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【発明の名称】 排出装置
【発明者】 【氏名】渡辺 元士

【要約】 【課題】気体で効率的に第1シール部と第2シール部の掃除を行えるようにする。

【解決手段】本発明に係る排出装置は、容器の開孔Hhの周縁に設けられた第1部材13の第1シール部と、移動可能に構成された第2部材20の第2シール部とを当接させて開孔Hhを閉鎖し、第1シール部から第2シール部を離すことにより開孔Hhを開放して容器内の粉体等を排出する排出装置であって、第1シール部の一部に集中して気体を吹付ける第1気体噴射手段24と、第1気体噴射手段24と第1シール部とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を第1シール部に沿って移動させる第1移動手段と、第2シール部の一部に集中して気体を吹付ける第2気体噴射手段14と、第2気体噴射手段14と第2シール部とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を第2シール部に沿って移動させる第2移動手段とを有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 容器の開孔の周縁に設けられた第1部材の第1シール部と、移動可能に構成された第2部材の第2シール部とを当接させて前記開孔を閉鎖し、前記第1シール部から第2シール部を離すことにより前記開孔を開放して前記容器内の粉体等を排出する排出装置であって、前記第1シール部の一部に集中して気体を吹付ける第1気体噴射手段と、前記第1気体噴射手段と第1シール部とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を第1シール部に沿って移動させる第1移動手段と、前記第2シール部の一部に集中して気体を吹付ける第2気体噴射手段と、前記第2気体噴射手段と第2シール部とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を第2シール部に沿って移動させる第2移動手段と、を有することを特徴とする排出装置。
【請求項2】 請求項1記載の排出装置であって、一の移動手段が第1移動手段と第2移動手段とに兼用されることを特徴とする排出装置。
【請求項3】 請求項1、請求項2のいずれかに記載の排出装置であって、第1気体噴射手段と第2気体噴射手段とは異なるタイミングで駆動されることを特徴とする排出装置。
【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載の排出装置であって、第1シール部と第2シール部との当接部は円形状に形成されており、第1移動手段あるいは第2移動手段は第2部材を軸心回りに回転させることを特徴とする排出装置。
【請求項5】 粉体等を乾燥する乾燥容器と、前記乾燥容器内で乾燥された粉体等をその乾燥容器に設けられた開孔から排出する排出装置とを備える乾燥装置であって、前記排出装置として請求項1から請求項3のいずれかに記載された排出装置を使用することを特徴とする乾燥装置。
【請求項6】 容器の開孔の周縁に設けられた第1部材の第1シール部と、移動可能に構成された第2部材の第2シール部とを当接させて前記開孔を閉鎖し、前記第1シール部から第2シール部を離すことにより前記開孔を開放して前記容器内の粉体等を排出する排出装置の掃除方法であって、第1シール部から第2シール部が離されているときに、第1気体噴射手段から前記第1シール部の一部に集中して気体を吹付けるとともに、前記第1気体噴射手段と第1シール部とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を第1シール部に沿って移動させる工程と、第1シール部から第2シール部が離されているときに、第2気体噴射手段から前記第2シール部の一部に集中して気体を吹付けるとともに、前記第2気体噴射手段と第2シール部とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を第2シール部に沿って移動させる工程と、を有することを特徴とする排出装置の掃除方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器の開孔を開いてその開孔から前記容器内の粉体あるいは粉体に水分が含有されたケーキを排出する排出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薬品、その他の化学製品等を含むスラリー液から水分を除去する濾過乾燥装置は、乾燥後の粉体あるいはケーキ(以下、粉体等という)を容器から取出す排出装置を備えている。排出装置100は、図6(A)、(B)に示すように、容器Hの横開孔Hh周縁に設けられたリング状の弁座102と、その弁座102と同軸に配置されて軸方向に移動可能な円板状の弁体107とを備えている。排出装置100は、弁座102のシール部103と弁体107のシール部108とを当接させることで容器Hの横開孔Hhを閉鎖し、また、弁座102のシール部103から弁体107のシール部108を離すことで容器Hの横開孔Hhを開放する。
【0003】上記排出装置100では、容器Hから乾燥後の粉体等を排出するときに、その粉体等が弁座102と弁体107との間を通過するため、両者102,107のシール部103,108等に粉体等が付着する。シール部103,108に粉体等が付着すると、弁座102と弁体107と間に粉体等の噛み込みが発生し、シール性が悪化する。そこで、弁体107と弁座102間の粉体等の噛み込みを防止するために、横開孔Hhの閉鎖前に弁座102のシール部103及び弁体107のシール部108等を洗浄する必要がある。図6(B)に示すように、弁座102のシール部103近傍には、洗浄液のヘッダ109が設けられており、そのヘッダ109のスリット110から洗浄液が弁座102の半径方向内側に噴射される。これによって、弁体107が弁座102に接近すると、スリット110から噴射された洗浄液が弁体107のシール部108に衝突してそのシール部108を洗浄する。また、弁体107から反射した洗浄液が弁座102のシール部103に衝突してそのシール部103を洗浄する。これによって、シール部103,108から粉体等が除去され、容器Hの横開孔Hhを閉鎖する際に粉体等の噛み込みを防止できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、洗浄液で弁座102のシール部103等を洗浄する方法では、弁座102や弁体107及びその周辺に洗浄液が付着するため、乾燥後の粉体等を容器Hから排出する際にその粉体等が洗浄液で湿るという問題がある。この点を改善するために、ヘッダ109のスリット110から洗浄液の代わりに気体を放出して弁座102のシール部103等を掃除する方法も考えられる。しかし、スリット110はシール部103を囲んで形成されているため、開口面積が大きく、気体の流速を粉体等の除去に必要な程度にまで上昇させるのは難しい。なお、気体供給源の容量を大きくすれば、気体の流速をある程度上昇させることも可能であるが、設備費等の観点から現実的ではない。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、気体を用いて効率的に弁座及び弁体の掃除を行える排出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、各々の請求項に記載の発明によって解決される。請求項1の発明は、容器の開孔の周縁に設けられた第1部材の第1シール部と、移動可能に構成された第2部材の第2シール部とを当接させて前記開孔を閉鎖し、前記第1シール部から第2シール部を離すことにより前記開孔を開放して前記容器内の粉体等を排出する排出装置であって、前記第1シール部の一部に集中して気体を吹付ける第1気体噴射手段と、前記第1気体噴射手段と第1シール部とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を第1シール部に沿って移動させる第1移動手段と、前記第2シール部の一部に集中して気体を吹付ける第2気体噴射手段と、前記第2気体噴射手段と第2シール部とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を第2シール部に沿って移動させる第2移動手段とを有することを特徴とする。
【0007】本発明によると、第1気体噴射手段及び第2気体噴射手段を使用して第1シール部及び第2シール部の一部に集中して気体を吹付ける方法のため、各々のシール部に吹付ける気体の流速を粉体等の除去に必要な値にまで上昇させることが可能になる。このため、第1移動手段により、第1シール部と第1気体噴射手段とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を第1シール部に沿って移動させれば、第1部材の第1シール部から粉体等を均等に除去できる。同様に、第2移動手段により、第2シール部と第2気体噴射手段とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を第2シール部に沿って移動させれば、第2シール部から粉体等を均等に除去できる。即ち、気体で効率的に第1シール部と第2シール部との掃除を行うことができるため、洗浄液を使用しなくても良くなり、乾燥後の粉体等を容器から排出する際にその粉体等が洗浄液で湿るという問題が生じない。
【0008】また、請求項2に示すように、一の移動手段が第1移動手段と第2移動手段とに兼用されるようにすることで、移動手段の機構を簡素化できる。また、請求項3に示すように、第1気体噴射手段と第2気体噴射手段とが異なるタイミングで駆動されるようにすれば、気体圧力低下を抑制でき、気体供給源の容量を小さく設定することが可能になる。
【0009】また、請求項4に示すように、第1シール部と第2シール部との当接部を円形状に形成し、第1移動手段あるいは第2移動手段は第2部材を軸心回りに回転させるように構成するのが好ましい。
【0010】また、請求項5に示すように、粉体等を乾燥する乾燥容器と、前記乾燥容器内で乾燥された粉体等をその乾燥容器に設けられた開孔から排出する排出装置とを備える乾燥装置における排出装置として、請求項1から請求項3のいずれかに記載された排出装置を使用することも可能である。また、請求項6に示す掃除方法は、請求項1に示す排出装置を使用して実施することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図5に基づいて、本発明の実施形態1に係る排出装置の説明を行う。本実施形態に係る排出装置は、薬品、その他の化学製品等を含むスラリー液から水分を除去する濾過乾燥装置において乾燥後の粉体あるいはケーキ(以下、粉体等という)を取出すために使用されるものである。ここで、図1は掃除時における排出装置の弁座及び弁体部分の縦断面図、図2は図1のII矢視拡大図、図3は図1のIII矢視拡大図である。また、図4は排出装置の全体縦断面図、図5は排出装置の全体平面図である。なお、排出装置の幅方向をX方向、前後方向(軸方向)をY方向、高さ方向をZ方向として以下の説明を行う。
【0012】濾過乾燥装置は、図4の一部に示すように、スラリー液(図示されていない)の水分を抜く濾板Hfが容器Hの底部に設置される構造であり、乾燥後の粉体等はその容器Hの下部側面に形成された横開孔Hhから排出される。容器Hの横開孔Hhの周縁には、排出装置10を容器Hに固定するとともにその排出装置10の弁座13としても機能するパットフランジ12が例えば溶接等により固定されている。
【0013】排出装置10の弁座13は、図1、図2等に示すように、パットフランジ12の内周部分及びその周縁に形成されている。弁座13は、パットフランジ12の表面に形成された受け面13u(図2参照)と、その受け面13uに対して約45°傾斜したシール円錐面13sと、そのシール円錐面13sに対して水平方向に約30°傾斜したガイド円錐面13xとから構成されている。なお、本実施形態では弁座13を円錐面等で形成したが、円錐面以外の傾斜面で形成することも可能である。また、傾斜角度も任意に設定可能である。
【0014】また、パットフランジ12には弁座13の位置に噴出口14bを備える第2ノズル14が形成されている。第2ノズル14は、後記する弁体20が弁座13に対して所定距離Lまで接近したときに、その弁体20のシール材22及びその周辺に気体を吹付けるノズルであり、鉛直部14mと傾斜部14fとから構成されている。第2ノズル14の鉛直部14mは、パットフランジ12の外周面12rの上端から弁座13の近傍まで縦方向(Z方向)に形成されており、その先端が傾斜部14fに接続されている。傾斜部14fは鉛直部14mに対して角度θ1だけ傾斜した状態で、その鉛直部14mの先端位置から弁座13の受け面13uとシール面13sとの境目まで形成されている。即ち、傾斜部14fは弁座13の受け面13uとシール面13sとの境目で開口しており、この開口が第2ノズル14の噴出口14bとなる。
【0015】第2ノズル14の鉛直部14mに対する傾斜部14fの傾斜角度θ1は、弁座13に対して弁体20が所定距離Lまで接近したときに、第2ノズル14の噴出口14bが弁体20のシール材22を指向するように設定されている。パットフランジ12の外周面には、第2ノズル14の鉛直部14mに接続されるコネクタ15cが取付けられており、そのコネクタ15cに第2自動開閉弁15vを介して窒素配管15が接続されている。なお、第2ノズル14の構成及び設置位置等は適宜変更可能である。即ち、弁体20が本発明の第2部材に相当し、弁体20のシール材22が本発明に第2シール部に相当する。また、第2ノズル14が本発明の第2気体噴射手段に相当する。
【0016】パットフランジ12には、図1等に示すように、ケーシング30の前部フランジ32がボルト等(図示されていない)により固定されている。ケーシング30の前部フランジ32とパットフランジ12との間には、弁座13を囲んで洗浄液のヘッダ34が形成されており、そのヘッダ34の半径方向内側に弁座13の受け面13uに沿って洗浄液を噴射するスリット34s(図2参照)が形成されている。
【0017】ケーシング30は筒状に形成されており、その下部に粉体等の排出孔35が下向きに形成されている。なお、排出孔35には粉体等を次の工程に搬送する配管(図示されていない)が接続されている。ケーシング30の上部には、図5に示すように、そのケーシング30の内部を掃除するための開口36が形成されており、その開口36が上蓋36uによって閉じられている。また、ケーシング30の上部には、図1等に示すように、上蓋36uと干渉しない位置に第3ノズル37が取付けられている。
【0018】第3ノズル37は、後記する弁体20が開限位置(後退限位置)まで後退したときに、その弁体20(二点鎖線参照)のシール材22に気体を吹付けるノズルであり、第2ノズルの傾斜部14fとほぼ平行に設置されている。また、第3ノズル37の基端部には第3自動開閉弁15rを介して窒素配管15が接続されている。ケーシング30の後端部には後部フランジ38が形成されており、その後部フランジ38に弁体20の駆動機構40が連結されている(図4、図5参照)。
【0019】弁体20は略円板状に形成されており、軸方向(Y方向)に移動して弁座13に当接することにより、排出装置10を閉状態に保持し、容器Hの横開孔Hhを閉鎖する。弁体20は、その前面中央に円錐台形の凸部21が形成されており、その凸部21の外周面21rが、図2等に示すように、弁座13のガイド円錐面13xと等しい傾斜を有して、そのガイド円錐面13xと嵌合可能になっている。また、弁体20の前面端縁には凸部21の外側に当接面21tが形成されており、その当接面21tが弁座13の受け面13uと面接触可能となっている。なお、凸部21の形状等は弁座13に合わせて適宜変更可能である。
【0020】また、弁体20の凸部21と当接面21tとの境部分には、弁座13のシール円錐面13sと面接触するリング状のシール部材22が装着されている。シール部材22は、凸部21の外周面21rに形成された周方向の突条(図示されていない)と当接面21tとに挟まれることで脱落が防止されている。
【0021】弁体20には、図3等に示すように、当接面21tの位置に噴出口24bを備える第1ノズル24が形成されている。第1ノズル24は、弁体20が弁座13に対して所定距離Lまで接近したときに、その弁座13のシール円錐面13sに対して気体を吹付けるノズルであり、直線部24mと傾斜部24fとから構成されている。
【0022】第1ノズル24の直線部24mは、弁体20の後面中央に形成された凹部23からその弁体20の端縁近傍まで半径方向に形成されており、その先端近傍が傾斜部24fに接続されている。傾斜部24fは凸部21の外周面21rとほぼ平行な状態で、直線部24mの先端近傍から弁体20の当接面21tの位置まで形成されている。即ち、傾斜部24fは弁体20の当接面21tの位置で開口しており、この開口が第1ノズル24の噴出口24bとなる。第1ノズル24の直線部24mに対する傾斜部24fの傾斜角度θ2は、弁座13に対して弁体20が所定距離Lまで接近したときに、第1ノズル24の噴出口24bが弁座13のシール円錐面13sを指向するように設定されている。なお、第2ノズル14の構成及び設置位置等は適宜変更可能である。即ち、弁座13が本発明の第1部材に相当し、弁座13のシール円錐面13sが本発明の第1シール部に相当する。また、弁体20の第1ノズル24が本発明の第1気体噴射手段に相当する。
【0023】弁体20の後面中央には、駆動機構40の駆動軸42が連結される。駆動機構40は、弁体20を軸方向に進退させるとともに、その弁体20を軸心回りに回転させる機構であり、弁体20の第1ノズル24に対して気体を供給する機能も併せ持っている。駆動機構40の駆動軸42は、その内部に通路42kを備えるパイプ状の部材であり、その先端に設けられたフランジ42fがボルト等(図示されていない)により弁体20の後面に接続される。
【0024】駆動軸42のフランジ42fは、弁体20の凹部23を被った状態でその弁体20の後面に接続されるため、その凹部23の内側空間と第1ノズル24及び駆動軸42の通路42kとは連通する。駆動機構40は、図4に示すように、駆動軸42を軸方向に進退可能、かつ、軸心回りに回転可能に支持する軸受けフランジ44を備えている。軸受けフランジ44は、中央に軸受け部44jを備えており、その周縁部分44rがボルト等によりケーシング30の後部フランジ38に固定される。さらに、軸受けフランジ44の側面と後部フランジ38の側面とは、図5に示すように、ヒンジ39を介して連結されている。このため、後部フランジ38と軸受けフランジ44とからボルト等が取り外された状態で、その軸受けフランジ44はケーシング30に対してヒンジ39を中心に水平回動が可能となる。
【0025】軸受けフランジ44の後面には駆動機構40の筒体45がその軸受けフランジ44と同軸に固定されており、筒体45の後面に歯車機構46が装着されている。歯車機構46は、駆動軸42を軸心回りに回転させる機構であり、図4に示すように、例えば円筒ウォームギヤ46xと円筒ウォームホイール46yとから構成されている。円筒ウォームホイール46yには中央軸方向に貫通孔46kが形成されており、その貫通孔46kに駆動軸42が軸方向(Y方向)にスライド可能に挿通されている。円筒ウォームホイール46yの貫通孔46kには軸方向に突条46tが形成されており、この突条46tが駆動軸42の外周面軸方向に形成された長溝42eと嵌合している。ここで、長溝42eの長さ寸法は、駆動軸42のスライド距離に合わせて設定される。この構造により、駆動軸42と円筒ウォームホイール46yとは軸方向の相対移動を許容された状態で、相対回転不能に保持される。
【0026】歯車機構46の円筒ウォームギヤ46xはモータ46mの回転軸(図示されていない)に連結される。このため、モータ46mが起動されると、モータ46mの回転力が円筒ウォームギヤ46x、円筒ウォームホイール46y、突条46t及び長溝42eを介して駆動軸42に伝わり、その駆動軸42と弁体20とが一体で軸心回りに回転する。駆動軸42の後端部近傍は後部軸受け48によって回転可能に支持されている。後部軸受け48は、駆動軸42を回転可能に支持するとともに、その駆動軸42に対して前進方向あるいは後退方向の押圧力を付与する部材であり、駆動軸42と軸方向において相対移動不能に保持されている。
【0027】後部軸受け48のハウジング48hには支持材48sが固定されており、その支持材48sに油圧シリンダ47のピストンロッド47rが回動可能な状態で連結されている。油圧シリンダ47は、駆動軸42及び弁体20を軸方向(Y方向)に移動させるシリンダであり、そのケース部47cが筒体45の前部下側に固定された支持材45dに回動可能な状態で連結されている。
【0028】駆動軸42の後端にはロータリジョイント49が取付けられている。ロータリジョイント49は窒素ガス本管から駆動軸42に気体を供給するためのジョイントであり、固定部49sと回転部49mとを備えている。回転部49mは固定部49sに対してシールされた状態で回転が可能であり、その回転部49mが駆動軸42の後端に接続される。また、固定部49sには窒素ガス本管のフレキシブルチューブ(図示されていない)が接続される。なお、前記窒素ガス本管と、前述の第2ノズル14、第3ノズル37用の窒素配管15とは同じ窒素供給源に接続されている。
【0029】次に、本実施の形態に係る排出装置10の動作を説明する。先ず、図4に示すように、弁体20が弁座13に当接して容器Hの横開孔Hhが閉鎖されている状態で、その容器Hの内部には薬品等を含むスラリー液が注入される。スラリー液が注入されると、容器Hの底部に設けられた濾板Hfを介して水分等が除去され、さらにスラリー液は攪拌等によって乾燥される。
【0030】このようにして乾燥が進行し、粉末あるいはケーキ(粉体等)が得られると、排出装置10の開弁操作が行われる。開弁操作は、油圧シリンダ47がピストンロッド47rを延出する方向に駆動されることにより行われる。これによって、駆動軸42には、油圧シリンダ47の押圧力が支持材48s、後部軸受け48を介して後退方向に加わり、弁体20が駆動軸42と共に軸方向に後退して開弁が行われる。排出装置10の開弁操作により容器Hの横開孔Hhが開かれると、乾燥後の粉体等は攪拌機等によって横開孔Hhから押出され、弁体20と弁座13間を通過して排出孔35から下方に排出される。なお、開弁操作時に、弁体20と駆動軸42とは後退限位置(図4の二点鎖線参照)まで移動する。
【0031】このようにして、乾燥後の粉体等の排出が完了すると、窒素配管15の第3自動開閉弁15rが開かれて第3ノズル37から後退限位置にある弁体20のシール部材22に窒素(以下、気体という)が吹付けられる。次に、モータ46mが駆動されてそのモータ46mの回転力が歯車機構46を介して駆動軸42に伝わり、その駆動軸42と共に弁体20が軸回りに回転する。これによって、第3ノズル37によって気体が吹付けられる部位が弁体20のシール部材22に沿って移動するようになり、弁体20のシール部材22に付着した粉体等がぼぼ均等に除去される。なお、モータ46mで弁体20を回転させた後、第3ノズル37からその弁体20のシール部材22に気体を吹付けるようにしても良い。
【0032】弁体20の掃除がほぼ完了すると第3自動開閉弁15rによって第3ノズル37が閉じられ、次に油圧シリンダ47がピストンロッド47rを収納する方向に駆動される。これによって、駆動軸42には、油圧シリンダ47の押圧力が支持材48s、後部軸受け48を介して前進方向に加わり、弁体20が後退限位置から駆動軸42と共に軸方向に前進する。そして、図1、図2等に示されるように、弁体20が弁座13に対して所定距離Lまで接近したときに、油圧シリンダ47の動作が停止し、弁体20はその位置(以下、掃除位置という)に保持される。
【0033】ここで、弁体20を後退限位置から掃除位置まで前進させる際にその弁体20を回転させたままでも良いし、回転を止めた後、弁体20を後退限位置から掃除位置まで前進させ、掃除位置で再び弁体20を回転させても良い。次に、図示されていない窒素ガス本管の自動開閉弁が開かれ、気体がロータリージョイント49、駆動軸42の通路42k及び弁体20の凹部23を介して第1ノズル24に供給される。これによって、第1ノズル24から弁座13のシール円錐面13sに気体が吹付けられる。このとき、弁体20が回転することで、第1ノズル24は弁座13に対して移動し、気体が吹付けられる部位は弁座13のシール円錐面13s沿って移動する、これによって、弁座13のシール円錐面13sに付着した粉体等がぼぼ均等に掃除される。
【0034】弁座13の掃除が完了すると窒素ガス本管の自動開閉弁により第1ノズル24が閉じられる。次に、窒素配管15の第2自動開閉弁15vが開かれて第2ノズル14から弁体20のシール部材22に気体が吹付けられる。このとき、弁体20は回転しているため、第2ノズル14は弁体20に対して相対的に移動し、気体が吹付けられる部位は弁体13のシール部材22に沿って移動する、これによって、弁座13のシール円錐面13sを掃除する際に飛散した粉体等が弁体20のシール部材22等に付着しても、その付着した粉体等を容易に落すことができる。即ち、モータ46m、歯車機構46及び駆動軸42等が本発明の第1移動手段及び第2移動手段として機能する。
【0035】このようにして、弁体20の掃除が終了すると、第2自動開閉弁15vによって第2ノズル14が閉じられ、さらにモータ46mが停止して弁体20の回転が止められる。次に、油圧シリンダ47が再びピストンロッド47rを収納する方向に駆動され、弁体20が掃除位置から駆動軸42と共に前進し、その弁体20が弁座13に当接して排出装置10が閉弁される。前述のように、弁体20及び弁座13は第1ノズル24〜第3ノズル37から放出された気体によって掃除されるため、閉弁時に弁体20のシール部材22と弁座13のシール円錐面13sとの間に粉体等が挟まることがない。これにより、良好にシール性を維持できる。
【0036】排出装置10が閉弁状態になると、再び容器Hに薬品等を含むスラリー液が注入され、前述のように、そのスラリー液の濾過乾燥が行われる。このようにして、スラリー液の濾過乾燥及び粉体等の排出が繰り返し行われて、第1ノズル24〜第3ノズル37による弁座13、弁体20の掃除効率が低下すると、洗浄液により弁体20と弁座13との洗浄が行われる。即ち、ヘッダ34のスリット110から噴射させた洗浄液を掃除位置にある弁体20のシール部材22に衝突させてそのシール部材22を洗浄し、その弁体20から反射した洗浄液を弁座13のシール円錐面13sに衝突させてそのシール円錐面13sの洗浄を行う。これによって、気体では除去できない粉体等を弁座13、弁体20から効率的に除去できる。
【0037】このように、本実施形態に係る排出装置10によると、ノズル14,24,37を使用して弁座13のシール円錐面13s及び弁体20のシール部材22に集中的に気体を吹付ける方法のため、各々のシール部に吹付ける気体の流速を粉体等の除去に必要な値にまで上昇させることができる。このため、移動手段(歯車機構等)により、弁座13と第1ノズル24とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を弁座13のシール円錐面13sに沿って移動させれば、弁座13の全体を気体で掃除することができる。同様に、弁体20と第2ノズル14,37とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を弁体20のシール部材22に沿って移動させれば、弁体20のシール部材22の全体を気体で掃除することができる。即ち、気体で効率的に弁座13及び弁体20の掃除を行うことができるため、乾燥後の粉体等を容器から排出する際にその粉体等が洗浄液で湿るという問題が生じない。
【0038】また、弁座13のシール円錐面13sと弁体20のシール部材22とがリング状に、かつ、同軸に配置されているため、弁体20を軸心回りに回転させることで、弁座13と第1ノズル24とを相対移動させるとともに、弁体20と第2ノズル14とを相対移動させることができる。このため、弁座13と第1ノズル14とを相対移動させる機構と、弁体20と第2ノズル14とを相対移動させる機構とを別々に設ける必要がなくなり、機構を簡素化できる。また、第1ノズル24と第2ノズル14,37とを異なるタイミングで駆動させるため、気体圧力低下を抑制でき、気体供給源の容量を小さく設定することが可能になる。
【0039】本実施形態では、弁座13の第2ノズル14とケーシング30の第3ノズル37とでそれぞれ弁体20の掃除を行う例を示したが、いずれか一方のノズルで弁体20の掃除を行う方式であっても良い。また、本実施形態では、弁座13と弁体20とを別々のノズル14,24で掃除する例を示したが、例えば、ノズルをロボット等で移動させるようにすれば一本のノズルであっても弁座13及び弁体20のシール部を良好に掃除することができる。また、弁座13及び弁体20の双方を掃除する例を示したが、いずれか一方のみを掃除することも可能である。
【0040】また、本実施形態では掃除用の気体として窒素を使用したが、粉体の種類に応じて空気等を使用することも可能である。また、本実施形態では、気体による掃除と液体洗浄とが可能な排出装置10を例に説明したが、液体洗浄装置(ヘッダ等)を省略することも可能である。また、本実施形態では、濾過乾燥装置における排出装置を例に説明したが、粉体収納タンク等における排出装置に本発明を適用することも可能である。
【0041】なお、本実施形態には記載されているが、特許請求の範囲に記載されていない発明を以下に列記する。
(1) 容器の開孔の周縁に設けられた第1部材の第1シール部と、移動可能に構成された第2部材の第2シール部とを接触させて前記開孔を閉鎖し、前記第1シール部から第2シール部を離すことにより前記開孔を開放して前記容器内の粉体等を排出する排出装置であって、前記第1シール部の一部に集中して気体を吹付ける第1気体噴射手段と、前記第1気体噴射手段と第1シール部とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を第1シール部に沿って移動させる第1移動手段と、を有することを特徴とする排出装置。
(2) (1)記載の排出装置であって、第1気体噴射手段は第2部材に設けられていることを特徴とする排出装置。
(3) (2)記載の排出装置であって、第1気体噴射手段は、第1シール部と第2シール部間の距離が設定値であるときに、気体が第1シール部に吹付けられるように構成されている排出装置。
(4) 容器の開孔の周縁に設けられた第1部材の第1シール部と、移動可能に構成された第2部材の第2シール部とを接触させて前記開孔を閉鎖し、前記第1シール部から第2シール部を離すことにより前記開孔を開放して前記容器内の粉体等を排出する排出装置であって、前記第2シール部の一部に集中して気体を吹付ける第2気体噴射手段と、前記第2気体噴射手段と第2シール部とを相対移動させて、気体が吹付けられる部位を第2シール部に沿って移動させる第2移動手段と、を有することを特徴とする排出装置。
(5) (4)記載の排出装置であって、第2気体噴射手段は第1部材に設けられていることを特徴とする排出装置。
(6) (5)記載の排出装置であって、第2気体噴射手段は、第1シール部と第2シール部間の距離が設定値であるときに、気体が第2シール部に吹付けられるように構成されている排出装置。
【0042】
【発明の効果】本発明によると、気体で効率的に弁座及び弁体の掃除を行うことができるため、洗浄液を使用しなくても良くなり、粉体等を容器から排出する際にその粉体等が洗浄液で湿るという問題は生じない。
【出願人】 【識別番号】000135070
【氏名又は名称】株式会社ニツセン
【出願日】 平成13年6月12日(2001.6.12)
【代理人】 【識別番号】100064344
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 英彦 (外3名)
【公開番号】 特開2002−361073(P2002−361073A)
【公開日】 平成14年12月17日(2002.12.17)
【出願番号】 特願2001−177496(P2001−177496)