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【発明の名称】 画像表示制御方法及び遊技機における図柄表示制御方法
【発明者】 【氏名】藤川 詔康

【氏名】新井 康雄

【要約】 【課題】画像メモリを増やすことなく、画像のオーバーラップの相互の位置関係を明確とし、遠近感を持たせる。

【解決手段】左右の特別図柄24A、26Aにおいて、背景画像である岩画像22Aの後から、略水平の円弧軌道で出現し、かつ岩画像22Aの前を横切らせる図柄変動を実行する場合に、従来、岩画像22Aと特別図柄24A、26Aとのオーバーラップ状態に応じた、どちらかの一部が欠けた画像の複数準備しなければならなかった。しかし、本実施の形態では、前記岩画像22Aと特別図柄24A、26Aとの完全に分離した時期を判別し、この状態で上層側レイヤー群10の岩画像レイヤー22と特別図柄レイヤー群12の左右の特別図柄レイヤー24、26との位置関係を入れ替えることで、途中のオーバーラップ状態の画像を不要とし、かつ拡大ズーミングとの併用で違和感のない変動パターンを形成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のレイヤーを積層して画像を構成し、表示部に当該画像を表示するための画像表示制御方法であって、前記レイヤーを少なくとも上層側及び下層側の2組のレイヤー群に分類し、上層側レイヤー群と下層側レイヤー群との間に、画面構成上遠近感を持つ特別画像を表示する特別レイヤー群を設定し、前記上層側レイヤー群と、特別レイヤー群との間で非透明部分の重なりがないタイミングでこの上層側レイヤー群と特別レイヤー群の位置関係を入れ替えることを特徴とする画像表示制御方法。
【請求項2】 始動口に入賞することで抽選が実行され、抽選の結果を、所定時間の複数列の特別図柄の変動パターン及び前記所定時間後に変動パターンが停止した当該特別図柄の配列の表示状態で遊技者に報知する図柄変動表示装置を備えた遊技機における図柄表示制御方法であって、基準の画面構成として、2組の背景画面レイヤー群の間に、前記特別図柄を変動表示するための特別図柄変動画面レイヤー群を挟むレイヤー構成とし、特別図柄レイヤー群が上層側の背景画面レイヤー群の一部に対して画面構成上、前方から後方、或いは後方から前方へ移動する際に、この上層側の背景画面レイヤー群と特別図柄変動画面レイヤー群と、を不透明部分の重なりがないタイミングで入れ替えることを特徴とする遊技機における図柄表示制御方法。
【請求項3】 前記特別図柄変動画面レイヤー群の画面前方から後方、或いは後方から前方へ移動する際に、前記特別図柄の表示状態をズーミングすることを特徴とする請求項2記載の遊技機における図柄表示制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のレイヤーを積層して画像を構成し、表示部に当該画像を表示するための画像表示制御方法、並びに始動口に入賞することで抽選が実行され、抽選の結果を、所定時間の複数列の特別図柄の変動パターン及び前記所定時間後に変動パターンが停止した当該特別図柄の配列の表示状態で遊技者に報知する図柄変動表示装置を備えた遊技機における図柄表示制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、遊技機、特にパチンコ機において、始動入賞口(特別図柄始動入賞口)に入賞したパチンコ球を検出することで抽選がなされ、この抽選の結果、当たりとなると、大入賞口が所定期間、所定回数開放され、遊技球の入賞率を高める、遊技者に有利な状態とする機能(大当り)を持つパチンコ機がある。
【0003】この種のパチンコ機では、抽選の結果を遊技者に報知する演出として、パチンコ機のゲージ盤の中央に表示部(通常は液晶表示画面)を設置している。この表示部は、複数の列の図柄変動画面が構成され(背景画面もある)、この変動する図柄が停止したときの並びで当たり外れを報知するようになっている。遊技者は、この図柄変動画面を見ることによって、当たりか外れかに一喜一憂するため、期待感を持たせることができる。
【0004】ここで、図柄の変動には、スクロール方式が採用されている。すなわち、画面の上下や左右に図柄が移動していき、画面上の所定位置に停止した図柄が停止図柄となる。
【0005】従来、この図柄変動に様々なバリエーションを持たせた技術が提案されている。
【0006】まず、特開平9−140877号公報(以下、先行技術1という)では、平面図柄をY軸を中心に回転させて立体感を表現することが開示されている。この先行技術1では、所謂リーチ演出時に2D図柄を回転させ、単一図柄に対して立体感を出すのみであるため、全体的な変動に関しては従来通りのスクロールであり、趣向性として不充分となる。
【0007】次に、特開平11−156013号公報(以下、先行技術2という)では、平面図柄を変動方向に拡大縮小させて立体感及び遠近感を表現することが開示されている。この先行技術2では、高速変動には適さず、スピード感に欠けるため、図柄変動には適さず、やはり、リーチ演出のみの適用に制限される。
【0008】また、特開平11−156020号公報(以下、先行技術3という)では、3D空間においてポリゴンを適用し、円滑に背景等との間で奥行きを表現することが開示されている。この先行技術3では、前記先行技術1と同様に単一図柄に対してポリゴンを使った表現でしかなく、3Dの標準的な機能を用いたにすぎず、目新しさがない。
【0009】さらに、特許第2781765号(特開平7−173550号)公報では、スクロール時からリーチの際に特別図柄を拡大・縮小するという技術が開示されている。これにより、特別図柄の遠近感をスクロールの1つの要素として取り入れることができるため、遊技者へのアピール度は増す。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特別図柄の拡大・縮小の際、単純に特別図柄を拡大・縮小する分には問題ないが、背景の一部の奥側から手前側へ移動するようなスクロールの場合、特別図柄が背景の一部の稜線から徐々に見え出して、この見える領域が徐々に増し、当該背景の一部から離れた状態で手前側となり、さらに、背景の一部にかぶる(オーバーラップ)ような画像を表現しようとすることになる。この場合、背景の一部と特別図柄との重なり状態の変化をコマ画像として多数に亘って準備しておかなければならず、画像データのメモリ量が膨大となるという問題点がある。
【0011】本発明は上記事実を考慮し、画像メモリを増やすことなく、画像のオーバーラップの相互の位置関係を明確とし、遠近感を持たせることができる画像表示制御方法及び遊技機における図柄表示制御方法を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は複数のレイヤーを積層して画像を構成し、表示部に当該画像を表示するための画像表示制御方法であって、前記レイヤーを少なくとも上層側及び下層側の2組のレイヤー群に分類し、上層側レイヤー群と下層側レイヤー群との間に、画面構成上遠近感を持つ特別画像を表示する特別レイヤー群を設定し、前記上層側レイヤー群と、特別レイヤー群との間で非透明部分の重なりがないタイミングでこの上層側レイヤー群と特別レイヤー群の位置関係を入れ替えることを特徴としている。
【0013】請求項1に記載の発明によれば、画面構成上、上層側レイヤー群の画像に隠れた特別レイヤー群の画像が移動すると、この画像は徐々に見えてくる。この場合、レイヤー構造上、上層側レイヤー群の画像が特別レイヤー群の画像上にオーバーラップしているため、特別な機能は必要としない。
【0014】その後、特別レイヤー群の画像を、例えば、拡大していくと、表示上、この画像が接近したように見え、前記上層側レイヤー群の画像よりも前側(上層側)となる場合がある。
【0015】この場合、再度、特別レイヤー群の画像と上層側レイヤー群の画像にオーバーラップすると当然特別レイヤー群の画像が上層側レイヤー群の画像を隠さないとオーバーラップしないと不自然となる。
【0016】そこで、特別レイヤー群の画像と上層側レイヤー群の画像、すなわち不透明画像の重なりがないタイミングで、上層側レイヤー群と特別レイヤー群との位置関係を入れ替える。
【0017】これにより、拡大した特別レイヤー群の画像が上層側レイヤー群の上からオーバーラップさせることができ、中途半端な重なり状態の画像データが全く不要となる。このため、画像データ量の増加を抑制することができる。
【0018】なお、逆に特別レイヤー群の画像を縮小した場合も、同様の入れ替えを同様のタイミングで行えばよい。
【0019】請求項2記載の発明は、始動口に入賞することで抽選が実行され、抽選の結果を、所定時間の複数列の特別図柄の変動パターン及び前記所定時間後に変動パターンが停止した当該特別図柄の配列の表示状態で遊技者に報知する図柄変動表示装置を備えた遊技機における図柄表示制御方法であって、基準の画面構成として、2組の背景画面レイヤー群の間に、前記特別図柄を変動表示するための特別図柄変動画面レイヤー群を挟むレイヤー構成とし、特別図柄レイヤー群が上層側の背景画面レイヤー群の一部に対して画面構成上、前方から後方、或いは後方から前方へ移動する際に、この上層側の背景画面レイヤー群と特別図柄変動画面レイヤー群と、を不透明部分の重なりがないタイミングで入れ替えることを特徴としている。
【0020】請求項3記載の発明は、前記請求項2記載の発明において、前記特別図柄変動画面レイヤー群の画面前方から後方、或いは後方から前方へ移動する際に、前記特別図柄の表示状態をズーミングすることを特徴としている。
【0021】請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の画像表示制御方法を、遊技器の特別図柄変動に用いた場合であり、特別図柄の変動パターンとして、例えば背景画像としての岩等の後から、前側へ略水平の円弧軌道でスクロールする場合、特別図柄が岩(背景画像)から完全に分離した時点で背景画面レイヤーと特別図柄レイヤー群を入れ替える。これにより、図柄の円弧軌道の変動に違和感を与えることがない。
【0022】請求項3に記載の発明によれば、また、請求項2の発明において、特別図柄をズーミングすることで、立体感を持たせることができ、このズーミングと、上記背景画面レイヤー群と特別図柄レイヤー群の入れ替えを併用することで、違和感のなり自然な図柄変動状態を表示することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1には、本実施の形態に係るパチンコ機110が示されている。このパチンコ機110は、矩形の枠体113でその外形が構成されており、店側のベース面115に支持されている。また、枠体113には、装飾版113A、スピーカ162、キーシリンダ113B等が配設されている。
【0024】枠体113の内側正面には、透明ガラス板110Aがガラス枠110Bに嵌め込まれた状態で配設されている。この透明ガラス板110Aで仕切られた内側領域には、遊技盤111が配設されている。また、この遊技盤111における円弧状のレール112で囲まれた領域が遊技領域であるゲージ部114とされている。
【0025】図2に示される如く、ゲージ部114には、全面に渡って複数の釘116が打ち込まれ、レール112を通って打ち出されたパチンコ球がこの釘116に当たって跳ねたり、釘116によって形成される案内路に案内されながら、落下していくようになっている。また、この釘116の他、ゲージ部114に向かって左右対称の位置には、風車118が取り付けられており、パチンコ球を予期しない方向へ方向転換させるようになっている。
【0026】さらに、ゲージ部114には複数の位置に入賞口120が設けられ、この入賞口120にパチンコ球が入ることにより、所定数のパチンコ球が遊技者に払い出されるようになっている。
【0027】このようなゲージ部114は、ほぼ左右対称系とされており、この中央部には特別図柄変動装置としての電動役物ユニット122(センター役物)が配置され、その表示部124(LCDパネル)が露出されている。この表示部124の下方には電動役物ユニット122を始動するための特別図柄始動入賞口126が設けられている。
【0028】特別図柄始動入賞口126のさらに下方には、大入賞口128が配置され、この大入賞口128を開閉する開閉部材129は、前記電動役物ユニット122での所謂当りの表示状態で所定時間開放され、大量のパチンコ球を入賞させることができる構成となっている。
【0029】なお、この特別図柄始動入賞口126に入賞したパチンコ球は、最大4球分保留され、電動役物ユニット122による抽選結果の案内が終了した時点で、保留された分が消化されるようになっている。
【0030】また、ゲージ部114には、普通図柄始動入賞口130が設けられおり、普通図柄始動入賞口130にパチンコ球が入賞すると、図示しない普通図柄表示部の表示が変動し、所定当り数字になると、前記特別図柄始動入賞口126に設けられた可動部としての電動チューリップ134が所定時間開放するようになっている。この電動チューリップ134の開放により、特別図柄始動入賞口126への入賞の確率が物理的に高まることになる。
【0031】図1に示される如く、上記ゲージ部114の下部、すなわち、透明ガラス板110Aの下部は、パネル部140とされ、その上部パネル140Aには上皿141が設けられ、下部パネル140Bには、発射装置の操作部としてのハンドル136と、上皿141から落下するパチンコ球を受ける下皿138とが設けられている。なお、下部パネル140Bには、灰皿143も設けられている。
【0032】ハンドル136は、前記パネル140の内部から突出された回転軸に取付けられており、この回転軸を中心に回転可能とされている。すなわち、遊技者がこのハンドル136を把持して回転することで、発射装置が稼動すると共に、前記回転角度に基づいて発射強度が設定されるようになっている。なお、この回転には、復帰付勢力が付与されており、遊技者が手を離すと自動的に元の回転位置に戻る構造となっている。また、このハンドル136の周囲には図示しないストップスイッチが設けられている。このストップスイッチは、ハンドル136を回転した状態を維持しながら、発射装置を停止させる機能を有している。
【0033】図3には、パチンコ機110を制御するための制御系の概略が示されている。制御系は、主制御基板150を中心として、払出制御基板152、音声制御基板154、ランプ制御基板156、発射制御基板158、図柄表示制御基板160等、機能毎に分類されている(なお、以下これらを総称する場合、副制御基板151という)。
【0034】なお、主制御基板150並びに副制御基板151は、管理制御基板206を介してパチンコ店側のホールコンピュータ208に接続することにより、パチンコ機の稼動状況を管理することも可能となっている。
【0035】主制御基板150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御基板150からの命令信号に基づいて、その他の副制御基板151が独自に実行する。すなわち、主制御基板150は基本的に命令を出力するのみで、その結果等のフィードバックは受けない構成となっている。
【0036】払出制御基板152は、パチンコ球の払出し数を制御するものであり、音声制御基板154は、パチンコ機110に設けられたスピーカ162からの効果音等の出力を制御する。また、ランプ制御基板156は、パチンコ機110に取り付けられた電飾部材(遊技盤状態表示灯)164の点灯・消灯を制御し、発射制御基板158は、遊技者によるパチンコ球の発射を制御する。
【0037】図柄表示制御基板160は、前記表示部124が表示ドライバ166を介して接続されており、主制御基板150からの命令信号に基づいて、所定の演出効果をもたらす表示を実行する。なお、この図柄表示制御基板160は、普通図柄表示部も制御する。
【0038】前記主制御基板150には、特別図柄始動入賞口126に設けられた特別図柄入賞センサ168及び普通図柄始動入賞口130に設けられた普通図柄入賞センサ170、各入賞口120に設けられた入賞センサ172、並びに大入賞口128に入賞したパチンコ球を検出する大入賞口センサ173が接続されている。なお、大入賞口128には、大入賞口の開閉動作を継続するためのVゾーンが設けられており、このVゾーンにもVゾーンセンサ171が設けられている。
【0039】また、この主制御基板150には、電動チューリップ134を開閉させるためのソレノイド174、大入賞口128の開閉部材129を開閉させるためのソレノイド175、特別図柄保留ランプ200が接続されている。
【0040】また、主制御基板150では、特別図柄や普通図柄の抽選がなされ、この抽選結果に基づく表示部124での表示内容を選択し、図柄表示制御基板160へ命令信号を出力する。すなわち、図柄表示制御基板160には、複数種の命令信号に基づく異なる表示内容のデータが予め記憶されており、命令信号に基づいてデータが選択されて、起動するようになっている。
【0041】上記主制御基板150では、前記特別図柄始動入賞口126に入賞したときに当り外れの抽選がなされ、当りとなった場合に、大入賞口128を所定時間、所定回数開放することで、パチンコ球の入賞確率を大幅に高める遊技者有利状態としている。
【0042】ここで、図4に示される如く、本実施の形態の表示部124に表示される画面は、所謂レイヤー構造で構成されている。
【0043】レイヤー構造では、見かけ上複数の透明シートが重ねられた構造であり、それぞれの透明のシートに関連性のある画面を形成(表示)することで、それぞれが遠近等、画面奥行方向の相対位置関係が確立される。
【0044】この実施の形態では、大きく分けて3組のレイヤー群10、12、14によって構成され、その内の上層側レイヤー群10と下層側レイヤー群14が背景画面として適用されている。
【0045】また、この上層側レイヤー群10と下層側レイヤー群14との間には、特別図柄24A、26A、28Aを表示する画面(特別図柄レイヤー24、26、28)としての特別図柄レイヤー群12が設けられている。
【0046】なお、上層側レイヤー群、下層側レイヤー群14及び特別図柄レイヤー群12は、共に複数枚のレイヤーで構成されている。
【0047】下層側レイヤー群14は、所謂背景画面を構成し、遠くの山の画像(以下山画像16Aという)や空の画像(以下、空画像16Bという)といった基本的に常に画面の最も奥側に位置する画像を表示するためのレイヤー16と、この山画像16Aや空画像16Bよりも画面構成上、手前側に位置する建造物の画像(以下、建造物画像20Aいう)等の中間的な位置にある画像のレイヤー20等で構成されている。
【0048】これに対して、上層側レイヤー群10は、背景画面ではあるが、画面構成上、手前に存在する岩の画像(以下、岩画像22A)等を表示するためのレイヤー22で構成されている。
【0049】また、特別図柄レイヤー群12は、左、右、中のそれぞれの特別図柄レイヤー24、26、28毎に分類されたレイヤー構成となっている。
【0050】この上層側レイヤー群10に表示される岩画像22Aは、特別図柄レイヤー群12の左右の特別図柄24A、26Aに対して位置関係が入れ替わるようになっている。すなわち、特別図柄レイヤー群12は、基本的には、上層側レイヤー群10よりも下層側にあるため、表示される特別図柄24A、26Aが前記岩画像22Aと重なると、実質的に非表示状態となる。
【0051】ここで、図6に示される如く、特別図柄レイヤー群12では、3列に配列された特別図柄24A、26A、28Aの内、左右の特別図柄24A、26Aを、前記岩画像22Aを中心とする略水平な円弧軌道で変動させるようにしており、このため、上記岩画像22Aとの重なり状態が徐々に変化し、重なりがなくなった領域が実質的に表示されていく。
【0052】なお、中央の特別図柄28Aは、画面手前側から奥側へ略垂直な円弧軌道で変動させている(後述)。
【0053】この後、前記左右の特別図柄24A、26Aは、岩画像22Aの手前を横切ることになるが、上記レイヤー構造のままでは、岩画像22Aの手前を横切るように重ねても、岩画像によって隠されてしまう。
【0054】そこで、本実施の形態では、上層側レイヤー群10(岩画像レイヤー22)と特別図柄レイヤー群12(左右の特別図柄レイヤー24、26)との間で、非透明部分の重なりがないタイミングで、位置関係を入れ替えるように制御している。
【0055】図5には、このレイヤー位置関係入れ替え制御のための機能ブロック図が示されている。
【0056】表示部124における表示制御は、前記山画像16Aや空画像16B等の固定のレイヤー16の画像の表示を制御するパッシブ背景画像表示制御部32と、前記岩画像22Aのレイヤーと左右の特別図柄レイヤー24、26との入れ替えや、建造物画像20Aのレイヤー20の動作がなされるレイヤー群10を対象として画像の表示を制御するアクティブ背景画像表示制御部34と、前記特別図柄24A、26A、28Aの変動パターン画像の表示を制御する特別図柄変動パターン画像表示制御部36とに分類され、それぞれ、主制御基板150からコマンド信号を受けることで、それぞれ表示制御が実行される。
【0057】このコマンド信号は、レイヤー位置関係管理部38にも入力されている。レイヤー位置関係管理部38は、レイヤー入替部40に接続されている。このレイヤー入替部40には、前記アクティブ背景画像表示制御部34と、特別図柄変動パターン画像表示制御部36の出力信号が接続されている。これにより、岩画像22A(岩画像レイヤー22A)と左右の特別図柄24A、26A(特別図柄レイヤー24、26)との入れ替えが前記レイヤー位置関係管理部38からの信号に基づいて、レイヤーの入替が実行される。
【0058】このレイヤー入替部40の出力信号線は、表示ドライバ166に接続されている。この表示ドライバ166には、前記パッシブ背景画像表示制御部32からの信号線も接続されている。
(図柄切換タイミング強調動作)図7に示される如く、中央の特別図柄28Aの変動は、左右の特別図柄24A、26Aの変動とは異なり、画面奥側から略垂直な円弧軌道で画面手前方向へ移動し、建造物画像20の上でバウンドして、表示部124の上端方向へ移動するか、或いはさらに画面手前側へ略垂直な円弧軌道で移動するようになっている。
【0059】この中央の特別図柄26Aが表示部124の上端方向へ移動するときは、変動が継続することを意味し、画面手前側へ移動するときは、この図柄が停止図柄となることを意味している。
【0060】ここで、変動が継続する場合、前記建造物画像20上で図柄の区切りとなるが、本実施の形態では、この建造物図柄20を中央の特別図柄28Aのバウンドに同期して、上下に往復移動させるようにしている。この建造物図柄20の動きによって、遊技者に図柄の区切りを報知するようになっている。
【0061】以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0062】まず、パチンコ球が発射されると、レール112に案内されてゲージ部114の釘116や風車118等に当接しながら、予測し得ない移動をしながら落下していく。ここで、入賞口120に入賞すると、予め定められた数のパチンコ球が払い出される(賞球)。また、普通図柄始動入賞口130に入賞するとこれを普通図柄入賞センサ170で検出する。
【0063】この検出により、主制御基板150では、普通図柄の抽選が開始される。すなわち、乱数カウンタを用いて、所定の確率で0〜9までの数字を抽選する。抽選の結果、外れの場合には、特に遊技状態に変化はない。一方、抽選の結果、当り(例えば、当り数字の7が抽選される)の場合には、主制御基板150は、特別図柄始動入賞口126に設けられた電動チューリップ134を開放状態とするべく、ソレノイド174へ通電する。これにより、特別図柄始動入賞口にパチンコ球が入り易い、高確率状態とすることができる。
【0064】前記特別図柄始動入賞口126にパチンコ球が入賞すると、主制御基板150では、乱数カウンタを用いて所定の確率で大当り抽選が開始される。この大当り抽選の結果、当り/外れが決定すると、それぞれにおいて、予め準備された図柄変動パターンを選択(乱数カウンタで選択してもよい)し、図柄表示制御基板160を含む演出に関連する制御基板へコマンド信号を送出する。
【0065】図柄表示制御基板160では、受信したコマンド信号に基づいて、表示ドライバ166を介して表示部124に図柄変動パターンを表示する。この図柄変動パターンにおいては、リーチを経由した当り、外れリーチ、リーチを経由しない外れ等、様々な演出があり、遊技者は期待感をもって抽選結果を待つことができる。
【0066】ここで、当りとなった場合には、大入賞口128の開閉部材129が所定時間、所定回数開放することで、パチンコ球の入賞の確率が極めて大きくなる、遊技者の有利な状態とすることができる。
【0067】上記図柄変動表示中に、特別図柄始動入賞口126にパチンコ球が入賞すると、抽選はその時点でなされるが、現在進行中の図柄変動表示中が終了するまで図柄変動表示を待機する。これは、保留ランプ200が点灯することで、遊技者に報知される。
【0068】ここで、本実施の形態では、表示部124に表示する図柄変動パターンにおいて、左右の特別図柄24A、26Aが、背景画像の1つである岩画像22Aの後から略水平の円弧軌道でこの岩画像22Aの手前を横切るように変動する。
【0069】このとき、従来では、岩画像22Aから徐々に出現する特別図柄24A、26Aの一部が欠けた画像や、この特別図柄24A、26Aが岩画像22Aにオーバーラップするときの岩画像22Aの一部が欠けた画像を必要としていた。
【0070】これに対して、本実施の形態では、背景画像と特別図柄との間のレイヤー構造を入れ替ることで、前記岩画像22Aと特別図柄24A、26Aとの位置関係を相互に適宜違和感のない状態とし、違和感のない変動パターンを確立した。以下、図8のフローチャートに従いレイヤー入替制御について説明する。
【0071】ステップ200では、表示部124の画面の上層側から順に、上層側レイヤー群10、下層側レイヤー群14及び特別図柄レイヤー群12となる初期状態のレイヤー構造とする。
【0072】次のステップ202では、図柄変動のコマンド信号を受信したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ204へ移行して、変動パターンを選択し、次いでステップ206で変動を開始する。この変動により、左右の特別図柄24A、26Aは、略水平の円弧軌道で岩画像22Aの後から手前を横切るように変動させ、中央の特別図柄28Aは、略垂直の円弧軌道で建造物画像20上でバウンドするように変動させる。また、この図柄変動は、表示上、奥側から手前側へ移動するため、徐々に拡大ズーミングさせならがら変動を継続する。
【0073】次のステップ208では、上記左右の特別図柄24A、26Aと岩画像22Aとの重なり状態を判断するべく、前記拡大ズーミングの拡大率が所定の範囲となったか否かを判断する。すなわち、予め特別図柄の拡大状態と、表示部124上の特別図柄の位置関係とはリンクしており、所定の範囲の拡大率のとき、特別図柄24A、26Aが、岩画像22Aの後から完全に抜け出した状態となることがわかっている。
【0074】このため、ステップ208において肯定判定された場合には、岩画像22Aと特別図柄24A、26Aとが完全に分離した状態であると判断し、ステップ210へ移行して、上層側レイヤー群10の岩画像レイヤー22Aと特別図柄レイヤー群12の左右の特別図柄レイヤー24、26との位置関係を入れ替える。これにより、その後の特別図柄24A、26Aを岩画像22Aの手前で横切るように表示することができる。
【0075】次のステップ212では、図柄変動が終了したか否かが判断され、否定判定の場合には、ステップ200へ戻り、次の特別図柄24A、26Aの岩画像22Aの後からの出現に対応する。また、ステップ212で肯定判定されるとこのルーチンは終了する。
【0076】一方、中央の特別図柄28Aは、画面の奥側から略垂直の円弧軌道を描きながら画面の手前側を移動し、建造物画像20上でバウンドし、変動が継続されるときは、表示部124の上端からフレームアウトし、変動が停止するときは、さらに画面の手前へ略す直な円弧軌道を描きながら移動して停止する。
【0077】このとき、特別図柄28Aは、連続的に変動するため、遊技者は前記建造物図柄20のバウンド時期が図柄切り換えの区切りであることを判別し難い。
【0078】そこで、本実施の形態では、上記バウンドに同期して、建造物画像20を上下に往復移動させる。これにより、図柄の切り換えタイミングが、表示内容(建造物画像20の移動)で確実に把握でき、図柄の誤認を防止することができる。
【0079】本実施の形態によれば、左右の特別図柄24A、26Aにおいて、背景画像である岩画像22Aの後から、略水平の円弧軌道で出現し、かつ岩画像22Aの前を横切らせる図柄変動を実行する場合に、従来、岩画像22Aと特別図柄24A、26Aとのオーバーラップ状態に応じた、どちらかの一部が欠けた画像の複数準備しなければならなかった。しかし、本実施の形態では、前記岩画像22Aと特別図柄24A、26Aとの完全に分離した時期を判別し、この状態で上層側レイヤー群10の岩画像レイヤー22と特別図柄レイヤー群12の左右の特別図柄レイヤー24、26との位置関係を入れ替えることで、途中のオーバーラップ状態の画像を不要とし、かつ拡大ズーミングとの併用で違和感のない変動パターンを形成することができる。
【0080】また、本実施の形態では、中央の特別図柄28Aの変動時、この特別図柄28Aの切り換えタイミング(切換時期)を視覚的に報知している。図9にこの図柄切換時期報知制御ルーチンを示す。
【0081】ステップ250では、図柄変動中か否かが判断され、肯定判定されるとステップ252へ移行し左右の特別図柄24A、26Aが停止したか否かが判断される。
【0082】このステップ252で肯定判定されると、ステップ254へ移行して停止した左右の特別図柄24A、26Aの組み合わせがリーチ状態であるか否かが判断される。上記ステップ250、252、及びこのステップ254の全てで肯定判定されることで、中央の特別図柄28A(中図柄)の図柄切換をする必要があると判断し、ステップ256へ移行して中図柄切換タイミングか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ258で建造物図柄20Aを上下方向に往復移動させる(図6参照)。
【0083】これにより、遊技者は、現在どの特別図柄28Aが停止する可能性のある特別図柄28Aであるかを確実に把握することができる。
【0084】次のステップ260では、中央の特別図柄28Aが確定したか否かが判断され、否定判定の場合には、ステップ256へ移行して、上記工程を繰り返す。また、ステップ260で肯定判定された場合、並びに、前記ステップ250、252、254、256で否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0085】なお、この建造物画像20は、上下方向の往復移動に限らず、特別図柄28Aのバウンド時期に同期して色を変えたり、透明度を変更したりするようにしてもよく、さらに、往復移動と色変え、或いは透明度の変更を併用してもよい。さらに、他の背景の一部の色を変えたり、当該背景に関連する動き(例えば、山画像16Aであれば、噴火する様子等)を特別図柄28のバウンドに同期させてもよい。また、この特別図柄28自体の画像を膨張させたり、光らせたり、振動させたり、ネガ・ポジを反転させたりするようにしてもよい。
【0086】
【発明の効果】以上説明した如く本発明では、複雑化する図柄変動パターン化が進み、特別図柄の切換時期がわかりずらくなる表示状態の下で、確実に遊技者に特別図柄の切換を認識させることができるという優れた効果を有する。
【出願人】 【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
【出願日】 平成13年5月31日(2001.5.31)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
【公開番号】 特開2002−355403(P2002−355403A)
【公開日】 平成14年12月10日(2002.12.10)
【出願番号】 特願2001−164506(P2001−164506)