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【発明の名称】 微粒子の分級方法
【発明者】 【氏名】森下 和男

【要約】 【課題】円筒スクリーン分級機を用いる微粒子の分級方法において、スクリーンの破損が少なく、付着の著しい粉体の分級収率が高く作業時間の短縮によりコストを削減できる微粒子の分級方法を提供する。

【解決手段】円筒スクリーンを用いる微粒子の分級方法において、使用するタッピングボールの直径が、15mm以上、円筒形スクリーンの直径の1/5以下の範囲にある微粒子の分級方法。さらに、タッピングボールの質量が、0.2g以上、6g以下の範囲にある微粒子の分級方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 円筒スクリーンを用いる微粒子の分級方法において、使用するタッピングボールの直径が、15mm以上、円筒スクリーンの直径の1/5以下の範囲にあることを特徴とする微粒子の分球方法。
【請求項2】 タッピングボールの質量が、0.2g以上、6g以下の範囲にある請求項1記載の微粒子の分球方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒スクリーン分級機を用いた微粒子の分級方法に関する。詳細には、静電気によりスクリーンに付着し易い微粒子の分級に適した円筒形スクリーン分級機とタッピングボールによる微粒子の分級方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子材料用や半導体用に用いる高純度シリカなど金属コンタミを嫌う粉体を分級する場合、例えば合成繊維製のスクリーンを用いたターボ工業株式会社製の円筒スクリーン分級機(商品名ターボスクリーナー)が使用される。しかし、このような粉体を分級する場合は、分級中に発生する静電気により粉体がスクリーンに付着して目詰まりを起こし、分級収率が低下する問題が生じる。
【0003】粉体の付着によるスクリーンの目詰まりを防止するため特開平3−131372号では、数ミリのタッピングボール(弾性ボールと記載)を数個から数十個装入すること、タッピングボールが出口から排出するのを防ぐために遮断円板を取付けることが提案されている。また、特開平9−1074号では、タッピングボールが出口付近に偏るのを防ぐため回転翼の先端を曲げてタッピングボールを弾き戻す方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平3−131372号記載の数ミリのタッピングボールの使用では直径が小さいため回転翼とスクリーンの隙間に噛み込みスクリーンを破損する問題があり、特開平9−1074号記載の回転翼の先端を曲げてタッピングボールの偏りを防ぐ方法でもスクリーンと回転翼の隙間にタッピングボールが噛み込む問題は改善されていない。また、直径の大きいタッピングボールを使用するとその重みによりスクリーンへダメージを与えスクリーンを破損してしまう。そこでダメージを軽減するため、円筒スクリーン分級機の回転翼の回転数を下げると充分な処理量が得られなかった。本発明はこれらの問題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意努力した結果、円筒スクリーンを用いる分級機において、使用するタッピングボールの直径を特定の範囲とすることで、タッピングボールがスクリーンと回転翼の隙間に噛み込むことを防ぐことができること、さらに、ボールの質量を特定範囲とすることによりスクリーンにダメージが加わり疲労破損で裂け易くなることを防げることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明の第1の発明は、円筒スクリーンを用いる分級機において、使用するタッピングボールの直径が、15mm以上、円筒スクリーンの直径の1/5以下の範囲にあることを特徴とする微粒子の分級方法である。
【0007】本発明の第2の発明は、タッピングボールの質量が、0.2g以上、6g以下の範囲にある前記第1の発明の微粒子の分級方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について図1を用いて説明する。本発明で用いられる円筒スクリーンを用いる分級機とは、円筒スクリーン1の一端から内側に供給された原料粉体2をモーター9により高速で回転する回転翼3によって円筒スクリーン内面に押し付けることで、微粒子5は円筒スクリーン1を通過し、粗粒子6は出口7より排出されることで分級を行う装置である。たとえば、ターボ工業株式会社製円筒スクリーン分級機(商品名 ターボスクリーナーTS250×200)が用いられる。
【0009】円筒スクリーンの目開きは特に限定しないが10μm〜500μmを用いることができる。円筒スクリーンの材質も特に限定しないが合成繊維製が好ましく、さらに好ましくはナイロン製、ポリプロピレン製、ポリエチレン製、ポリエステル製、ポリイミド製である。また、帯電防止加工をした合成繊維製であればさらに好ましい。
【0010】図2に示すようにタッピングボール4a 、4bは円筒スクリーンの内側に1個〜5個、好ましくは1個〜2個挿入される。タッピングボールの材質としては合成樹脂が用いられ、好ましいのはポリプロピレン製、ウレタン製、セルロース製である。ポリプロピレン製やウレタン製ボールは、ドリルなどで穴を貫通させ、さらに中身を刳り貫いたものを用いることができる。あるいは、単に穴を空けたものでも良い。そのとき、切り口が鋭利であればやすりなどで滑らかにしてから用いるのがよい。セルロース製ボールとしてはピンポン玉が安価で好ましい。
【0011】タッピングボールの直径は15mm以上、円筒スクリーン直径の1/5以下が好ましく、さらに好ましい直径は20mm以上、円筒スクリーン直径の1/6以下である。15mm以下ではスクリーンと回転翼の隙間にタッピングボールが噛み込むことがあり、円筒形スクリーン直径の1/5以上では大きすぎて自由な動きができず充分なタッピング効果が得られない。
【0012】タッピングボールの質量は0.2g以上、6g以下が好ましく、さらに好ましくは0.2g以上、3g以下である。タッピングボールの質量が6gより大きいとスクリーンへダメージを与え破損させてしまう。また、0.2gより小さいと充分なタッピング効果が得られない。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により具体的に図1、2をもって説明する。分級機はターボ工業株式会社製円筒スクリーン分級機(商品名 ターボスクリーナーTS250×200)を用いた。使用した円筒スクリーン1の直径は250mmである。円筒スクリーン1はポリエステル製の目開き33μm、50μmを用いた。タッピングボールは市販の合成樹脂製ボールを加工して使用した。分級に用いた原料粉体2は平均粒径10μmのシリカである。シリカは分級機のホッパーに投入し振動フィーダにより分級機内に導入され分級処理される。分級収率は以下の方法で計算した。
分級収率(質量%)=(1パス微粒子質量(kg)+2パス微粒子質量(kg)+3パス微粒子質量(kg))/原料シリカ粉体質量(kg)×100ここで、原料シリカの粉体を分級機で分級した初めの1回目を1パスと呼び、円筒スクリーンを通過した微粒子5と通過せず出口7から排出した粗粒子6とに分けた後、この粗粒子6を再度分級機で処理することを2パス、さらに得られた粗粒子6を繰り返し分級機で処理することを3パスと呼ぶ。
【0014】実施例1直径19.1mmのポリプロピレン製ボールにドリルで6mmの穴をXYZ軸上に3本貫通させて質量を1.5gにしたものをタッピングボールとして用いた。切り口が鋭利な場合はやすりで滑らかにしてから用いた。分級機の回転数は800回転とした。スクリーンは目開き33μmを用いた。シリカを100kg分級して分級収率91質量%を得た。このときのタッピングボール無しの場合は分級収率は37質量%であった。
【0015】実施例2直径38mmのセルロース製ピンポン玉をタッピングボールとして用いた。質量は2.5gである。スクリーンの目開きは33μmである。分級機の回転数は1000回転とした。シリカを150kg分級して分級収率97質量%を得た。このときのタッピングボール無しの場合は分級収率40質量%であった。
【0016】比較例1直径7.9mm、質量0.3gのウレタン製ボールをタッピングボールとして用いた。分級機の回転数は1000回転とした。スクリーンは目開き33μmを用いた。シリカを100kg分級中に15kg分級処理した時点でスクリーンが裂けた。分級機を点検した結果、タッピングボールが噛み込んだ位置でスクリーンが裂けていた。また回転翼に凹み傷を確認した。
【0017】比較例2直径25.4mm、質量7.3gのポリプロピレン製ボールをタッピングボールとして用いた。分級機の回転数は700回転とした。スクリーンは目開き50μmを用いた。シリカを50kg分級して分級収率83質量%を得たが、分級後に分級機を点検して、スクリーンに多数の擦れギズを確認し、またスクリーンの表面も一部凸凹に歪んで、以後の分級に使用不可能な状態であった。
【0018】実施例、比較例の結果を表1にまとめた。
【表1】

【0019】
【発明の効果】本発明の方法により、円筒スクリーン分級機を用いる微粒子の分級方法において、スクリーンの破損が減り、付着の著しい粉体の分級収率が向上でき、作業時間の短縮によりコスト削減となった。また、スクリーンへのダメージが軽減したことで、長時間の使用が可能となった。本方法は、化粧品、塗料、フィラーおよび特殊セラミックスなどの原料で付着しやすい粉体を、分級する場合に好適に用いられる。
【0020】
【出願人】 【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱レイヨン株式会社
【出願日】 平成13年4月25日(2001.4.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−320921(P2002−320921A)
【公開日】 平成14年11月5日(2002.11.5)
【出願番号】 特願2001−127568(P2001−127568)