| 【発明の名称】 |
中空糸膜の目つぶし方法及び中空糸膜の目つぶし装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】岩間 一浩
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| 【要約】 |
【課題】素材の異なる中空糸膜が混在した中空糸膜に対して、容易に中空糸膜端部の目つぶしを可能とする、中空糸膜の目つぶし方法及び中空糸膜の目つぶし装置を提供する。
【解決手段】先端が加熱されると自己の溶融物により目がつぶれる素材からなる第1中空糸膜11と、先端が加熱されても目がつぶされない素材からなる第2中空糸膜12が混在した中空糸膜束1の先端に対して、加熱処理と加圧処理を同時に行うことで、第1中空糸膜11の先端は溶融するため、第1中空糸膜11は自己の溶融物11aによって目がつぶされ、第2中空糸膜12も溶融物11aによって目がつぶされる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】先端が加熱されると自己の溶融物により目がつぶれる素材からなる第1中空糸膜と、先端が加熱されても目がつぶされない素材からなる第2中空糸膜が混在する中空糸膜束における中空糸膜の目つぶし方法であって、前記中空糸膜束の端部を加熱かつ加圧して、前記第2中空糸膜の先端は前記第1中空糸膜の溶融物により目をつぶすことで、第1中空糸膜及び第2中空糸膜の目をつぶすことを特徴とする中空糸膜の目つぶし方法。 【請求項2】目つぶし動作時に、前記中空糸膜束の端部は、非粘着性シートに対して当接させることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜の目つぶし方法。 【請求項3】先端が加熱されると自己の溶融物により目がつぶれる素材からなる第1中空糸膜と、先端が加熱されても目がつぶされない素材からなる第2中空糸膜が混在する中空糸膜束における各中空糸膜の目をつぶす、中空糸膜の目つぶし装置であって、前記第1中空糸膜の端部を溶解可能な温度に加熱する加熱手段と、前記中空糸膜束の端部を加圧して、前記第2中空糸膜の先端は前記第1中空糸膜の溶融物により目をつぶすことで、第1中空糸膜及び第2中空糸膜の目をつぶす加圧手段と、を備えることを特徴とする中空糸膜の目つぶし装置。 【請求項4】前記加熱手段と前記中空糸膜束との間に介在させる非粘着性シートを備えることを特徴とする請求項3に記載の中空糸膜の目つぶし装置。 【請求項5】前記非粘着性シートを、前記加熱手段と前記中空糸膜束との間に送り込みつつ、使用後の非粘着性シートを巻き取る巻取手段を設けることを特徴とする請求項3または4に記載の中空糸膜の目つぶし装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、中空糸膜の先端の目をつぶす、中空糸膜の目つぶし方法及び中空糸膜の目つぶし装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般的に、中空糸膜を利用した装置(浄水器等)の製造工程において、中空糸膜の端部の目つぶしを行う必要性がある場合がある。なお、目つぶしとは、開放された中空内部を塞ぐことを意味するもので、通常、端部を溶解して封止を行うものである。 【0003】このような目つぶしを行うための装置の従来例について、図5を参照して説明する。図5は従来技術に係る中空糸膜の目つぶし装置による目つぶし動作を説明する模式図である。 【0004】図示のように、複数の中空糸膜101を束にした中空糸膜束100をケース200内に装着し、各中空糸膜101の先端部を、熱盤300に近付ける。これにより、中空糸膜101の先端部が溶融することにより、溶融物が中空糸膜101の中空内部を塞ぐため、目つぶしを行うことが可能となる。 【0005】ここで、中空糸膜101の先端部が溶融した溶融物は、通常粘着性を有するため、熱盤300への粘着が進むと経時的に熱盤300が劣化してしまうため、熱盤300から離間させた状態で、輻射熱を利用して加熱を行っていた。 【0006】例えば、中空糸膜101の先端と熱盤300との間隔を1mm程度とした状態で、熱盤300を500℃〜700℃の温度にして、その輻射熱によって、中空糸膜101の先端を溶融し、目つぶしを行っていた。 【0007】なお、中空糸膜先端の目つぶしを行うための装置としては、その他にも実用新案登録番号第2599279号の実用新案登録公報に開示された技術等がある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術のような輻射熱を利用して目つぶしを行う装置の場合には、下記のような問題が生じていた。 【0009】図6(A)に示すように、例えば、ポリスルホンを素材とする中空糸膜102の場合には、その先端を、輻射熱を利用して加熱すると、溶融した溶融物102aは玉状になるため目つぶしが可能である。 【0010】これに対して、図6(B)に示すように、例えば、ポリプロピレンを素材とする中空糸膜103の場合には、その先端を、輻射熱を利用して加熱すると、先端103aは図のように拡がるだけで目つぶしを行うことはできなかった。 【0011】このように、中空糸膜の素材によって、目つぶしができる場合とできない場合があり、例え、中空糸膜束にそのような中空糸膜が混在していたとしても、上記従来技術の装置では、全ての中空糸膜の目つぶしを行うことはできなかった。 【0012】本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、素材の異なる中空糸膜が混在した中空糸膜に対して、容易に中空糸膜端部の目つぶしを可能とする、中空糸膜の目つぶし方法及び中空糸膜の目つぶし装置を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の中空糸膜の目つぶし方法にあっては、先端が加熱されると自己の溶融物により目がつぶれる素材からなる第1中空糸膜と、先端が加熱されても目がつぶされない素材からなる第2中空糸膜が混在する中空糸膜束における中空糸膜の目つぶし方法であって、前記中空糸膜束の端部を加熱かつ加圧して、前記第2中空糸膜の先端は前記第1中空糸膜の溶融物により目をつぶすことで、第1中空糸膜及び第2中空糸膜の目をつぶすことを特徴とする。 【0014】従って、第1中空糸膜の先端は、加熱による自己の溶融物により目がつぶされ、第2中空糸膜の先端は、加圧時に第1中空糸膜の溶融物が中空内部を塞ぐため、目がつぶされる。 【0015】目つぶし動作時に、前記中空糸膜束の端部は、非粘着性シートに対して当接させるとよい。 【0016】従って、溶融物は非粘着性シートに対して粘着しないため、溶融物が他の部材等に悪影響を及ぼすことはない。 【0017】また、本発明の中空糸膜の目つぶし装置にあっては、先端が加熱されると自己の溶融物により目がつぶれる素材からなる第1中空糸膜と、先端が加熱されても目がつぶされない素材からなる第2中空糸膜が混在する中空糸膜束における各中空糸膜の目をつぶす、中空糸膜の目つぶし装置であって、前記第1中空糸膜の端部を溶解可能な温度に加熱する加熱手段と、前記中空糸膜束の端部を加圧して、前記第2中空糸膜の先端は前記第1中空糸膜の溶融物により目をつぶすことで、第1中空糸膜及び第2中空糸膜の目をつぶす加圧手段と、を備えることを特徴とする。 【0018】従って、第1中空糸膜の先端は、加熱による自己の溶融物により目がつぶされ、第2中空糸膜の先端は、加圧時に第1中空糸膜の溶融物が中空内部を塞ぐため、目がつぶされる。 【0019】前記加熱手段と前記中空糸膜束との間に介在させる非粘着性シートを備えるとよい。 【0020】従って、溶融物は非粘着性シートに対して粘着しないため、溶融物が他の部材等に悪影響を及ぼすことはない。 【0021】前記非粘着性シートを、前記加熱手段と前記中空糸膜束との間に送り込みつつ、使用後の非粘着性シートを巻き取る巻取手段を設けるとよい。 【0022】従って、巻取手段により非粘着性シートを巻き取ることにより、非粘着性シートにおける劣化した部分の使用を防止できる。 【0023】 【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。 【0024】図1〜図4を参照して、本発明の実施の形態に係る中空糸膜の目つぶし方法及び中空糸膜の目つぶし装置について説明する。 【0025】まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る中空糸膜の目つぶし方法について説明する。図1は本発明の実施の形態に係る中空糸膜の目つぶし方法による目つぶしの様子を示す模式的斜視図である。 【0026】本実施の形態に係る中空糸膜の目つぶし方法によって、目つぶしを行う中空糸膜束1は、図1(A)に示すように、先端が加熱されると自己の溶融物により目がつぶれる素材からなる第1中空糸膜11と、先端が加熱されても目がつぶされない素材からなる第2中空糸膜12が混在したものである。なお、図では複数本で構成される束の一部のみを示している。 【0027】第1中空糸膜11の素材としては、例えば、上記図6(A)を参照して説明したポリスルホンが挙げられる。また、第2中空糸膜12の素材としては、例えば、上記図6(B)を参照して説明したポリプロピレンが挙げられる。 【0028】このような性質の異なる2種類の中空糸膜が混在した中空糸膜束1の先端に対して、加熱処理と加圧処理を同時に行う。 【0029】ここで、加熱処理を行うための温度は、第1中空糸膜11の先端が溶融する程度の温度である。また、加圧処理における加圧方向は中空糸膜の軸方向であることが好適であり、また、中空糸膜束1の先端に当接させる部材は、平らであるものが望ましい。 【0030】このようにして、加熱処理を行うと、第1中空糸膜11の先端は溶融するため、第1中空糸膜11は自己の溶融物11aによって目がつぶされる。 【0031】また、同時に加圧処理がなされるため、溶融物11aは押しつぶされて、中空糸膜束1の先端に当接させられた部材に沿って拡がる。これにより、第2中空糸膜12も溶融物11aによって目がつぶされる。 【0032】以上のように、加熱処理と加圧処理を同時に行うという簡易な方法によって、2種類の中空糸膜のいずれも目をつぶすことが可能となる。 【0033】また、第1中空糸膜11の素材がポリスルホン等の場合には、溶融物11aが粘着性を有するため、加圧処理を行う際には、中空糸膜束1の先端に非粘着性のシート等を当接させた状態で行うのが好適である。 【0034】これにより、加圧処理の際に、溶融物11aが処理装置等に粘着してしまうことを防止でき、また、他の部材に溶融物11aが粘着することを防止できることから、目つぶしをより確実に行うことが可能となる。 【0035】次に、これまで説明した中空糸膜の目つぶし方法を実現可能とする、中空糸膜の目つぶし装置について図2,3及び図4を参照して説明する。図2及び図3は本発明の実施の形態に係る中空糸膜の目つぶし装置の模式的正面図であり、図2は目つぶし前の状態を示し、図3は目つぶし時の状態を示している。図4は本発明の実施の形態に係る中空糸膜の目つぶし装置の模式的側面図である。 【0036】図2及び図3に示すように、本発明の実施の形態に係る中空糸膜の目つぶし装置は、中空糸膜束1を収納したケース2を保持する治具4と、加熱処理を行うための加熱手段としての熱盤6と、加圧処理を行うために治具4を昇降させる加圧手段としての昇降装置3と、熱盤6と中空糸膜束1との間に介在させる非粘着性のシート53と、非粘着性のシート53を巻き取る巻取手段としての巻取装置5と、を備える。 【0037】また、昇降装置3等は、図4に示すように、ロッドレスシリンダ7によって図中T方向にスライド自在に設けられている。これにより、昇降装置3等を、治具4に対して、中空糸膜束1を収納したケース2を取り付ける位置から、加熱かつ加圧処理を行う位置まで移動させることができる。従って、ケース2の取り付け作業を熱盤6や非粘着性のシート53に邪魔されることなく容易に行うことが可能となる。 【0038】なお、昇降装置3等をスライド自在にする構成としては、ロッドレスシリンダに限られないことは言うまでもなく、また、手動によりスライドさせる構成としても良いし、自動的にスライドさせる構成としても良い。 【0039】昇降装置3は、治具4を昇降(図3中S方向)させる機構を備えた装置であり、例えば、リニアドモータ等の駆動源やギア等の駆動伝達機構が備えられる。この昇降装置3は昇降させるストローク量を精度良く調整できるものが望ましい。 【0040】熱盤6は第1中空糸膜11の先端が溶融する程度の温度(例えば、300〜500℃程度)に加熱可能な装置であり、加熱部は略平面で構成される。 【0041】巻取装置5は、一対の第1リール51及び第2リール52を備えており、第1リール51には未使用の非粘着性のシート53が巻回されており、第2リール52によって、この非粘着性のシート53を逐次巻き取ることにより、使用済みの非粘着性のシート53を巻き取る構成である。 【0042】なお、第2リール52による巻き取りは、装置の使用時に、一定速度で巻き取ったり、一定時間毎あるいは一定処理毎に巻き取ったりしても良いし、装置の使用時あるいは不使用時に関係なく、非粘着性のシート53の劣化度合いに応じて、手動で適宜巻き取るようにしても良い。例えば、1回の処理毎に数mm程度ずらすようにすると好適である。 【0043】非粘着性のシート53としては、例えば、テフロン(登録商標)シート等を好適に用いることが可能であるが、中空糸膜の素材との相性により適宜選択すれば良い。なお、テフロンシートの具体的な例としては、ガラスクロスにフッ素樹脂を含浸及び焼成したもの(例えば、日東電工のNo.970−2UL 厚さ0.1mm)を好適に用いることができる。 【0044】また、この非粘着性のシート53と熱盤6との間は、通常、5〜10mm程度の隙間を設けている。 【0045】なお、本実施の形態のように、中空糸膜束1を非粘着性のシート53に当接させる構成とする代わりに、熱盤6の表面に直接テフロン等をコーティングすることも考えられるが、これはあまり効果的ではない。この点について、簡単に説明する。 【0046】熱盤6の表面にテフロン等をコーティングしていた場合であっても、中空糸膜の先端を溶融させた場合には、テフロンシート(テフロンフィルム)等を用いる場合に比べて粘着されやすいため、溶融物の残渣が粘着してしまう場合がある。 【0047】従って、熱盤6の品質を維持するためには残渣を除去しなければならず、除去作業のために時間的損失が大きい。 【0048】また、長時間高温(320℃程度)の状態となるため、テフロンがカーボン化してしまう問題もある。なお、カーボン化を防止するためには、常用260℃程度が限界である。 【0049】これに対して、本実施の形態のように、非粘着性のシート53を用いた場合には、冷却されやすいため、粘着性をより低く維持することができるという利点がある。 【0050】次に、以上のように構成された中空糸膜の目つぶし装置の動作について説明する。まず、図4に示すように、中空糸膜束1を収納したケース2を治具4に取り付け、装置を起動する。 【0051】すると、ロッドレスシリンダ7により、中空糸膜束1を熱盤6の真下まで搬送する。そして、昇降装置3によって、例えば、5〜10mm/sのゆっくりした速度で中空糸膜束1を上昇させる。すると、中空糸膜束1の先端は、まず、非粘着性のシート53に当接し、非粘着性のシート53を引っ張りながら更に上昇して非粘着性のシート53ごと熱盤6に押し付ける。 【0052】このようにして、一定量だけストロークさせた後に、中空糸膜束1を非粘着性のシート53を介在させつつ熱盤6に押し付けた状態で、一定時間(5秒程度)停止させることにより、中空糸膜束1の先端に、加熱処理と加圧処理を同時に施すこと可能となる。 【0053】従って、加熱処理と加圧処理を同時に施すことができるため、上述したように、第1中空糸膜11と第2中空糸膜12のいずれに対しても目つぶしを行うことが可能となる。 【0054】また、非粘着性のシート53を介在させているので、熱盤6に対して悪影響を及ぼすことなく、より確実に目つぶしを行うことが可能となる。更に、非粘着性のシート53を、適宜、巻取装置5により巻き取ることで、劣化した部分に中空糸膜束1を当接させることを防止できるため、安定した目つぶし動作を行うことが可能となる。 【0055】以上のように、簡易な構成で、加熱処理と加圧処理を同時に行うことができ、2種類の中空糸膜のいずれも目をつぶすことが可能となる。 【0056】なお、これまでの説明では、中空糸膜束1を非粘着性のシート53を介在させた状態で、熱盤6に押し付ける場合の構成を説明したが、非粘着性のシート53の剛性が十分に高く、非粘着性のシート53によって十分に加圧力が得られるのであれば、熱盤6から離した状態であっても、輻射熱と非粘着性のシート53からの圧力によって、同様の効果を得ることができる。 【0057】ただし、この場合には、輻射熱を利用しなければならないため、熱盤6の温度を上記の場合に比べて高温にする必要があることは言うまでもない。 【0058】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の中空糸膜の目つぶし方法によって、素材の異なる中空糸膜が混在した中空糸膜に対して、容易に中空糸膜端部の目つぶしを行うことができる。 【0059】また、本発明の中空糸膜の目つぶし装置により、簡易な構成で、素材の異なる中空糸膜が混在した中空糸膜に対して、容易に中空糸膜端部の目つぶしを行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004385 【氏名又は名称】エヌオーケー株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月26日(2001.4.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085006 【弁理士】 【氏名又は名称】世良 和信 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−320825(P2002−320825A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月5日(2002.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2001−129074(P2001−129074) |
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