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【発明の名称】 気泡発生装置、浄水装置および水の浄化方法
【発明者】 【氏名】山中 修

【要約】 【課題】極めて微細な気泡を含む液体の流れを生ずる気泡発生装置および優れた浄水効果を奏する浄水方法を提供する。

【解決手段】液体または液体および空気が管の内側を通過することによってこの液体中に気泡を発生させる管状の気泡発生装置1であって、表面の少なくとも一部が曲面を有し、かつ管の中心軸に向かう高さがその中心軸迄には至らない高さを有する多数の疣状の突起3が前記管の内側壁面に配置されている気泡発生装置1およびこの気泡発生装置1によって生じた気泡を含む水の流れを浄化すべき水の中に噴射させて水を浄化する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体または液体および空気が管の内側を通過することによってこの液体中に気泡を発生させる管状の気泡発生装置であって、表面の少なくとも一部が曲面を呈し、かつ管の中心軸に向かう高さがその中心軸迄には至らない高さを有する多数の疣状の突起が前記管の内側壁面に配置されていることを特徴とする、前記気泡発生装置。
【請求項2】 表面の少なくとも一部が曲面を呈し、かつ管の中心軸に向かう高さがその中心軸に達するほどの高さを有する前記疣状の突起よりも比較的長い棒状の突起が、前記管の軸方向における前記管の中央部またはこの中央部よりも前記管内を通過する液体または液体および空気の流出口寄りの位置から前記流出口に至るまでの間に、前記管の軸方向に沿って前記管の半径方向の所定の各断面に関して一つずつ前記管の内側壁面に更に配置されている、請求項1記載の気泡発生装置。
【請求項3】 前記突起の表面全部が曲面を呈している、請求項1または2記載の気泡発生装置。
【請求項4】 前記突起の表面が、球面状の頂部と円錐状曲面の側部とが連なった状態の曲面を呈し、かつこの円錐状曲面側の端部が前記管の内側壁面に接合し、そして球面側の端部が前記管の中心軸方向に向いている請求項1ないし3のいずれかに記載の気泡発生装置。
【請求項5】 前記疣状および棒状の突起のうちのいずれかの突起またはこの両方の突起が前記内側壁面に規則的に、またはランダムに配置されてる請求項1ないし4のいずれかに記載の気泡発生装置。
【請求項6】 前記疣状および棒状の突起が前記内側壁面に螺旋状に列をなして配置されている請求項5記載の気泡発生装置。
【請求項7】 液体が水である請求項1ないし8のいずれかに記載の気泡発生装置。
【請求項8】 二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲン化物鉱物およびこれらの鉱物のうちのいずれか1種または2種以上を含む岩石から選ばれる1種または2種以上の鉱物および/または岩石の粉体の粒度分布における中央値が2マイクロメートル以下である前記粉体の成形体に熱処理が施されて生成したセラミックスと、そのセラミックスを収容し、かつ空気の流入口および流出口を有する容器とを含む空気改質装置と、請求項7記載の気泡発生装置とが、前記空気改質装置によって改質された空気が前記気泡発生装置に供給されるように互いに連結していることを特徴とする浄水装置。
【請求項9】 前記粒度分布における中央値が1マイクロメートル以下である請求項8記載の浄水装置。
【請求項10】 前記セラミックスが板状を呈して、この板状のセラミックスの表裏両面が前記流入口から流出口に至る空気の流れに対して、これに抵抗するような角度を以て前記容器内に収容されている請求項8または9に記載の浄水装置。
【請求項11】 請求項7記載の気泡発生装置または請求項8ないし10のいずれかに記載の浄水装置によって生じた気泡を含む水の流れを浄化すべき水の中に噴射することを特徴とする水の浄化方法。
【請求項12】 水中で生息する炭酸同化性植物を駆除してその水を浄化するための請求項11記載の方法。
【請求項13】 炭酸同化性植物がアオコである請求項12記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体または液体および空気の流れの中に気泡を発生させる気泡発生装置、或る種のセラミックスが収容されている空気改質装置と前記気泡発生装置が組み合わされている浄水装置および前記気泡発生装置または前記浄水装置によって生じた、気泡を含む水の流れによって浄化すべき水を浄化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、地球環境を汚染する化石燃料の燃焼ガスや製造業の工場から排出される排ガスや種々の化学物質の量が増加するにつれて空気並びに海、湖、河川および地下水等の天然の水の汚染の弊害が益々顕著になってきており、例えば、湖沼では、そこで発生した所謂アオコが水中の溶存酸素量を減少させて、その水の中に棲む魚等の動物を窒息死させるという問題がある。
【0003】このようなアオコの発生の防止、あるいは魚等の水中に棲息する動物の活性化については従来、水の中に空気を吹き込むことによる曝気、階段状に段差が形成されている構造物の上から水を滝のように流下させることによる曝気、回転羽根で水面付近の水を攪拌することによる曝気、または噴水装置で水を吹き上げることによる曝気等の様々な曝気方法で水中の溶存酸素量を増やすという方法が採られており、また、アオコの発生をどうしても阻止できないで、その発生したアオコを消滅させざるを得ない場合には、従来、凝集沈殿剤を水面に散布してアオコを水底に沈降させたり、あるいはポンプでアオコを水と一緒に吸い込んでタンクに集めた後、このアオコを水切りしてから焼却するというような対策が採られてきた。
【0004】しかし、水中の溶存酸素量を増やそうとする上記各種の曝気方式では実際には思うように溶存酸素量が増えないという問題があり、また、凝集沈殿剤によってアオコを沈降させる方法およびアオコの収集分離後の焼却では、その凝集沈殿剤や焼却で発生した燃焼ガスによって環境が汚染されるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】それで、上記のような不都合を起こさずに、汚染された空気や水を効果的に、かつ便利に浄化する手段、あるいはアオコ等の藻類の発生で汚染される湖沼等の水を処理する従来方法の不都合を避けて、その湖沼等の水を効果的に浄化する手段の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の状況に鑑みて種々研究を重ねた結果、1.表面の少なくとも一部が曲面を呈し、かつ管の中心軸に向かう高さがその中心軸迄には至らない高さを有する多数の疣状の突起が前記管の内側壁面に配置されている管の内側に、水のような液体またはこの液体と空気を通すと、効果的にキャビテーションが起こって、その液体中に極めて微細な気泡が多量に生ずること2.液体として水を使用して上記のように極めて微細な気泡を多量に含んだ水の噴流をアオコのような藻類等で汚染された湖沼等の水の中に送り込むと、その汚染された水が効果的に浄化されること、および3.二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲン化物鉱物およびこれらの鉱物のうちのいずれか1種または2種以上を含む岩石から選ばれる1種または2種以上の鉱物および/または岩石の粉体の粒度分布における中央値が2マイクロメートル以下、好ましくは1マイクロメートル以下である前記粉体の成形体に熱処理が施されて生成したセラミックスが収容されている容器内に空気を流入させてこの空気を前記セラミックスと密に接触させると、その空気中のO同士が結合してできていたクラスターが分解されるばかりでなく、その空気中に含まれるNO、SO、COおよびCO等の酸素含有化合物からも、また炭化水素等に酸素が結合して形成されいたクラスターからも酸素が遊離して単独の形の遊離のO酸素量が増加する上に、その酸素含有化合物自体も分解することによって、この化合物中に含まれていた酸素が遊離して、やはり遊離のO酸素量が増加する結果、空気の質が改良され、この改質された空気を前記1のように構成された管の中に供給される気体として使用すると、前記2の浄化作用が著しく向上すること、を見い出した。
【0007】本発明はこのような知見に基づいて発明されたもので、1.液体または液体および空気が管の内側を通過することによってこの液体中に気泡を発生させる管状の気泡発生装置であって、表面の少なくとも一部が曲面を呈し、かつ管の中心軸に向かう高さがその中心軸迄には至らない高さを有する多数の疣状の突起が前記管の内側壁面に配置されていることを特徴とする、前記気泡発生装置、2.二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲン化物鉱物およびこれらの鉱物のうちのいずれか1種または2種以上を含む岩石から選ばれる1種または2種以上の鉱物および/または岩石の粉体の粒度分布における中央値が2マイクロメートル以下である前記粉体の成形体に熱処理が施されて生成したセラミックスと、そのセラミックスを収容し、かつ空気の流入口および流出口を有する容器とを含む空気改質装置と、上記1に記載の気泡発生装置とが、前記空気改質装置によって改質された空気が前記気泡発生装置に供給されるように互いに連結していることを特徴とする浄水装置、および3.上記1記載の気泡発生装置または上記2に記載の浄水装置によって生じた、気泡を含む水の流れを浄化すべき水の中に噴射することを特徴とする水の浄化方法に係わるものである。
【0008】
【発明の実施の態様】本発明の気泡発生装置は、図1の斜視図に示されるように、管状(筒状)を呈していて、その気泡発生装置1では、前述の通り、その内側表面に、少なくとも一部の表面が曲面を呈し、かつ気泡発生装置1の本体である管2の中心軸に向かう高さがその中心軸迄には至らない高さを有する多数の疣状の突起3が記管2の内側壁面に配置されている。
【0009】図1に示されるような管2は一般にどのような大きさであってもよいが、通常内径70〜130mm、長さ700〜1500mmの大きさを有する。
【0010】前記疣状の突起3は、例えば、図2の平面図、図3の側面図および図4の底面図で拡大して示されているような形状をしていて、例えば、それの底部の突起部3aが管2の中に埋め込まれた状態で、管2の内側壁面に固着されている。突起3の表面は液体または液体および空気、すなわち流体の流れに対する抵抗が小さくなるように一般に全体が曲面を呈しているのが好ましく、また、円滑なキャビテーションを起こして多量の気泡を発生させるため、図示されているように、管2の中心軸に面するその頂部3bが球面を呈し、そしてこの球面3bに連なっている側面3cが円錐状の曲面を呈しているのがなお一層好ましい。
【0011】ここで図示されているような疣状突起は、管2の内径の大きさにもよるが、一般に、例えば、頂部の最も横に膨らんだ部分の直径が10〜30mm、根元の細い部分の直径が4〜6mm、そして高さが30〜40mmである。
【0012】また、管2の内側壁面には、前記の疣状突起3に加えて、表面の少なくとも一部が曲面を呈し、かつ管の中心軸に向かう高さがその中心軸に達するほどの高さを有する前記疣状の突起よりも比較的長い棒状の突起4が、前記管の軸方向における前記管の中央部またはこの中央部よりも前記管内を通過する液体または液体および空気の流出口寄りの位置から前記流出口に至るまでの間に、前記管の軸方向に沿って前記管の半径方向の所定の各断面に関して一つずつ前記管の内側壁面に配置されているのが好ましい。
【0013】この棒状突起4も、前記疣状の突起3に類似して、例えば、図5の平面図、図6の側面図および図7の底面図で拡大して示されているような、管2の中心軸に向かう高さがその中心軸に達するほどの比較的長い棒状を呈していて、例えば、同様に、それの底部の突起部4aが管2の中に埋め込まれた状態で、管2の内側壁面に固着されている。
【0014】突起4の表面も、前記疣状の突起の場合と同様に、流体の流れに対する抵抗が小さくなるように一般に全体が曲面を呈しているのが好ましく、また、円滑なキャビテーションを起こして多量の気泡を発生させるため、図示のように、管2の中心軸に近いその頂部4bが球面を呈し、そしてこの球面4bに連なっている側面4cが円錐状の曲面を呈しているのがなお一層好ましい。
【0015】ここで図示されているような棒状突起4は、管2の直径の大きさにもよるが、一般に、例えば、頂部の最も横に膨らんだ部分の直径が10〜30mm、根元の細い部分の直径が4〜6mm、そして高さが35〜65mmである。
【0016】これらの疣状突起3および棒状突起4は管2の前記内側壁面に規則的に配置されていてもよいし、あるいはランダムに配置されていてもよい。規則的に配置される場合には、液体の流れを勢いのよい渦巻き状で流すために、管2を作製するための平面状の管体素材5が管2の内側展開図として図示されている図8のように、突起3は、この展開図で示されている管2の素材が丸められた場合に螺旋状に配列されるような列をなして配置されるのが好ましい。疣状突起3が内側壁面に螺旋状に配置されていると、管2の先端から噴射された気泡を含む水が渦巻き状に力強く放出されるので、この水流は水中で遠くまで届くように放出される。図の横軸(管の軸方向、すなわち流体の流れの方向)に対する突起3の配列の角度、すなわち図示されている∠αを適宜変えることによって気泡の大きさおよび発生量を変化させることができ、この∠αが0度から45度に向かって大きくなるほど気泡は細かくなって、その発生量は増大する。
【0017】棒状の突起4は、疣状突起3だけの場合よりも更にキャビテーションの発生を確実かつ効果的にするために設けられるものであって、そのためには、管2の軸方向に向かって管2の半径方向の所定の各断面に関してその管2の内側壁面に一つずつ配置される必要があり、そしてこの内側壁面に螺旋状に列をなして配置されるのが好ましく、更に、図8に示されるように疣状突起3が配置される場所に、その疣状突起3に代わって配置されるのがなお好ましい。この棒状の突起4についても、前記の∠αを適宜変えることによって気泡の大きさおよび発生量を変化させることができ、この∠αが0度から45度に向かって大きくなるほど気泡は細かくなって、その発生量は増大する。
【0018】疣状突起および棒状突起が図8のように配列されている場合、一般に、縦方向で隣合う突起どうしの間隔は35〜60mm、斜め方向で隣合う突起どうしの間隔は45〜80mmであり、そして∠αは30〜45度である。
【0019】内側壁面に図8の展開図で示されるような突起が配置されている平面状の管体素材5を丸めると、例えば図9の縦断正面図で示されるような気泡発生装置が得られる。疣状の突起3は管体2の内側壁面の一部でも、あるいはその全部にわたって設けてもよく、通常内側壁面の全部に設けるのが好ましい。
【0020】棒状の突起4は管2の軸方向における管2の中央部またはこの中央部よりも流体流出口寄りの位置から、管2を通過する液体あるいは液体および気体の前記流体流出口に至るまでの間に設けられるが、疣状突起3とは違って棒状の突起4がこのように配置されるのは、この棒状突起4が管2の前記中央部よりも手前に、すなわち管2の流体流入口寄りの位置に設けると、流体が通り難くなってキャビテーション起こり難くなるからである。
【0021】上述のような構成からなる気泡発生装置において、棒状突起4が設けられていない流入口から、管2の中央部またはこの中央部よりも先に棒状突起4が設けられている流出口に向かって液体または液体および気体を通すと、前記の疣状突起3と棒状突起4によって優れたキャビテーションが起こって液体中にミクロン単位の極めて微細な気泡が大量に発生し、流出出口からはこの気泡が混ざった液体が勢いよく放出される。このような現象は水以外の液体でも同様に生ずるが、この液体として例えば水を使うと、この装置によって生じた大量の気泡を含む水の流れは、水中で生息する炭酸同化性植物、例えばアオコのような藻類で汚染された水を極めて効果的に浄化することができる。
【0022】本発明の気泡発生装置によれば前述のように極めて微細な気泡を大量に含む液体を生じさせることができるが、この気泡発生装置の直ぐ前の流路の中に、その流路の、例えば半分ほどの横断面を塞いで流体の流れを妨げるような半月状の邪魔板を装置の内側壁面に取り付けると、この邪魔板は流体にキャビテーションを起こさせる作用があるので、気泡発生装置による前述の効果を一層向上させることができる。
【0023】本発明はまた、前述のような空気改質装置を前記気泡発生装置と組み合わせた浄水装置およびこのような浄水装置を使って水を浄化する方法にも関するものであって、この空気改質装置では、二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲン化物鉱物およびこれらの鉱物のうちのいずれか1種または2種以上を含む岩石から選ばれる1種または2種以上の鉱物および/または岩石の粉体の粒度分布における中央値が2マイクロメートル以下である前記粉体の成形体に熱処理が施されて生成したセラミックスが使用される。
【0024】このセラミックスおよびそれの製造方法は本発明者が開発したものであって、本出願前の平成13年2月23日既に特許出願された発明であり、これについてはその特許出願明細書に詳しく述べられているが、本明細書中でこれらのセラミックスについて説明するのに必要な事項を述べると、次の通りである。
【0025】セラミックスの原料となる鉱物または岩石としては、二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物、ハロゲン化物鉱物およびこれらの鉱物のうちのいずれか1種または2種以上を含む岩石から選ばれる1種または2種以上の鉱物または岩石が用いられ、例えば、石英、珪砂、珪石、珪岩のような二酸化珪素鉱物;珪酸アルミニウム鉱物、含水珪酸アルミニウム鉱物、珪酸マグネシウム鉱物、蛇紋岩、石綿、金属珪酸塩鉱物のような珪酸塩鉱物;螢石のようなハロゲン化物鉱物;およびこれらの二酸化珪素鉱物、珪酸塩鉱物およびハロゲン化物鉱物のうちのいずれか1種または2種以上を含む岩石が用いられる。これらのうち、電子の回転速度が非常にくてエネルギーの大きい鉱物または岩石、例えば螢石が特に好ましく用いられる。
【0026】したがって、本発明で用いられるセラミックスは、珪素、酸素およびフッ素のようなハロゲン元素を主成分として、原料の鉱物または岩石に由来する様々な元素、すなわち、例えば、アルミニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、水素、銅、亜鉛、炭素、錫、鉛、チタン、窒素、燐、酸素、硫黄、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルトおよび炭素のような比較的多く存在する元素ばかりでなく、例えば、リチウム、ベリリウム、バリウム、砒素、カドミウム、水銀、銀、金、セレン、モリブデン、タングステン、パラジウムおよび種々の希土類金属のような微量元素までの多種類の元素を含んでいる。
【0027】セラミックスの原料として用いられる鉱物および/または岩石は、焼結される前に微細に粉砕される。鉱物および/または岩石の粉体は、その粒度分布における中央値が2マイクロメートル以下であることが必要であり、この中央値が2マイクロメートルを超えると、空気中のO酸素量を増加させるというこのセラミックスに特有の作用が十分に発揮されなくなって、本発明に特有の浄水効果が得られなくなる。この中央値としては1マイクロメートル以下が好ましく選択される。このような粒度分布は、例えば図10のように表される。
【0028】鉱物または岩石の粉体には、シリカ、アルミナ、珪藻土または粘土のような材料を、例えば、1〜8重量%添加してもよい。
【0029】原料の鉱物または岩石を上記のような微細な粒子からなる粉体にするには、一般にどのような粉砕装置を用いてもよいが、高速で旋回する空気の流れ、すなわち所謂空気刃による粉砕が遂行される粉砕装置をを利用するのが便利である。この空気刃による粉砕は、例えば、図11の縦断側面図に示されるような粉砕装置10によって遂行される。
【0030】この粉砕装置10には、図示されるように、それのドラム状本体11の上部左端側に、原料Gを供給するための原料供給用ホッパー12が、そして上部右側に、フィルター14を備えた製品取り出し管13がそれぞれ設けられていて、この本体11は、支柱16を介して基板15の上に固定されている。
【0031】本体11には、それの中心線に沿って回転軸17が本体11の左側端面11aにわたって回転自在に挿入されていて、この回転軸17の左側には、図10に示されるような粉砕羽根18が、そしてそれの右側には、仕切り円盤19が回転軸17の回転に伴って回転するようにそれぞれ回転軸17に取り付けられていて、本体11の内部はこれらの粉砕羽根18および仕切り円盤19によって左からみぎぬ向かって順にA域、B域およびC域に区分けされている。
【0032】本体11の右側端面11bには、仕切り円盤19の中央部に圧入空気PAWO吹き付けるための空気ノズル20が、この右側端面11bから本体11のの内部に向かって挿入されており、本体11の底部には、循環パイプ21が循環ポンプ22と共に備えられている。
【0033】回転軸17の左側端部には、この回転軸17に回転力を与えるためのモーター23がジョイント24を介して取り付けられており、このモーター23はモーター台座25の上に設置されている。
【0034】粉砕羽根18は、図12の斜視図に示されるように、中空の円錐部18aと環状の円筒部18bとが連なって一体になった形状となっており、その円錐部18aと円筒部18bには、図13(但し、図13では円筒部18bについて図示されており、円錐部18aについても同様)の拡大斜視図に示されるように、コ字状の切れ目19dで区画された部分が屈曲線18eから斜め下方(内側)に向かって押し曲げられるようにして形成された、空気流案内用の多数の舌片状粉砕刃18cが三角状の2枚の支持片18fと一体になって設けられている。
【0035】粉砕羽根18が矢印のX方向に向かって回転すると、その回転に伴って空気が矢印のY方向に向かって粉砕羽根18の外側から、前記切れ目19dで区画される開口を通り粉砕刃18cに沿って粉砕羽根18の内側へと勢いよく流入する。
【0036】仕切り円盤19には、図14の平面図に示されるように、ノズル20から吹き込まれる圧入空気PAを受け入れるための空気流案内用の舌片状粉砕刃(図示せず)が前記粉砕刃18cと同様に設けられており、この粉砕刃18cは扇型コ字状の切れ目19aで区画された部分が斜め下方に押し曲げられるようにして形成されている。
【0037】このように構成された粉砕装置10によれば、ホッパー12から本体11のA域内に投入された適度の大きさの塊状の鉱物および/または岩石からなる原料Gは先ず、回転する粉砕羽根18に当たって粗い粉状ないし粒状の大きさに砕かれた後、粉砕羽根18の内部に吸引されてB域内に取り込まれる。このB域では、仕切り円盤19の切り欠きぶ19aを通過して、外部から流入してくる空気と、粉砕羽根18の回転によって生ずる空気の流れとによって空気圧が高まると同時に激しい乱流が起こる。この空気の乱流で粗い粉状ないし粒状の粒子は互いに衝突を繰り返すことによって次第に粒度が小さくなり、その一部は前記粉体の粒度分布における中央値が2マイクロメートル以下、あるいは更にそれ以下の微粒子になるまで微粉砕される。
【0038】B域で微粉砕された粒子は、仕切り円盤19と本体11との間の0.2mm程度の隙間を通ってB域からC域に移動し、それによってC域内は煙状の微粒子によって満たされる。ノズル20から圧入される空気で高められているC域内の圧力によって煙状の微粒子が製品取り出し管13に向かって押し出され、フィルター14を通過することによって、微粒子の粒度分布における中央値が2マイクロメートル以下になるまで微粉砕された微粒子が取り出し管13から製品Qとして集められる。
【0039】フィルター14を通過しなかった粗い粒子の一部または全部、および取り出し管13に向かわないでC域内の底部に沈降した粗い粒子は、循環ポンプ22により循環パイプ21を経てA域内に戻されて、再び微粉砕処理を受ける。
【0040】粉体は、セラミックスの用途に応じて、例えば円盤状、方形板状、煉瓦状または棒状等の適当な形状および大きさに成形される。この成形には、従来セラミックスの成形に利用されてきたどのような成形方法でも、例えば、ろくろ法、鋳込法、あるいは加圧成形、テープ成形、加圧鋳込、押し出し成形または射出成形等のいずれの成形方法も採用できるが、本発明では一般に、ろくろ法のような成形方法が好ましく利用される。
【0041】この成形に当たっては種々のバインダー、例えば珪酸ナトリウム、種々の粘土類またはCMC、のようなバインダー、あるいは溶液型、熱可塑性または熱硬化性合成樹脂のような高分子系の有機質バインダーのようなバインダーが使用される。
【0042】ついで、成形体は焼結炉において窒素雰囲気または水素雰囲気のような還元雰囲気の下に1000〜1800℃、好ましくは1200〜1700℃の温度、特に1450〜1550℃の温度に10〜26時間、好ましくは16〜20時間の間曝される熱処理を受けることによって焼結される。
【0043】この焼結体、すなわちセラミックスを容器に収めることによって前述の空気改質装置が作られ、この空気改質装置は、例えば、図15に示されるように、一方の端から他方の端に向かって空気を流すことができる円筒状の容器31内に円盤状のセラミックス32を適当枚数並べて収納することによって形成される空気改質装置30とすればよく、この空気改質装置30においてその一端から他端に向けて空気を流せば、その空気は円盤状セラミックス32と密に接触して、それの酸素含有量は増加する。
【0044】このような空気改質装置によって改質された空気および水をそれぞれ前記気泡発生装置に装入するための気体および液体として使用すると、この気泡発生装置単独による場合よりも浄水作用が向上した浄水装置が得られ、この浄水装置によれば、水中で生息する炭酸同化性植物、例えば、アオコのような藻類が発生している湖沼や池等の水を極めて効果的に浄化することができる。
【0045】このような空気改質装置と気泡発生装置とが結合した前記の浄水装置は、例えば、図16の縦断側面図に示されるような浄水装置とすることができる。この浄水装置40においては、浄化すべき水Wの中に置かれたモーターと一体になった水中ポンプ41の吐出口42の先端に、前述の疣状および棒状突起が螺旋状に配置されている気泡発生装置1’が接続されて、この吐出口42には、水面から上に出て上方に伸びる空気取り入れ管43が取り付けられ、そしてこの空気取り入れ管43の先端屈曲部には空気改質装置30’が、それの一端から空気が流入するように前記空気取り入れ管43に取り付けられ、そしてこれらの水中ポンプ41および気泡発生装置1’は架台44の上に固定されることによって、水中の地盤上に安定した状態で設置される。
【0046】このように構成された浄水装置40で水中ポンプ41のを水中で作動させて、水中ポンプ41の吸い込み側に設けられたストレーナー45を介して吸い込んだ水を空気取り入れ管43から流入する空気とともに気泡発生装置1’に送ると、この気泡発生装置1’の先端から微細な気泡を含んだ水が浄化すべき水Wの中で好ましくは螺旋状に噴射されて、この噴射された気泡の混ざった水流は水中で遠くまで届くように放出される。
【0047】気泡発生装置1’に気泡発生装置1’を接続しない場合には、この空気取り入れ管43は単に大気中から空気を取り入れるためのものとして取り付けられ、また、空気を流入させない場合には、この空気取り入れ管43の設置は省くことができる。微細な気泡を含む水を水Wの中に放出させると、水Wは酸素含有量の多い空気の極めて微細な気泡によって浄水効果が格段に向上する。空気改質装置30’を使用しない場合には単に空気を気泡発生装置1’に取り入れるための空気取り入れ管43を設けるだけでもよいし、あるいはこの空気取り入れ管43を設けなくてもよい。
【0048】
【実施例】ついで、実施例を参照して本発明を説明するが、本発明は勿論このような実施例に限定されない。
【0049】実施例1いずれもステンレス鋼製である、頂部の直径が20mm、根元の直径が5mm、そして高さが35mmである図2〜4に示されるような形状の疣状突起、および頂部の直径が20mm、根元の直径が5mm、そして高さが45mmである図5〜7に示されるような形状の棒状突起が、それぞれ図8に示されるような配列(縦方向で隣合う突起どうしの間隔60mmおよび斜め方向で隣合う突起どうしの間隔60mm、∠α=40度)で厚さ2mmのステンレス鋼製の板に溶接によって固着されている素材を、前記突起が固着されている側の面を内側にして筒状に丸めることによって、内径90mmおよび長さ1100mmを有する、図1に示されるような管状の気泡発生装置を作製し、この気泡発生装置の水流流入側に空気吸入口を設けた。
【0050】前述の図16のように、ただし空気改質装置は取り付けないで、上記気泡発生装置に5馬力の水中ポンプを取り付けて空気とともに水をこの気泡発生装置に通すと、極めて微細な気泡が混ざった水流を生じ、これをアオコで汚れている閉鎖型の池の中に24時間噴射すると、池の水の中のアオコが消滅し、それに伴ってBOD、CODおよび藻類の各数値が低下した。
【0051】実施例2それぞれ水洗後乾燥させることによって水が除かれた、Si:85重量%を含有するアフリカ産の堆積岩600g、中国産のモリブデンに富む岩石200gおよび中国産のニッケルに富む岩石180gを前述の粉砕機にかけて、前記図10に示されるような粒度分布における中央値が1マイクロメートル以下である粉体940gを製造した。
【0052】ついで、この粉体に940gの水ガラス(Si0分:80重量%)を混合してペースト状にしてから、これを、ろくろ成形によって直径32mm、厚さ10mmの円盤状に成形した。上記の成形体を焼結炉において窒素雰囲気の下に1100〜1500℃の温度に18時間曝すことによって焼結した。
【0053】この焼結で製造された円盤状のセラミックス5枚を前記の図15のように並べて円筒状の容器内に収納し、その容器の一方の端から他方の端に向けて空気を流すことによってこの空気を改質するための空気改質装置を作製した。この空気改質装置と実施例1で作製した気泡発生装置とを図16のように接続することによって、本発明の浄水装置を組み立てた。
【0054】水が出入りして流れている開放型の調整池で上記の浄水装置を用いる浄水試験を実施した。5馬力の水中ポンプを使用し、2000年9月9日から10月12日にかけて調整池の同じ場所に浄水装置を固定して、極めて微細な気泡を含む水の流れを池の中に1日当たり24時間噴射させた。
【0055】この試験期間中の9月9日、10月6日および10月12日(下記の表1ではそれぞれ9/9、10/6および10/12で示される。)に調整池の水の水温(℃)、クロロフィル量、水中浮遊物量(mg/1)、化学的酸素要求量(COD)、生物学的酸素要求量(BOD)、全窒素(mg/1)および全リン含有量(mg/1)を測定したところ、次の表1のようになった。また、比較のため、試験開始前の8月23日におけるこれらの結果も表1に示した。
【0056】


【0057】表1に示される結果から、クロロフィル量、水中浮遊物量、化学的酸素要求量(COD)、生物学的酸素要求量(BOD)、全窒素および全リン含有量が9月9日から10月12日にかけていずれも顕著に低下しており、調整池の水の浄化が見事に達成されていたことが分かる。クロロフィル量の減少はアオコをはじめ植物性プランクトンが激減したことを意味している。
【0058】なお、試験開始前の8月23日におけるクロロフィル量、水中浮遊物量、化学的酸素要求量(COD)、生物学的酸素要求量(BOD)、全窒素および全リン含有量のいずれもが試験開始日の9月9日よりも高い値を示しているのは、日照時間が長くて光合成作用が活発化していたことと、水底に沈殿していた汚物が水の噴射によって実験池内に一度に多量に拡散されたためであるが、これらの値はいずれも実験の終了時には著しく低下した。
【0059】以上の実施例においては液体として水を使用した場合を挙げて説明してきたけれども、この液体として水以外のものを使用しても、勿論、液体の流れの中に極めて微細な気泡を多量に生ずるという本発明の効果が得られる。
【0060】
【発明の効果】以上述べた説明から明らかなように、本発明によれば、液体または空気を通すことによって極めて微細な気泡を含む液体の流れを生じることができる気泡発生装置が提供され、この液体として水を用いると、極めて微細な気泡を含む水の流れを生じることができる浄水装置が得られ、また、空気中のO酸素量を増加させることができる空気改質装置と前記気泡発生装置とを、前記のO酸素量が増加した改質空気がこの気泡発生装置に供給されるように接続すると、更に著しく優れた浄水効果を発揮する浄水装置が得られ、したがって、前記の気泡発生装置または前記浄水装置によってそれぞれ極めて微細な気泡を含む水流を池、湖沼、調整池等の場所にある浄化すべき水の中に噴射すると、その水が極めて効果的に浄化されるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】501003157
【氏名又は名称】山中 修
【出願日】 平成13年6月6日(2001.6.6)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−361057(P2002−361057A)
【公開日】 平成14年12月17日(2002.12.17)
【出願番号】 特願2001−208562(P2001−208562)