| 【発明の名称】 |
スキー板等に於けるワックス処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】斎藤 伸一
|
| 【要約】 |
【課題】圧力調節手段によって減圧室内を適宜減圧でき、温度調節手段によって減圧室3内を適宜加熱でき、滑走面の細部にある空気が抜け易く、細部にワックスが入り込み易くなり、ワックスが滑走面によく馴染み、スキー板等の滑走性能がより向上し、ワックス処理がより容易に且つ短時間で行え、構成簡素で、コンパクトで、量産に適し、低廉で、経済的で、圧力調節手段と温度調節手段とを簡単に、正確に、細かく制御でき、取扱いが極めて容易なワックス処理装置を提供する。
【解決手段】スキー板20等が収容可能で、開閉自在なハッチ2を設けた減圧容器Aと、減圧容器Aの減圧室3内の圧力を調節する圧力調節手段と、減圧室3内の温度を調節する温度調節手段とを備え、圧力調節手段と温度調節手段とをコントロールボックス8によって制御できるよう構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スキー板やスノーボード等の滑走面にワックスを塗るときに使用されるワックス処理装置であって、スキー板等が収容可能で、開閉自在なハッチが設けられた減圧容器と、この減圧容器内に設けた減圧室内の圧力を調節する圧力調節手段と、減圧室内の温度を調節する温度調節手段とを備え、圧力調節手段と温度調節手段とをコントロールボックスによって制御できるように構成したことを特徴とするスキー板等に於けるワックス処理装置。 【請求項2】 温度調節手段は、減圧室内上部に配される複数のヒーターと、このヒーターの下方に配される遮蔽板を兼ねる保護体とによって構成したことを特徴とする請求項1記載のスキー板等に於けるワックス処理装置。 【請求項3】 スキー板が載置される複数の支持腕を有する支持体を車輪付き基台の上部に設けてなるラックを形成し、このラックを、ハッチから減圧室内に収容自在となるよう構成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のスキー板等に於けるワックス処理装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主に、スキー板やスノーボード等の滑走面にワックスを塗るときに使用されるワックス処理装置に係り、スキー板やスノーボード等の滑走面の細部(微小隙間)にまでワックスが入り込むと共に、ワックスが滑走面によく馴染み、しかも、これらの処理がより容易に且つ短時間に行えるように工夫したスキー板等に於けるワックス処理装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、スキー板等の滑走面にワックスを塗るには、例えば、ワックス及びスキー板等の滑走面を加熱してワックスを塗るようにすることが一般的に行われている。そして、これをある程度自動的に行えるようにしたものとして、例えば、特開平11−425号公報に記載されているようなワックスがけ装置及びそれに用いるヒータ装置がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の手段にあっては、スキー板等の滑走面の細部(例えば、滑走面のより小さな凹部や微小隙間等)内にワックスを入り込ませる場合に、細部が小さければ小さい程、細部にある空気が邪魔となってワックスが入り込み難い問題点があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、前述の如き難点等を解消して、スキー板やスノーボード等の滑走面の細部にまでワックスが入り込むようにすると共に、ワックスが滑走面によく馴染むようにし、しかも、これらの処理がより容易に且つ短時間で行えるようにし、加えて、構成が簡素で、量産に適し、取扱いが容易で、比較的経済的なワックス処理装置を提供すべく創出されたものである。 【0005】しかして、請求項1記載のワックス処理装置Sにあっては、スキー板20やスノーボード等の滑走面にワックスを塗るときに使用されるワックス処理装置であって、スキー板20等が収容可能で、開閉自在なハッチ2が設けられた減圧容器Aと、この減圧容器A内に設けた減圧室3内の圧力を調節する圧力調節手段と、減圧室3内の温度を調節する温度調節手段とを備え、圧力調節手段と温度調節手段とをコントロールボックス8によって制御できるように構成する手段を採用した。 【0006】また、請求項2記載のワックス処理装置Sにあっては、温度調節手段は、減圧室3内上部に配される複数のヒーター5と、このヒーター5の下方に配される遮蔽板を兼ねる保護体6とによって構成する手段を採用した。 【0007】更に、請求項3記載のワックス処理装置Sにあっては、スキー板20が載置される複数の支持腕12を有する支持体11を車輪13付き基台10の上部に設けてなるラックBを形成し、このラックBを、ハッチ2から減圧室3内に収容自在となるよう構成する手段を採用した。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図示例に基づいて説明すると、次の通りである。図中Sは、主に、スキー板20やスノーボード等の滑走面にワックスを塗るときに、滑走面の細部(例えば、滑走面の微小凹部や、微小隙間や、或いは、スキー板20素材の分子レベルの空間を含む)にまでワックスが入り込むと共に、ワックスが滑走面によく馴染み(熟成し)、しかも、これらの処理がより容易に且つ短時間に行えるようにした本発明のワックス処理装置を示し、このワックス処理装置Sは、スキー板20等が収容可能で、その両端(或いは、一端)に開閉自在なハッチ2が設けられた略円筒容器状の減圧容器Aと、この減圧容器A内に設けた減圧室3内の圧力を調節可能な圧力調節手段と、減圧室3内の温度を調節可能な温度調節手段とを備えたもので、前記圧力調節手段と前記温度調節手段とをコントロールボックス8によって自動的に(或いは、手動的に)制御できるように構成したものである。 【0009】すなわち、圧力調節手段によって減圧室3内を適宜減圧(真空状態も含む)することができるように構成され、温度調節手段によって減圧室3内を適宜加熱することができるように構成されている。そして、滑走面にワックスを予め塗っておくと共に滑走面を上向き状態にして減圧室3内に収容したスキー板20等は、減圧と加熱によって、滑走面の細部(例えば、滑走面のより小さな凹部や微小隙間等)にある空気が抜けると共に、ワックスが細部に入り込むように構成されている。しかして、従来の手段よりも滑走面にワックスがよく馴染むものとなる。 【0010】前記減圧容器Aは、例えば、スキー板20等の長さ以上に設定される略円筒状の容器基部1を形成し、この容器基部1の左右端部夫々にハッチ2を開閉可能に形成し、更に、容器基部1の斜上部には、減圧室3内のスキー板20のワックス処理状態が外部から容易に視認できるような確認窓部4が長手方向に沿って複数配置して構成されている。 【0011】尚、減圧容器Aの具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設状態、容器基部1の具体的構成、形状、寸法、材質、ハッチ2の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置、減圧室3の具体的構成、形状、寸法、確認窓部4の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置等は、図示例のもの等に限定されることなく適宜自由に設定、変更できるものである。 【0012】減圧室3内の温度を適宜自由にコントロール(例えば、加熱)できる温度調節手段は、例えば、減圧室3内上部に長手方向に沿って配される複数のヒーター5と、このヒーター5の下方に配される遮蔽板(或いは、反射板)を兼ねた保護体6とによって構成されている。すなわち、減圧室3内へのスキー板20等の出し入れ時に、スキー板20等がヒーター5に接触することがないように構成して、ヒーター5の損傷防止が図れるようにしてある。また、ヒーター5からの熱が減圧室3内の一番上方のスキー板20に直接的に伝わることなく、減圧室3内周壁に反射せしめるようにして、減圧室3内の複数のスキー板20に熱が均一に伝わるように構成されている。 【0013】尚、温度調節手段の具体的構成、ヒーター5の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、減圧室3内への具体的装着手段、保護体6の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、減圧室3内への具体的装着手段等は、図示例のもの等に限定されることなく適宜自由に設定、変更できるものである。 【0014】減圧室3内の圧力を適宜自由にコントロール(例えば、減圧、或いは、真空状態に)できる圧力調節手段は、例えば、容器基部1上部に配されると共に、適宜パイプ等によって減圧室3に連通される減圧ポンプ7(例えば、真空ポンプ等)によって構成されている。すなわち、減圧ポンプ7の作動によって減圧室3内の圧力(気圧)を自由に制御できるよう構成されている。 【0015】尚、圧力調節手段の具体的構成、減圧ポンプ7の具体的構成、形状、寸法、配設位置、数、減圧容器Aへの具体的装着手段等は、図示例のもの等に限定されることなく適宜自由に設定、変更できるものである。 【0016】前記圧力調節手段と前記温度調節手段とを自動的に制御できるコントロールボックス8は、例えば、減圧容器Aの上部に固定され、時間軸を基準として、減圧ポンプ7の作動状態の制御や、ヒーター5のON、OFFや電流の制御等が自在に設定、変更できるように構成されている。しかも、このコントロールボックス8は、減圧容器Aの減圧室3内に設けた気圧センサー(図示せず)や温度センサー(図示せず)に連繋されており、より正確な圧力と温度の制御が可能となるよう構成されている。 【0017】尚、コントロールボックス8の具体的構成、配設位置、気圧センサーの具体的構成、配設位置、数、温度センサーの具体的構成、配設位置、数等は、図示例のもの等に限定されることなく適宜自由に設定、変更できるものである。 【0018】図中Bは、複数のスキー板20を滑走面が上向きとなるように支持できると共に、支持されている複数のスキー板20を減圧容器Aのハッチ2から減圧室3内にスムーズに収容できる(或いは、減圧室3内から減圧容器A外にスムーズに取出しできる)ように構成されるラックで、このラックBは、例えば、略細長矩形枠状の基台10と、この基台10の長手方向両端上部に夫々固定される一対の支持体11と、基台10の長手方向両端下部左右に夫々装着される四つの車輪13とを備え、支持体11夫々には、スキー板20を支える複数の支持腕12が上下方向に沿って配されている。すなわち、一対の支持腕12にスキー板20を掛け渡すようにして、複数のスキー板20を支持でき、複数のスキー板20にワックス処理を一度に施せるようにすると共に、複数のスキー板20を減圧室3内に安定的に収容しておけるように構成してある。しかも、左右の車輪13は、略ハ字状に下方が開くように配してあり(図2参照)、ラックB自体が減圧室3内で安定的に収容されるように配慮してある。ところで、図示例のラックBは、ビンディングがスキー板20に取付けてない場合の例であって、ビンディングが取付けてあるスキー板20の場合は、一度に収容できる数が少なくなる。 【0019】尚、ラックBの具体的構成、形状、寸法、材質、基台10の具体的構成、形状、寸法、材質、支持体11の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置、支持腕12の具体的構成、形状、寸法、数、配設位置、車輪13の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置等は、図示例のもの等に限定されることなく適宜自由に設定、変更できるものである。 【0020】本発明のワックス処理装置Sは、以上のように構成されており、次に、その使用例について説明すると、先ず、スキー板20の滑走面にワックスを塗っておく。そして、滑走面が上になるようにして複数のスキー板20をラックBの支持腕12の上に夫々横架状に支持させる。次に、このラックBをハッチ2から減圧容器Aの減圧室3内に収容させ、ハッチ2を閉じる。それから、コントロールボックス8によってヒーター5に電流を流して減圧室3内を加熱し、加えて、減圧ポンプ7を作動して減圧室3内を減圧する。尚、加熱のタイミングや減圧室3内の温度の変化、減圧のタイミングや減圧室3内の気圧の変化等の調節は適宜自由に設定でき、より細かな調節がコントロールボックス8によって可能である。すなわち、スキー板20の材質や、ワックスの材質や、雪質等に応じて、最適な滑走性能が得られるように適宜調節される。 【0021】 【発明の効果】従って、請求項1記載のワックス処理装置Sによれば、スキー板20やスノーボード等の滑走面にワックスを塗るときに使用されるワックス処理装置であって、スキー板20等が収容可能で、開閉自在なハッチ2が設けられた減圧容器Aと、この減圧容器A内に設けた減圧室3内の圧力を調節する圧力調節手段と、減圧室3内の温度を調節する温度調節手段とを備え、圧力調節手段と温度調節手段とをコントロールボックス8によって制御できるように構成したので、圧力調節手段によって減圧室3内を適宜減圧することができると共に、温度調節手段によって減圧室3内を適宜加熱することができるようになる。そのため、滑走面にワックスが予め塗られていると共にその滑走面が上向きの状態で減圧室3内に収容されているスキー板20等にあっては、減圧室3内の減圧と加熱によって、滑走面の細部(例えば、滑走面のより小さな凹部や、微小隙間等)にある空気が抜け易くなると共に、この細部にワックスが入り込み易くなる。すなわち、ワックスが滑走面によく馴染むようになる。ひいては、スキー板20等の滑走性能がより向上するようになる。しかも、これらの処理がより容易に、且つ短時間で行えるようになり、加えて、ワックス処理装置S自身の構成が簡素で、コンパクトとなり、量産に適し、比較的低廉に提供できるようになって、経済的なワックス処理装置Sとなる。更に、コントロールボックス8によって圧力調節手段と温度調節手段とを簡単に、正確に、且つ細かく制御できるようになり、その取扱いが極めて容易なワックス処理装置Sとなる。 【0022】また、請求項2記載のワックス処理装置Sによれば、温度調節手段は、減圧室3内上部に配される複数のヒーター5と、このヒーター5の下方に配される遮蔽板を兼ねる保護体6とによって構成したので、減圧室3内へのスキー板20等の出し入れによってヒーター5を損傷するのを保護体6で確実に防止できるようになると共に、ヒーター5からの熱が減圧室3内の複数のスキー板20に均一に伝わるようになる。 【0023】更に、請求項3記載のワックス処理装置Sによれば、スキー板20が載置される複数の支持腕12を有する支持体11を車輪13付き基台10の上部に設けてなるラックBを形成し、このラックBを、ハッチ2から減圧室3内に収容自在となるよう構成したので、複数のスキー板20にワックス処理を一度に施せるようになると共に、複数のスキー板20を減圧室3内に容易に且つ安定的に収容できるようになる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】594111465 【氏名又は名称】斎藤 伸一
|
| 【出願日】 |
平成13年5月31日(2001.5.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066223 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 政美
|
| 【公開番号】 |
特開2002−355353(P2002−355353A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月10日(2002.12.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−163911(P2001−163911) |
|