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【発明の名称】 廃棄物における湧水圧緩和方法
【発明者】 【氏名】安藤 賢一

【氏名】深谷 正明

【要約】 【課題】湧水の浸透が止水材の周囲に均一に生ずるようにした。

【解決手段】廃棄物2の周囲に吸水することで膨潤する膨潤性止水材4を充填し、止水材4が水と接して吸水、膨潤することにより、止水する方法において、前記止水材4の周囲を透水性シート3で包囲し、透水性シート3の毛管現象により、局所に浸透した水を前記止水材周囲全体に行きわたらせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃棄物の周囲に吸水することで膨潤する膨潤性止水材を充填し、止水材が水と接して吸水、膨潤することにより、止水する方法において、前記止水材の周囲を透水性シートで包囲し、透水性シートの毛管現象により、局所に浸透した水を前記止水材周囲全体に行きわたらせることを特徴とする廃棄物における湧水圧緩和方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物における湧水圧緩和方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】廃棄物においては、その種類に応じて性状が多岐に亘るため、その処分方法も種々存在し、各種の方法が実用化されている。このうち、放射性廃棄物については、地下にサイロ、トンネルなどの地下空洞を構築し、低透水性のあるコンクリート製の容器に放射性廃棄物を処分するようにしている。
【0003】ところが、地下空洞に地下水が存在する場合、地下水の浸透による放射能物質漏れなどの懸念が生ずる。この対策として、無機系のベントナイトなどの膨潤性止水材料を廃棄物の周囲に充填することで、低透水性の環境下で処分を行う方法がある。膨潤性止水材料は、水が浸透すると吸水、膨潤することにより止水性能を発揮するため、地下水が存在していても十分に廃棄物の周囲を防護できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方法においても次に述べる技術的課題があった。すなわち、特に湧水現象が局所に集中する場合、その部位における止水材の強度が低下する。そして、吸水率により、膨潤圧、変形性、止水性が大きく変化するため、部分的に強度が不均一となり、偏荷重が生じ、変形、崩壊などのおそれが生ずるほか、均一な止水性が得られない。
【0005】本発明は、以上の課題を解決するものであって、その目的は、湧水の浸透が止水材の周囲に均一に生ずるようにした廃棄物における湧水圧緩和方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明方法は、廃棄物周囲に吸水することにより膨潤する膨潤性止水材を充填し、止水材が水と接して吸水、膨潤することにより、止水する方法において、前記止水材の周囲を透水性シートで包囲し、透水性シートの毛管現象により、局所に浸透した水を前記止水材周囲全体に行きわたらせることを特徴とするものである。
【0007】従って本発明方法では、局所から湧水したとしても、その水は止水材の周囲全体に行きわたるため、均一な膨潤圧で膨潤し、その状態で止水作用がなされ、変形や流出のおそれがない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1(a),(b)は、本発明方法を適用した廃棄物の保存手順を示すものである。先ず、図1(a)において、1は立方体形状に形成され、上部が開口した格納部1aを開口した保存容器、2は格納部1a内に収容される廃棄物本体、すなわち放射性廃棄物などを予め充填密封した円筒容器である。
【0009】保存容器1は、ポーラスコンクリートなどの透気性があり、かつ低透水材料からなるプレキャスト成形体である。そして、格納部1aの内周には透水シートからなる可とう性の袋体3が嵌合され、その内周に無機系材料であるベントナイト粉体等の吸水すると膨潤する膨潤性止水材4が乾燥粉末の状態で充填され、さらに止水材4の内側に廃棄物本体2を埋設した上で、残りの止水材4を充填し、袋体3の開口を折り畳んで蓋することで、最終的に格納部1aの上部開口をコンクリートキャップ5により封止することで、図1(b)に示す保存状態となる。
【0010】袋体3を構成する透水性シートは、ガラス繊維メッシュなど、その毛管現象により、しみこんだ水の拡散性、浸透性が高い繊維素材が用いられる。
【0011】以上の構造においては、図2に示すように、保存状態で湧水圧によって容器1の一部に水がしみ込み、その水みちWの先端が格納部1aの孔壁の任意の部位に到達すると、先ず袋体3の外周に接し、袋体3の毛管現象により、水は袋体3にしみこみつつ、矢印のごとく全周に一様に回り込み、次いでその内部の止水材4の全周表面より内部に到達しようとするが、水と接した表面は一様に膨潤し、太線矢印に示す外部に拡がろうとする膨潤圧力によって廃棄物本体に到達することなく止水されることになる。
【0012】従って、止水材4の止水作用は止水材4の全周で一様に生ずるため、偏荷重を生ずることがなく、各部一様な止水効果を発現するといった優れた効果を奏する。
【0013】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発明による廃棄物における湧水圧緩和方法にあっては、湧水の浸透が止水材の周囲に均一に生ずるため、止水作用が各部一様に行われ、偏荷重を生ずることがなく、これによる不具合を未然に防止できる。
【出願人】 【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
【出願日】 平成12年7月4日(2000.7.4)
【代理人】 【識別番号】100071283
【弁理士】
【氏名又は名称】一色 健輔 (外3名)
【公開番号】 特開2002−18386(P2002−18386A)
【公開日】 平成14年1月22日(2002.1.22)
【出願番号】 特願2000−202415(P2000−202415)