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【発明の名称】 NOx吸蔵還元型触媒
【発明者】 【氏名】張 耿

【氏名】村 木 秀 昭

【要約】 【課題】耐硫黄被毒と、耐熱性と、耐劣化性とを向上させたNOx吸蔵還元型触を提供すること。

【解決手段】チタン・ジルコニウム複合酸化物と前記活性金属とを混合し焼結して焼結物を得て、その後、この焼結物と、前記NOx吸蔵材と、前記酸化アルミニウムとを混合して、担体に担持してなる、NOx吸蔵還元型触媒によって達成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】チタン・ジルコニウム複合酸化物と、活性金属と、NOx吸蔵材と、酸化アルミニウムとを含んでなるNOx吸蔵還元型触媒であって、前記チタン・ジルコニウム複合酸化物と前記活性金属とを混合し焼結して焼結物を得て、その後、この焼結物と、前記NOx吸蔵材と、前記酸化アルミニウムとを混合して、担体に担持したものである、触媒。
【請求項2】前記NOx吸蔵材がアルカリ金属、アルカリ土類金属、または希土類元素である、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】前記アルカリ金属が、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびフランシウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、前記アルカリ土類金属が、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、前記希土類元素が、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、およびネオジムからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項2に記載の触媒。
【請求項4】前記活性金属が、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、金、および銀からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項5】前記チタン・ジルコニウム複合酸化物におけるチタンとジルコニウムとの組成が、チタンとジルコニウムとの原子比で1:99〜99:1である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項6】前記チタン・ジルコニウム複合酸化物が、ランタン、ネオジウム、およびプラセオジウムからなる群から選択された少なくとも一種の元素をさらに含んでなるものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項7】助触媒として、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、およびセリウム・ジルコニウム複合酸化物からなる群から選択される少なくとも一種が担持されてなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項8】第一層と第二層とを含んでなるNOx吸蔵還元型触媒であって、第一層が請求項1〜7のいずれか一項に記載の触媒により構成されてなるものであり、第二層が酸化アルミニウムと貴金属とを含んでなるものであり、第二層が第一層に堆積されてなる、触媒。
【請求項9】前記貴金属が、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、金、および銀からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項8に記載の触媒。
【請求項10】前記第二層がNOx吸蔵材をさらに担持してなるものである、請求項9に記載の触媒。
【請求項11】ペレット型形状またはモノリス型形状を有する担体に担持されたものである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項12】請求項1〜11のいずれか一項に記載の触媒を用いて、内燃機関から生じる排気ガス中のNOxを浄化する方法。
【請求項13】前記内燃機関がリーンバーンエンジン、直噴型エンジン、またはこれらを組み合わせたエンジンである、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の背景】発明の分野本発明は、NOx吸蔵還元型触媒およびそれを用いた排気ガス中のNOxを浄化する方法に関する。
【0002】背景技術内燃機関、特に、自動車用エンジン、に用いられる排気ガス用浄化触媒としては、炭化水素、窒素酸化物、一酸化炭素(HC、NOx、H)を同時に浄化する三元触媒が挙げられる。この三元触媒は、理論空燃比近傍において、排気ガス中の還元性成分(HC、CO、H)を酸化性成分(NOx、O)と酸化還元反応させて無害な成分(HO、CO、N)にして浄化する触媒である。
【0003】また、自動車業界においては、二酸化炭素(CO)の排出抑制と燃焼効率の向上を図るため、リーンバーンエンジンが開発され実用化に至っている。このエンジンは、空燃比(空気A/燃料F)をリーン側、即ち酸素濃度を過剰にして燃料を燃焼させるものである。しかし、リーンバーンエンジンでは、酸素過剰な条件で燃料を燃焼させるため、排気ガス中での酸素量も過剰となる。このため、酸素過剰な排気ガスが三元触媒に導入されると、排気ガス中の還元性成分(HC、CO、H)が主として浄化されるが、その一方で、排気ガス中の酸化性成分(NOx、O)が十分に浄化されないことがある。
【0004】このため、リーンバーンエンジンにおいては、排気ガス中の酸化性成分、特に窒素酸化物(NOx)を有効に浄化する触媒として、NOx吸蔵還元型触媒が開発され使用されている。NOx吸蔵還元型触媒は、空燃比がリーン状態ではNOxを触媒上に吸蔵させ、その後NOxが飽和状態になる前に空燃比を理論空燃比またはリッチ状態に切り替えることによりNOxを浄化する触媒である。
【0005】しかしながら、NOx吸蔵還元型触媒にあっては、NOx貯蔵性能や耐熱性においてさらなる改善が求められている。また、従来のNOx吸蔵還元型触媒にあっては、燃料中に含まれる硫黄分により、NOxを吸蔵する成分が被毒を受け、NOx吸蔵材としての機能を失ってしまうことがしばしば見受けられた。このような硫黄被毒対策のために、一定の運転時間ごとにエンジンを制御して、意図的に触媒の温度を高温にして、蓄積された硫黄が触媒から脱離するようにしたシステムが提案されている。しかし、このようなエンジン制御は自動車の運転快適性において好ましくなく、また触媒温度を上げる目的のみに燃料が消費されるため、自動車の燃費効率の点で好ましくない。よって、より低温下であっても、硫黄被毒を回避し、NOx吸蔵性能を維持できるNOx吸蔵還元型触媒の開発が要求されている。
【0006】これに対して、特開平8−117602号公報および特開平8−192051号公報では、硫黄被毒を回避したNOx吸蔵還元型触媒が提案されている。また、特開平2001−38211号公報では、酸化チタンと酸化ジルコニウムとの添加比を調製したNOx吸蔵還元型触媒が提案されている。しかしながら、今なお、NOx吸蔵還元型触媒にあっては、耐熱性、耐硫黄被毒性、耐劣化性の改善が要求されている。
【0007】
【発明の概要】本発明者等は、今般、チタン・ジルコニウム複合酸化物に貴金属を混合して焼結した後に、この焼結物にNOx吸蔵材と酸化アルミニウムとを担持してなるNOx吸蔵還元型触媒は、触媒の硫黄被毒を低減しまたは触媒に蓄積した硫黄を低温度で除去することができ、またNOx吸蔵材の分散性を高めることができ、さらには触媒の耐熱性と耐劣化性を改善することができる、との知見を得た。よって、本発明は、耐硫黄被毒性と、耐熱性と、耐劣化性とに優れ、酸素過剰下であっても排気ガス中のNOxを効率よく浄化することができる、NOx吸蔵還元型触媒の提供を目的とする。
【0008】従って、本発明の第一の態様によれば、チタン・ジルコニウム複合酸化物と、活性金属と、NOx吸蔵材と、酸化アルミニウムとを含んでなるNOx吸蔵還元型触媒であって、前記チタン・ジルコニウム複合酸化物と前記活性金属とを混合し焼結して焼結物を得て、その後、この焼結物と、前記NOx吸蔵材と、前記酸化アルミニウムとを混合して担体に担持したものを提供することができる。
【0009】本発明の第二の態様によれば、第一層と第二層とを含んでなるNOx吸蔵還元型触媒であって、第一層が本発明の第一の態様による触媒により構成されてなるものであり、第二層が酸化アルミニウムと貴金属とを含んでなるものであり、第二層が第一層に堆積されてなるものを提供することができる。
【0010】
【発明の具体的説明】
【0011】1)本発明による第一の態様本発明におけるNOx吸蔵還元型触媒は、先ず、チタン・ジルコニウム複合酸化物と、活性金属とを混合し焼結して焼結物を得る。次に、この焼結物と、NOx吸蔵材と、酸化アルミニウムとを混合して担体に担持してなるものである。
【0012】チタン・ジルコニウム複合酸化物チタン・ジルコニウム複合酸化物(TiZr)は、支持材として用いられる。本発明において、「支持材」とは、触媒の活性成分を安定化させ、かつ触媒能力を発揮させるために用いられるものをいう。この点、触媒成分を担持する「担体」とは区別される。
【0013】本発明にあっては、チタン・ジルコニウム複合酸化物(TiZr)は、酸化チタンとジルコニウム(Zr)との複合酸化物(Ti・Zr)、チタン(Ti)と酸化ジルコニウムとの複合酸化物(Ti・Zr)、および酸化チタンと酸化ジルコニウムとの複合酸化物(Ti・Zr)、からなる群の少なくとも一種であってよい。上記式中、x、y、z、a、bはそれぞれの原子価数によって適宜定めることができる。また、チタン・ジルコニウム複合酸化物は、一般的な製造方法によって製造されたもの、または市販のものを用いることができる。
【0014】本発明にあっては、チタン・ジルコニウム複合酸化物におけるチタンとジルコニウムとの組成は、チタンとジルコニウムとの原子比で1:99〜99:1程度の範囲、好ましくは10:90〜90:10程度の範囲が好ましい。チタンとジルコニウムとの組成が上記の範囲内にあることにより、好ましい支持材を構成することができる。
【0015】本発明の好ましい態様によれば、チタン・ジルコニウム複合酸化物は、ランタン、ネオジム、およびプラセオジムからなる群から選択される少なくとも一種をさらに含んでなることができる。特に、上記の中でも、ネオジム、またはランタンとネオジムとの組み合わせが好ましい。これらの元素を添加してなるチタン・ジルコニウム複合酸化物は、支持材として用いた場合、触媒の耐熱性と耐劣化性とを飛躍的に向上させることができる。これらの元素の添加量は、チタンとジルコニウムとの合計原子数100に対して、総原子数が0超過50以下程度の範囲、好ましくは0超過40以下程度の範囲が好ましい。
【0016】活性金属活性金属は触媒の活性機構を担うものである。活性金属としては、貴金属、卑金属が挙げられ、好ましくは貴金属が挙げられる。貴金属の具体例としては、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、金、または銀が挙げられ、好ましくは、白金、パラジウム、またはロジウムである。また、これらの貴金属は、一種または二種以上の混合物として用いることができる。卑金属の具体例としては、ニッケル、銅、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛等が挙げられ、好ましくは、ニッケル、マンガン、または鉄である。また、これらの卑金属は、一種または二種以上の混合物として用いることができる。活性金属の添加量は、適宜定めることができるが、好ましくは、触媒100gに対して、0.05〜10g程度の範囲であり、好ましくは0.1〜5g程度の範囲である。
【0017】NOx吸蔵材NOx吸蔵材としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および希土類元素の群から選択される一種または二種以上の混合物を用いることができる。アルカリ金属の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、またはフランシウム等が挙げられる。これらのアルカリ金属は、一種または二種以上の混合物として用いることができる。アルカリ土類金属の具体例としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、またはバリウム等が挙げられる。これらのアルカリ土類金属は、一種または二種以上の混合物として用いることができる。希土類元素の具体例としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、またはネオジム等が挙げられる。これらの希土類元素は、一種または二種以上の混合物として用いることができる。上記の中で好ましいものとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セリウム、ストロンチウム、バリウム、およびランタンからなる群から選択される一種または二種以上の混合物が好ましい。なお、必要に応じて卑金属を添加することも可能であり、その具体例としては、ニッケル、銅、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛等が挙げられ、好ましくは、ニッケル、マンガン、または鉄、またはこれらの混合物が挙げられる。NOx吸蔵材の添加量は、適宜定めることができるが、好ましくは、触媒100gに対して、15〜60g程度の範囲であり、好ましくは6〜40g程度の範囲である。
【0018】助触媒本発明による触媒は、任意成分として助触媒を含んでも良い。助触媒としては、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、またはセリウム・ジルコニウム複合酸化物が挙げられる。助触媒の添加量は、適宜定めることができるが、好ましくは、触媒100gに対して、0〜100g程度の範囲であり、好ましくは0〜60g程度の範囲である。
【0019】酸化アルミニウム酸化アルミニウムは、支持材として用いられる。酸化アルミニウムは、そのBET表面積が80m/g以上であり、好ましくは100m/g以上のものが好ましい。酸化アルミニウムの添加量は、酸化アルミニウムとチタン・ジルコニウム複合酸化物の総重量を100とした場合に、10〜90程度の範囲内であり、好ましくは20〜80程度の範囲である。
【0020】担体本発明による触媒は、上記した成分を、担体に担持してなる。担体の具体例としては、アルミナからなるペレット型形状(粒状形)、またはコージエライトセラミックスもしくはステンレス等の金属からなるモノリス型形状(ハニカム形)のものが挙げられる。特に、耐熱性、耐熱衝撃性、および機械的強度に優れたモノリス型形状のものが好ましい。
【0021】2)本発明による第二の態様本発明の第二の態様によれば、第一層と第二層とを含んでなるNOx吸蔵還元型触媒が提供される。
第一層第一層は本発明の第一の態様で述べた触媒により構成されてなるものである。よって、第一層を構成する触媒は本発明の第一の態様で述べたものと同様であってよい。
第二層第二層は酸化アルミニウムと貴金属とを含んでなるものである。また、必要に応じて、本発明の第一の態様で述べた、チタン・ジルコニウム複合酸化物と、助触媒と、を含んでなるものであってもよい。酸化アルミニウムは、本発明の第一の態様で述べたものと同様であってよい。貴金属の具体例としては、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、金、および銀からなる群から選択される少なくとも一種であり、好ましくは、ロジウムである。本発明にあっては、第二層は第一層の上に存在するように触媒を形成させる。本発明の好ましい態様によれば、第二層はNOx吸蔵材をさらに担持してなるものが好ましい。NOx吸蔵材は本発明の第一の態様で述べたものと同様であってよい。
【0022】NOx吸蔵還元型触媒の製造法1)単層構造のNOx吸蔵還元型触媒チタン含有溶液と、ジルコニウム含有溶液とを混合し、さらにアンモニア等の塩基を添加して混合し沈殿物を得る。沈殿物を洗浄、乾燥、焼成させてチタン・ジルコニア複合酸化物を得る。次に、チタン・ジルコニア複合酸化物を活性金属含有溶液に浸漬する。その後、乾燥させて焼成して、活性金属が担持されたチタン・ジルコニア複合酸化物を得る。そして、活性金属が担持されたチタン・ジルコニア複合酸化物と酸化アルミニウムとを混合し、さらに水を加える。混合物を適切な混合/分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、オングミルなど)で混合して、スラリーを調製する。このスラリーに市販のセルコージエライトハニカムを浸漬する。浸漬後、このセルコージエライトハニカムを引き上げて、余分なスラリーをエアーガンで除去し、その後、乾燥させて焼成する。さらに、このセルコージエライトにNOx吸蔵材含有溶液を浸漬し、乾燥、焼成して、単層構造のNOx吸蔵還元触媒を得る。
【0023】2)二層構造のNOx吸蔵還元型触媒酸化アルミニウムと貴金属含有溶液とを混合し、乾燥、焼成して貴金属を担持した酸化アルミニウムを得る。この貴金属を担持した酸化アルミニウムと、水と、必要に応じて助触媒と、酸化アルミニウムとを適切な混合/分散機で混合してスラリーを調製する。このスラリーを、上記した単層構造のNOx吸蔵還元型触媒に浸漬し、余分なスラリーをエアーガンで除去した後に、乾燥し、焼成し、二層構造のNOx吸蔵還元型触媒を得る。さらに好ましくは、この焼成物にNOx吸蔵材含有溶液を浸漬して、乾燥し、焼成してもよい。
【0024】NOx吸蔵還元型触媒の用途本発明による触媒は、内燃機関から排出される排気ガスの浄化に用いることができる。内燃機関を構成するエンジンとしては、リーンバーンエンジン、直噴型エンジン、好ましくはこれらを組み合わせたエンジン(即ち、直噴型リーンバーンエンジン)に好ましくは使用することができる。直噴型エンジンは、高圧縮比化、燃焼効率の向上、さらには排気ガスの低減化を図ることができる燃料供給システムを採用したエンジンである。このため、リーンバーンエンジンと組み合わせることによって、さらに燃焼効率の向上と排気ガスの低減化を図ることが可能となる。
【0025】本発明による触媒は、例えば、車両の排気系の場合、スタートキャタリスト、アンダーフロアー、マニホールドコンバータとして設置することができる。また、本発明の好ましい態様によれば、本発明による触媒は、三元触媒とともに用いることが好ましい。
【0026】なお、内燃機関を動力源とするものの具体例としては、例えば、自動車、バス、トラック、気道車、オートバイ、原動機付き自転車、重機、飛行機等;耕耘機、トラクター、コンバイン、チェンソー、トロッコ、木材運搬機などの農林産業機械;船舶、漁船、モーターボート等の船舶;クレーン、圧搾機、掘削機等の土木作業機械;発電機;等が挙げられる。
【0027】
【実施例】本発明の内容を実施例によってより詳細に説明する。しかしながら、本発明の内容は実施例によって限定して解釈されるものではない。
【0028】実施例11)TiO−ZrO複合酸化物の調製四塩化チタン(TiCl)を1モルの塩酸溶液に溶かして、四塩化チタン塩酸溶液を調製した。この溶液に塩化ジルコニア(ZrOCl)をチタンとジルコニウムとの原子比が2:3になるように混合した。この混合液を撹拌しながらアンモニア水を滴下し、pHが少なくとも10以上になるようにした。その後、攪拌しながら1昼夜放置し、脱イオン水で塩素イオンが硝酸銀溶液によって検出できなくなるまで洗浄した。洗浄物を110℃、24時間乾燥した後に、500℃で3時間焼成して、TiO−ZrOを調製した。
2)第一層のウォッシュコートの調製とハニカムへの塗布上記で調製したTiO−ZrOに、[Pt(NH]Cl溶液を用いて浸漬して、TiO−ZrO内における白金の含有量が2.9重量%になるように白金を担持した。[Pt(NH]Cl溶液の濃度は、所定の白金の添加量がちょうどTiO−ZrOの吸水量に含まれるように調製した。その後、この白金を含有するTiO−ZrO粉末を乾燥し、500℃、2時間焼成して、Pt−TiO−ZrOを調製した。上記で調製したTiO−ZrOに酸化アルミニウム(BET比表面積200m/g)粉末を、全混合物に占める酸化アルミニウムの割合が50重量%になるように加えて混合した。さらに、この混合粉末を水と酢酸と共にボールミルで、1時間粉砕混合してスラリーを調製した。このスラリーを市販の400セルコージェライトハニカムを浸漬して引き上げた後に、エアガンで余分なスラリーを取り除いた。その後、105℃で30分乾燥してさらに500℃で1時間焼成した。付着したスラリーの量は、焼成後のハニカム1リットルあたり244gであった。
3)ハニカムへのバリウムの担持ハニカムの吸水量に基づき、バリウムが1リットルあたり28g担持できるように酢酸バリウムの溶液を調製した。この溶液に上記スラリーの付着したハニカムを浸漬した後、エアガンで余分な溶液を取り除き、105℃で30分乾燥、500℃で1時間焼成して、バリウムを担持した。これにより、単層構造(第一層)の実施例触媒1−aを調製した。
4)第二層のウォッシュコートの調製とそのハニカムへの塗布酸化アルミニウム(BET比表面積200m/g)粉末に、ロジウムの濃度が1重量%になるように、硝酸ロジウム溶液を添加した。そのとき、硝酸ロジウム溶液の体積が酸化アルミニウム粉末の吸水量に等しくなるようにロジウム濃度を調整した。その後、このロジウム含有酸化アルミニウム粉末を乾燥し、500℃、2時間焼成して、Rh−Alを調製した。このRh−Alに、酸化アルミニウム:Rh−Alが2:3になるように酸化アルミニウムをさらに添加して、この混合粉末を水と酢酸と共にボールミルにて1時間粉砕混合してスラリーを調製した。このスラリーを先に調製した単層構造の触媒に浸漬した後引き上げて、エアガンで余分なスラリーを取り除き、105℃で30分乾燥して、さらに500℃で1時間焼成した。付着したスラリーの量は焼成後のハニカム1リットルあたり61gである。これにより、実施例触媒1−bを調製した。
【0029】比較例11)Pt−Alを調製酸化アルミニウム(BET表面積200m/g)に、[Pt(NH]Cl溶液を用いて、この酸化アルミニウム内における白金含有量が2.9重量%になるように白金を担持した。[Pt(NH]Cl溶液の濃度は、所定の白金添加量を、ちょうど酸化アルミニウムの吸水量に含まれるように調整した。その後、この白金を含有する酸化アルミニウム粉末を乾燥し、500℃、2時間焼成して、Pt−Alを調製した。
1 )第一層のウォッシュコートの調製とハニカムへの塗布調製したPt−Alに、前記例1で調製したTiO−ZrOを、全混合物に占める酸化アルミニウムの割合が50重量%になるように加えて混合した。 さらに、この混合粉末を水と酢酸と共にボールミルにて1時間粉砕混合してスラリーを調製した。このスラリーに市販の400セルコージェライトハニカムを浸漬した後引き上げて、エアガンで余分なスラリーを取り除いた後に、105℃で30分乾燥して、さらに500℃で1時間焼成した。付着したスラリーの量は焼成後のハニカム1リットルあたり244gであった。
3)ハニカムへのバリウムの担持と、4)二層構造のウォッシュコートの調製とは、それぞれ実施例1と同じように行った。これにより、3)において比較例触媒1−aを、また4)により比較例触媒1−bを調製した。
【0030】比較例21)Pt−Alを調製酸化アルミニウム(BET表面積200m/g)に、[Pt(NH]Cl溶液を用いて、この酸化アルミニウム内における白金含有量が1.45重量%になるように白金を担持した。[Pt(NH]Cl溶液の濃度は、酸化アルミニウムの吸水量に含まれるように調整した。その後、この白金を含有する酸化アルミニウム粉末を乾燥し、500℃、2時間焼成して、Pt−Alを調製した。
2)第一層のウォッシュコートの調製とハニカムへの塗布前記例1で調製したTiO−ZrO複合酸化物に、[Pt(NH]Cl溶液を用いて、このTiO−ZrO複合酸化物内における白金含有量が1.45重量%になるように白金を担持した。[Pt(NH]Cl溶液の白金濃度が、TiO−ZrO複合酸化物の吸水量に等しくなるように調整した。その後、この白金を含有するTiO−ZrO複合酸化物を乾燥し、500℃、2時間焼成して、Pt−TiO−ZrOを調製した。次に、Pt−AlとPt−TiO−ZrOとを重量比で1:1となるように混合した。この混合粉末を水と酢酸と共にボールミルにて1時間粉砕混合してスラリーを調製した。このスラリーに市販の400セルコージェライトハニカムを浸漬した後引き上げて、エアガンで余分なスラリーを取り除いた後に、105℃で30分乾燥して、さらに500℃で1時間焼成した。付着したスラリーの量は焼成後のハニカム1リットルあたり244gであった。
3)ハニカムへのバリウムの担持と、4)二層構造のウォッシュコートの調製とは、それぞれ実施例1と同じように行った。これにより、3)において比較例触媒2−aを、また4)により比較例触媒2−bを調製した。
【0031】比較例31)Pt−Alを比較例2と同様に行って調製した。
2)第一層のウォッシュコートの調製とそのハニカムへの塗布調製したPt−Alを水と酢酸と共にボールミルにて1時間粉砕混合してスラリーを調製した。このスラリーに市販の400セルコージェライトハニカムを浸漬した後引き上げて、エアガンで余分なスラリーを取り除いた後に、105℃で30分乾燥してさらに500℃で1時間焼成した。焼成後の、付着したスラリーの量はハニカム1リットルあたり244gであった。
3)ハニカムへのバリウムの担持と、4)二層構造のウォッシュコートの調製とは、それぞれ実施例1と同じように行った。これにより、TiO−ZrO複合酸化物を含まない比較例触媒3を調製した。
【0032】評価試験加熱処理及び硫黄被毒処理ダイナモメーターに設置した排気量4リッターのエンジン(トヨタ社製)の排気ガス通路に上記例で調製した触媒をセットし、触媒の温度が850℃になるように、エンジンを制御した。使用燃料の硫黄含有量は300ppmであり、エンジン運転時間は25時間であった。その後、触媒温度を350℃まで下げて、さらに25時間、エンジンを運転した。エンジン運転後に、触媒を直径25.4mm、長さ66mmのコアにくり抜いて試験体とし、以下の脱硫黄処理とNOx浄化テストを行った。
脱硫黄処理ガス入出口と石英管とを有する電気炉(リンドバーグ社製)を使用し、石英管に上記の触媒コアを置き、窒素雰囲気下で所定温度(550℃と600℃)になるまでに温度を上げた。その温度条件下で、還元雰囲気ガス(水素3体積%+一酸化炭素3体積%+窒素94体積%)と酸化雰囲気ガス(酸素3体積%+窒素97体積%)とを3分間ずつ流して1サイクルとし、これを1時間繰り返した。全流量は3リットル/分であった。
NOx浄化テスト上記の触媒コアを流通反応器(ホリバ社製)に入れ、コア周りをガスが素通りできないように耐熱マットで固定した。この触媒コアの直前に、同一の径(25.4mm)、長さ(33mm)の市販されている三元触媒(白金:1.48g/リットル、ロジウム:0.28g/リットルで担持)を設置した。続いて、テスト温度(350℃、450℃)にして、NOxの測定を行った。NOxの測定は、組成ガス1を3分間、続いて組成ガス2に切り替えてこのガスを3分間それぞれ保持することを1サイクルとし、これを5サイクル繰り返して行った。各サイクルにおいて、組成ガス2になってから40秒間のNOxの浄化率を下記の式を用いて算出し、その平均値を触媒の浄化性能とした。各触媒のテストの結果は表2に示した通りであった。
【数1】

【表1】

【表2】

【出願人】 【識別番号】599114117
【氏名又は名称】ジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY JAPAN, INC.
【出願日】 平成13年5月1日(2001.5.1)
【代理人】 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次 (外4名)
【公開番号】 特開2002−361088(P2002−361088A)
【公開日】 平成14年12月17日(2002.12.17)
【出願番号】 特願2001−134151(P2001−134151)