| 【発明の名称】 |
真空デシケータ及び密閉部材 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮下 賢
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| 【要約】 |
【課題】気密性の向上を図り、上蓋を開く際、加熱、叩く等の操作を不要とし、装置損傷、破壊を排除して容易に上蓋を開けることができる真空デシケータを提供すること。
【解決手段】上面に摺り合せ面1bが設けられた開口部1aを有するデシケータ本体1と、該デシケータ本体1の開口部1aの摺り合せ面1bと密着する摺り合せ面2bが設けられた上蓋2とを有する真空デシケータにおいて、前記デシケータ本体1の開口部1aの摺り合せ面1b及び前記上蓋2の摺り合せ面2bに塗布されたシリコーングリースの薄層4間に、2枚のテフロン(登録商標)等のフッ素樹脂製シート3を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上面に摺り合わせ面が設けられた開口部を有するデシケータ本体と、該デシケータ本体の開口部の摺合わせ面と密着する摺合わせ面が設けられた上蓋とを有する真空デシケータにおいて、前記デシケータ本体の開口部の摺合わせ面及び前記上蓋の摺合わせ面間に密閉部材が固着又は着脱自在に装着されていることを特徴とする真空デシケータ。 【請求項2】 密閉部材が、デシケータ本体の開口部の摺合わせ面及び/又は上蓋の摺合わせ面に塗布されたグリースの薄層を介して設けられていることを特徴とする請求項1記載の真空デシケータ。 【請求項3】 密閉部材が、平滑な表面を有し、デシケータ本体の開口部摺り合わせ面及び/又は上蓋の摺り合わせ面の形状とほぼ同形又はそれよりも小さいことを特徴とする請求項1又は2いずれか記載の真空デシケータ。 【請求項4】 密閉部材が、フッ素樹脂製シートからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の真空デシケータ。 【請求項5】 密閉部材が、2枚重ねのフッ素樹脂製シートからなることを特徴とする請求項4記載の真空デシケータ。 【請求項6】 上面に摺り合わせ面が設けられた開口部を有するデシケータ本体と、該デシケータ本体の開口部の摺合わせ面と密着する摺合わせ面が設けられた上蓋とを有する真空デシケータの前記デシケータ本体の開口部の摺合わせ面と前記上蓋の摺合わせ面間に配設され、減圧時における前記真空デシケータの内部の減圧度を損なわない程度の平滑な表面を有することを特徴とする密閉部材。 【請求項7】 開口部摺り合わせ面及び/または上蓋摺り合わせ面の形状とほぼ同形又はそれよりも小さいことを特徴とする請求項6記載の密閉部材。 【請求項8】 フッ素樹脂製シートからなることを特徴とする請求項6又は7記載の密閉部材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、摺合わせ式の真空デシケータの減圧状態を保持し、且つ蓋の固着を防止し、開閉を容易に行うことができる真空デシケータや、それに用いる密閉部材に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、減圧状態に保持したい物を収納した後、吸引し、簡易に真空を保持する真空デシケータが知られている。このような真空デシケータは、図5に示すように、開口部10aを有するデシケータ本体10と、デシケータ本体10の開口部10aを覆う上蓋11とからなり、真空中に保存したいものを開口部10aにより形成される開口からデシケータ本体10内部に収納し、上蓋11をした後、吸引口11aに接続される吸引装置(図示せず)により吸引し、簡易に真空又は減圧雰囲気を維持する装置として真空デシケータが知られていた。このような従来の真空デシケータにおいては、真空又は減圧雰囲気を維持するため、デシケータ本体10の開口部10aの上面に、摺合わせ面10bを設け、また、上蓋11のデシケータ本体10の摺合わせ面10bに接触する部分に摺合わせ面11bを設け、この摺合わせ面10b、11bにワセリン等を塗布して気密性を確保する方法や、O−リングを介して上蓋をして気密性を確保すると共に、上蓋の取り外しを容易にする方法等が知られていた。 【0003】しかしながら、摺合わせ面10b、11bにワセリンを塗布した場合は、真空デシケータ内部のものを取り出す際に、吸引により摺合わせ面10b、11bが固着し、デシケータ本体10と、上蓋11が容易に離れず、特に外気温度が低い場合、ワセリンが硬くなりドライヤー等で暖めて柔らかくし、木槌などで蓋を叩いて取り外すなどの方法を採っていた。このため、手数が掛かる上、最悪の場合は、真空デシケータを損傷、破壊してしまうこともあった。また、Oリングを使用した場合は、O−リングを収容する溝をデシケータ本体10の摺合わせ面10bに設けなければならないため、真空デシケータが高価なものになってしまった。 【0004】上記O−リングを使用するものとして、実開昭58−89649号公報には、真空デシケータの本体と上蓋との間にスペーサとO−リングとを装着した真空デシケータが記載されており、O−リング収容溝をデシケータ本体の摺合わせ部分に設ける必要を排除し、廉価に作製することができる真空デシケータが提示されている。しかしながら、上記真空デシケータにおいては、O−リングと併用されるスペーサがどのようなものか明示されておらず、スペーサを具体的に作製することができなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点を解消するためになされたものであって、気密性がよく長期間に亘って真空又は減圧雰囲気を維持することができ、真空又は減圧雰囲気を維持した後、上蓋を開く際に、加熱や、叩く等の操作を行うことを不要とし、損傷するおそれがなく、上蓋を容易に取り外すことができる真空デシケータを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、気密性がよく長期間に亘って減圧度を損なわず、かつ上蓋の開閉が容易であり、既存の真空デシケータから簡単に作製しうる真空デシケータについて鋭意研究し、デシケータの摺合わせ面に塗布したシリコングリースの薄層間にテフロン層を設けると、デシケータ内を減圧した場合、上蓋とデシケータ本体とが密着し、テフロン層が圧縮されるとともに、多少のシリコーングリースがテフロン層の周囲に押し出され、この押し出されたシリコーングリースにより、デシケータ内部がより高精度に気密に保持されることを見い出し、本発明を完成するに至った。 【0007】すなわち本発明は、上面に摺り合わせ面が設けられた開口部を有するデシケータ本体と、該デシケータ本体の開口部の摺合わせ面と密着する摺合わせ面が設けられた上蓋とを有する真空デシケータにおいて、前記デシケータ本体の開口部の摺合わせ面及び前記上蓋の摺合わせ面間に密閉部材が固着又は着脱自在に装着されていることを特徴とする真空デシケータに関する(請求項1)。好ましくは、密閉部材が、デシケータ本体の開口部の摺合わせ面及び/又は上蓋の摺合わせ面に塗布されたグリースの薄層を介して設けられていることを特徴とする請求項1記載の真空デシケータに関し(請求項2)、密閉部材が、平滑な表面を有し、デシケータ本体の開口部摺り合わせ面及び/又は上蓋の摺り合わせ面の形状とほぼ同形又はそれよりも小さいことを特徴とする請求項1又は2いずれか記載の真空デシケータに関し(請求項3)、密閉部材が、フッ素樹脂製シートからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の真空デシケータに関し(請求項4)、密閉部材が、2枚重ねのフッ素樹脂製シートからなることを特徴とする請求項4記載の真空デシケータに関する(請求項5)。 【0008】本発明は、上面に摺り合わせ面が設けられた開口部を有するデシケータ本体と、該デシケータ本体の開口部の摺合わせ面と密着する摺合わせ面が設けられた上蓋とを有する真空デシケータの前記デシケータ本体の開口部の摺合わせ面と前記上蓋の摺合わせ面間に配設され、減圧時における前記真空デシケータの内部の減圧度を損なわない程度の平滑な表面を有することを特徴とする密閉部材に関する(請求項6)。好ましくは、開口部摺り合わせ面及び/または上蓋摺り合わせ面の形状とほぼ同形又はそれよりも小さいことを特徴とする請求項6記載の密閉部材に関し(請求項7)、フッ素樹脂製シートからなることを特徴とする請求項6又は7記載の密閉部材に関する(請求項8)。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の真空デシケータとしては、上面に摺り合わせ面が設けられた開口部を有するデシケータ本体と、該デシケータ本体の開口部の摺合わせ面と密着する摺合わせ面が設けられた上蓋とを有する真空デシケータにおいて、前記デシケータ本体の開口部の摺合わせ面及び前記上蓋の摺合わせ面間に密閉部材が固着又は着脱自在に装着されているものであれば、特に限定されるものではなく、好ましくは、密閉部材が、デシケータ本体の開口部の摺合わせ面及び/又は上蓋の摺合わせ面に塗布されたグリースの薄層を介して設けられているものであり、密閉部材が、平滑な表面を有し、デシケータ本体の開口部摺り合わせ面及び/又は上蓋の摺り合わせ面の形状とほぼ同形又はそれよりも小さいものが好ましく、密閉部材が、テフロン(商品名)等のフッ素樹脂製シートからなるものが好ましく、更に好ましくは2枚重ねのフッ素樹脂製シートからなることが好ましい。 【0010】本発明の密閉部材は、上面に摺り合わせ面が設けられた開口部を有するデシケータ本体と、該デシケータ本体の開口部の摺合わせ面と密着する摺合わせ面が設けられた上蓋とを有する真空デシケータの前記デシケータ本体の開口部の摺合わせ面と前記上蓋の摺合わせ面間に配設され、減圧時における前記真空デシケータの内部の減圧度を損なわない程度の平滑な表面を有するものであれば、特に限定されるものではなく、好ましくは、開口部摺り合わせ面及び/または上蓋摺り合わせ面の形状とほぼ同形又はそれよりも小さいものであり、テフロン(商品名)等のフッ素樹脂製シートからなるものである。 【0011】本発明の真空デシケータによれば、デシケータ本体開口部及び上蓋との摺合わせ面間に密閉部材が固着又は着脱自在に設けられているため、デシケータ内を減圧し、上蓋とデシケータ本体とに外気圧が負荷されたとき、密閉部材が適度に圧縮されて気密性を保持するためパッキングとして作用し、グリースの薄層と協働して気密性を向上させることができ、特に、密閉部材がフッ素樹脂製シートである場合は、シートが圧縮されるに従い、多少のグリースがシートの周囲に押し出され、この押し出されたグリースにより、デシケータ内部をより高精度に保持することが可能になる上に、減圧状態を長期間に亘って保持し、減圧度を損なわない。そして、真空又は減圧状態を長期間に亘って維持した後も、容易に上蓋を取り外すことができ、特に、フッ素樹脂製シートを2枚使用した場合は、小さな力で簡単に開閉することができ、作業性を著しく向上させることができる。 【0012】密閉部材は真空デシケータの開口部摺り合わせ面や、上蓋摺り合わせ面の形状とほぼ同形又はそれよりも小さいものが好ましい。デシケータ本体の開口部摺り合わせ面と、上蓋摺り合わせ面が押圧されたとき、密閉部材が摺り合わせ面より大きいとグリースによる密閉効果が低減するため、同形又はより小さいものが好ましい。 【0013】密閉部材としてフッ素樹脂製シートを使用する場合、その厚さとしては、密封性や機械的強度性の点から0.05〜0.2mm程度のものが好ましく、特に0.1mm程度の厚さを有するものがより好ましい。また、フッ素樹脂製シートの形状は特に制限されないが、気密性や取外し容易性の点で、開口部と上蓋の摺合わせ面の形状とほぼ同形のリング形状を好適に例示することができ、この場合、1又は2以上の同心円状の連続又は非連続の周溝を設けることもできる。 【0014】また、本発明に用いられるグリースとしては、シリコーンを主成分とし、充填剤を添加してグリース状にした低蒸気圧のシリコーングリースが好ましく、難固着性のものが好ましい。また、シリコーングリースの薄層は、開口部と上蓋の摺合わせ面の微小な凹凸を埋める程度の量を使用して形成することが好ましい。このように形成されたシリコーングリースの薄層上には、フッ素樹脂製シートを容易に貼着することができる。 【0015】本発明の真空デシケータの好ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。尚、図1は本発明の真空デシケータの分解斜視図、図2は本発明の真空デシケータの一部縦断面図、図3及び図4は本発明の真空デシケータに用いられるフッ素樹脂製シートの平面図である。本発明の真空デシケータは、図1に示すように、デシケータ本体1と、デシケータ本体1の蓋である上蓋2とから構成されている。デシケータ本体1は、真空又は減圧雰囲気に維持する物品を収納する容器であり、下部には、目皿1dが備えられ、上部には、収納物品を出し入れする開口を形成する開口部1aが設けられ、開口部1aの上蓋2と接触する部分は摺合わせ面1bとなっている。一方、上蓋2には、デシケータ本体1の開口部1aと当接し、デシケータ本体1の開口部1aと同径リング状の封止部2aが設けられ、かかる封止部2aのデシケータ本体1の開口部1aの摺合わせ面1bに接触する部分には、摺合わせ面2bが形成されている。また、上蓋2には、吸引装置(図示せず)に接続される吸引口2cが設けられている。 【0016】上記デシケータ本体1の摺合わせ面1bと、上蓋2の摺合わせ面2bとには、図2に示すように、それぞれシリコングリースの薄層4が塗布されており、各々の薄層にはテフロン等のフッ素樹脂製シート3がそれぞれ貼着されている。フッ素樹脂製シートとしては、図1に示すように、摺合わせ面1b,2bとほぼ同形のフッ素樹脂製シート3の他、図3に示すように、摺合わせ面1b,2bにおける内周シート5aと外周シート5bからなるフッ素樹脂製シートセット5や、図4に示すように、摺合わせ面1b,2bとほぼ同形のフッ素樹脂製シートに2つの同心円状の非連続周溝6aが設けられた溝付のフッ素樹脂製シート6を用いることができる。また、溝付のフッ素樹脂製シート6の場合、その厚みは溝なしのフッ素樹脂製シート3等の厚みよりも多少厚いものとすることが好ましい。 【0017】このような真空デシケータの作用を説明する。デシケータ本体1の開口部1aの摺合わせ面1bにシリコーングリースを薄く塗布してシリコーングリースの薄層4を形成した後、フッ素樹脂製シート3を貼着する。一方、上蓋2の封止部2aの摺合わせ面2bにもシリコーングリースを薄く塗布してシリコーングリースの薄層4を形成した後、フッ素樹脂製シート3を貼着する。デシケータ本体1に所定の物品を収納した後上蓋2を被せ、デシケータ本体1と上蓋2にシリコーングリースの薄層4を介して貼着されたフッ素樹脂製シート3同士を当接・接触させて密封する。その後、吸引口2cに接続される吸引装置により吸引し、デシケータ内を減圧雰囲気とする。このとき、デシケータ内の減圧により、上蓋2とデシケータ本体1とが密着し、フッ素樹脂製シート3が圧縮され、デシケータ内部を気密に維持することができる。特に、フッ素樹脂製シート3が圧縮されて、多少のシリコーングリースがフッ素樹脂製シート3の下からフッ素樹脂製シート3の周囲に押し出され、この押し出されたシリコーングリースにより、デシケータ内部の気密性がより高精度に維持される。 【0018】 【実施例】ガラス製真空デシケータのデシケータ本体及び上蓋の摺合わせ面に、それぞれシリコーングリースを薄く塗布し、シリコーングリースの薄層を形成した後、厚さ0.1mmのテフロンシートから摺合わせ面の大きさに合わせて作製した2枚のテフロンシートを、デシケータ本体及び上蓋の摺合わせ面にそれぞれ塗布したシリコーングリースの薄層上に貼り付けた。次いで、デシケータ本体に上蓋を被せ、テフロンシートの外周に付着しているシリコーングリースを拭き取った後、吸引装置によりデシケータ内を15Pa程度に減圧し、吸引口のコックを閉じたところ、テフロンシートの外周に押し出された僅かなシリコーングリースを観察した。5日経過後のデシケータ内の気圧を調べたところ、放置前の気圧と同じく15Pa程度であった。その後、上蓋を取り外そうとした際、テフロンシート同士の接触面から上蓋とデシケータ本体とが簡単に離れ、取り外しが容易であることが確認できた。 【0019】 【発明の効果】本発明の真空デシケータによれば、気密性がよく長期間に亘って真空又は減圧雰囲気を維持することができ、真空又は減圧雰囲気を維持した後、上蓋を開く際に、簡単に上蓋を開けることができ、作業性を著しく向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004307 【氏名又は名称】日本曹達株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年6月7日(2001.6.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107984 【弁理士】 【氏名又は名称】廣田 雅紀 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−361071(P2002−361071A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月17日(2002.12.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−173259(P2001−173259) |
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