トップ :: B 処理操作 運輸 :: B03 液体による,または,風力テ−ブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離




【発明の名称】 湿式電気集塵機の放電極
【発明者】 【氏名】大坪 清仁

【氏名】田部井 邦雄

【氏名】福田 敬則

【氏名】川本 輝明

【要約】 【課題】スペーサの腐食による電極支持部の緩みを防止し、通電性を確保して集塵性能の向上を図るとともに、放電板やスペーサの部分交換を容易にする。

【解決手段】中心に孔10aを有し、外周に先端が尖った複数の突起10bを放射状に有する複数の放電板10と、各放電板10の上下の間隔を一定に保持する円筒状の複数のスペーサ11Aを有し、各放電板10とスペーサ11Aを上下に連続的に接続してなる湿式電気集塵機1の放電極8において、上記スペーサ11Aは上または下端面に雄ねじ部11aを、下または上端面に雌ねじ部11bを有しており、各スペーサ11A間に放電板10を挟み込んだ状態で雄ねじ部11aと雌ねじ部11bを螺合して連続的に接続してなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中心に孔を有し、外周に先端が尖った複数の突起を放射状に有する複数の放電板と、各放電板の上下の間隔を一定に保持する円筒状の複数のスペーサを有し、各放電板とスペーサを上下に連続的に接続してなる湿式電気集塵機の放電極において、上記スペーサは上または下端面に雄ねじ部を、下または上端面に雌ねじ部を有しており、各スペーサ間に放電板を挟み込んだ状態で雄ねじ部と雌ねじ部を螺合して連続的に接続してなることを特徴とする湿式電気集塵機の放電極。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿式電気集塵機の放電極に係り、特にボイラからの燃焼排ガスに含有する煤塵やミストを除去する湿式電気集塵機の放電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気集塵機は、直流高電圧によってコロナ放電を発生させ、ガス中の粒子を帯電させて電界内で電気力により帯電粒子とガスを分離させて集塵するものである。電気集塵機には、集塵極に堆積した煤塵をつち打ち装置により払い落とす乾式電気集塵機と、集塵極を水で流し落とす湿式電気集塵機とがある。
【0003】電気集塵機は、たとえば、排煙脱硫プラントなどの一部に組み込まれて使用されている。排煙脱硫プラントで乾式電気集塵機は、吸収塔の前で多量の煤塵を除去するのに使用され、湿式電気集塵機は、吸収塔の後でSO3 ミストや微細な煤塵の除去に使用される。
【0004】図2は湿式電気集塵機の側面図である。図3は図2のA−A矢視図である。図4は図3の一部拡大図である。図5は図4の一部拡大図である。図2ないし図5において、1は湿式電気集塵機である。2は湿式電気集塵機1の架台である。3は後述する放電極8と集塵極12を複数収納する上下に長い箱状容器で、架台2上に立設されている。3aは箱状容器3底部のホッパで、下端に洗浄水によって流し落とされたドレンを排出するドレン排出管3bを設けている。4は箱状容器3の中間に設けた排ガス導入管で、4aは排ガス導入口である。5は排ガス導入管4の反対側に設けた清浄ガス排出管で、5aは清浄ガス排出口である。6は集塵極12を吊り下げる集塵極吊りフレームである。7は給電材である。9は放電極8の芯棒である。10は後述する複数の放電板である。11は上下の放電板10の間隔を一定に保持する円筒状の複数のスペーサである。13は集塵極12を支持する複数の支持枠フレームで、ステンレス製の平板を6角形に複数結合してハニカム状に形成している。上下の支持枠フレーム13間に複数の丸棒を懸架して集塵極12を形成している。14は碍子である。15および16は集塵極12に堆積した煤塵を洗浄する洗浄水給水管である。17は排ガス、18は清浄ガスである。19は排ガス導入管4内に設けた入口ガス分散板である。22は放電極8に給電する高圧電源装置である。23は水封装置である。
【0005】放電極8は、図5に示すように、中心に孔10aを有し、外周に先端が尖った複数の突起10bを放射状に有する複数のステンレス製の皿形の放電板10と、各放電板10の上下の間隔を一定に保持する円筒状の複数のステンレス製のスペーサ11と、各放電板10の孔10aとスペーサ11の中空部に貫通して上下に連続的に接続したステンレス製の芯棒9とから構成されている。各放電板10とスペーサ11は、芯棒9の上下端に螺合したナット9aによって上下方向に締め付けている(図4)。
【0006】集塵極12は、図4に示すように、複数の丸棒材12aで形成されていて、上下端部をハニカム状に形成された支持枠フレーム13にそれぞれ連結するとともに、図3に示すように、多数列連結している。なお、集塵極12は、丸棒材12aに替えて平板材であってもよく、また、支持枠フレーム13は、6角形に替えて4角形でも8角形でも円形であってもよい。
【0007】高圧電源装置22を放電極8に連結し、次第に電圧を40KV〜60KVまで高めていくと、放電極8と集塵極12との間にコロナ放電が発生する。排ガス17がコロナ放電の中を通過する際、排ガス17中の粒子を帯電させて電界内で電気力により帯電粒子とガスを分離させて集塵極12に集塵する。
【0008】集塵極12に堆積した煤塵は、洗浄水給水管15、16から給水された散水によって流し落とされ、箱状容器3のホッパ3a下端のドレン排出口3bから排出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記湿式電気集塵機の放電極は、スペーサを主通電経路にしているが、スペーサは腐食性ガスにさらされるため高耐食性ステンレス鋼を使用しなければならず高価となるばかりか、プラント毎に性状が異なるため耐食材料の選定に多大な労力を要する。また、スペーサが腐食して長さが減少した場合、上下の電極支持部に緩みが生じて通電性が悪化し、集塵性能が低下してしまう。
【0010】本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたもので、スペーサを円筒状の棒状部材で形成し、かつ、上下のスペーサ間に雄ねじ部と雌ねじ部をねじ込み連続的に接続してスペーサの腐食による電極支持部の緩みを防止し、通電性を確保して集塵性能の向上を図るとともに、放電板やスペーサの部分交換を容易にすることができる湿式電気集塵機の放電極を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の湿式電気集塵機の電極によれば、中心に孔を有し、外周に先端が尖った複数の突起を放射状に有する複数の放電板と、各放電板の上下の間隔を一定に保持する円筒状の複数のスペーサを有し、各放電板とスペーサを上下に連続的に接続してなる湿式電気集塵機の放電極において、上記スペーサは上または下端面に雄ねじ部を、下または上端面に雌ねじ部を有しており、各スペーサ間に放電板を挟み込んだ状態で雄ねじ部と雌ねじ部を螺合して連続的に接続してなるものである。
【0012】次に本発明の作用について説明する。スペーサを円筒状のステンレス鋼などの棒状部材で形成するとともに、各スペーサの上または下面に設けた雄ねじ部とスペーサの下または上面に設けた雌ねじ部とを螺合し、上下のスペーサ間に放電板を挟み込むようにしたので、それらを完全に接触させることができて確実な通電を確保できる。また、雄ねじ部と雌ねじ部との螺合を外すだけで放電板やスペーサの部分交換を容易にすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の湿式電気集塵機の放電極の一部拡大図である。なお、図2ないし図5に示す湿式電気集塵機の放電極と同じ部分については同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略する。図1において、8は放電極である。10は複数の放電板で、中心に孔10aを有し、外周に先端が尖った複数の突起10bを放射状に有している。11Aは複数のスペーサで、円筒状のステンレス鋼の棒状部材で形成されていて、各放電板10の上下の間隔を一定に保持するとともに、放電板10を順次挟み込んで上下に連続的に接続している。11aはスペーサ11Aの上端面に設けた雄ねじ部であり、11bはスペーサ11Aの下端面に設けた雌ねじ部である。放電極8は、複数の放電板10と複数のスペーサ11Aで形成されており、各スペーサ11Aは、雄ねじ11aと雌ねじ11bを螺合して連続的に接続している。
【0014】次に実施形態に基づく作用について説明する。スペーサ11Aを円筒状のステンレス鋼などの棒状部材で形成するとともに、各スペーサ11Aの上または下面に設けた雄ねじ部11aとスペーサ11Aの下または上面に設けた雌ねじ部11bとを螺合し、上下のスペーサ11A間に放電板10を挟み込むようにしたので、それらを完全に接触させることができて確実な通電を確保できる。また、雄ねじ部11aと雌ねじ部11bとの螺合を外すだけで放電板10やスペーサ11Aの部分交換を容易にすることができる。
【0015】なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。たとえば、湿式電気集塵機の箱状容器に替えて円筒状容器にしてもよい。
【0016】
【発明の効果】上述した本発明の湿式電気集塵機の放電極によれば、スペーサを円筒状のステンレス鋼などの棒状部材で形成するとともに、各スペーサの上面に設けた雄ねじとスペーサの下面に設けた雌ねじとを螺合し、上下のスペーサ間に放電板を挟み込むようにしたので、それらを完全に接触させることができて確実な通電を確保できる。また、雄ねじと雌ねじとの螺合を外すだけで放電板やスペーサの部分交換を容易にすることができるなどの効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成13年1月23日(2001.1.23)
【代理人】 【識別番号】100091085
【弁理士】
【氏名又は名称】島村 芳明
【公開番号】 特開2002−210386(P2002−210386A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−14376(P2001−14376)