| 【発明の名称】 |
ゼオライト触媒の再生方法およびジフェニルアミンの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊藤 孝徳
【氏名】鎌田 豊広
【氏名】木下 正博
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| 【要約】 |
【課題】触媒を損傷させることなく、触媒表面に付着したコークや窒素分を効率よく除去することができるゼオライト触媒の再生方法、およびこの方法で再生されたゼオライト触媒を用いるジフェニルアミンの製造方法を提供することである。
【解決手段】アニリンからジフェニルアミンを合成するために使用するゼオライト触媒を再生する方法であって、200〜300℃の液体アニリンでゼオライト触媒を洗浄し、ついでスチーミングを行うゼオライト触媒の再生方法である。再生したゼオライト触媒を用いて、アニリンからジフェニルアミンを合成する |
【特許請求の範囲】
【請求項1】アニリンからジフェニルアミンを合成するために使用するゼオライト触媒を再生する方法であって、200〜300℃の液体アニリンでゼオライト触媒を洗浄し、ついでスチーミングを行い、その後に焼成することを特徴とするゼオライト触媒の再生方法。 【請求項2】アニリンでの洗浄が、ゼオライト触媒が充填された反応器内を200〜300℃の液体アニリンで置換することによって行われる請求項1記載の方法。 【請求項3】スチーミングが、触媒重量の2倍量以上の100〜200℃のスチームを用いて行われる請求項1または2記載の方法。 【請求項4】加圧下で200〜300℃の液体アニリンで洗浄し、ついでスチーミングを行って再生したゼオライト触媒を用いて、アニリンからジフェニルアミンを合成することを特徴とするジフェニルアミンの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アニリンからジフェニルアミンを合成するために使用されるゼオライト触媒の再生方法およびジフェニルアミンの製造方法に関する。 【従来の技術】 【0002】ジフェニルアミンは染料の原料や検出試薬等に使用されており、とくにゴム製品の酸化防止剤、抗オゾン剤の製造、染料の中間体等として使用される4−アミノジフェニルアミンの製造原料として有用な化合物である。 【0003】ジフェニルアミンの製造方法としては、ゼオライト触媒を用いてアニリンから合成する方法が広く採用されている。この場合、触媒細孔表面にコーク等が付着して失活した触媒を再生するために、反応器より触媒を抜き出して再生処理が行われている。再生処理方法としては、水洗、スチーミング、焼成などが知られている。 【0004】焼成処理では、触媒に付着したコークや窒素分は燃焼して除去されるが、コークや窒素分の残存量が多い場合には触媒層内に局所的高温部が生じ、触媒の結晶構造に損傷を与えるおそれがある。また、残留窒素分が多いと燃焼時に窒素酸化物NOxが発生するため、排ガス中のNOx除去を行うか、焼成速度を制限しなければならないため処理コストが増大するとともに処理効率が悪くなってしまう。そのために焼成処理を実施する前になるべく触媒に付着したコーク、窒素分を除去しておかなければならない。ところが、水洗やスチーミング処理では、ジフェニルアミンやその他のコーク成分が水にほとんど溶解しないため、細孔内に残留するジフェニルアミン、及びコークを除去することができないという問題がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、触媒を損傷させることなく、触媒表面に付着したコークや窒素分を効率よく除去することができるゼオライト触媒の再生方法、およびこの方法で再生されたゼオライト触媒を用いるジフェニルアミンの製造方法を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、反応原料であるアニリンを用いて,反応が進行しない程度の温度でゼオライト触媒を洗浄する場合には、触媒表面に付着したコークや窒素分を効率よく除去することができ、しかもアニリン洗浄後、スチーミングすることにより、残存したアニリンも除去することができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明にかかるゼオライト触媒の再生方法は、アニリンからジフェニルアミンを合成するために使用するゼオライト触媒を再生する方法であって、200〜300℃の加圧した液体アニリンでゼオライト触媒を洗浄し、ついでスチーミングを行い、その後に焼成を行うことを特徴とする。 【0007】具体的には、本発明におけるアニリンでの洗浄は、ゼオライト触媒が充填された反応器内を200〜300℃のアニリンの加圧した液体で置換することによって行うのが好ましい。また、スチーミングは、触媒重量の2倍量以上の100〜200℃、より好ましくは185〜200℃のスチームを用いて行う。 【0008】上記のようにして再生したゼオライト触媒は、触媒表面に付着したコークや窒素分が除去されており、かつ触媒の結晶構造も殆ど破壊されていないので、使用する前と同等の高い触媒活性を長時間維持することができる。従って、この再生ゼオライト触媒を用いることにより、ジフェニルアミンを効率よく製造することが可能になる。 【0009】すなわち、本発明にかかるジフェニルアミンの製造方法は、200〜300℃のアニリンで洗浄し、ついでスチーミングを行って再生したゼオライト触媒を用いて、アニリンからジフェニルアミンを合成することを特徴とする。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の方法を詳細に説明する。アニリンからジフェニルアミンを合成するために使用するためのゼオライト触媒は、反応器内に充填して使用される。触媒は固定層式、流動層式および移動層式のいずれもが採用可能であるが、固定層式を採用するのが好ましい。 【0011】ゼオライト触媒としては、例えばY型ゼオライト、シリカアルミナ、β型ゼオライト等が使用される。また、合成反応は、アニリンを反応器内に導入し、300〜400℃で4.0MPaの反応条件で触媒層上で液相反応を行わせる。 【0012】そして、ゼオライト触媒の活性が失活したときに触媒の再生が行われる。再生処理では、触媒を反応器から抜き出さす前に、アニリンを200〜300℃、好ましくは200〜250℃に加熱されたアニリンを反応器内に流通させ反応器内の液体を全てアニリンで置換し、その状態を1〜3時間継続させる。これによって、ゼオライト触媒の表面に付着しているコークおよび含窒素成分を抽出除去する。 【0013】ついで、100〜200℃、より好ましくは185〜200℃のスチームを触媒層に流通させて、残存するアニリンを留去する。200℃より高いスチームを通すと、βゼオライト触媒が結晶構造破壊を起し失活するおそれがある。従って、200℃未満のスチームでスチーミングする必要がある。一方、100℃より低温のスチームを用いると、アニリン、水の共沸点以下となるため触媒に付着したアニリンの除去効果が低下し、残存コークや窒素分が多くなる。スチームの流通は、触媒層を反応器から抜き出して行ってもよく、あるいは反応器内で行ってもよい。 【0014】また、触媒層に流通させるスチームは、触媒重量の2倍量以上、好ましくは3倍量以上である。スチーム量がこれよりも少ない場合には、アニリンの除去が不充分となるおそれがある。また、スチーム量がこれよりも多くても、それに見合う効果は得られないため、2〜5倍量、好ましくは3〜5倍量とするのが適切である。 【0015】このようにして再生処理したゼオライト触媒は乾燥後、焼成処理して反応器内にてアニリンからジフェニルアミンを合成する触媒として再使用され、高い収率でジフェニルアミンを得ることができる。ゼオライト触媒の焼成処理は触媒に付着したコークを燃焼除去し得ればよくその処理方法は特に制限されるものではないが通常、酸化雰囲気下において400〜500℃、4〜8時間処理すればよい。 【0016】 【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明の方法をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明において、再生ゼオライト触媒に残存したコーク(C)量および窒素(N)量は微量元素分析装置:酸素循環燃焼・TCD検出方式スミグラフNCH-21型(住化分析センター製)、前処理:105℃、2時間、燃焼炉温度:850℃、還元炉温度:600℃によりそれぞれ測定したものである。 【0017】実施例βゼオライト触媒を充填固定した反応器内にアニリンを導入し、360℃で4.0MPaの反応条件で触媒層上で液相反応を行わせジフェニルアミンを得る反応を継続させた。そして、触媒の活性が低下した時点で反応操作を中止した。しかる後、反応器内に200℃のアニリンを導入し、このアニリンで反応器内を2時間置換した。ついで、触媒重量の3倍量の190℃のスチームで洗浄し、残留するアニリンを除去した。さらに、窒素置換、乾燥を実施した。このようにして処理した触媒中に残存するコーク量および窒素量をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。なお、残存コーク量および窒素量はいずれも触媒総重量に対する重量%で表した。 【0018】比較例1反応停止後、反応器内に200℃のアニリンを導入し、このアニリンで反応器内を2時間置換し、ついで窒素置換、乾燥を実施した他は、実施例と同様にして触媒を処理した。 【0019】比較例2反応停止後、触媒重量の3倍量の190℃のスチームで洗浄し、残留するアニリンを除去し、ついで窒素置換、乾燥を実施した他は、実施例と同様にして触媒を処理した。このようにして処理した触媒中に残存するコーク量および窒素量をそれぞれ測定した。その結果を表1に併せて示す。 【表1】
アニリン洗浄後、スチーミングした実施例の再生ゼオライト触媒は、再び反応器にてジフェニルアミンの合成に使用したが、比較例1、2で再生したゼオライト触媒に比べて、より長時間にわたって活性を維持した。 【0020】 【発明の効果】本発明の再生方法によれば、ゼオライト触媒を損傷させることなく、触媒表面に付着したコークや窒素分を効率よく除去することができるという効果がある。また、本発明の製造法によれば、再生されたゼオライト触媒は長時間にわたって活性を維持するため、高効率でジフェニルアミンを製造することができるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002093 【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年6月6日(2001.6.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104318 【弁理士】 【氏名又は名称】深井 敏和
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| 【公開番号】 |
特開2002−361093(P2002−361093A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月17日(2002.12.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−170504(P2001−170504) |
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