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【発明の名称】 膜カートリッジ
【発明者】 【氏名】福原 真一

【氏名】大井 裕亮

【要約】 【課題】スペーサーケースを必要とせずに、膜カートリッジを上下に直列に重ねて配置することができる膜カートリッジを提供する。

【解決手段】散気装置23の上方に上下に重ねて配置する膜ケース1内に鉛直方向に沿って配置するものであって、濾板5の表面に濾過膜6を配置し、濾板5と濾過膜6との間に形成した透過液流路に連通する集水孔7を濾板5に形成し、集水孔7に連通して濾板5の上側縁に配置する透過液取出口8を膜ケースの上端に形成した切欠部4から外側へ突出して設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 散気装置の上方に上下に重ねて配置する膜ケース内に鉛直方向に沿って配置するものであって、濾板の表面に濾過膜を配置し、濾板と濾過膜との間に形成した透過液流路に連通する集水孔を濾板に形成し、集水孔に連通して濾板の上側縁に配置する透過液取出口を膜ケースの上端に形成した切欠部から外側へ突出して設けたことを特徴とする膜カートリッジ。
【請求項2】 濾板の上端側における濾板と濾過膜との上部接合部を濾板の一方の上側縁へ向けて上り勾配に形成し、濾板の一方の上側縁に配置する透過液取出口を上部接合部に近接して設け、集水孔の最上位部を透過液取出口に近接する位置に形成したことを特徴とする請求項1に記載の膜カートリッジ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は膜カートリッジに関し、汚水処理に使用する浸漬型膜分離装置に係る技術である。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば図3〜図4に示すような浸漬型膜分離装置21では、複数枚の平板状膜カートリッジ22と、その下方より膜面洗浄気体を噴出する散気装置23とをケース24の内部に配置している。ケース24は膜ケース25と散気ケース26とに分割形成し、散気ケース26は散気装置23より噴出する膜面洗浄気体の全量が膜ケース25内へ導く形状をなしている。
【0003】膜カートリッジ22は、樹脂製の濾板22Aの両表面に濾過膜22Bを配置して濾板22Aと濾過膜22Bとの間に透過液流路を形成し、透過液流路に連通する集水孔22Cを濾板22Aの表裏を貫通して形成し、集水孔22Cに連通する透過液取出口22Dを濾板22Aの上端縁に形成している。
【0004】各膜カートリッジ22は、透過液取出口22Dに接続したチューブ27を介して集水管28に連通しており、集水管28には透過液を導出する透過液導出管29が連通している。膜カートリッジ22の上部には膜カートリッジ22の浮上を防止する押さえ板30を設けている。
【0005】この膜分離装置21を使用する場合には、曝気槽内の活性汚泥混合液中に膜分離装置21を浸漬し、散気装置23から曝気空気を噴出させる。この状態で活性汚泥混合液は散気装置23から噴出する曝気空気により生起する上昇流によって膜面にクロスフローで供給され、槽内での水頭を駆動圧として膜カートリッジ22を通して重力濾過(透過液導出管29に吸引ポンプを介装することで吸引濾過も可能である)される。膜カートリッジ22の膜面を透過した透過液は処理水として透過液導出管29を通じて槽外へ導出する。
【0006】また、散気装置23より噴出する曝気空気を伴った上昇流は膜面に沿って流れることで膜カートリッジ22の膜面を洗浄し、分離機能の低下を抑制して膜分離装置21が機能不全に至ることを防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、曝気槽内に膜分離装置21を設置し得る面積は限られており、複数の膜分離装置21を並列に配置することが困難な場合がある。このために、膜カートリッジ22を上下に重ねて直列に配置することが求められる。
【0008】しかし、膜分離装置21は膜カートリッジ22の上方にチューブ27や集水管28を配置する構造であるために、複数の膜カートリッジ22を収納した別途の膜ケース25を膜分離装置21の上部に直接に重ねることは困難であり、図5に示すように、たとえ集水管28を膜ケース25の外部に配置してもチューブ27を配置する空間を確保するスペーサーケース31を上下の膜ケース25の間に介装する必要がある。
【0009】この場合にはスペーサーケース31がチューブ27を囲んで流路を形成するので、流路内に存在するチューブ27が抵抗となり、上方の膜ケース25に流入するクロスフローの流れを乱し、膜面洗浄効果が低下する。また、追加する膜ケースの高さ以上にスペーサーケース31の分だけ装置が高くなり、この増加する高さ分だけ曝気槽の必要水深も深くなる。
【0010】本発明は上記した課題を解決するものであり、スペーサーケースを必要とせずに、膜カートリッジを上下に直列に重ねて配置することができる膜カートリッジを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の膜カートリッジは、散気装置の上方に上下に重ねて配置する膜ケース内に鉛直方向に沿って配置するものであって、濾板の表面に濾過膜を配置し、濾板と濾過膜との間に形成した透過液流路に連通する集水孔を濾板に形成し、集水孔に連通して濾板の上側縁に配置する透過液取出口を膜ケースの上端に形成した切欠部から外側へ突出して設けたものである。
【0012】上記した構成により、透過液取出口が膜ケースの上側部に形成する切欠部から外側へ突出することで、集水管を膜ケースの側部に配置するとともに、透過液取出口と集水管とを連通するチューブを膜ケースの外部に配置することが可能となる。
【0013】このため、膜ケースを上下に重ねて配置する場合に各膜ケース内に収納して上下に直列に配置した膜カートリッジ間には、下方の膜ケースから上方の膜ケースへ流れるクロスフローの流れを阻害する要因となるチューブが存在せず、膜ケース内に収納した膜カートリッジに対する十分な膜面洗浄効果を発揮できる。
【0014】集水管やチューブを膜ケースの側方の外部に配置することで、膜ケースと膜ケースをスペーサーケースを介することなく直接に上下に重ねて配置することが可能となり、曝気槽の必要水深を抑制することが可能となる。
【0015】請求項2に係る本発明の膜カートリッジは、濾板の上端側における濾板と濾過膜との上部接合部を濾板の一方の上側縁へ向けて上り勾配に形成し、濾板の一方の上側縁に配置する透過液取出口を上部接合部に近接して設け、集水孔の最上位部を透過液取出口に近接する位置に形成したものである。
【0016】上記した構成により、濾過膜を通して濾板と濾過膜との間の透過液流路に流入した空気は濾板に沿って上昇し、上部接合部の勾配に沿って流れ、集水孔の最上位部から集水孔に流入し、透過液取出口を通って膜カートリッジの外へ流れ出る。よって、膜カートリッジ内に空気が溜まらず、濾過膜を常に平坦面に維持することができるので、クロスフローが濾過膜の膜面に沿って均一に流れて膜カートリッジの膜面に対して均一な洗浄を行うことができ、分離機能の低下を抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。先に図3〜図4において説明したものと同様の作用を行う部材については同一番号を付して説明を省略する。
【0018】図1〜図2において、散気装置23の上方には一対の膜ケース1、1を上下に重ねて配置しており、各膜ケース1、1には内側面に鉛直方向に沿って形成した各スリット2に装入して複数の膜カートリッジ3を所定間隙を空けて平行に配置し、各膜ケース1、1の上端に切欠部4を形成している。
【0019】膜カートリッジ3は、濾板5の表面に濾過膜6を配置し、濾板5と濾過膜6との間に透過液流路を有しており、透過液流路に連通する集水孔7を濾板5に形成している。濾板5の上側縁に配置する透過液取出口8は集水孔7に連通し、膜ケース1の切欠部4から外側へ突出している。
【0020】図2に示すように、濾板5と濾過膜6との接合部9は濾過膜6の全周縁に沿って存在し、濾板5の上端側における濾板5と濾過膜6との上部接合部9aは濾板5の一方の上側縁5aへ向けて上り勾配に形成しており、透過液取出口8を上部接合部7に近接して設けている。集水孔7は濾板5の一方の上側縁5aへ向けて上り勾配に形成し、最上位部7aを透過液取出口8に近接する位置に形成している。
【0021】集水管28は膜ケース1の側部に配置しており、透過液取出口8と集水管28とを膜ケース1の外部でチューブ27により接続している。以下、上記した構成における作用を説明する。透過液取出口8が膜ケース1の上側部に形成する切欠部4から外側へ突出することで、集水管28を膜ケース1の側部に配置するとともに、透過液取出口8と集水管28とを連通するチューブ27を膜ケース1の外部に配置することが可能となる。
【0022】このため、膜ケース1、1を上下に重ねて配置する場合に各膜ケース1、1の内部に収納して上下に直列に配置した膜カートリッジ3の間には、集水管28やチューブ27が存在せず、下方の膜ケース1から上方の膜ケース1へ流れるクロスフローの流れを阻害する要因が存在しないので、上下の膜ケース1、1に収納した膜カートリッジ3に対する十分な膜面洗浄効果を発揮できる。
【0023】集水管28やチューブ27を膜ケース1の側方の外部に配置することで、膜ケース1と膜ケース1はスペーサーケース等の空間を形成するための別途部材を介することなく直接に上下に重ねて配置することが可能となり、曝気槽の必要水深を抑制することが可能となる。
【0024】運転時には散気装置23から散気する曝気空気の一部が濾過膜6を通して濾板5と濾過膜6との間の透過液流路に流入する。この曝気空気が濾板5と濾過膜6との間に溜まると濾過膜6の膜面が波打ち、クロスフローによる膜面の洗浄作用が阻害されて分離機能が低下する。
【0025】しかし、濾過膜6を透過して透過液流路に流入した空気Aは透過液Bとともに濾板5に沿って透過液流路を上昇し、上部接合部9aの勾配に沿って流れ、集水孔7の最上位部7aから集水孔7に流入し、透過液取出口8を通ってチューブ27に透過液Bとともに流れ出る。
【0026】よって、膜カートリッジ3の内部に空気が溜まらず、濾過膜6を常に平坦面に維持することができるので、クロスフローが濾過膜6の膜面に沿って均一に流れて膜カートリッジ3の膜面に対して均一な洗浄を行うことができ、分離機能の低下を抑制することができる。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、透過液取出口が膜ケースの上側部の切欠部から外側へ突出することで集水管およびチューブを膜ケースの外部に配置することが可能となり、膜ケースを重ねて配置する場合に上下に直列に配置した膜カートリッジ間にはクロスフローの流れを阻害する要因となる集水管やチューブが存在せず、膜カートリッジに対する十分な膜面洗浄効果を発揮できる。膜ケースと膜ケースをスペーサーケースを介することなく直接に上下に重ねて配置することが可能となることで、曝気槽の必要水深を抑制することができる。濾過膜を通して透過液流路に流入した空気を上部接合部の勾配で案内して透過液取出口へ導くことにより、膜カートリッジ内に空気が溜まらず濾過膜を常に平坦面に維持することができるので、濾過膜の膜面に沿ったクロスフローの流れを均一に維持して膜面に対して均一な洗浄を行うことができ、分離機能の低下を抑制することができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成13年6月7日(2001.6.7)
【代理人】 【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開2002−361051(P2002−361051A)
【公開日】 平成14年12月17日(2002.12.17)
【出願番号】 特願2001−171843(P2001−171843)