| 【発明の名称】 |
マウスガードおよびマウスガード用積層シート |
| 【発明者】 |
【氏名】藤枝 幸弘
【氏名】高田 和明
【氏名】和田 功一
【氏名】金山 美幸
【氏名】稲井 公二
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| 【要約】 |
【課題】衝撃吸収性、低膠着性、取扱い性、清潔性、耐久性(耐引裂性)に優れ、従来のものよりも薄く装着感の良いマウスガード、および該マウスガードの製造に好適なマウスガード用積層シートを提供すること。
【解決手段】2層以上の樹脂層から構成されるマウスガードであって、該樹脂層の少なくとも一層は耐衝撃吸収性が優れる層であり、他層は膠着性がない層であることを特徴とするマウスガード;並びにマウスガード用積層シート。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2層以上の樹脂層から構成されるマウスガードであって、該樹脂層の少なくとも一層は耐衝撃吸収性が優れる層であり、他層は膠着性がない層であることを特徴とするマウスガード。 【請求項2】 耐衝撃吸収性が優れる層が熱可塑性エラストマーからなる樹脂層である請求項1記載のマウスガード。 【請求項3】 膠着性がない層がポリオレフィン系樹脂からなる樹脂層である請求項1または2記載のマウスガード。 【請求項4】 熱可塑性エラストマーがビニル芳香族系熱可塑性エラストマーである請求項2記載のマウスガード。 【請求項5】 ビニル芳香族系熱可塑性エラストマーが、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、ポリイソプレンブロックBを1個以上有するブロック共重合体(a−1)、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、およびイソプレン単位とブタジエン単位を5/95〜95/5(重量%)の割合で含有している重合体ブロックCを1個以上有するブロック共重合体(a−2)、並びにビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、およびポリブタジエンブロックDを1個以上有するブロック共重合体(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体(a)およびその水素添加物である請求項4記載のマウスガード。 【請求項6】 ビニル芳香族系熱可塑性エラストマーが、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、および1,2−結合と3,4−結合の含有量が75%以下であるポリイソプレンブロックBを1個以上有し、ビニル芳香族化合物単位の含有量が10〜40重量%であるブロック共重合体(a−1)、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、およびイソプレン単位とブタジエン単位を5/95〜95/5(重量%)の割合で含有し、1,2−結合と3,4−結合の含有量が85%以下である重合体ブロックCを1個以上有し、ビニル芳香族化合物単位の含有量が10〜40重量%であるブロック共重合体(a−2)、並びにビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、および1,2−結合の含有量が5%以上であるポリブタジエンブロックDを1個以上有し、ビニル芳香族化合物単位の含有量が10〜40重量%であるブロック共重合体(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体(a)およびその水素添加物である請求項4記載のマウスガード。 【請求項7】 ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリ酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体およびこれらのアイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体から選ばれる少なくとも1種である請求項3記載のマウスガード。 【請求項8】 2層以上の樹脂層から構成されるマウスガード用積層シートであって、該樹脂層の少なくとも一層は耐衝撃吸収性が優れる層であり、他層は膠着性がない層であることを特徴とするマウスガード用積層シート。 【請求項9】 耐衝撃吸収性が優れる層が熱可塑性エラストマーからなる樹脂層である請求項8記載のマウスガード用積層シート。 【請求項10】 膠着性がない層がポリオレフィン系樹脂からなる樹脂層である請求項8または9記載のマウスガード用積層シート。 【請求項11】 熱可塑性エラストマーがビニル芳香族系熱可塑性エラストマーである請求項9記載のマウスガード用積層シート。 【請求項12】 ビニル芳香族系熱可塑性エラストマーが、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、ポリイソプレンブロックBを1個以上有するブロック共重合体(a−1)、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、およびイソプレン単位とブタジエン単位を5/95〜95/5(重量%)の割合で含有している重合体ブロックCを1個以上有するブロック共重合体(a−2)、並びにビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、およびポリブタジエンブロックDを1個以上有するブロック共重合体(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体(a)およびその水素添加物である請求項11記載のマウスガード用積層シート。 【請求項13】 ビニル芳香族系熱可塑性エラストマーが、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、および1,2−結合と3,4−結合の含有量が75%以下であるポリイソプレンブロックBを1個以上有し、ビニル芳香族化合物単位の含有量が10〜40重量%であるブロック共重合体(a−1)、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、およびイソプレン単位とブタジエン単位を5/95〜95/5(重量%)の割合で含有し、1,2−結合と3,4−結合の含有量が85%以下である重合体ブロックCを1個以上有し、ビニル芳香族化合物単位の含有量が10〜40重量%であるブロック共重合体(a−2)、並びにビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、および1,2−結合の含有量が5%以上であるポリブタジエンブロックDを1個以上有し、ビニル芳香族化合物単位の含有量が10〜40重量%であるブロック共重合体(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体(a)およびその水素添加物である請求項11記載のマウスガード用積層シート。 【請求項14】 ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリ酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体およびこれらのアイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体から選ばれる少なくとも1種である請求項10記載のマウスガード用積層シート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はマウスガードおよびマウスガード用積層シートに関する。さらに詳しくは衝撃吸収性、低膠着性、取扱い性、清潔性、耐久性(耐引裂性)に優れ、従来のものよりも薄く装着感の良い積層構造からなるマウスガードおよび該マウスガードの製造に好適なマウスガード用積層シートに関する。 【0002】 【従来の技術】マウスガードは脳震盪の防止、および歯、口腔内、口唇、顎の骨などの保護を目的に採用されており、特にアメリカンフットボール、ボクシングなどのコンタクトスポーツ分野では使用が義務付けられている。このマウスガードは種々のものが素材として用いられているが、現在多く用いられているのがエチレン−酢酸ビニル共重合体(以後、EVAと記載)である。特許第2594830号公報(文献1)にはEVAに熱可塑性ポリカプロラクトンを添加したマウスガードが、特許第1563289号公報(文献2)にはシリコーンゴムを使用したマウスガードが提案されている。また、特許第1883903号公報(文献3)、特開平7−42647号公報(文献4)には、低い軟化点温度のEVAからなる層と高い軟化点温度の層からなる2層構造のマウスガードが提案されている。その他に、特公開3−244480号公報(文献5)には、ポリメチルメタクリレートの芯部材とポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの表面部材との2層構造からなるマウスガードが提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来のEVA単独で作製されたマウスガードや上記の文献1ないし文献3〜5に記載のマウスガードは、衝撃吸収が弱いため、衝撃吸収を上げるために厚みを厚くする(4mm)必要があった。故にマウスガード装着時には会話や、呼吸をしにくい等の問題を抱えていた。また、文献1〜4に記載のEVAやシリコーンゴムからなるマウスガードは、使用中に付いた傷が起因して引き裂け易いなど耐久性も劣っていた。また、文献5に記載のポリメチルメタクリレートからなるマウスガードは脆く、割れ易いという欠点を有している。その他に、衝撃吸収性を付与する組成物は一般的に膠着感が強く、このような材料から製造されたマウスガードは取扱い性が悪く、しかも、埃、汚れ等が付き易く不潔である。 【0004】本発明の目的は、衝撃吸収性、低膠着性、取扱い性、清潔性、耐久性(耐引裂性)に優れ、従来のものよりも薄く装着感の良いマウスガードおよび該マウスガードの製造に好適なマウスガード用積層シートを提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、耐衝撃吸収性が優れる樹脂層と、膠着性がない樹脂層を有するマウスガードが衝撃吸収性、低膠着性、取扱い性、清潔性、耐久性(耐引裂性)に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0006】すなわち、本発明は、2層以上の樹脂層から構成されるマウスガードであって、該樹脂層の少なくとも一層は耐衝撃吸収性が優れる層であり、他層は膠着性がない層であることを特徴とするマウスガードに関する。 【0007】さらに、本発明は、2層以上の樹脂層から構成されるマウスガード用積層シートであって、該樹脂層の少なくとも一層は耐衝撃吸収性が優れる層であり、他層は膠着性がない層であることを特徴とするマウスガード用積層シートに関する。 【0008】本発明のマウスガードおよびマウスガード用積層シートを構成する耐衝撃吸収性が優れる層を構成する樹脂としては、熱可塑性エラストマーが好ましい。熱可塑性エラストマーとしては、公知のものを使用することができ、例えば、ビニル芳香族系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。これらの熱可塑性エラストマーは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。中でもビニル芳香族系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましく、ビニル芳香族系熱可塑性エラストマーが特に好ましい。 【0009】さらに、ビニル芳香族系熱可塑性エラストマーが、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、ポリイソプレンブロックBを1個以上有するブロック共重合体(a−1)、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、およびイソプレン単位とブタジエン単位を5/95〜95/5(重量%)の割合で含有している重合体ブロックCを1個以上有するブロック共重合体(a−2)、並びにビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、およびポリブタジエンブロックDを1個以上有するブロック共重合体(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体(a)およびその水素添加物が、耐衝撃吸収性に優れ最も好ましい。 【0010】これらのブロック共重合体(a−1)、(a−2)および(a−3)における重合体ブロックAは、ビニル芳香族化合物から構成されている。かかるビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン等が挙げられるが、これらの中でもスチレンが好ましい。 【0011】重合体ブロックAの数平均分子量は特に制限されないが、2500〜50000の範囲内であることが好ましく、2500〜20000の範囲内であることがさらに好ましい。 【0012】ブロック共重合体(a)におけるビニル芳香族化合物単位の含有量は、(a−1)、(a−2)および(a−3)のいずれのブロック共重合体においても10〜40重量%の範囲内にあることが好ましい。ブロック共重合体(a)におけるビニル芳香族化合物単位の含有量が10重量%未満の場合には、機械的強度が低下する傾向がある。また、ブロック共重合体(a)におけるビニル芳香族化合物単位の含有量が40重量%を越えると衝撃吸収性が低下する傾向がある。 【0013】ブロック共重合体(a−1)を構成するポリイソプレンブロックBにおける1,2−結合と3,4−結合の含有量は75%以下が好ましく、10〜75%がさらに好ましい。1,2−結合と3,4−結合の含有量が75%を越える場合には、重合体ブロックBのガラス転移温度(Tg)が高くなり、マウスガードの柔軟性が低下する傾向がある。 【0014】ポリイソプレンブロックBの数平均分子量は特に制限されないが、10000〜300000の範囲内にあることが好ましく、10000〜200000の範囲内にあることがさらに好ましい。 【0015】ブロック共重合体(a−2)における重合体ブロックCは、イソプレン単位とブタジエン単位を5/95〜95/5(重量%)の割合で含有しているのが好ましい。 【0016】重合体ブロックCを構成するイソプレン単位とブタジエン単位において、イソプレン単位の含有量が95重量%を越えると、1,2−結合と3,4−結合の含有量が75%を越える場合に、重合体ブロックCのガラス転移温度(Tg)が高くなりすぎて柔軟性が低下する傾向がある。 【0017】重合体ブロックCにおける1,2−結合と3,4−結合の含有量は85%以下が好ましく、20〜85%がさらに好ましい。1,2−結合と3,4−結合の含有量が85%を越える場合には、重合体ブロックCのガラス転移温度(Tg)が高くなり過ぎてマウスガードの柔軟性が低下する傾向がある。 【0018】重合体ブロックCを構成するイソプレン単位とブタジエン単位の重合形態は特に制限がなく、ランダム、ブロック、テーパードなどいずれの形態であってもよい。 【0019】重合体ブロックCの数平均分子量は特に制限されないが、10000〜300000の範囲内にあることが好ましく、10000〜200000の範囲内にあることがさらに好ましい。 【0020】ブロック共重合体(a−3)におけるポリブタジエンブロックDは、1,2−結合の含有量が5%以上であることが好ましい。1,2−結合の含有量が5%未満の場合には、機械的物性、衝撃強さ、耐久性が損なわれる傾向がある。重合体ブロックDの数平均分子量は特に制限されないが、10000〜300000の範囲内にあることが好ましく、10000〜200000の範囲内にあることがさらに好ましい。 【0021】ブロック共重合体(a)における各重合体ブロックの結合様式は特に制限はなく、線状、分岐状またはこれらの任意の組合せであってもよい。ブロック共重合体(a)の分子構造の具体例を示せば、例えば、A(BA)n、(AB)n、A(CA)n、(AC)n、A(DA)n、(AD)n〔但し、Aはビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを、BはポリイソプレンブロックBを、Cはイソプレン単位とブタジエン単位からなる重合体ブロックCを、DはポリブタジエンブロックDを表す。nは1以上の整数である。〕等を挙げることができる。また、ブロック共重合体(a)としては、ジビニルベンゼン、錫化合物またはシラン化合物等をカップリング剤として得られる星型(例えば、[(AB)mX]、ここでmは2以上の整数、Xはカップリング剤の残基を表す)の分子構造を有するものも使用可能である。 【0022】ブロック共重合体(a)としては、上記の各種の分子構造を有するものを単独で使用してもよいし、また、例えば、トリブロック型のものとジブロック型のものの混合物などのように異なる分子構造のものを2種以上併用してもよい。 【0023】かかるブロック共重合体(a)の数平均分子量は、12000〜400000の範囲内にあることが好ましく、30000〜300000の範囲内にあることがさらに好ましい。 【0024】本発明においては、以上のブロック共重合体(a)をさらに水素添加(以下水添と略す)したものも使用することができる。水添しないものは衝撃吸収性に優れるが、水添することにより耐光性、耐熱性、成形加工性等が向上する。 【0025】本発明のマウスガードおよびマウスガード用積層シートを構成する膠着性がない樹脂層を構成する樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添スチレン−ブタジエンランダム共重合体、水添スチレン−イソプレンランダム共重合体、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリ酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体およびこれらのアイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等を挙げることができる。これらのポリオレフィン系樹脂は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。中でもポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。 【0026】本発明のマウスガードおよびマウスガード用積層シートを構成する耐衝撃吸収性が優れる層には、本発明の効果を損なわない範囲内で、前記した熱可塑性エラストマー以外にポリオレフィン系樹脂を配合することができる。さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、結晶核剤等の各種添加剤も添加することができる。これらの添加剤の使用量は、通常、耐衝撃吸収性が優れる層を構成する樹脂組成物100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲である。また、水添クマロン・インデン樹脂、水添ロジン系樹脂、水添テルペン樹脂、脂環族系水添石油樹脂などの水添系樹脂やオレフィンおよびジオレフィン重合体からなる脂肪族系樹脂などの粘着付与樹脂も添加することができる。これらの粘着付与樹脂の使用量は、通常、耐衝撃吸収性が優れる層を構成する樹脂組成物100重量部に対して200重量部未満の範囲である。 【0027】本発明のマウスガードおよびマウスガード用積層シートを構成する膠着性がない層には、本発明の効果を損なわない範囲内で、前記したポリオレフィン系樹脂以外に熱可塑性エラストマーを配合することができる。さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、結晶核剤等の各種添加剤を添加することができる。これらの添加剤の使用量は、通常、膠着性がない層を構成する樹脂組成物100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲である。 【0028】また本発明のマウスガードおよびマウスガード用積層シートを構成する各樹脂層は、所望により、過酸化物等を用いた通常の架橋方法により架橋して使用することも可能である。 【0029】本発明のマウスガードおよびマウスガード用積層シートを構成する各樹脂層に、各種添加剤等を配合する場合には、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどの混練機を用いて調製することができる。 【0030】本発明のマウスガードは、例えば、下記の2通りの方法で作製することができる。2通りの方法ともに、あらかじめ従来と同様の方法により使用者の顎の印象採得を行う。例えば既製のトレイを用いて、アルジネート印象材で使用者の顎の印象採得を行う。それから、印象採得したトレイに石膏を注入し、硬化させ、顎模型を作製しておく。マウスガードを作製する一つ目の方法は、あらかじめ積層シートを作製し、この積層シートをヒーターにより軟化後、真空成形等により使用者の顎模型に沿わせ、使用者の口腔内に適合したマウスガードを作製する方法である。真空成形のほか、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形などを用いることができる。二つ目の方法は、顎模型より樹脂を注入することが可能な凹型の積層用の型を作製し、その中に順次各層を注入し、積層構造を有するマウスガードを作製する。樹脂を注入する方法は、2色成形(射出成形)または注射器等により逐次注入する方法である。 【0031】上記の積層シートの各層は押出成形、カレンダー成形、プレス成形、射出成形などの任意の成形法によって成形することができる。また、積層シートとする場合は、共押出成形、ラミネート成形、2色成形、プレス成形など同時にまたは逐次に積層シートとすることができる。 【0032】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例における試験方法は以下の方法を採用した。 【0033】(スチレン含有量)重合に使用した各モノマー成分の重量から算出した。 【0034】(数平均分子量)GPC測定によりポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を求めた。 【0035】(ビニル結合含有量)水添前のブロック共重合体を重水素化クロロホルム(CDCl3)に溶解して1H−NMRスペクトルを測定し、1,2−結合と3,4−結合に対応するピークの大きさからビニル結合含有量を算出した。 【0036】(水素添加率)水素添加前後におけるブロック共重合体のヨウ素価を測定し、その測定値より算出した。 【0037】(引張試験)JIS K6251のダンベル状3号形を用い、機械的強度測定装置にて試験速度200mm/min、チャック間距離70mm、標線間距離25mm、試験片温度23℃にて引張破断強さ、引張破断伸び、引張弾性率を測定した。 【0038】(テンサイル衝撃強度)ASTM D1822のダンベルタイプLを用い、ハンマ重量3.970kg、ハンマの軸心と重心間距離22.06cm、ハンマの持ち上げ角135°、試験片温度37℃にてテンサイル衝撃強度を測定した。 【0039】(引裂試験)JIS K6252の切り込みありのアングル型を用い、試験速度500mm/min、試験片温度37℃にて引裂強さ、破断時の伸びを測定した。 【0040】(デュロメータ硬さ試験)JIS K6253に基づき、2mm厚のシート3枚を重ねて測定した。試験片温度25.5℃、タイプAのデュロメータを用いて測定した。 【0041】実施例1スチレン系熱可塑性エラストマー〔ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン型のブロックポリマーの水添物で、スチレン含有量は20重量%、数平均分子量は103000、ビニル結合含有量は70%、水添率は0%であった〕を150℃にてプレス成形し、1mm厚のシートを得た。低密度ポリエチレン[カーネル5S560(商品名)、日本ポリケム製]を150℃にてプレス成形し、1mm厚のシートを得た。この2枚のシートを150℃にてプレス成形し積層シートを得た。このシートを用いて引張試験、テンサイル衝撃試験、引裂試験、デュロメータ硬さ試験を行った。結果を表1に示す。 【0042】実施例2スチレン系熱可塑性エラストマー〔ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン型のブロックポリマーの水添物で、スチレン含有量は20重量%、数平均分子量は103000、ビニル結合含有量は70%、水添率は0%であった〕を150℃にてプレス成形し、1mm厚のシートを得た。低密度ポリエチレン[エンゲージ8402(商品名)、日本ポリケム製]を150℃にてプレス成形し、1mm厚のシートを得た。この2枚のシートを150℃にてプレス成形し積層シートを得た。このシートを用いて実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。 【0043】実施例3実施例1および実施例2で作製した積層シートを用いて、設定温度150℃で軟化し、真空成形にて顎模型に沿わせマウスガードを作製した。これらのマウスガードは薄く装着感が良好であり、膠着感がなく取扱い性に優れ、表面に埃、汚れ等が付きにくく清潔であった。また、使用時についた傷に起因するシートの破断が発生しにくく、耐久性に優れていた。 【0044】比較例1市販品〔エチレン・酢酸ビニル共重合体(以後EVAと記載)、サンスター製〕を150℃でプレス成形し、2mm厚のシートを得た。このシートを用いて実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。 【0045】 【表1】
【0046】表1より明らかなように、実施例1および2の積層シートは比較例1のEVA製シートよりも衝撃強さ、引裂強さが優れており、耐衝撃性、耐久性に優れていることがわかる。 【0047】 【発明の効果】本発明により、従来のEVAよりも外部圧力を十分に緩和し、歯牙、顎骨を防護するのに適しており、低膠着性、取扱い性、清潔性、耐久性(耐引裂性)に優れ、従来のものよりも薄く装着感の良いマウスガード、および該マウスガードの製造に好適なマウスガード用積層シートが提供される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001085 【氏名又は名称】株式会社クラレ
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| 【出願日】 |
平成13年6月1日(2001.6.1) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−355352(P2002−355352A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月10日(2002.12.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−166449(P2001−166449) |
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