| 【発明の名称】 |
排ガス脱硝装置用反応器 |
| 【発明者】 |
【氏名】和田 敏通
【氏名】丸山 眞司
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| 【要約】 |
【課題】粒状触媒用反応器にパラレルフロー型触媒を適用可能とし、信頼性向上、高性能脱硝装置の提供を可能とする。
【解決手段】処理ガスを水平方向より導入し、水平に設けられた触媒支持材6上に充填された粒状触媒層10に垂直上向き方向に流入させるように配置した排ガス脱硝装置用反応器に対し、粒状触媒層ガス流路断面の一部をガス仕切板5にて閉止し、残りのガス流路断面部にパラレルフロー型触媒(板状あるいは格子型脱硝触媒7)を充填する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 処理ガスを水平方向より導入し、水平に設けられた触媒支持材上に充填された粒状触媒層に垂直上向き方向に流入させるように配置した排ガス脱硝装置用反応器に対し、粒状触媒層ガス流路断面の一部をガス仕切板にて閉止し残りのガス流路断面部に板状あるいは格子型脱硝触媒を充填するようにしたことを特徴とした排ガス脱硝装置用反応器。 【請求項2】 請求項1記載の排ガス脱硝装置用反応器において、前記ガス仕切板の一部あるいは全部の設置を、粒状触媒層ガス流路断面のガス流入側部分に行なうようにしたことを特徴とした排ガス脱硝装置用反応器。 【請求項3】 排ガスとアンモニアガスを触媒の存在下で反応させて脱硝する排ガス脱硝装置用反応器と、この排ガス脱硝装置用反応器を通過した排ガスの熱を回収する熱回収手段と、を含んでなる排ガス脱硝装置において、前記排ガス脱硝装置用反応器が、請求項1又は2記載の排ガス脱硝装置用反応器であることを特徴とする排ガス脱硝装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は排ガス脱硝装置に係わり、特に粒状触媒用反応器にパラレルフロー型触媒を用いる場合に好適な排ガス脱硝装置用反応器に関する。 【0002】 【従来の技術】図10に、ボイラプラントに設けられた排ガス脱硝装置の例を示す。排ガスはボイラ12より排出され排ガス脱硝装置用反応器(以下、脱硝反応器という)13に導入される。ここで図示されていないアンモニア注入装置より注入されたアンモニアガス16と排ガス中の窒素酸化物が脱硝触媒の作用により反応し無害な水蒸気と窒素となる。脱硝反応器13を通過した排ガスは、熱回収手段である空気予熱器14で熱回収された後、煙突15より大気へ放出される。 【0003】上記した脱硝装置は、通常ガス温度300〜400℃程度の温度ゾーンに設置され、装置の大きさはボイラの出力によっても異なるがおおよそ数m〜十数m程度の幅、奥行き、高さ寸法のものが設置されている。 【0004】図6,7に従来技術による粒状触媒採用の脱硝反応器構造の例を示す。脱硝装置が小型の場合、図7に示す如く、入口ダクト1より流入した処理ガスは触媒支持材6上に配置された触媒受網6−1上に水平に設けられた粒状触媒層10を上向きの流れで通過する。 【0005】触媒にて処理された排ガスは出口ダクト4を経て後流機器へ排出される。このような粒状触媒を用いた脱硝反応器は、粒状触媒の特性であるLV(触媒層を通過する処理ガス流速で通常空塔速度と言う)値に対して触媒層通風損失が大きいこと、LV値を大きくすると粒状触媒の流動化を招く等の理由から、通常1.5m/s程度の低流速に抑えた設計がなされている。このような粒状触媒の特性を図3のAに示す。図中×印は粒状触媒が流動化を開始するポイントを示している。 【0006】低LV値とするため、触媒層ガス流路断面積が大きくなることから反応器設置スペースが大きくなる。そのため図6に示す如く、粒状触媒層10を数分割し高さ方向に積み重ねることによりコンパクト化して設置面積低減を図った脱硝反応器も設置されている。尚その際は出来るだけ脱硝反応器の高さ方向寸法を小さくするため、各触媒層間のガス仕切板8を傾斜させて設ける設計がなされている。 【0007】このような粒状触媒を用いた脱硝反応器に対して、供用後に、当初の設計段階よりも厳しい環境規制、あるいは運転経費節減、装置信頼性向上等の要求のため、粒状触媒に代えパラレルフロー型触媒を採用する必要性が生じている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】粒状触媒は粒径を小さくすればするほど触媒単位当たりの見掛け表面積を大きくとれることから、排ガス処理に必要となる触媒の容積は小さくて済むメリットがあるが、粒径が小さくなると触媒の通風損失が高くなり通風設備の動力が大きくなる等の問題が生じる。また触媒支持材に例えば熱歪み等で隙間が生じた場合その個所より触媒が漏れる等の問題が生じ易くなり、さらに触媒充填密度の管理、触媒層ガス流速設定を適切に行なわないと触媒の流動化の問題が生じるなど信頼性の問題がある。そこで通常は粒径5mm前後の球状、あるいは円柱状の触媒が用いられているが依然として問題は残る。 【0009】粒状触媒のその他の欠点として、脱硝装置の性能を高くする必要が生じた場合、あるいは触媒性能劣化対策で触媒積増等の対応を行なう場合、粒状触媒の場合には既充填触媒の上に直接積増触媒を追加することになり、将来触媒性能が低下して触媒交換行なう場合、初期充填触媒と積み増した比較的新しい触媒の分離ができないため積増触媒も一緒に交換することになることから経済的な運用ができない等の問題がある。 【0010】上述の諸問題を解決するため、粒状触媒をパラレルフロー型触媒に交換することが考えられる。しかし、粒状触媒を用いた脱硝反応器の仕様と、パラレルフロー触媒を用いた脱硝反応器の仕様には、下記のような大きな相違点がある。 【0011】すなわち、前記したように粒状触媒を使用する脱硝反応器は通風損失が大きいためLVを低く抑えられていることから、この反応器にパラレルフロー触媒を適用しようとした場合次の問題がある。 1)図2のBに示したように、パラレルフロー型触媒は触媒層内のガス流れが層流のため、ガス流速が低いと触媒表面での物質移動抵抗が大きくなり脱硝性能の低下を来す。そのため一般的に約7m/s前後のガス流速で設計されている。これに対し粒状触媒の場合は、粒子間のガス流れが乱流のためLV値が低くても脱硝性能の低下はほとんどない特性を有している。 2)一方、図3に示したように、触媒層通風損失特性はパラレルフロー型触媒の場合、粒状触媒のそれに比べ格段に低い(触媒層高、触媒層ガス流速を同条件とすると数十〜数百分の1程度の通風損失)こともあり、1)項にて述べた触媒性能を高くした運用が可能なLV値を7m/s前後とすることが可能となっている。 【0012】このような特性の違いから仮に粒状触媒用反応器にパラレルフロー型触媒を充填しようとした場合、図2に示す如く、低LVのため触媒性能が低下し、その結果必要脱硝性能を満足させるには充填触媒量が増加し、ただでさえ粒状触媒層上部の狭い触媒設置スペース内に収まらない問題(図4中イ部参照)があった。 【0013】またパラレルフロー型触媒の通風抵抗が低いため、粒状触媒充填時は問題なかった触媒流入ガスに偏流が生じる(図4中ロ部参照)等の問題がある。 【0014】即ち、触媒層に流入するガス流速のバラツキは、触媒層の通風損失(ΔPC)と入口ガスチャンバー内のガス流れによる動圧を考慮した静圧(PS)の比(ΔPC/PS)に大きく影響を受け、この値が大きければ触媒層へのガス偏流は小さくなる傾向がある。この特性でみた場合、上記のようにパラレルフロー型触媒の通風抵抗が低いと偏流が問題となってくるのである。 【0015】さらに入口ガスチャンバー入口部は、ガス流れ方向が下向きより水平方向に変わる際、ガス流れの慣性力により、ベンド部に渦が発生し、そのためガス流れが大きく乱れ触媒層へのガス流れが大きく乱れる傾向が見られた。 【0016】図4,図5中の領域aは渦の発生によるガス流れが乱れるゾーン、領域bはその後のガス流れを整流するために必要な整流ゾーンである。 【0017】本発明の課題は、粒状触媒用反応器にパラレルフロー型触媒を適用可能とし、信頼性向上、高性能脱硝装置の提供を可能とすることである。 【0018】 【課題を解決するための手段】上記の課題を達成する本発明の第1の手段は、粒状触媒を用いて脱硝を行なうように構成された脱硝反応器において、粒状触媒層流路断面の一部をガス仕切板にて閉止し、残りのガス流路断面部に粒状触媒に代えてパラレルフロー型触媒を充填するようにしたことを特徴とする。 【0019】上記の課題を達成する本発明の第2の手段は、前記ガス仕切板の一部あるいは全部を粒状触媒層流路断面の処理ガス流入部側に取付け、ガス排出側にパラレルフロー型触媒を充填するようにしたことを特徴とする。 【0020】上記構成によれば、粒状触媒層ガス流路断面積を縮小したものをパラレルフロー型触媒流路断面積とするため、LV値が高くなり触媒の性能を高くした運用が可能となる。 【0021】また、ガス仕切板の取付け位置を入口チャンバーへのガス流入部側とすることにより、パラレルフロー型触媒層への流入ガスの整流ゾーン(図5に示すa+b領域)を確保することができるため、触媒層流入ガスの偏流を抑制することができる。 【0022】さらに、パラレルフロー型触媒層を、触媒層上部ガス仕切板と触媒支持材間のスペースが大きいガス排出側に設置することにより、従来の粒状触媒層の設置スペース内で設置が可能となる。 【0023】上記の課題は又、排ガスとアンモニアガスを触媒の存在下で反応させて脱硝する排ガス脱硝装置用反応器と、この排ガス脱硝装置用反応器を通過した排ガスの熱を回収する熱回収手段と、を含んでなる排ガス脱硝装置において、前記排ガス脱硝装置用反応器として、上記第1又は第2の手段に記載の脱硝反応器を用いたことによっても達成される。 【0024】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。本実施の形態は、図10に示す排ガス脱硝装置に本発明を適用したものである。図1に本発明の第1の実施の形態に係る脱硝反応器、すなわち粒状触媒用反応器にパラレルフロー型触媒を充填可能とした脱硝反応器を示す。他の構成は図10に示すものと同じであるので、図示と説明は省略する。図1に示す脱硝反応器13は、図10に示すような、処理ガスを水平方向より導入し、水平に設けられた触媒支持材6上に充填された粒状触媒層に、前記処理ガスを垂直上向き方向に流入させるように構成された脱硝反応器に対し、粒状触媒層ガス流路断面の一部を触媒支持材6上に配置されたガス仕切板5で閉止し、残りのガス流路断面部にパラレルフロー型触媒を充填したものである。本実施の形態では、パラレルフロー型触媒として、格子状触媒を用いる例を示してある。 【0025】排ガスは入口ダクト1より脱硝反応器に導入される。図示の脱硝反応器は、それぞれ水平に設けられた触媒支持材6を内装した各触媒充填室を高さ方向に数段(本図の例では4段)積み重ねた場合であり、各触媒充填室は、入口ダクト1側からガス流下流側に向かってしだいに高くなる方向に傾斜したガス仕切板8にて上下に区切られている。但し、最上段の触媒充填室の上面は、同様に傾斜したケーシング9で区切られている。処理ガスは各触媒充填室に並行に流入し、各触媒充填室で処理される。処理されたガスは、各触媒充填室通過後、出口ダクト4で合流し、次いで、後流機器へ排出される。 【0026】前記触媒支持材6は、粒状触媒支持材として設けられていたものである。各触媒充填室を仕切るガス仕切板8は通常傾斜して取付けられる。これは既に述べた如く高さ方向の寸法短縮と入口ガスチャンバー2、出口ガスチャンバー3内のガス流速を出来るだけ均等に、即ち出入口チャンバー内の静圧を出来るだけ均等にし触媒層へのガス流入を出来るだけ均一にするためである。 【0027】本実施の形態は、このような粒状触媒用脱硝反応器の各触媒充填室の処理ガス流路の一部、つまり粒状触媒支持材に形成されている上下方向の開口の一部を触媒層ガス仕切板5にて閉止し、残りの開口、すなわちガス通過断面部にパラレルフロー型触媒を充填するようにしたものである。上記ガス仕切板5は、粒状触媒支持材6の、処理ガスが各触媒充填室に流入する入口側部分に取付け、粒状触媒支持材6のガス出口側部分にはパラレルフロー型触媒を充填するようになっている。 【0028】このようにガス仕切板5を各触媒充填室の入口側の粒状触媒支持材に取付けてガス流路を狭めた粒状触媒用反応器にパラレルフロー触媒を充填することにより、(1)パラレルフロー触媒層を通過する処理ガス流速を速くして触媒作用を高めることを可能とし、(2)パラレルフロー触媒層への流入ガスの整流ゾーンを確保でき、且つ前記ガス仕切板5がガス流れをスムースとするケーシングの役目を行なうことから上記した整流ゾーンの効果を一層高める、(3)パラレルフロー触媒層の流路断面を絞ることにより触媒層の通風損失が高くなることから触媒層への流入ガスの偏流を抑制する作用がある、(4)触媒充填スペースを触媒充填室出口側とするため、触媒充填スペースを上下方向に高くとれるので触媒充填作業の機械化が可能となり、パラレルフロー触媒を組み合わせたモジュールを大きくできる。このため、モジュール間のガスシール個所が少なくてすみ且つリーク量も小さく抑えることができその分性能を向上させることができる、等の効果がある。 【0029】本発明の第2の実施の形態を図8を参照して説明する。本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なるのは、図8に示す如く、処理ガス流路を制限するガス仕切板11を、触媒支持材5とその上のガス仕切板8間に、触媒充填室に流入するガス流の方向に直交する方向に取付け、このガス仕切板11と触媒充填室出口側の間の粒状触媒支持材6上にパラレルフロー触媒を充填した点である。他の構成は前記第1の実施の形態と同じなので、図示と説明を省略する。本実施の形態も、処理ガス流路を狭める点、ガス入口側に整流ゾーンを設ける点で、前記第1の実施の形態に近い効果が得られる。 【0030】本発明の第3の実施の形態を図9を参照して説明する。パラレルフロー型触媒を触媒充填室出口側に設けるのが脱硝性能上好ましいが、粒状触媒用脱硝反応器の強度上、触媒充填室出口側に偏心荷重を加えることが問題となる場合がある。本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なるのは、図9に示す如く、触媒充填室入口側の整流ゾーン部に第1の実施の形態と同様のガス仕切板5を設け、パラレルフロー型触媒層(本実施の形態では格子状触媒7)の出口側方向にもガス仕切板5を設けるようにした点、いわゆるガス仕切板分割方式とした点である。他の構成は前記第1の実施の形態と同じなので、図示と説明を省略する。このように構成することで、粒状触媒支持材6あるいは脱硝反応器の出口側壁面に過大な応力が生ずるのを防止することができる。 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、粒状触媒用反応器に簡単な部材を付加するだけで、パラレルフロー触媒化した脱硝反応器として適切な状態で用いることができ、高性能でしかも装置通風損失が低く信頼性の高い脱硝装置を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005441 【氏名又は名称】バブコック日立株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年6月12日(2001.6.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098017 【弁理士】 【氏名又は名称】吉岡 宏嗣
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| 【公開番号】 |
特開2002−361074(P2002−361074A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月17日(2002.12.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−177610(P2001−177610) |
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