| 【発明の名称】 |
カルボン酸エステル合成用触媒及びカルボン酸エステルの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 利生
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| 【要約】 |
【課題】より触媒活性に優れたカルボン酸エステル合成用触媒を提供する。
【解決手段】酸素の存在下に、アルデヒドとアルコールを反応させることによりカルボン酸エステルを合成する反応に用いる触媒であって、平均粒子径6nm以下の金超微粒子が無機酸化物担体上に担持されていることを特徴とするカルボン酸エステル合成用触媒に係る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】酸素の存在下に、アルデヒドとアルコールを反応させることによりカルボン酸エステルを合成する反応に用いる触媒であって、平均粒子径6nm以下の金超微粒子が無機酸化物担体上に担持されていることを特徴とするカルボン酸エステル合成用触媒。 【請求項2】無機酸化物担体が、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの少なくとも1種の元素を含む酸化物からなる請求項1記載のカルボン酸エステル合成用触媒。 【請求項3】無機酸化物担体が、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの少なくとも1種とSiとを含む酸化物からなる請求項1記載のカルボン酸エステル合成用触媒。 【請求項4】金を含む水溶性化合物の水溶液と無機酸化物担体とを混合した後、回収された固形分を焼成することによって得られる請求項1〜3のいずれかに記載のカルボン酸エステル合成用触媒。 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のカルボン酸エステル合成用触媒と酸素の存在下に、アルデヒドとアルコールを反応させることを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、カルボン酸エステル合成用触媒及びカルボン酸エステルの製造方法に関する。 【0002】 【従来技術】アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のカルボン酸エステルは、各種の合成樹脂の原料となる重合用モノマーとして工業的に重要な化合物である。 【0003】アルデヒドからカルボン酸エステルを合成する方法としては、特に酸素の存在下にアルデヒド(アクロレイン、メタクロレイン等)とアルコール(メタノール等)とを反応させる方法が知られている。そして、この反応においては、触媒活性成分として特定の金属を用い、これを担体上に担持させた触媒を用いることが知られている。 【0004】例えば、酸素の存在下にアルデヒドとアルコールを反応させてカルボン酸エステルを製造するにあたり、パラジウムと、鉛及び鉛化合物の少なくとも1種とからなる触媒を用いることを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法が知られている(特公昭57−35859号) また、アルデヒドとアルコールを含酸素ガス存在下に反応させてカルボン酸エステルを製造するに際し、金を担体上に担持した触媒の存在下に反応させることを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法が提案されている(特開2000−154164)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技術で挙げられている触媒はいずれも触媒活性がなお低く、より効率的にカルボン酸エステルを合成するためにはさらなる改良が必要とされている。 【0006】従って、本発明の主な目的は、より触媒活性に優れたカルボン酸エステル合成用触媒を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる従来技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、金超微粒子と無機酸化物担体との組合せからなる材料が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0008】すなわち、本発明は、下記のカルボン酸エステル合成用触媒及びカルボン酸エステルの製造方法に係るものである。 【0009】1.酸素の存在下に、アルデヒドとアルコールを反応させることによりカルボン酸エステルを合成する反応に用いる触媒であって、平均粒子径6nm以下の金超微粒子が無機酸化物担体上に担持されていることを特徴とするカルボン酸エステル合成用触媒。 【0010】2.無機酸化物担体が、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの少なくとも1種の元素を含む酸化物からなる前記項1記載のカルボン酸エステル合成用触媒。 【0011】3.無機酸化物担体が、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの少なくとも1種とSiとを含む酸化物からなる前記項1記載のカルボン酸エステル合成用触媒。 【0012】4.無機酸化物担体が、Mg、Al、Ti、Zn、Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの少なくとも1種を含む水溶性化合物の水溶液をシリカに含浸させた後、得られた含浸体を焼成することによって得られる酸化物からなる前記項1記載のカルボン酸エステル合成用触媒。 【0013】5.金を含む水溶性化合物の水溶液と無機酸化物担体とを混合した後、回収された固形分を焼成することによって得られる前記項1〜4のいずれかに記載のカルボン酸エステル合成用触媒。 【0014】6.前記項1〜5のいずれかに記載のカルボン酸エステル合成用触媒と酸素の存在下に、アルデヒドとアルコールを反応させることを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。 【0015】7.アルデヒドがアクロレイン及びメタクロレインの少なくとも1種である前記項1記載のカルボン酸エステル合成用触媒。 【0016】8.アルコールがメタノール及びエタノールの少なくとも1種である前記項1記載のカルボン酸エステル合成用触媒。 【0017】9.アルデヒドがアクロレイン及びメタクロレインの少なくとも1種である前記項6記載の製造方法。 【0018】10.アルコールがメタノール及びエタノールの少なくとも1種である前記項6記載の製造方法。 【0019】11.無機酸化物担体が、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの少なくとも1種を含む水溶性化合物の水溶液をシリカに含浸させた後、得られた含浸体を焼成することによって得られる酸化物からなる前記項1記載のカルボン酸エステル合成用触媒。 【0020】 【発明の実施の形態】1.カルボン酸エステル合成用触媒本発明のカルボン酸エステル合成用触媒は、酸素の存在下に、アルデヒドとアルコールを反応させることによりカルボン酸エステルを合成する反応に用いる触媒であって、平均粒子径6nm以下の金超微粒子が無機酸化物担体上に担持されていることを特徴とする。 【0021】金(Au)は、平均粒子径6nm以下(好ましくは5nm以下)の金超微粒子として存在する。平均粒子径を6nm以下に規定することによって、無機酸化物担体との相乗的な効果により高い触媒活性を達成することができる。平均粒子径の下限値は特に制限されないが、物理的安定性の見地より約1nm程度とすれば良い。なお、本発明における金属粒子(金超微粒子)の平均粒子径は、担体上の金属粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)による観察により任意に選んだ100個の粒子径の算術平均値を示す。 【0022】無機酸化物担体としては、従来のカルボン酸エステル合成に用いられる触媒担体として用いられるもの又は市販品を使用することができ、特に限定されない。また、公知の製法によって得られるものも使用できる。例えば、酸化物、金属酸化物(シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア等)、複合金属酸化物(シリカ・アルミナ、チタニア・シリカ、シリカ・マグネシア等)、ゼオライト(ZSM−5等)、メソポーラスシリケート(MCM−41等)、天然鉱物(粘土、珪藻土、軽石等)の各種担体を挙げることができる。 【0023】本発明では、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの少なくとも1種の元素を含む酸化物からなる無機酸化物担体を好ましく用いることができる。上記酸化物は、単体元素の酸化物が2以上混合された混合酸化物であっても良いし、あるいは複酸化物(又は複合酸化物)であっても良い。 【0024】本発明では、無機酸化物担体として、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの少なくとも1種とSiとを含む酸化物を好適に用いることができる。 【0025】上記無機酸化物担体の製法も限定されず、公知の製法を用いることができる。例えば、含浸法、共沈法、イオン交換法、気相蒸着法、混練法、水熱合成法等が挙げられる。 【0026】例えば、このような無機酸化物担体は、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの少なくとも1種を含む水溶性化合物の水溶液をシリカに含浸させた後、得られた含浸体を焼成することによって得られる。かかる無機酸化物担体は、触媒活性成分である金超微粒子をより確実に担持できるとともに、金超微粒子との相乗的な作用によっていっそう高い触媒活性を得ることができる。 【0027】上記の製法で用いられる化合物は限定されない。例えば、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物等の無機化合物、カルボン酸塩、アルコキサイド、アセチルアセトナート等の有機化合物が挙げられる。 【0028】上記の水溶性化合物も、水溶性であれば限定的でない。例えば、硝酸亜鉛、硝酸ランタン、硝酸鉄、硝酸ニッケル、硝酸アルミニウム等の等の無機酸塩、酢酸鉛、酢酸マグネシウム等の有機酸塩を挙げることができる。これらの塩は無水物又は水和物のいずれであっても良い。また、上記水溶液の濃度は、用いる水溶性化合物の種類等に応じて適宜設定できる。 【0029】上記水溶液をシリカに含浸させる量は限定的ではないが、通常はシリカ100重量部に対して1〜20重量部程度となるようにすれば良い。 【0030】本発明では、無機酸化物担体は多孔質であることが好ましく、特にその比表面積(BET法)が通常50m2/g以上、特に100m2/g以上であることがより好ましい。担体の形状・大きさは限定的でなく、最終製品の用途等に応じて適宜決定すれば良い。 【0031】本発明触媒における金超微粒子の担持量は、最終製品の用途、担体の種類等に応じて適宜決定すれば良いが、通常は無機酸化物担体100重量部に対して0.01〜20重量部程度、特に0.1〜10重量部とすることが好ましい。 【0032】本発明触媒の製造方法は、金所定の超微粒子を担持できれば限定されない。担持方法自体は、例えば共沈法、析出沈殿法、含浸法、気相蒸着法等の公知の方法を利用できる。本発明では、担持方法として共沈法、析出沈殿法等を好適に使用でき、特に析出沈殿法がより好ましい。析出沈殿法を用いて本発明触媒を製造する場合、例えば金を含む水溶性化合物の水溶液と無機酸化物担体とを混合した後、回収された固形分を焼成することによって本発明触媒を得ることができる。 【0033】上記の金を含む水溶性化合物は水溶性であれば限定されない。例えば、テトラクロロ金(III)酸「H〔AuCl4〕」、テトラクロロ金(III)酸ナトリウム「Na〔AuCl4〕」、ジシアノ金(I)酸カリウム「K〔Au(CN)2〕」、ジエチルアミン金(III)三塩化物「(C2H5)2NH〔AuCl3〕」等の錯体;シアン化金(I)等の金化合物が挙げられる。これらの化合物は少なくとも1種を用いることができる。 【0034】上記水溶液の金濃度は、用いる化合物の種類等によって異なるが、通常は0.1〜100mmol/L程度とすれば良い。また、上記水溶液のpHは、通常5〜10程度、好ましくは6〜9の範囲内に設定すれば良い。上記pHは、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア等のアルカリにより調節することができる。また、必要により、塩酸等の酸を使用することもできる。これらのアルカリ又は酸は、必要に応じて水溶液の形態で使用しても良い。 【0035】必要により、上記水溶液に界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤は、上記水溶液に応じて公知のもの又は市販品の中から適宜選択すれば良い。例えば、長鎖アルキルスルホン酸及びその塩、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、長鎖アルキルカルボン酸及びその塩、アリールカルボン酸及びその塩等のアニオン性界面活性剤;長鎖アルキル4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ポリアルキレングリコール、ポリオキシエチレンノニルフェノール等のノニオン性界面活性剤;等が挙げられる。これら界面活性剤は少なくとも1種を用いることができる。本発明では、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が好ましく、特にアニオン性界面活性剤が好ましい。アニオン性界面活性剤の中でも、とりわけ、炭素数8以上の長鎖アルキルスルホン酸及びその塩、炭素数8以上の長鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、炭素数8以上の長鎖アルキルカルボン酸及びその塩、アリールカルボン酸及びその塩等がより好ましい。 【0036】界面活性剤の使用量は、所望の分散性、用いる界面活性剤の種類等により適宜決定することができるが、通常は界面活性剤の濃度が0.1〜10mmol/L程度とすれば良い。 【0037】上記水溶液と混合する無機酸化物担体は、顆粒状、造粒体等のいずれの形態で使用しても良い。上記担体の使用量は、上記水溶液の濃度、用いる担体の種類等に応じて適宜設定すれば良い。上記水溶液と無機酸化物担体とを混合する際には、必要に応じて上記水溶液を加温しても良い。この場合の温度は、通常10〜100℃程度とすれば良い。 【0038】続いて、この無機酸化物担体と金を含む水溶性化合物の水溶液とを混合した後、固形分を回収する。固形分の回収方法は限定的でなく、例えば上澄液の回収により行ったり、あるいは公知の固液分離法に従って実施することができる。回収された固形分は、残留イオンが実質的になくなるまでイオン交換水等で洗浄することが好ましい。 【0039】次いで、上記固形分(金固定化物)の焼成を行う。必要に応じて、焼成に先立って予め所定温度に加熱して乾燥しても良い。乾燥温度は、通常150℃未満とすれば良い。焼成温度は、通常150〜800℃程度、好ましくは200〜700℃、最も好ましくは250〜600℃とすれば良い。この温度範囲内で所定の金超微粒子が得られるように適宜設定すれば良い。焼成雰囲気は空気(大気)中又は酸化性雰囲気中でも良く、またアルゴンガス、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気中、水素ガス等の還元性雰囲気中のいずれであっても良い。また、焼成時間は、焼成温度、固形分の大きさ等に応じて適宜決定すれば良い。かかる焼成によって、本発明の触媒を得ることができる。 【0040】本発明の触媒は、酸素の存在下に、アルデヒドとアルコールを反応させることによりカルボン酸エステルを合成する反応に用いることができる。例えば、メタクロレインとメタノールとの反応によりメチルメタクリレートを合成する場合、グリオキザールとメタノールとの反応によりグリオキシル酸メチルを合成する場合等に好適に使用できる。 【0041】特に、シリカ担体又はシリカを含む担体に金超微粒子を担持した触媒にあっては、触媒表面を有機シリル化処理しても良い。かかる処理によって触媒性能の向上、寿命安定性の改善等を図ることが可能である。有機シリル化処理自体は公知の方法を適用でき、例えばメトキシトリメチルシラン、トリメチルシリルクロライド、ヘキサメチルジシラザン等のシリル化剤を用いて気相法又ろは液相法によって実施すれば良い。 2.カルボン酸エステルの製造方法本発明のカルボン酸エステルの製造方法は、本発明組触媒と酸素の存在下に、アルデヒドとアルコールを反応させることを特徴とする。 【0042】上記アルデヒドとしては、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデヒド、グリオキザール、ピルバルデヒド等の炭素数1〜10の脂肪族アルデヒド;アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド等の炭素数3〜10のα、β−不飽和アルデヒド;ベンズアルデヒド、グリオキザール、p−メトキシベンズアルデヒド、トルアルデヒド、フタルアルデヒド等の炭素数6〜20の芳香族アルデヒド等のほか、これらアルデヒドの誘導体が挙げられる。好ましくは、脂肪族アルデヒド、α、β−不飽和アルデヒド等が使用できる。これらアルデヒドは、1種又は2種以上で用いることができる。 【0043】上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、オクタノール等の炭素数1〜10の脂肪族アルコール;エチレングリコール、ブタンジオール等の炭素数2〜10のジオール;アリルアルコール、メタリルアルコール等の炭素数3〜10の脂肪族不飽和アルコール;ベンジルアルコール等の芳香族アルコール等が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜10の脂肪族アルコール等が使用できる。これらアルコールは、1種又は2種以上で用いることができる。 【0044】本発明の製造方法では、目的とするカルボン酸エステルの種類等によって上記アルデヒド及びアルコールを適宜選択すれば良い。例えば、メチルメタクリレートを合成する場合には、アルデヒドとしてメタクロレイン、アルコールとしてメタノールを用いれば良い。 【0045】アルデヒドとアルコールとの反応割合は特に限定されないが、アルデヒド/アルコールのモル比で10〜1/200程度が好ましく、特に1/2〜1/50の範囲がより好ましい。上記範囲内であれば、より効率的にカルボン酸エステルを合成することが可能になる。 【0046】本発明では、アルデヒドとアルコールとの反応を本発明組成物からなる触媒と酸素(分子状酸素)の存在下に行う。 【0047】上記反応は、液相反応、気相反応等のいずれであっても良い。酸素(酸素ガス)は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガスで希釈されていても良い。また、酸素は、空気を用いることもできる。酸素の反応系への供給方法は特に限定されず、公知の方法を適用できる。 【0048】上記反応の形態としては、連続式、回分式、半回分式等のいずれであっても良く、特に限定されるものではない。触媒は、反応形態として回分式を採用する場合には、反応装置に原料とともに一括して仕込めば良い。また、反応形態として連続式を採用する場合には、反応装置に予め上記触媒を充填しておくか、あるいは反応装置に原料とともに触媒を連続的に仕込めば良い。触媒は、固定床、流動床、懸濁床等のいずれの形態であっても良い。 【0049】上記触媒の使用量は、アルデヒドとアルコールとの組合せ、触媒の種類(組成等)、反応条件等に応じて適宜決定すれば良い。反応時間は特に限定されるものではなく、設定した条件により異なるが、通常は反応時間又は滞留時間(反応器内滞留液量/液供給量)として0.5〜20時間程度とすれば良い。 【0050】反応温度、反応圧力等の諸条件は、アルデヒドとアルコールとの組合せ、触媒の種類等に応じて適宜決定すれば良い。反応温度は、通常0〜180℃程度、好ましくは20〜150℃とすれば良い。この範囲内の温度に設定することにより、いっそう効率的に反応を進行させることができる。反応圧力は、減圧、常圧又は加圧のいずれであっても良いが、通常は0.5〜20kg/cm2(ゲージ圧)の範囲内が好適である。また、反応系のpHは、副生成物抑制等の見地よりpH6〜9程度とすることが望ましい。pH調節のために、例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物(カルボン酸塩)を反応系への添加剤として使用することもできる。 【0051】上記の反応後は、反応系から触媒を分離した後、生成したカルボン酸エステルを公知の分離精製手段等を用いて回収すれば良い。触媒の分離方法は公知の方法に従えば良い。例えば、反応系が触媒(固形分)と反応生成物(液状成分)からなる場合は、ろ過、遠心分離等の公知の固液分離方法を用いて触媒と反応生成物を分離することができる。 【0052】本発明の製造方法で得られるカルボン酸エステルは、従来技術で得られるカルボン酸エステルと同様の用途に使用することができる。例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のカルボン酸エステルは、各種アクリル樹脂の原料となる重合用モノマーとして有用である。 【0053】 【発明の効果】本発明触媒は、特に、金超微粒子が無機酸化物担体上に担持されていることから、特定方法でカルボン酸エステルを合成するための触媒として従来より優れた触媒活性を発揮することができる。しかも、繰り返し使用しても、従来技術のように容易に性能劣化せず、比較的高い活性を維持することができる。 【0054】この中でも、無機酸化物担体が、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの少なくとも1種の元素を含む酸化物からなるカルボン酸エステル合成用触媒が好ましい。例えば、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、La及びCeの少なくとも1種を含む水溶性化合物の水溶液をシリカに含浸させた後、得られた含浸体を焼成することによって得られる無機酸化物担体を用いる場合には、金超微粒子をより確実に担持できるとともに、金超微粒子とその無機酸化物担体との相乗的な作用により、いっそう優れた触媒活性を発揮することができる。 【0055】 【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。但し、本発明の範囲は、実施例の範囲に限定されるものではない。 【0056】なお、実施例及び比較例における転化率、選択率及び収率は、次の各式に基づいて算出した。 【0057】転化率(%)=(1−B/A)×100選択率(%)={C/(A−B)}×100収 率(%)=(C/A)×100(但し、上記3式において、A:仕込みアルデヒドのモル数、B:残存アルデヒドのモル数、C:生成したカルボン酸エステルのモル数をそれぞれ示す。) 実施例1(1)触媒の調製濃度10mmol/Lの塩化金酸水溶液500mlを65〜70℃に保持しながら、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH7に調節した。この水溶液に市販γ−アルミナ(製品名「AC−12R」住友化学製)40gを撹拌下に投入し、65〜70℃に保持しながら1時間撹拌を続けた。その後、静置して上澄液を除去し、残った金固定化物にイオン交換水0.8Lを加えて室温で5分間撹拌した後、上澄液を除去するという洗浄工程を3回繰り返した。ろ過によって得られた金固定化物を100℃で10時間乾燥し、さらに空気中300℃で3時間焼成することにより、アルミナ担体上に金が担持された金担持物(Au/γ−アルミナ)を得た。 【0058】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.6重量%であった。また、この担持物の金粒子の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)(装置名「HF−2000」日立製作所、加速電圧200kV)(以下同じ。)で調べた。その結果、金がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、粒子径2〜3nm付近に極大をもつ狭い粒子径分布を示し、平均粒子径が5nm以下であることが確認できた。 (2)カルボン酸エステルの合成前記(1)で得られた金担持物(Au/γ−アルミナ)を用いてカルボン酸エステルの合成を行った。 【0059】100ml回転撹拌付きオートクレーブにメタクロレイン1.5ml、メタノール15ml及び上記金担持物0.5gを入れて密封した。次いで、系内を酸素にて2kg/cm2に加圧した後、撹拌下80℃に加温し、この温度を2時間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液とをろ過により分離し、反応液をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、メタクロレインの転化率88%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ85%及び75%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は13.6mol/h/kg−触媒であった。 【0060】実施例2実施例1において、金固定化物の焼成温度を400℃としたほかは同様にして金担持物(Au/γ−アルミナ)を製造した。 【0061】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.6重量%であった。また、この担持物の金粒子の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、粒子径2〜3nm付近に極大をもつ狭い粒子径分布を示し、平均粒子径が5nm以下であることが確認できた。 【0062】この金担持物(Au/γ−アルミナ)を用いて実施例1と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行った。生成した反応液を実施例1と同様にしてガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、メタクロレインの転化率85%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ84%及び71%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は13.0mol/h/kg−触媒であった。 【0063】実施例3実施例1において、金固定化物の焼成温度を600℃としたほかは同様にして金担持物(Au/γ−アルミナ)を製造した。 【0064】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.6重量%であった。また、この担持物の金粒子の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金の多くが3〜6nmの粒子径で高分散しており、平均粒子径が6nm以下であることが確認できた。 【0065】この金担持物(Au/γ−アルミナ)を用いて実施例1と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行った。生成した反応液を実施例1と同様にしてガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、メタクロレインの転化率51%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ72%及び37%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は6.7mol/h/kg−触媒であった。 【0066】比較例1実施例1において、金固定化物の焼成温度を700℃としたほかは同様にして金担持物(Au/γ−アルミナ)を製造した。 【0067】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.6重量%であった。また、この担持物の金粒子の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金の多くが6nmを超える粒子径をもち、平均粒子径が6nmを超えることが確認できた。 【0068】この金担持物(Au/γ−アルミナ)を用いて実施例1と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行った。生成した反応液を実施例1と同様にしてガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、メタクロレインの転化率27%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ52%及び14%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は2.5mol/h/kg−触媒であった。この結果より、平均粒径6nmを超える場合には、実施例1〜3と比べて触媒活性が劣ることが確認された。 【0069】比較例2実施例1において、金固定化物の焼成温度を800℃としたほかは同様にして金担持物(Au/γ−アルミナ)を製造した。 【0070】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.6重量%であった。また、この担持物の金粒子の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金がほとんどすべて6nmを超える粒子径をもち、平均粒子径が6nmを超えることが確認できた。 【0071】この金担持物(Au/γ−アルミナ)を用いて実施例1と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行った。生成した反応液を実施例1と同様にしてガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、メタクロレインの転化率18%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ42%及び8%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は1.4mol/h/kg−触媒であった。 【0072】実施例4(1)触媒の調製■ シリカ担体の調製硝酸アルミニウム9水和物7.03gを含む水溶液25mlに対し、市販のシリカ担体(製品名「キャリアクトQ−10」富士シリシア化学製)10gを入れ、上記水溶液をシリカ担体に含浸した。次いで、上記溶液が含浸したシリカ担体を120℃で12時間乾燥した後、空気中600℃で4時間焼成した。これによって、シリカにアルミニウムが含まれるAl−シリカ担体を得た。 【0073】■ Au担持濃度10mmol/Lの塩化金酸水溶液250mlLを65〜70℃に保持しながら、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH7に調節した。この水溶液に上記Al−シリカ担体10gを撹拌下に投入し、65〜70℃に保持しながら1時間撹拌を続けた。その後、静置して上澄液を除去し、残った金固定化物にイオン交換水0.8Lを加えて室温で5分間撹拌した後、上澄液を除去するという洗浄工程を3回繰り返した。ろ過によって得られた金固定化物を100℃で10時間乾燥し、さらに空気中400℃で3時間焼成することにより、Al−シリカ担体上に金が担持された金担持物(Au/Al/シリカ)を得た。 【0074】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.5重量%であった。また、Al含有量は、担体中4.5重量%であった。また、この担持物の金属種の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、粒子径2〜3nm付近に極大をもつ狭い粒子径分布を示し、平均粒子径が5nm以下であることが確認できた。 (2)カルボン酸エステルの合成前記(1)で得られた金担持物(Au/Al/シリカ)を用いてカルボン酸エステルの合成を行った。 【0075】100ml回転撹拌付きオートクレーブにメタクロレイン1.5ml、メタノール15ml及び上記金担持物(Au/Al/シリカ)0.5gを入れて密封した。次いで、系内を酸素にて2kg/cm2に加圧した後、撹拌下80℃に加温し、この温度を2時間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液とをろ過により分離し、反応液をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、メタクロレインの転化率75%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ88%及び66%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は12.0mol/h/kg−触媒であった。 【0076】実施例5硝酸アルミニウム9水和物7.03gを含む水溶液の代わりにチタンテトラn−ブトキサイド3.55gを含むメタノール溶液を用いたほかは、実施例4と同様にしてTi−シリカ担体に金が担持された金担持物(Au/Ti/シリカ)を得た。 【0077】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.8重量%であった。また、Ti含有量は、担体中4.9重量%であった。また、この担持物の金属種の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、平均粒子径が5nm以下であることが確認できた。 【0078】上記金担持物(Au/Ti/シリカ)を用いて実施例4と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行った。その結果、メタクロレインの転化率71%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ87%及び62%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は11.2mol/h/kg−触媒であった。 【0079】実施例6硝酸アルミニウム9水和物7.03gの代わりに硝酸亜鉛6水和物2.28gを用いたほかは、実施例4と同様にしてZn−シリカ担体に金が担持された金担持物(Au/Zn/シリカ)を得た。 【0080】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.5重量%であった。また、Zn含有量は、担体中5.0重量%であった。また、この担持物の金属種の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、平均粒子径が5nm以下であることが確認できた。 【0081】上記金担持物(Au/Zn/シリカ)を用いて実施例4と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行った。その結果、メタクロレインの転化率97%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ91%及び88%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は16.0mol/h/kg−触媒であった。 【0082】実施例7硝酸亜鉛6水和物2.28gの代わりに硝酸ランタン6水和物1.56gを用いたほかは、実施例4と同様にしてLa−シリカ担体に金が担持された金担持物(Au/La/シリカ)を得た。 【0083】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.8重量%であった。また、La含有量は、担体中5.0重量%であった。また、この担持物の金属種の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)調べた。その結果、金がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、平均粒子径が5nm以下であることが確認できた。 【0084】上記金担持物(Au/La/シリカ)を用いて実施例4と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行った。その結果、メタクロレインの転化率99%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ92%及び91%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は16.5mol/h/kg−触媒であった。 【0085】実施例8硝酸アルミニウム9水和物7.03gの代わりに硝酸セリウム5水和物1.49gを用いたほかは、実施例1と同様にしてCe−シリカ担体に金が担持された金担持物(Au/Ce/シリカ)を得た。 【0086】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.8重量%であった。また、Ce含有量は、担体中4.9重量%であった。また、この担持物の金属種の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、平均粒子径が5nm以下であることが確認できた。 【0087】上記金担持物(Au/Ce/シリカ)を用いて実施例4と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行った。その結果、メタクロレインの転化率64%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ87%及び56%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は10.1mol/h/kg−触媒であった。 【0088】実施例9硝酸アルミニウム9水和物7.03gの代わりに酢酸鉛3水和物0.92g及び酢酸マグネシウム4水和物1.76gを用いたほかは、実施例4と同様にしてPb−Mg/シリカ担体に金が担持された金担持物(Au/Pb−Mg/シリカ)を得た。 【0089】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.8重量%であった。また、Pb及びMg含有量は、担体中それぞれ5.0重量%及び2.0重量%であった。また、この担持物の金属種の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、平均粒子径が5nm以下であることが確認できた。 【0090】上記金担持物(Au/Pb−Mg/シリカ)を用いて実施例4と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行った。その結果、メタクロレインの転化率83%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ92%及び81%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は13.9mol/h/kg−触媒であった。 【0091】実施例10実施例7において、硝酸ランタン6水和物1.56gから3.12gに変更するとともに、La−シリカの使用量10gを5gに変更したほかは、実施例7と同様にしてLa−シリカ担体に金が担持された金担持物(Au/La/シリカ)を得た。 【0092】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して8.4重量%であった。また、La含有量は、担体中10.1重量%であった。また、この担持物の金属種の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、平均粒子径が5nm以下であることが確認できた。 【0093】上記金担持物(Au/La/シリカ)を用い、系内酸素圧3kg/cm2・反応時間1時間としたほかは実施例4と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行った。その結果、メタクロレインの転化率98%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ93%及び91%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は33.0mol/h/kg−触媒であった。 【0094】実施例11実施例10で得られた触媒を用い、メタクロレイン3.0ml及びメタノール12mlとしたほかは、実施例10と同様にしてカルボン酸エステルの合成を実施した。その結果、メタクロレインの転化率78%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ89%及び69%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は50.4mol/h/kg−触媒であった。 【0095】実施例12実施例10で得られた触媒を用い、メタクロレイン4.0ml及びメタノール12mlとしたほかは、実施例10と同様にしてカルボン酸エステルの合成を実施した。その結果、メタクロレインの転化率54%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ86%及び46%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は45.0mol/h/kg−触媒であった。 【0096】実施例13実施例10で得られた触媒を用いてカルボン酸エステルの合成を行った。100ml回転撹拌付きオートクレーブにアクロレイン1.5ml、メタノール15ml及び上記金担持物(Au/La/シリカ)0.5gを入れて密封した。次いで、系内を酸素にて3kg/cm2に加圧した後、撹拌下70℃に加温し、この温度を3時間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液とをろ過により分離し、反応液をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、アクロレインの転化率95%、メチルアクリレートの選択率及び収率はそれぞれ84%及び80%であった。 【0097】実施例14実施例10で得られた触媒を用いてカルボン酸エステルの合成を行った。100ml回転撹拌付きオートクレーブに40%グリオキザール水溶液2g、メタノール15ml及び上記金担持物(Au/La/シリカ)0.5gを入れて密封した。次いで、系内を酸素にて3kg/cm2に加圧した後、撹拌下80℃に加温し、この温度を1時間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液とをろ過により分離し、反応液を液体クロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、グリオキザールの転化率53%、グリオキシル酸メチルの選択率及び収率はそれぞれ87%及び46%であった。 【0098】実施例15実施例10で得られた触媒を内径10mmのガラス製U字管に充填し、触媒層温度を280℃に加熱した状態でメトキシトリメチルシランを約8体積%含有するヘリウムガスを流量6L/時で10分間流通させた。こうして得られたシリル化触媒0.5gを用い、実施例14と同様にして反応を行った。得られた反応液を実施例10と同様にして液体クロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、グリオキザールの転化率75%、グリオキシル酸メチルの選択率及び収率はそれぞれ82%及び62%であった。 【0099】実施例16実施例10で得られた触媒を用いてカルボン酸エステルの合成を行った。100ml回転撹拌付きオートクレーブにプロピオンアルデヒド2g、エタノール15ml及び上記金担持物(Au/La/シリカ)0.5gを入れて密封した。次いで、系内を酸素にて3kg/cm2に加圧した後、撹拌下80℃に加温し、この温度を2時間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液とをろ過により分離し、反応液をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、プロピオンアルデヒドの転化率83%、プロピオン酸エチルの選択率及び収率はそれぞれ90%及び75%であった。 【0100】実施例17実施例10で得られた触媒を用いてカルボン酸エステルの合成を行った。100ml回転撹拌付きオートクレーブにイソブチルアルデヒド2g、エタノール15ml及び上記金担持物(Au/La/シリカ)0.5gを入れて密封した。次いで、系内を酸素にて3kg/cm2に加圧した後、撹拌下65℃に加温し、この温度を2時間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液とをろ過により分離し、反応液をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、イソブチルアルデヒドの転化率80%、イソ酪酸エチルの選択率及び収率はそれぞれ88%及び70%であった。 【0101】実施例18実施例10で得られた触媒を用いてカルボン酸エステルの合成を行った。100ml回転撹拌付きオートクレーブにベンズアルデヒド2g、1−プロパノール15ml及び上記金担持物(Au/La/シリカ)0.5gを入れて密封した。次いで、系内を酸素にて3kg/cm2に加圧した後、撹拌下70℃に加温し、この温度を4時間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液とをろ過により分離し、反応液をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、ベンズアルデヒドの転化率89%、安息香酸プロピルの選択率及び収率はそれぞれ88%及び70%であった。 【0102】実施例19(1)触媒の調製濃度10mmol/Lの塩化金酸水溶液500mlを65〜70℃に保持しながら、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を用いて上記水溶液をpH7に調節した。この水溶液に市販チタニア(アナターゼ型、ノートン社製)10gを撹拌下に投入し、65〜70℃及びpH7〜8に保持しながら1時間撹拌を続けた。その後、静置して上澄液を除去し、残った金固定化物にイオン交換水0.8Lを加えて室温で5分間撹拌した後、上澄液を除去するという洗浄工程を3回繰り返した。ろ過によって得られた金固定化物を100℃で10時間乾燥し、さらに空気中400℃で3時間焼成することにより、チタニア担体上に金が担持された金担持物(Au/チタニア)を得た。 【0103】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.7重量%であった。また、この担持物の金粒子の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、平均粒子径が5nm以下であることが確認できた。 (2)カルボン酸エステルの合成前記(1)で得られた金担持物(Au/チタニア)を用いてカルボン酸エステルの合成を行った。 【0104】100ml回転撹拌付きオートクレーブにメタクロレイン1.5ml、メタノール15ml及び上記金担持物0.5gを入れて密封した。次いで、系内を酸素にて2kg/cm2に加圧した後、撹拌下80℃に加温し、この温度を2時間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液とをろ過により分離し、反応液をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、メタクロレインの転化率83%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ81%及び67%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は12.2mol/h/kg−触媒であった。 【0105】実施例20実施例19において、担体としてチタニアの代わりに市販ジルコニア(ノートン社製)を用いたほかは、実施例19と同様にしてジルコニア担体に金が担持された金担持物(Au/ジルコニア)を得た。 【0106】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.4重量%であった。また、この担持物の金属種の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、平均粒子径が5nm以下であることが確認できた。 【0107】上記金担持物(Au/ジルコニア)を用いて実施例19と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行った。得られた反応液を実施例19と同様にしてガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、メタクロレインの転化率69%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ83%及び53%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は9.6mol/h/kg−触媒であった。 【0108】実施例21(1)触媒の調製硝酸鉄9水和物40.4g及び塩化金酸4水和物0.88gを含有し、70℃に加温された水溶液500mlを、炭酸ナトリウム19.6gを含有し、65〜70℃に加温された水溶液500mlに攪拌下約1分間かけて全量を注いだ。その後、65〜70℃に保持しながら攪拌を続けた後、遠心分離により上澄液を取り除いた。1Lのイオン交換水を用いた攪拌洗浄操作を各10分間3回繰り返した後、得られた固形分を120℃で12時間乾燥し、さらに空気中450℃で4時間焼成することにより、酸化鉄上に金が担持された金担持物(Au/Fe2O3)を得た。 【0109】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して4.8重量%であった。また、この担持物の金粒子の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、平均粒子径が5nm以下であることが確認できた。 (2)カルボン酸エステルの合成前記(1)で得られた金担持物(Au/Fe2O3)を用いてカルボン酸エステルの合成を行った。 【0110】100ml回転撹拌付きオートクレーブにメタクロレイン1.5ml、メタノール15ml及び上記金担持物0.5gを入れて密封した。次いで、系内を酸素にて2kg/cm2に加圧した後、撹拌下80℃に加温し、この温度を2時間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液とをろ過により分離し、反応液をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、メタクロレインの転化率66%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ87%及び57%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は10.3mol/h/kg−触媒であった。 【0111】実施例22実施例21において、硝酸鉄9水和物40.4gに代えて硝酸亜鉛6水和物29.8gとし、塩化金酸4水和物0.88gから0.51gに変更し、炭酸ナトリウム19.6gを13.2gとしたほかは、実施例21と同様にして酸化亜鉛上に金が担持された金担持物(Au/ZnO)を得た。 【0112】この担持物における金の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対して2.9重量%であった。また、この担持物の金属種の状態分析を透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、平均粒子径が5nm以下であることが確認できた。 【0113】上記金担持物を用いて実施例21と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行った。得られた反応液を実施例21と同様にしてガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、メタクロレインの転化率74%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ81%及び60%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は10.9mol/h/kg−触媒であった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004628 【氏名又は名称】株式会社日本触媒
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| 【出願日】 |
平成13年6月4日(2001.6.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065215 【弁理士】 【氏名又は名称】三枝 英二 (外8名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−361086(P2002−361086A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月17日(2002.12.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−167740(P2001−167740) |
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