の化合物(:+5価以下の硫黄化合物)を用いることが好ましく、またこれらを2種以上併用することも可能である。
【0041】なお、上記した酸化数が+5価以下の硫黄を含有する物質としては、好ましくは、水中に溶け込んでいる酸素と反応しにくい物質が適する。これは、水中に溶け込んでいる酸素と反応し易い硫黄含有物質を用いた場合、クロム酸化物含有物質中のCr6+を完全に還元する前に、水中の酸素と反応し、還元能力が無くなるためである。
【0042】高炉スラグ溶出水中の還元性硫黄濃度は、季節および天候により変動し、0.03重量%以下の低濃度になる場合があり、この場合、クロム酸化物含有物質中のCr6+の還元処理に長時間を必要とする。このため、本発明者らは、高炉スラグ溶出水中の還元性硫黄濃度が0.03重量%以下の場合でも、短時間の処理でクロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出を完全に防止することが可能なクロム酸化物含有物質の処理方法について、鋭意検討、実験を重ねた。
【0043】その結果、高炉スラグの散水冷却時に発生する高炉スラグ溶出水に、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有する物質を加え、該高炉スラグ溶出水にクロム酸化物含有物質を浸漬することによって、高炉スラグ溶出水中の還元性硫黄濃度が0.03重量%以下の場合でも、短時間の処理でクロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出を完全に防止することが可能であることを新たに見出し本発明に到った。
【0044】なお、本発明において、上記した高炉スラグ溶出水中の還元性硫黄濃度とは、全硫黄濃度からSO42- 中のS分を差し引いた硫黄濃度を示す。上記した第5の発明によれば、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有する物質を加えることによって、高炉スラグ溶出水中の還元性硫黄濃度を調整し、クロム酸化物含有物質中のCr6+を完全に還元できる。
【0045】第5の発明における硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有する物質の添加量は、高炉スラグ溶出水中の還元性硫黄濃度が0.03重量%超えとなるように調整するのが好ましい。これは、高炉スラグ溶出水中の還元性硫黄濃度が0.03重量%以下の場合、クロム酸化物含有物質中のCr6+を短時間で完全に還元することが困難なためである。
【0046】また、本発明においては、高炉スラグ溶出水に硫酸第一鉄、塩化第一鉄などの2価の鉄を含有する物質(:2価鉄含有物質)を添加することも好ましい。これは、高炉スラグ溶出水中に2価の鉄イオンを含有せしめることによって、クロム酸化物含有物質中のCr6+を短時間で完全に還元することが可能となるためである。
【0047】以下、前記した第3の発明〜第5の発明におけるI.硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有するスラグ、高炉スラグ溶出水の好ましい条件、II. 硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有するスラグの添加量、高炉スラグ溶出水の散水量、高炉スラグ溶出水の還元性硫黄濃度、III.処理方法について述べる。
〔I.硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有するスラグ、高炉スラグ溶出水の好ましい条件:〕本発明においては、前記した硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有するスラグとして、未エージング高炉徐冷スラグおよび/または溶銑予備処理スラグを用いることが好ましく、さらには、未エージング高炉徐冷スラグを用いることがより好ましい。
(未エージング高炉徐冷スラグ;)本発明において用いる未エージング高炉徐冷スラグとは、黄濁水を発生するスラグ、すなわち、JIS A 5015付属書1の呈色判定試験方法により、呈色があるスラグのことであり、概ね、自然エージング3ヶ月未満の高炉徐冷スラグである。
【0048】さらには、冷却、破砕直後、すなわち破砕後1週間以内の高炉徐冷スラグである未エージング高炉徐冷スラグを用いることが、より好ましい。未エージング高炉徐冷スラグの粒度は、特に限定しないが、微粉であるほど好ましい。これは、前記したように、微粉ほどクロム酸化物の還元能力が高いためである。
【0049】さらには、還元処理後の有効利用の用途に適した粒度の未エージング高炉徐冷スラグを用いることが好ましい。例えば、ステンレス鋼スラグを還元処理後、路盤材として有効利用する場合、還元剤として微粉の未エージング高炉徐冷スラグを使用しすぎると、路盤材としてJISA 5015 で規定されている粒度分布の規格を満たさなくなる。
【0050】すなわち、この場合、路盤材の粒度分布規格に適した粒度の未エージング高炉徐冷スラグを用いることが好ましい。
(溶銑予備処理スラグ;)本発明において用いる溶銑予備処理スラグは、高炉において溶銑の脱硫、脱燐を行う際に得られるスラグである。
(高炉スラグ溶出水;)本発明において用いる高炉スラグ溶出水としては、例えば、未エージング高炉徐冷スラグに水を散水して生じた溶出水、例えば高炉から排出された高温状態の高炉スラグに水を散水して生じた溶出水が好ましい。
【0051】また、本発明における高炉スラグ溶出水としては、概ね自然エージング3ヶ月未満の高炉徐冷スラグに水を散水して生じた溶出水を用いることが好ましく、例えば、高温状態の高炉スラグに水を散水して生じた溶出水が適する。高炉スラグ溶出水を用いる場合の高炉スラグ溶出水中の硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の化合物の濃度は、合計量で0.05重量%以上であることが好ましい。
【0052】また、高炉スラグ溶出水を用いる場合の高炉スラグ溶出水中の硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の含有量は合計量で0.03重量%超えであることが好ましい。これは、前記したように、硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄化合物を0.05重量%未満しか含まないような溶出水、または硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄の含有量が0.03重量%以下の溶出水では、クロム酸化物含有物質の還元処理に数ヶ月以上を要し、工業上、使用し難いためである。
〔II. 硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有するスラグの添加量、高炉スラグ溶出水の散水量、高炉スラグ溶出水の還元性硫黄濃度:〕硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有するスラグの添加量、高炉スラグ溶出水の散水量、高炉スラグ溶出水へ浸漬時の高炉スラグ溶出水の還元性硫黄濃度は、特に制限されるものではないが、下記で示される量および濃度であることが好ましい。
【0053】[1] :前記第3の発明の場合;この場合は、高炉スラグ溶出水の散水量、単体硫黄含有物質、+5価以下の硫黄化合物などの硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有する物質の添加量は、下記式(1) を満足することが好ましく、さらには下記式(2) を満足することがより好ましい。
【0054】
10≧A≧0.1 ………………………………(1)10≧A≧0.2 ………………………………(2)なお、上記式(1) 、(2) 中のAは下記内容を示す。
A=〔散水する高炉スラグ溶出水の量(重量部)〕 ………(3) なお、上記式(3) 中の重量部はいずれも、クロム酸化物含有物質1重量部当たりかつクロム酸化物含有物質中のCr6+溶出量1mg/l当たりの重量部であり、クロム酸化物含有物質の量、クロム酸化物含有物質中のCr6+溶出量のそれぞれに比例した量を使用すればよい。
【0055】上記式(1) において、Aが0.1 未満の場合はクロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出防止効果が低く、逆にAが10超えの場合は溶出防止効果が飽和し経済的でない。
[2] :前記第4の発明、第5の発明(浸漬法)の場合;高炉スラグ溶出水へ浸漬時の高炉スラグ溶出水の還元性硫黄濃度は、0.03重量%超えであることが好ましい。
【0056】これは、高炉スラグ溶出水中の還元性硫黄濃度が0.03重量%以下の場合、クロム酸化物含有物質中のCr6+を短時間で完全に還元することが困難なためである。なお、本発明において、上記した高炉スラグ溶出水中の還元性硫黄濃度とは、全硫黄濃度からSO42- 中のS分を差し引いた硫黄濃度を示す。
〔III. 処理方法:〕前記した第3の発明では、クロム酸化物含有物質を大気雰囲気中で静置し、前記した処理を行うことが好ましい。
【0057】これは、大気雰囲気中で静置する方法が最も安価であるためである。大気雰囲気中で静置する方法としては、排水処理設備を有するヤードで山積みする方法が好ましく用いられる。山の大きさは、数m3 から数万m3 程度の任意の大きさでよい。山積みの際は、高く積まないほうが好ましい。これは、高く積んだ場合、山の表面積が小さくなり、散水、降雨などによる水が山全体に広がりにくくなり、その結果、還元処理に時間を要するからである。
【0058】なお、以上述べた第1の発明〜第5の発明においては、■高炉スラグ溶出水、■未エージング高炉徐冷スラグなどの硫黄および/または酸化数が+5価以下の硫黄を含有するスラグ、■単体硫黄含有物質、■+5価以下の硫黄化合物に加えてクロム酸化物を還元する作用のある前記した2価鉄含有物質、活性炭などの他の還元剤を併用することも可能である。
【0059】また、本発明を、ステンレス鋼スラグ、クロム鉱滓、産業廃棄物溶融スラグ、下水汚泥、下水汚泥溶融スラグなどのスラグだけでなく、Cr6+を溶出する可能性のある他の物質に適用することにより、これらの物質からのCr6+の溶出を防止することが可能である。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明する。なお、本実施例におけるCr6+溶出量は、環境庁告示46号法による溶出試験方法に基づいて測定した。
(実施例1)〔第1の発明〜第4の発明〕
クロム酸化物含有物質として、ステンレス鋼スラグ、重クロム酸ナトリウム製造の際に発生したクロム鉱滓、下水汚泥を用いた。
【0061】なお、ステンレス鋼スラグは、精錬の途中の還元処理工程中に抜き取ったサンプルである。また、硫黄含有物質として、未エージング高炉徐冷スラグ、6ヶ月自然エージング処理後の高炉徐冷スラグ、高炉スラグ溶出水を用いた。未エージング高炉徐冷スラグは、冷却、破砕後、1週間以内の試料を用いた。
【0062】また、高炉スラグ溶出水としては、高温状態の高炉スラグに水を散水して生じた溶出水を用いた。溶出水中の+5価以下の還元性硫黄濃度は0.05wt%であった。表4に、実験に供した未エージング高炉徐冷スラグ、ステンレス鋼スラグ、クロム鉱滓、下水汚泥の化学組成とCr6+溶出量を示す。
【0063】表4に示すように、Cr6+の溶出量は、ステンレス鋼スラグが1.0mg/l 、クロム鉱滓が9.7mg/l 、下水汚泥が0.80mg/lであった。上記したクロム酸化物含有物質(:還元処理対象材)を、表5に示す条件下で処理を施した。なお、表5における未エージング高炉徐冷スラグの添加率 (wt%) は、処理対象物質100 重量%に対する重量%である。
【0064】表5に、得られた結果を実験条件と併せて示す。なお、還元処理対象材と未エージング高炉徐冷スラグの混合は、均一になるようにした。大気雰囲気中で静置した際の山の大きさは、約100tで、高さが2mになるようにした。
【0065】比較例1〜4に示すように、未エージング高炉徐冷スラグを添加せずに、大気雰囲気中で静置処理、または100 ℃水蒸気の吹き込み処理を行っても、Cr6+の溶出量は、環境基準値である0.05mg/l以下にはならず、これは還元剤がないためである。また、比較例5に示すように、6ヶ月自然エージング処理後の高炉徐冷スラグを添加し、大気雰囲気中で静置処理しても、Cr6+の溶出量は0.05mg/l以下にはならなかった。
【0066】比較例6は、ステンレス鋼スラグを大気雰囲気中で静置し、ステンレス鋼スラグと同量の水道水を散水したものであるが、処理前後でCr6+溶出量にほとんど変化は見られなかった。一方、本発明例1〜4に示すように、高炉スラグ溶出水中に浸漬処理(本発明例1〜3)することにより、Cr6+の溶出量は0.05mg/l未満となり、環境基準を満たした。
【0067】また、本発明例4に示すように、ステンレス鋼スラグと同量の高炉スラグ溶出水を散水した例では、Cr6+の溶出量を環境基準を満たすまで低減できる。なお、上記した実施例のステンレス鋼スラグ、クロム鉱滓、下水汚泥は、上記した本発明による還元処理後、大気雰囲気中で1年間放置しても6価クロムの溶出は認められなかった。
【0068】
【表4】

【0069】
【表5】

【0070】
【表6】

【0071】(実施例2)〔第5の発明〕
クロム酸化物含有物質として、ステンレス鋼スラグ、重クロム酸ナトリウム製造の際に発生したクロム鉱滓、下水汚泥溶融スラグ、ステンレス鋼スラグ付着耐火物屑を用いた。表6に、実験に供した上記クロム酸化物含有物質の化学組成、気孔率、Cr6+溶出量を示す。
【0072】表6に示すように、Cr6+の溶出量は、ステンレス鋼スラグ−Aが6.50mg/l、ステンレス鋼スラグ−Bが32.7mg/l、ステンレス鋼スラグ−Cが13.2mg/l、クロム鉱滓が25.3mg/l、下水汚泥溶融スラグが0.8mg/l 、ステンレス鋼スラグ付着耐火物屑が0.12mg/lであった。気孔率は、ステンレス鋼スラグ−Aが18%、ステンレス鋼スラグ−Bが25%、ステンレス鋼スラグ−Cが4%、クロム鉱滓が10%、下水汚泥溶融スラグが8%であった。
【0073】なお、ステンレス鋼スラグは、通常、転炉において還元処理後に排滓するが、本発明の実験用に還元せずに排滓した。また、硫黄含有物質としては、未エージング高炉徐冷スラグ、硫黄(:単体硫黄)、湯ノ花を用いた。
【0074】
【表7】

【0075】上記のクロム酸化物含有物質を用いて、表7に示す実験条件下で浸漬法による処理を施した。硫黄含有物質としては、高炉スラグ溶出水、硫黄(:単体硫黄)、湯ノ花、硫化水素、チオ硫酸ナトリウムを用い、2価鉄含有物質として硫酸第一鉄を用いた。
【0076】表7に、得られた実験結果を実験条件と併せて示す。表7の比較例7〜10に示すように、還元性硫黄濃度:0.03重量%の高炉スラグ溶出水に、処理対象物質を3〜5日浸漬した場合、Cr6+の溶出を防止することができるが、溶出量を0.05mg/l以下にすることができない。しかし、本発明例5〜9に示すように、単体硫黄含有物質、酸化数が+5価以下の硫黄を含有する化合物(:+5価以下の硫黄化合物)、すなわち硫黄(:単体硫黄)、湯ノ花、チオ硫酸ナトリウム、硫化水素を高炉スラグ溶出水に添加または吹き込み、還元性硫黄濃度を調整した高炉スラグ溶出水中に、処理対象物質を浸漬することによって、浸漬5日以内で、溶出量を0.05mg/l以下にすることができた。
【0077】また、本発明例10に示すように、硫酸第一鉄を添加した高炉スラグ溶出水中に、処理対象物質を浸漬することによって、浸漬3日で、溶出量を0.05mg/l以下にすることができた。
【0078】
【表8】

【0079】
【表9】

【0080】
【発明の効果】本発明によれば、ステンレス鋼スラグ、クロム鉱滓、産業廃棄物溶融スラグ、下水汚泥、下水汚泥溶融スラグなどのクロム酸化物含有物質を、工業的に簡易で経済性に優れた方法で処理し、これらクロム酸化物含有物質からのCr6+の溶出を完全に防止することが可能となった。
【0081】さらに、本発明によれば、クロム酸化物含有物質を、短時間かつ被処理材の体積を極力増やさない処理方法で処理し、上記した優れた効果を得ることが可能となった。この結果、クロム酸化物含有物質の路盤材、仮設材、土木埋立材などへの再利用を容易に行うことが可能となった。
【出願人】 【識別番号】000001258
【氏名又は名称】川崎製鉄株式会社
【出願日】 平成10年3月10日(1998.3.10)
【代理人】 【識別番号】100099531
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 英一
【公開番号】 特開2002−248444(P2002−248444A)
【公開日】 平成14年9月3日(2002.9.3)
【出願番号】 特願2002−18894(P2002−18894)