| 【発明の名称】 |
振動型ブラシレスモータ |
| 【発明者】 |
【氏名】梶原 秀敏
|
| 【要約】 |
【課題】コストの上昇、工数の増大を招くことなく、振動の大きさを任意に設定できる振動型ブラシレスモータを提供する。
【解決手段】アキシャルギャップ型のブラシレスモータの構造を有する振動型ブラシレスモータAであって、マグネット2を固着したロータヨーク1の回転中心にシャフト3の一端3aを固定し、シャフト3の他端3bに軸受部6を回転自在に軸支したロータ8と、軸受部6の周囲に環状に配置された複数の空芯コイル5と、複数の空芯コイル5に対向するように配置され、天井面1aを備えたロータヨーク1の回転中心から外周方向に向かって放射状に切り欠いてなる円弧状のマグネット2とを備え、ロータ8のアンバランスな回転によって振動を発生する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アキシャルギャップ型のブラシレスモータの構造を有する振動型ブラシレスモータであって、マグネットを固着したロータヨークの回転中心にシャフトの一端を固定し、前記シャフトの他端を軸受部で回転自在に軸支したロータと、前記軸受部の周囲に環状に配置された複数の空芯コイルと、前記複数の空芯コイルに対向するように配置され、天井部を備えた前記ロータヨークの前記回転中心から外周方向に向かって放射状乃至半円弧状に切り欠いてなる円弧状の前記マグネット又はその一部を切り欠いてなる円板状の前記マグネットとからなり、前記ロータのアンバランスな回転によって振動を発生することを特徴とする振動型ブラシレスモータ。【請求項2】 前記天井部は、前記ロータヨークの前記回転中心から外周方向に向かって放射状に切り欠いてなることを特徴とする請求項1記載の振動型ブラシレスモータ。【請求項3】 アキシャルギャップ型のブラシレスモータの構造を有する振動型ブラシレスモータであって、マグネットを固着したロータヨークの回転中心にシャフトの一端を固定し、前記シャフトの他端を軸受部で回転自在に軸支したロータと、前記軸受部の周囲に環状に配置された複数の空芯コイルと、前記複数の空芯コイルに対向するよう配置され、天井部を備えた前記ロータヨークの前記回転中心に対して位置変位した中心を有し、かつ前記回転中心を囲むように設けられた略円状の中空部を有する円板状の前記マグネットとからなり、前記ロータヨークの前記回転中心に対する前記中空部の中心の位置変位により発生する前記ロータのアンバランスな回転によって振動を発生することを特徴とする振動型ブラシレスモータ。【請求項4】 前記マグネットは、その全て又は一部に、N極,S極を2N(Nは正数)組、着磁してなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の振動型ブラシレスモータ。 |
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、近年急増しているペイジャー、携帯電話等の振動発生源として使用するアキシャルギャップ型のブラシレスモータの構造を有する振動型ブラシレスモータに関し、特にマグネット回転型のロータの構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図9〜図12は従来構造の振動型モータの構造図である。図9は実開平7−20063号公報に記載されてあるように、シャフト3にアンバランスウェイト(分銅) 9を取り付つけて、シャフト3の回転により振動を発生させる振動型モータの構造を示す図である。図10は特開平9−93862、特開2000−262969の各号公報に記載されてあるように、ロータ8の外周にアンバランスウェイト9を取り付け、ロータ8の回転により振動を発生させる振動型モータの構造を示す図である。【0003】図11、図12はそれぞれ、特開平2−17853、特開平9−294352の各号公報に記載されてあるように、偏平コイル10の一部を削除したり、偏平コイルを削除したりした部分にウェイト11を配置し、ロータの回転に振動を発生させる振動型モータの偏平コイルの構造を示す図である。【0004】 【発明が解決しようとする課題】前述した実開平7−20063号、特開平9−93862、特開2000−262969の各号公報に記載されてある振動型モータは、シャフトにアンバランスウェイトを取り付けなければならない構造のものである。このためモータ自体としての基本部品コスト以外にアンバランスウェイト分のコストが増加し、しかもこのアンバランスウェイトをシャフトに取り付けるための工数も増加する。さらにアンバランスウェイトが回転するための回転スペースがモータ自体の外部や内部に必要となるから、こうした構造の振動型モータを小型化することができなかった。 【0005】また、前述した特開平2−17853や特開平9−294352の各号公報に記載されてある振動型モータは、偏平コイルを可動する構造のものであるが、振動効果を大きく得ることができなかった。【0006】そこで本発明は、こうした課題に鑑みて創案されたものであり、アキシャルギャップ型のブラシレスモータの構造を有する振動型ブラシレスモータであって、マグネットを固着したロータヨークの回転中心にシャフトの一端を固定し、前記シャフトの他端を軸受部で回転自在に軸支したロータと、前記軸受部の周囲に環状に配置された複数の空芯コイルと、前記複数の空芯コイルに対向するように配置され、天井部を備えた前記ロータヨークの前記回転中心から外周方向に向かって放射状乃至半円弧状に切り欠いてなる円弧状の前記マグネット又はその一部を切り欠いてなる円板状の前記マグネットを備えたことにより、振動形成に要する部品の付加が無いからこれによるコストの上昇、工数の増大を招くことがなく、また、振動効果を大きく取ることができる振動型ブラシレスモータを提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために、本発明は、次の(1)〜(4)の構成を有する振動型ブラシレスモータを提供する。 (1) 図1〜図4,図7に示すように、アキシャルギャップ型のブラシレスモータの構造を有する振動型ブラシレスモータA,B,Eであって、マグネット2、2A、2Dを固着したロータヨーク1、1A、1Dの回転中心にシャフト3の一端3aを固定し、前記シャフト3の他端3bを軸受部6で回転自在に軸支したロータ8と、前記軸受装置6の周囲に環状に配置された複数の空芯コイル5と、前記複数の空芯コイル5に対向するように配置され、天井部(天井面)1aを備えた前記ロータヨーク1,1A,1Dの前記回転中心から外周方向に向かって放射状乃至半円弧状に切り欠いてなる円弧状のマグネット2,2D又はその一部を切り欠いてなる円板状のマグネット2Aとからなり、前記ロータ8のアンバランスな回転によって振動を発生することを特徴とする振動型ブラシレスモータ。(2) 図8に示すように、前記天井部1aは、前記ロータヨーク1Eの前記回転中心から外周方向に向かって放射状に切り欠いてなることを特徴とする請求項1記載の振動型ブラシレスモータF。(3) 図5に示すように、アキシャルギャップ型のブラシレスモータの構造を有する振動型ブラシレスモータCであって、マグネット2、2A、2Dを固着したロータヨーク1、1A、1Dの回転中心にシャフト3の一端3aを固定し、前記シャフト3の他端3bを軸受部6で回転自在に軸支したロータ8と、前記軸受装置6の周囲に環状に配置された複数の空芯コイル5と、前記複数の空芯コイル5に対向するよう配置された天井部(天井面)1aを備えた前記ロータヨーク1Bの前記回転中心14に対して位置変位した中心16を有し、かつ前記回転中心14を囲むように設けられた略円状の中空部15を有する円板状のマグネット2Bとからなり、前記ロータヨーク1Bの前記回転中心14に対する前記中空部15の中心16の位置変位により発生する前記ロータ8のアンバランスな回転によって振動を発生することを特徴とする振動型ブラシレスモータ。(4) 前記マグネット2,2A〜2Cは、その全て又は一部(図6に示す場合)に、N極,S極を2N(Nは正数)組、着磁してなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の振動型ブラシレスモータ。【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる振動型ブラシレスモータにつき、その第1実施例〜第6実施例を図1〜図8を参照して順に説明する。図1は本発明の第1実施例のモータを示す上面図、図2は図1のAA線縦断面図、図3〜図5はそれぞれ本発明の第1実施例〜第3実施例のモータのロータ底面図、図6は本発明の第4の実施例のモータのロータ底面着磁図、図7は本発明の第5の実施例のロータの底面図及び側面図、図8は本発明の第6の実施例のモータの上面図である。 【0009】下記する各実施例の振動型ブラシレスモータは、3相駆動でロータの着磁極は全周で4極相当の角度で設けてあり、且つ開角90°の空芯コイルを120°間隔で備えたアキシャルギャップ型の振動型ブラシレスモータである。図1〜図8中、1,1A〜1Eはロータヨーク、1aは天井面(天井部)、1bは側面、2,2A〜2Eはマグネット、3はシャフト、3aは一端、3bは他端、4はプリント基板、5は空芯コイル、6は軸受装置(軸受部)、7はプレート、8はロータ、A〜Fは振動型ブラシレスモータである。 【0010】[第1実施例]本発明の第1実施例に係わる振動型ブラシレスモータAは、図1〜図3に示すように、ロータヨーク1の回転中心部にはシャフト3の他端3bが固着され、シャフト3の一端3aは軸受装置6によって回動自在に保持される構造のものである。天井面1a及び側面1bを備えたロータヨーク1に固着し、その回転中心部から外周方向に向かって放射状に切り欠いてなる円弧状のマグネット2は、プリント基板4に載置された複数の空芯コイル5に対向するように配置されている。 【0011】軸受装置6は焼結含油軸受で、下端に磁気回路を形成する磁性材料からなるプレート7をカシメ、ロータヨーク1に固定されたシャフト3を回転自在に保持している。プレート7の上面にはプリント基板4が張付けてあり、更にプリント基板4の上面には複数の空芯コイル5が接着剤で取付けてある。円弧状のマグネット2にはN極とS極を交互に2極、円周では4極に相当する着磁がされている。本実施例ではマグネット2が円弧状に設けられているので4極の磁極が設けられている。ここで複数の空芯コイル5に通電する事により回転駆動力を発生する。この時マグネット2は円周の一部を切欠いた円弧状のため、ロータヨーク1の回転中心とマグネット2の重心との位置が異なり、回転によりロータ8に振動を発生させることができる。 【0012】[第2実施例]本発明の第2実施例に係わる振動型ブラシレスモータBは、図4に示すように、円弧状のマグネット2Aの円周の一部に切欠き13を設けている。この切欠き部13によりロータヨーク1Aの回転中心部とマグネット2Aの重心との位置が異なり、回転によりロータヨーク1Aに振動を発生させることができる。天井面1a及び側面1bを備えたロータヨーク1Aに固着され回転中心部から外周方向に向かってその一部を切り欠いてなる円板状のマグネット2Aは、プリント基板4に載置された複数の空芯コイル5に対向するように配置されている。このマグネット2Aには4極が着磁されている。これ以外の第2実施例に係わる振動型ブラシレスモータBの構成は、前記した第1実施例に係わる振動型ブラシレスモータAの構成と同一である。 【0013】[第3実施例]本発明の第3実施例に係わる振動型コア付ブラシレスモータCは、図5に示すように、円板状のマグネット2Bの中空部15の中心16とロータヨーク1Bの回転中心14との位置をずらし、ロータヨーク1Bの回転によりアンバランス振動を発生させる事ができる。天井面1aを備えたロータヨーク1Bはその回転中心14に対して位置変位した中心16を有し、かつ回転中心14を囲むように設けられた略円状の中空部15を有する円板状のマグネット2Bが、プリント基板4に載置された複数の空芯コイル5に対向するよう配置されている。前記マグネット2Bには4極が着磁されている。これ以外の第3実施例に係わる振動型ブラシレスモータCの構成は、前記した第1実施例に係わる振動型ブラシレスモータAの構成と同一である。 【0014】[第4実施例]本発明の第4実施例に係わる振動型ブラシレスモータDは、図6に示すように、円弧状のマグネット2Cの一部の範囲にのみ、2極の着磁部18を設け、着磁部18の両サイドにそれぞれ無着磁部12,12を設けている。この時着磁部18は円弧状のマグネット2Cのどの部分にあっても構わない。 【0015】マグネット2Cの着磁極数は本実施例では2極であるが、モータの特性仕様により磁極は、2n極(n=1、2・・・正数)で設定することができ、コイル5の数や巻線方法その他の条件で着磁磁極数を任意に決定することができる。また円弧状のマグネット2Cの形状(切欠き寸法)は要求される振動量に応じて設定されるため、前述の通り着磁部18の範囲と、マグネット2Cの寸法(円弧の長さ)は一致する必要がない。これ以外の第4実施例に係わる振動型ブラシレスモータDの構成は、前記した第1実施例に係わる振動型ブラシレスモータAの構成と同一である。 【0016】[第5実施例]本発明の第5実施例に係わる振動型ブラシレスモータEは、図7(a)に示すように、半円弧状(半円状)のマグネット2DをN極とS極との2極着磁してロータヨーク1Dに取付けてある。天井面1a及び側面1bを備えたロータヨーク1Dに固着し、その回転中心部から外周方向に向かって半円弧状に切り欠いてなるこの半円弧状のマグネット2Dが、プリント基板4に載置された複数の空芯コイル5に対向するように配置されている。図7(b)はロータヨーク1Dのマグネット2Dの無い部分を切欠いた側面1bを示している。マグネット2Dの重心がロータヨーク1Dの回転中心に対して位置偏移しているため、回転によりロータ8に振動を発生させることができる。これ以外の第5実施例に係わる振動型ブラシレスモータEの構成は、前記した第1実施例に係わる振動型ブラシレスモータAの構成と同一である。 【0017】[第6実施例]本発明の第6実施例に係わる振動型ブラシレスモータFは、図8に示すように、ロータヨーク1Eの天井面1aまたは側面1bの一部を切欠き、円周の一部を切欠いた円弧状のマグネット2Eを接着固着したものである。換言すれば天井部1aはロータヨーク1Eの回転中心部から外周方向に向かって放射状に切り欠いてなる。マグネット2Eの重心をロータヨーク1Eの回転中心から偏移させることにより振動を発生させるものである。ここでロータヨーク1Eの天井面1aまたは側面1bの切欠き範囲は必要な振動量により任意に設定することができ、マグネット2Eの円周方向の切欠き長さと異なることを特徴とする。またロータヨーク1Eの天井面1aと側面1bとの両方を切欠いても良い。これ以外の第6実施例に係わる振動型ブラシレスモータFの構成は、前記した第1実施例に係わる振動型ブラシレスモータAの構成と同一である。 【0018】以上詳述した構成の本発明に係わる振動型ブラシレスモータによればアンバランスウエイトが不要で、モータ駆動に最低限必要な構成部品であるロータヨークとマグネットのみで必要な振動量を簡単に得ることができる。空芯コイルより質量の重いマグネットとロータヨークをアンバランスにしているので同一印加エネルギーでは振動を大きく得ることができるので効率が良い。またロータヨークやマグネットの切欠き形状は任意に設定できるので、必要振動量により角度を調節できる。更にマグネットの一部を切欠く事によりマグネットの質量を少なくできるのでモータの軽量化や、コストダウンが可能で、且つリング状マグネットの欠点である、割れクラックの発生を大幅に改善され歩止りの向上が得られる。 【0019】尚、上記した実施例は主に3相4極3空芯コイルの例について説明したが、モータの仕様により任意の相数や、2n極(n=1、2・・・整数)の磁極数、それに任意の空芯コイル数や空芯コイル配置を選択することで本発明の効果が得られる。従って今後ますます軽量、省エネ化が要求されるペイジャーや携帯電話等の振動発生源として振動型ブラシレスモータに有効な効果が得られることは勿論である。 【0020】 【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、振動形成に要する部品の付加を新たに必要とすることがないから、これによるコストの上昇、工数の増大を招くことがなく、また、ロータヨーク、マグネットの形状等を設定するだけで、ロータヨークの振動効果(振動量)の大きさを必要に応じて任意に設定することができるので、例えば多種多様のペイジャー、携帯電話等の振動源として好適な振動を発生する振動型コア付ブラシレスモータを提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004329 【氏名又は名称】日本ビクター株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年2月23日(2001.2.23) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2002−248428(P2002−248428A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月3日(2002.9.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−47994(P2001−47994) |
|