| 【発明の名称】 |
多色模様塗膜の形成方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】遠藤 康輝
【氏名】須藤 和弘
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| 【要約】 |
【課題】従来の模様塗料による仕上げ面が単色仕上げがほとんどであったという課題、および従来の多彩模様塗料による仕上げ面が画一的であったという課題を解決しようとする。
【解決手段】基材表面に直接またはプライマー層を介して、着色塗料で凸部を有する下塗り塗膜を形成し、次いで、該下塗り塗膜の色調と異なる色調の上塗り着色塗料で、下塗り塗膜の色調を隠ぺいし、かつ下塗り塗膜の形状が認識できるように塗装した後、該上塗り塗装塗膜が流動状態にある内に、該上塗り塗装塗膜の凸部上を擦ることで、下塗り塗膜の凸部色調が見えることを特徴とする多色模様塗膜の形成方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材表面に直接またはプライマー層を介して、着色塗料で凸部を有する下塗り塗膜を形成し、次いで、該下塗り塗膜の色調と異なる色調の上塗り着色塗料で、下塗り塗膜の色調を隠ぺいし、かつ下塗り塗膜の形状が認識できるように塗装した後、該上塗り塗装塗膜が流動状態にある内に、該上塗り塗装塗膜の凸部上を擦ることで、下塗り塗膜の凸部色調が見えることを特徴とする多色模様塗膜の形成方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、多色模様塗膜の形成方法に関するものであり、さらに詳しくは、基材表面に直接またはプライマー層を介して、着色塗料で凸部を有する下塗り塗膜を形成し、次いで、該下塗り塗膜の色調と異なる色調の着色塗料で下塗り塗膜の色調を隠ぺいし、かつ下塗り塗膜の形状が認識できるように塗装した後、該上塗り塗装塗膜が流動状態にある内に、該上塗り塗装塗膜の凸部上を擦ることで、下塗り塗膜の凸部色調が見えることを特徴とする多色模様塗膜の形成方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、建築物の内外壁等の美観を向上させるために、これら壁表面に塗装を施して模様塗膜を形成することが行われている。例えば、セメント、合成樹脂などの結合材と、無機質系または有機質系の粉粒体または繊維などの骨材を主原料とする塗装材料は、吹き付け塗り、ローラー塗り、コテ塗りなどの塗装方法によって、砂壁状、クレーター状、ゆず肌状、じゅらく状、スタッコ状など、凹凸状の立体感に富んだ塗装仕上げ面を形成することができるものの、単色仕上げがほとんどであり、近年、より装飾性ないし意匠性の高い仕上げが要求されている建築仕上げ分野においては、その要求を充分に満たしているとはいい難い。 【0003】一方、塗料中に塗膜となった際に多色模様塗膜を形成するように、色調の異なる着色骨材、あるいは着色樹脂粒子を複数配合した塗料や、JIS−K−5667に規定されている多彩模様塗料が知られている。 【0004】また、特開平5−237444号に開示されているように、着色下塗エマルジョンを塗装して下塗塗膜を形成した後、該下塗塗膜上に、異なる色の複数の各上塗エマルジョン塗料をスプレー塗装による多彩模様塗膜の形成方法がある。 【0005】しかし上記の多彩模様塗膜の模様は、いずれも粒子状あるいは液状粒子の重なり合いにより形成される模様であるため、全体としては画一化された平面的な模様の表現に止まらざるを得なかった。そのため特に近年、より装飾性ないし意匠性の高い仕上げが要求されている建築仕上げ分野においては、その要求を充分に満たしているとはいい難い。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は従来の模様塗膜による仕上げ面が単色仕上げしか得られないという課題、あるいは多彩模様塗膜が画一的でかつ平面的で変化に乏しいという課題を解決しようとするものである。 【0007】 【課題を解決しようと手段】即ち、本発明の多色模様塗膜の形成方法は、基材表面に直接またはプライマー層を介して、着色塗料で凸部を有する下塗り塗膜を形成し、次いで、該下塗り塗膜の色調と異なる色調の着色塗料で下塗り塗膜の色調を隠ぺいし、かつ下塗り塗膜の形状が認識できるように塗装した後、該上塗り塗装塗膜が流動状態にある内に、該上塗り塗装塗膜の凸部上を擦ることで、下塗り塗膜の凸部色調が見えることを特徴とする多色模様塗膜の形成方法に関する。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の多色模様塗膜の形成方法において、下塗り塗膜、および上塗り塗膜の形成に用いることのできる塗材としては、何ら限定されるものではなく、塗膜形成成分(例えば、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・シリコーン樹脂等の塗料用バインダー)、塗料用に通常用いられている無機もしくは有機顔料(例えば、二酸化チタン、黒色酸化鉄、ベンガラ、クロムグリーン、カーボンブラック、銅フタロシアニン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー等)、および必要ならば塗料用として公知の種々添加剤を配合してなるものであり、該塗材は水系または有機溶剤系のいずれであっても良い。 【0009】本発明の多色模様塗膜は、適宜な基材表面に、直接またはプライマー層を介して上記の下塗り塗材をローラー塗り、スプレー塗り、刷毛塗りなどの公知の塗装方法で凸部を有する下塗り塗膜を形成する。この時の下塗り塗膜は、基材表面の部分的に凸部部分を形成しても良く、また、基材表面の全面を被覆し、かつ凸部部分を有するように形成しても良い。このような塗膜としては従来のクレーター状、スタッコ状の塗膜外観を有するものも含まれる。次いで該下塗り塗膜上に、色調の異なる上塗り塗材をローラー塗り、スプレー塗り、刷毛塗りなどの公知の塗装方法で下塗り塗膜の色調を隠ぺいし、かつ下塗り塗膜の形状が認識できるように塗装する。この後、該上塗り塗装塗膜が流動状態にある内に、該上塗り塗装塗膜の凸部上を適宜な治具で擦り、下塗り塗膜の凸部の色調を見える程度とした後、乾燥あるいは硬化することで形成されるものである。 【0010】なお、本発明で上塗り塗装塗膜上を適宜な治具で擦ることで、下塗り塗膜の凸部の色調が見える程度とは、特に限定されるものではなく、凸部を形成している下塗り塗膜の色調で凸部形状が明確に判る状態より、凸部を形成している下塗り塗膜の色調がわずかに認識できる程度を含むものである。 【0011】また、本発明でいう塗装塗膜の流動状態とは、液状塗装塗膜が乾燥塗膜、あるいは硬化塗膜となるまでの塗装塗膜の状態であって、特に流動状態の程度を規定するものではないので、目的とする模様塗膜を得るにあっては、適宜その塗装塗膜の流動状態を選ぶことができる。 【0012】本発明で、上塗り塗膜が流動状態にある内に、該塗装塗膜の凸部上を擦る治具としては、例えば塗装用のコテ、ゴムヘラおよび刷毛などが好適に用いることができる。また、高圧空気を塗装塗膜表面に吹き付ける方法で、下塗り塗膜の凸部の色調が見えるようにすることもできる。 【0013】本発明により形成される模様塗膜は、下塗り塗膜で形成された凹凸感と、かつ凸部が下塗り塗膜の色調が見えることで、これまでにはなかった多色模様塗膜とすることができたものである。 【0014】本発明に用いられる基材は、何ら限定するものではないが、例えば、建築物の外壁材としてのスレート板、木材、プラスチック板、陶器、ガラスなどが挙げられる。 【0015】また、これら基材面には、下塗り塗膜の形成に先立ち、該下塗り塗膜との密着性などを改善する目的で、種々のタイプのプライマーを塗布するのが好ましい。用いることのできるプライマーとしては、アクリル系、スチレン・アクリル系、塩化ビニル系、塩化ビニル・酢酸ビニル系、エチレン・酢酸ビニル系、などの合成樹脂の有機溶剤溶液またはエマルションなどでである。 【0016】以下実施例により本発明を具体的に説明するが、これら実施例は一例であって、これにより本発明を限定するものではない。また、実施例中、特に断りのない限り配合量は重量部で表わした。 【0017】実施例1(黒色着色エマルション塗料の製造)アクリル樹脂エマルション74.0部(旭化成工業株式会社製、商品名:ポリトロンE−800)、造膜助剤1.0部(イーストマンケミカルジャパン株式会社製、商品名:テキサノール)、分散剤0.5部(サンノプコ株式会社、商品名:ノプコスパース44C)、消泡剤0.2部(旭電化株式会社製、商品名:アデカネートB−190)、増粘剤0.3部(フジケミカル株式会社製、ヒドロキシエチルセルロース)、黒色酸化鉄24部を、容器中で攪拌機で混合攪拌した。この塗料の粘度は100dPa・sであった。 (白色着色エマルション塗料の製造)上記で製造した黒色着色エマルション塗料の黒色酸化鉄を二酸化チタンとした以外は全く同様にして白色着色エマルション塗料を製造した。この塗料の粘度は100dPa・sであった。 (多色模様塗膜の形成)上記で製造した黒色着色エマルション塗料をスレート板の上に、間欠的にスプレーで散点状に塗装し、室温で3時間乾燥(指触乾燥)して凸部を有する下塗り塗膜を形成した。この後上記で製造した白色着色エマルション塗料を下塗り塗膜の色調を隠ぺいする程度にスプレーで塗装した。この後直ちに塗装用のコテで該塗膜の凸部上を擦り下塗り塗膜の色調が見える程度とした。この後、室温で24時間乾燥した。このようにして形成された塗膜は、白色の上塗り塗膜の中に散点状に塗装された下塗り塗膜の凸部の黒色が見える、凹凸感のある多色模様となり意匠性に富んだ塗膜であった。 【0018】実施例2(黒色着色塗料の製造)アクリルポリオール樹脂溶液60部(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:アクリディックA−801)、トルエン8部、分散剤7部(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名:Disperbyk−163)、黒色酸化鉄25部を容器中で混合攪拌して溶剤型黒色着色塗料を製造した。 (白色着色塗料の製造)上記で製造した溶剤型黒色着色塗料の黒色酸化鉄を二酸化チタンとした以外は全く同様にして溶剤型白色着色塗料を製造した。 (多色模様塗膜の形成)上記で製造した溶剤型黒色着色塗料と、イソシアネートプレポリマー75部(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:コロネートHL)、酢酸エチル25部を混合溶解した溶液(以降、硬化剤溶液という)を15:1の比率で混合均一化した。この溶剤型黒色着色塗料溶液をスレート板の上に刷毛で散点状を有するように塗布した後、80℃で30分乾燥した。次に該塗膜の上に、上記で製造した溶剤型白色着色塗料と硬化剤溶液を15:1の比率で混合均一化した溶剤型白色着色塗料溶液を、下塗り塗膜の色調を隠ぺいする程度に刷毛で塗装した。この後直ちに塗装用のコテで該塗膜の凸部上を擦り下塗り塗膜の色調が見える程度とした。この後、80℃にて1時間乾燥硬化した。このようにして形成された塗膜は、白色の上塗り塗膜の中に散点状に塗装された下塗り塗膜の凸部の黒色が見える、凹凸感のある多色模様となり意匠性に富んだ塗膜であった。 【0019】 【発明の効果】本発明の多色模様塗膜の形成方法により、従来の模様塗料による仕上げ面が単色仕上げがほとんどであっという課題、および従来の多彩模様塗料による仕上げ面が画一的であったという課題を解決でき、凹凸感のある多色模様となり意匠性に富んだ塗膜外観を形成できた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000224123 【氏名又は名称】藤倉化成株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月25日(2001.4.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−320913(P2002−320913A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月5日(2002.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2001−126835(P2001−126835) |
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