| 【発明の名称】 |
ゴルフボール |
| 【発明者】 |
【氏名】樋口 博士
【氏名】南馬 昌司
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】(a)シス1,4結合を60%以上有するポリブタジエンであって、そのムーニー粘度(ML1+4(100℃))をMLとし、かつその25℃における5質量%トルエン溶液の粘度をη(mPa・s)としたとき、η≧20×ML−600の関係を満足するポリブタジエンを10〜90質量%配合する基材ゴムと、不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、有機過酸化物とを配合したゴム組成物の加熱成形物を構成要素として具備してなることを特徴とするゴルフボールを提供する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)シス1,4結合を60%以上有するポリブタジエンであって、そのムーニー粘度(ML1+4(100℃))をMLとし、かつその25℃における5質量%トルエン溶液の粘度をη(mPa・s)としたとき、η≧20×ML−600の関係を満足するポリブタジエンを10〜90質量%配合する基材ゴムと、不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、有機過酸化物とを配合したゴム組成物の加熱成形物を構成要素として具備してなることを特徴とするゴルフボール。 【請求項2】 上記(a)成分のポリブタジエンが希土類元素系触媒を用いて合成されたものである請求項1記載のゴルフボール。 【請求項3】 上記(a)成分のポリブタジエンが希土類元素系触媒を用いて合成され、次いで末端変性剤で反応させたものである請求項1又は2記載のゴルフボール。 【請求項4】 上記基材ゴムが、上記(a)成分以外のポリブタジエンとして、(b)ムーニー粘度が55以下のポリブタジエン90〜10質量%を配合してなるものである請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ブタジエンゴム分子のリニアリティ(線状性)が高いポリブタジエンを用いた成形物を具備し、反発性に非常に優れたゴルフボールに関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来より、ゴルフボールに対しては、優れた反発性を付与するために、基材ゴムとして使用されるポリブタジエンの配合を種々改良することが行われている。 【0003】例えば、特開昭62−89750号公報には、基材ゴムとして、Ni,Co触媒を用いて合成したムーニー粘度が70〜100のポリブタジエンと、ランタン系触媒で合成したムーニー粘度が30〜90のポリブタジエン又はNi,Co触媒を用いて合成したムーニー粘度が20〜50のポリブタジエンとを配合してなるソリッドゴルフボール用ゴム組成物が提案されている。 【0004】しかしながら、上記提案は、反発性に更なる改良が求められている。 【0005】また、特開平2−268778号公報には、VIII族触媒で合成したムーニー粘度が50未満のポリブタジエンと、ランタニド触媒で合成したムーニー粘度が50未満のポリブタジエンとを配合して形成したゴルフボールが提案されているが、得られるゴルフボールの反発性が劣るものである。 【0006】更に、特開平11−70187号公報には、低ムーニー粘度のポリブタジエンにて中間層が形成されたマルチピースソリッドゴルフボール、特開平11−319148号公報には、Ni,Co触媒を用いて合成したムーニー粘度が50〜69のポリブタジエンとランタノイド系触媒を用いて合成したムーニー粘度が20〜90のポリブタジエンとを配合したゴム組成物にて形成されたソリッドゴルフボール、特開平11−164912号公報には、1,2ビニル結合2.0%以下とし、重量平均分子量と数平均分子量との比Mw/Mnが3.5以下のゴム組成物にて形成されたソリッドゴルフボール、特開昭63−275356号公報には、高ムーニー粘度のポリブタジエンが配合されたゴム組成物にて形成されたゴルフボール、特開平3−151985号公報には、数平均分子量が高いポリブタジエンと低いポリブタジエンとを配合してなるゴム組成物にて形成されたゴルフボールが提案されているが、いずれの提案も反発性に満足するものとはいえない。 【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ブタジエンゴム分子のリニアリティ(線状性)が高いポリブタジエンを用いた成形物を具備し、反発性に非常に優れたゴルフボールを提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意検討を行った結果、(a)シス1,4結合を60%以上有するポリブタジエンであって、そのムーニー粘度(ML1+4(100℃))をMLとし、かつその25℃における5質量%トルエン溶液の粘度をη(mPa・s)としたとき、η≧20×ML−600の関係を満足するポリブタジエンを10〜90質量%配合する基材ゴムと、不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、有機過酸化物とを配合したゴム組成物は、基材ゴム中に配合したゴム分子のリニアリティ(線状性)の非常に高いポリブタジエンと上記他の材料とを併せることによる相乗効果で反発性に非常に優れた加熱成形物を得ることができ、この加熱成形物を具備したゴルフボールは、非常に優れた反発性を有し、飛距離の増大化を図ることができるものであることを知見し、本発明をなすに至った。 【0009】従って、本発明は、下記ゴルフボールを提供する。 〔請求項1〕(a)シス1,4結合を60%以上有するポリブタジエンであって、そのムーニー粘度(ML1+4(100℃))をMLとし、かつその25℃における5質量%トルエン溶液の粘度をη(mPa・s)としたとき、η≧20×ML−600の関係を満足するポリブタジエンを10〜90質量%配合する基材ゴムと、不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、有機過酸化物とを配合したゴム組成物の加熱成形物を構成要素として具備してなることを特徴とするゴルフボール。 〔請求項2〕上記(a)成分のポリブタジエンが希土類元素系触媒を用いて合成されたものである請求項1記載のゴルフボール。 〔請求項3〕上記(a)成分のポリブタジエンが希土類元素系触媒を用いて合成され、次いで末端変性剤で反応させたものである請求項1又は2記載のゴルフボール。 〔請求項4〕上記基材ゴムが、上記(a)成分以外のポリブタジエンとして、(b)ムーニー粘度が55以下のポリブタジエン90〜10質量%を配合してなるものである請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。 【0010】以下、本発明について、更に詳しく説明すると、本発明のゴルフボールは、ゴム組成物の加熱成形物を具備するもので、このゴム組成物は、基材ゴムとしてのポリブタジエン成分として、(a)シス1,4結合を60%以上有するポリブタジエンであって、そのムーニー粘度(ML1+4(100℃))をMLとし、かつその25℃における5質量%トルエン溶液の粘度をη(mPa・s)としたとき、η≧20×ML−600の関係を満足するポリブタジエンを10〜90質量%配合する基材ゴムを必須成分とするものである。 【0011】ここで、まず、上記(a)成分のポリブタジエンは、シス1,4結合を60%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上有するものであることが必要である。シス1,4結合が少なすぎると反発性が低下する。 【0012】本発明の(a)成分のポリブタジエンは、そのムーニー粘度(ML1+4(100℃))をMLとし、その25℃における5質量%トルエン溶液の粘度をη(mPa・s)としたとき、η≧20×ML−600好ましくは、η≧20×ML−580更に好ましくは、η≧20×ML−560最も好ましくは、η≧20×ML−540の関係を満たすポリブタジエンを使用することが必要で、このようにηとMLとが適正化されたポリブタジエンは、ポリブタジエン分子のリニアリティ(線状性)が高いので、成形物に対し非常に優れた反発性を付与することができる。 【0013】また、(a)成分ηの上限としては、通常、η≦20×ML−100好ましくは、η≦20×ML−150更に好ましくは、η≦20×ML−200最も好ましくは、η≦20×ML−250の関係を満たすポリブタジエンの使用が推奨される。 【0014】なお、本発明でいう25℃における5質量%トルエン溶液の粘度η(mPa・s)とは、測定対象のポリブタジエン2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標準液として粘度計構成用標準液(JIS Z8809)を用いて、所定の粘度計により25℃の条件下で測定した値のことをいうものとする。 【0015】また、本発明でいうムーニー粘度とは、いずれも回転可塑度計の1種であるムーニー粘度計で測定される工業的な粘度の指標(JIS−K6300)であり、単位記号としてML1+4(100℃)を用いる。また、Mはムーニー粘度、Lは大ロータ(L型)、1+4は予備加熱時間1分間、ロータの回転時間4分間を示し、100℃の条件下にて測定したことを示す。 【0016】(a)成分のポリブタジエン自体のムーニー粘度(ML1+4(100℃))は、20以上、好ましくは30以上、更に好ましくは40以上、最も好ましくは50以上、上限として80以下、好ましくは70以下、更に好ましくは65以下、最も好ましくは60以下であることが推奨される。 【0017】(a)成分のポリブタジエンは、希土類元素系触媒で合成されたものであることが好ましく、希土類元素系触媒としては、公知のものを使用することができる。 【0018】例えば、ランタン系列希土類元素化合物、有機アルミニウム化合物、アルモキサン、ハロゲン含有化合物、更に、必要に応じルイス塩基の組合せよりなる触媒を挙げることができる。 【0019】上記ランタン系列希土類元素化合物としては、原子番号57〜71の金属ハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコラート、チオアルコラート、アミド等を挙げることができる。 【0020】上記有機アルミニウム化合物としては、例えば、AlR1R2R3(ここで、R1、R2及びR3は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素又は炭素数1〜8の炭化水素残基を表す)で示されるものを用いることができる。 【0021】上記アルモキサンは、下記式(I)又は下記式(II)で示される構造を有する化合物を好適に挙げることができる。この場合、ファインケミカル,23,(9),5(1994)、J.Am.Chem.Soc.,115,4971(1993)、J.Am.Chem.Soc.,117,6465(1995)で示されるアルモキサンの会合体でもよい。 【化1】
(式中、R4は、炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、nは2以上の整数である。) ハロゲン含有化合物としては、AlXnR3-n(ここで、Xはハロゲンを示し、Rは、炭素数が1〜20の炭化水素残基であり、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基であり、nは、1、1.5、2又は3を示す)で示されるアルミニウムハライド、Me3SrCl、Me2SrCl2、MeSrHCl2、MeSrCl3などのストロンチウムハライド、その他、四塩化ケイ素、四塩化スズ、四塩化チタンなどの金属ハライド等が用いられる。 【0022】ルイス塩基は、ランタン系列希土類元素化合物を錯化するのに用いることができ、例えば、アセチルアセトン、ケトンアルコールなどを挙げることができる。 【0023】本発明においては、特に、ランタン系列希土類元素化合物としてネオジウム化合物を用いたネオジウム系触媒の使用が、1,4−シス結合が高含量、1,2−ビニル結合が低含量のポリブタジエンゴムを優れた重合活性で得られるので好ましく、これらの希土類元素系触媒の具体例は、特開平11−35633号公報に記載されているものを好適に挙げることができる。 【0024】希土類元素系触媒の存在下でブタジエンを重合させる場合、溶媒を使用しても、溶媒を使用せずにバルク重合あるいは気相重合してもよく、重合温度は通常−30℃〜150℃、好ましくは10〜100℃とすることができる。 【0025】本発明の(a)成分のポリブタジエンは、上記の希土類元素系触媒による重合に引き続き、ポリマーの活性末端に末端変性剤を反応させることにより得られるものであることが推奨される。これにより、ポリブタジエンのコールドフローを改良し、作業性の向上及びコア耐久性を改良できる場合がある。 【0026】ここで、末端変性剤は、公知のものを使用でき、例えば下記■〜■に記載した化合物を挙げることができる。 ■ R5nM′X4-n、M′X4、M′X3、R5nM′(−R6−COOR7)4-n又はR5nM′(−R6−COR7)4-n(式中、R5及びR6は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、R7は炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基であり、側鎖にカルボニル基又はエステル基を含んでいてもよく、M′はスズ原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はリン原子、Xはハロゲン原子、nは0〜3の整数を示す)に対応するハロゲン化有機金属化合物、ハロゲン化金属化合物又は有機金属化合物、■ 分子中に、Y=C=Z結合(式中、Yは炭素原子、酸素原子、チッ素原子又はイオウ原子、Zは酸素原子、チッ素原子又はイオウ原子を示す)を含有するヘテロクムレン化合物、■ 分子中に下記結合を含有するヘテロ3員環化合物【化2】
(式中、Yは、酸素原子、チッ素原子又はイオウ原子を示す)、■ ハロゲン化イソシアノ化合物、■ R8−(COOH)m、R9(COX)m 、R10−(COO−R11)、R12−OCOO−R13、R14−(COOCO−R15)m 、又は下記式で示されるカルボン酸、酸ハロゲン化物、エステル化合物、炭酸エステル化合物又は酸無水物【化3】
(式中、R8〜R16は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜50の炭素原子を含む炭化水素基、Xはハロゲン原子、mは1〜5の整数を示す)、■ R17l M″(OCOR18)4-l 、R19lM″(OCO−R20−COOR21)4-l、又は下記式で示されるカルボン酸の金属塩【化4】
(式中、R17〜R23は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、M″はスズ原子、ケイ素原子又はゲルマニウム原子、lは0〜3の整数を示す)等を挙げることができる。 【0027】以上の■〜■に示される末端変性剤の具体例及び反応させる方法は、例えば、特開平11−35633号公報又は特開平7−268132等に記載されているもの及び方法を挙げることができる。 【0028】本発明の(a)成分は、基材ゴム中に、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、最も好ましくは40質量%以上、上限として90質量%以下、好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、最も好ましくは60質量%以下配合されることが必要である。配合量が上記範囲を逸脱すると、成形物の反発性が低下し、本発明の目的とする作用効果が期待できない。 【0029】本発明の基材ゴム中の(b)成分は、本発明のゴム組成物の必須成分ではなく、本発明の目的を損なわない範囲で所望により配合される成分である。(b)成分の具体例として、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などを挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。好ましくは反発性、押出し作業性等の成形性を付与できることから、(b)成分として(a)成分の以外のムーニー粘度が55以下、好ましくは50以下、更に好ましくは47以下、最も好ましくは45以下、下限としては10以上、好ましくは20以上、更に好ましくは25以上、最も好ましくは30以上のポリブタジエンを好適に配合することができる。 【0030】上記(b)成分のポリブタジエンは、VIII族触媒で合成されたものであることが推奨され、VIII族触媒として、具体的には、下記のニッケル系触媒、コバルト系触媒を挙げることができる。 【0031】ここで、ニッケル系触媒としては、例えば、ニッケルケイソウ土のような1成分系、ラネーニッケル/四塩化チタンのような2成分系、ニッケル化合物/有機金属/三フッ化ホウ素エーテラートのような3成分系のもの等を挙げることができる。なお、ニッケル化合物としては、担体付還元ニッケル、ラネーニッケル、酸化ニッケル、カルボン酸ニッケル、有機ニッケル錯塩などが用いられる。また、有機金属としては、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、1,4−ジリチウムブタン等のアルキルリチウム、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等のジアルキル亜鉛等を挙げることができる。 【0032】また、コバルト系触媒としては、コバルト及びその化合物として、ラネーコバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、酸化コバルト、硫酸コバルト、炭酸コバルト、リン酸コバルト、フタル酸コバルト、コバルトカルボニル、コバルトアセチルアセトネート、コバルトジエチルジチオカルバメート、コバルトアニリニウムナイトライト、コバルトジニトロシルクロリド等を挙げることができ、特にこれらの化合物とジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド等のジアルキルアルミニウムモノクロリド、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルミニウムアルキルセスキクロリド、塩化アルミニウム等との組み合わせを好適に挙げることができる。 【0033】上記VIII族系触媒、特にニッケル系触媒又はコバルト系触媒を用いて重合する場合は、通常、溶剤、ブタジエンモノマーと併せて連続的に反応機にチャージさせ、例えば、反応温度を5〜60℃、反応圧力を大気圧から70数気圧の範囲で適宜選択して、上記ムーニー粘度のものが得られるように操作する方法を挙げることができる。 【0034】本発明の(a)成分中に基材ゴムとして、他のポリブタジエン、特に、上記(b)成分を配合する場合には、通常90質量%以下、好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、最も好ましくは60質量%以下、下限として10質量%以上、好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、最も好ましくは40質量%以上配合することが作業性向上の付与の観点から推奨される。 【0035】本発明は、上記(a)成分のポリブタジエンの配合量を調製した基材ゴムに対し、不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、有機過酸化物とを必須成分として配合するゴム組成物を用いるもので、これにより組成物を加熱成形物とした場合に、成形物に優れた反発性を確実に付与することができ、該成形物を具備するゴルフボールに優れた反発性を付与できる。 【0036】ここで、不飽和カルボン酸として、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸であることが好ましい。 【0037】また、不飽和カルボン酸の金属塩としては、メタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和脂肪酸の亜鉛塩、マグネシウム塩等を配合し得るが、特にアクリル酸亜鉛を好適に使用し得る。 【0038】これら不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常10質量部以上、好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、上限として60質量部以下、好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、最も好ましくは40質量部以下とすることが好ましい。上記配合量が少なすぎると反発性が低下し、多すぎると硬くなりすぎてしまい、耐え難い打感となる場合がある。 【0039】本発明の有機過酸化物は、市販品を挙げることができ、例えば、パークミルD(日本油脂社製)、パーヘキサ3M(日本油脂社製)、Luperco 231XL(アトケム社製)等が挙げられる。必要に応じて2種以上の異なる有機過酸化物を混合して用いてもよい。 【0040】上記有機過酸化物の配合量は、上記(a)成分を必須成分として配合する基材ゴム100質量部に対し、0.1質量部以上、好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、最も好ましくは0.7質量部以上、上限として5質量部以下、好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2質量部以下配合する。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な反発性、打感及び耐久性を得ることができない場合がある。 【0041】本発明のゴム組成物は、上記必須成分以外に必要に応じて比重調整のための無機充填剤を用いることができる。具体例として酸化亜鉛や硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を配合することができ、その配合量は、上記(a)成分を必須成分として配合する基材ゴム100質量部に対し、通常1質量部以上、好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、最も好ましくは7質量部以上、上限として130質量部以下、好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、最も好ましくは40質量部以下とすることが適正な重量及び好適な反発性を得るために推奨される。 【0042】また、任意成分として老化防止剤を配合することができ、例えば、市販品としてノクラックNS−6、同NS−30(大内新興化学工業社製)、ヨシノックス425(吉富製薬社製)等が挙げられる。上記(a)成分を必須成分として配合する基材ゴム100質量部に対し、通常0質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、最も好ましくは0.2質量部以上、上限として3質量部以下、好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、最も好ましくは0.5質量部以下とすることが好適な反発性、耐久性を得ることができる点から推奨される。 【0043】本発明のゴム組成物においては、有機硫黄化合物を配合することもでき、例えば、チオフェノール、チオナフトール、ハロゲン化チオフェノール又はそれらの金属塩を配合することが推奨され、より具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノール等の亜鉛塩、硫黄数が2〜4のジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイルポリスルフィド等が挙げられるが、特に、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ジフェニルジスルフィドを好適に用いることができる。このような、有機硫黄化合物の配合量は、上記(a)成分と(b)成分とを所定量配合した(a)成分を必須成分として配合する基材ゴム100質量部に対し、通常0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、上限として5質量部以下、好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2質量部以下であることが推奨される。 【0044】本発明の加熱成形物は、上述したゴム組成物を、公知のゴルフボール用ゴム組成物と同様の方法で加硫・硬化させることによって得ることができる。加硫条件は、例えば、加硫温度100〜200℃、加硫時間10〜40分にて実施することができる。 【0045】本発明において、上記加熱成形物の硬度は、後述する各種ゴルフボールの使用態様に応じて適宜調整することができ、特に制限されるものではなく、断面硬度は、中心から成形物表面までが平坦であっても中心と成形物表面までに硬度差があってもいずれの場合であってもよい。 【0046】また、上記加熱成形物は、ゴルフボールの態様に拘わらず、980N(100kg)荷重負荷時のたわみ量が、通常2.0mm以上、好ましくは2.5mm以上、更に好ましくは2.8mm以上、最も好ましくは3.2mm以上、上限としては6.0mm以下、好ましくは5.5mm以下、更に好ましくは5.0mm以下、最も好ましくは4.5mm以下であることが推奨され、変形量が少なすぎると、打感が悪くなると共に、特にドライバーなどのボールに大変形が生じるロングショット時にスピンが増えすぎて飛ばなくなり、軟らかすぎると、打感が鈍くなると共に、反発が十分でなくなり飛ばなくなる上、繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなる場合がある。 【0047】本発明のゴルフボールは、上記加熱成形物を構成要素として具備するもので、ボールの態様は、特に制限されるものではなく、上記加熱成形物がゴルフボールに直接適用されるワンピースゴルフボール、加熱成形物をソリッドコアとしかつその表面にカバーが形成されたツーピースソリッドゴルフボール、加熱成形物をソリッドコアとしかつその外側に2層以上のカバーが形成された3ピース以上のマルチピースソリッドゴルフボール、上記加熱成形物がセンターコアとして適用された糸巻きゴルフボール等の種々の態様を採ることができる。特に、加熱成形物の特性を活かし、製造時の押し出し性、製品ゴルフボールに対する反発性付与の観点から、本発明の加熱成形物をソリッドコアとして使用するツーピースソリッドゴルフボール、マルチピースソリッドゴルフボールであることが好適な使用態様として推奨される。 【0048】本発明において、加熱成形物を上記ソリッドコアとする場合、ソリッドコアの直径は30.0mm以上、好ましくは32.0mm以上、更に好ましくは35.0mm以上、最も好ましくは37.0mm以上であり、上限として41.0mm以下、好ましくは40.5mm以下、更に好ましくは40.0mm以下、最も好ましくは39.5mm以下とすることが推奨され、特に、ツーピースソリッドゴルフボールのソリッドコアは、直径は37.0mm以上、好ましくは37.5mm以上、更に好ましくは38.0mm以上、最も好ましくは38.5mm以上であり、上限として41.0mm以下、好ましくは40.5mm以下、更に好ましくは40.0mm以下、スリーピースソリッドゴルフボールのソリッドコアは、直径は30.0mm以上、好ましくは32.0mm以上、更に好ましくは34.0mm以上、最も好ましくは35.0mm以上であり、上限として40.0mm以下、好ましくは39.5mm以下、更に好ましくは39.0mm以下とすることが推奨される。 【0049】上記ソリッドコアの比重は、通常0.9以上、好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.1以上、上限として1.4以下、好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.2以下であることが推奨される。 【0050】本発明のゴルフボールをツーピースソリッドゴルフボール、マルチピースソリッドゴルフボールとする場合には、上記加熱成形物をソリッドコアとして公知のカバー材、中間層材を射出成形又は加圧成形して形成することができる。 【0051】これらカバー材、中間層材主材として、具体的には、熱可塑性又は熱硬化性のポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン系エラストマー又はこれらの混合物等を挙げることができる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができ、特に、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー、アイオノマー樹脂を好適に挙げることができる。 【0052】上記熱可塑性ポリウレタン系エラストマーとしては、市販品を用いることができ、例えばパンデックスT7298,同T7295,同T7890、同TR3080、同T8295、同T8290(DIC・バイエルポリマー社製)などのジイソシアネートが脂肪族又は芳香族であるもの等が挙げられる。また、アイオノマー樹脂の市販品としては、サーリン6320、同8120(米国デュポン社製)、ハイミラン1706、同1605、同1855、同1601、同1557(三井・デュポンポリケミカル社製)等を例示できる。 【0053】更に、上記カバー材又は中間層材の主材に対しては、任意成分として、上記以外の熱可塑性エラストマー等のポリマーを配合することができる。任意成分のポリマーとして、具体的には、ポリアミド系エラストマー、スチレン系ブロックエラストマー、水添ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体等を配合し得る。 【0054】なお、本発明のツーピースソリッドゴルフボール、マルチピースソリッドゴルフボールは、公知の方法で製造することができ、特に制限されるものではないが、ツーピースやマルチピースソリッドゴルフボールとする場合には、上記加熱成形物をソリッドコアとして所定の射出成形用金型内に配備し、ツーピースソリッドゴルフボールの場合には上記カバー材を、マルチピースソリッドゴルフボールの場合には、順に上記中間層材、カバー材を所定の方法に従って射出する公知の方法を好適に採用できる。場合によっては、上記カバー材を加圧成形によって製造することもできる。 【0055】マルチピースソリッドゴルフボールの中間層の厚さは、0.5mm以上、好ましくは1.0mm以上、上限として3.0mm以下、好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2.0mm以下、最も好ましくは1.6mm以下であることが推奨される。 【0056】また、カバーの厚さは、ツーピースソリッドゴルフボール、マルチピースソリッドゴルフボールのいずれであっても0.7mm以上、好ましくは1.0mm以上、上限として3.0mm以下、好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2.0mm以下、最も好ましくは1.6mm以下であることが推奨される。 【0057】本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、直径42.67mm以上、重量45.93g以下に形成することができる。直径の上限として好ましくは44.0mm以下、更に好ましくは43.5mm以下、最も好ましくは43.0mm以下、重量の下限として好ましくは44.5g以上、特に好ましくは45.0g以上、更に好ましくは45.1g以上、最も好ましくは45.2g以上であることが推奨される。 【0058】 【発明の効果】本発明のゴルフボールは、反発性に優れたものである。 【0059】 【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。 【0060】〔実施例1〜7,比較例1〜6〕下記種類■〜■の表1の物性を示すポリブタジエンを材料を、表2に示す組み合わせで配合した各ポリブタジエン100質量部に対し、表2に示すコア材を調製し、ソリッドコア用ゴム組成物を調製した。なお、表2において、ジクミルパーオキサイドはパークミルD(日本油脂社製)、老化防止剤はノクラックNS−6(大内新興化学工業(株)社製)を用いた。 【0061】ポリブタジエン種類■ ポリブタジエン:JSR社製 BR01■ ポリブタジエン:JSR社製 BR11■ ポリブタジエン:宇部興産社製 UBE101■ ポリブタジエン:JSR社製 BR18■ ポリブタジエン:JSR社製 試作グレードHCBN−5■ ポリブタジエン:JSR社製 試作グレードHCBN−2■ ポリブタジエン:JSR社製 試作グレードHCBN−4【0062】 【表1】
【0063】 【表2】
【0064】次いで、上記ソリッドコア用ゴム組成物をニーダ又はロールにて適宜混練し、所定量を押出した時の押出し作業性について下記基準で評価した。結果を表3に示す。 【0065】押出し作業性の評価押出し後のスラグ肌及びスラグ形状について下記基準で評価した。 5 スラグ肌がきれいで非常に良好4 スラグ肌にややざらつきがあるが良好3 スラグ肌に毛羽立ちがあるが押出し可能2 スラグ肌の毛羽立ちが非常に目立つが押出し可能1 スラグの形状不良が起こり、所定量の押出しが困難【0066】上記ソリッドコア材で実施例1〜6及び比較例1〜5については、直径約38.9mm、重量約36.0gのソリッドコアを、実施例7及び比較例6については直径約35.3mm、重量約31.0gのソリッドコアをそれぞれ製造した。加圧成形は、150℃、20分の条件にて行った。 【0067】得られたソリッドコアに対し、980N(100kg)荷重負荷時の変形量、反発性について下記の通り調べた。結果を表3に示す。 980N荷重負荷時のたわみ量ソリッドコアの980N(100kg)荷重負荷時の変形量(mm) 反発性公認機関USGAと同タイプの初速度計にて初速度を測定し、実施例1〜6、比較例1〜5については比較例4の値を基準に、実施例7については比較例6を基準にした時の初速度の差を表した。 【0068】上記ソリッドコアを所定の金型内に配備し、実施例1〜6及び比較例1〜5については、カバー材(ハイミラン1601/ハイミラン1557=50/50)を射出して、直径約42.7mm、重量約45.3gのツーピースソリッドゴルフボールを製造した。また、実施例7及び比較例6については、中間層材(ハイミラン1706/ハイミラン1605=50/50)を射出して直径約38.7mmの中間層被覆コアを製造した後、所定の金型に移してカバー材(ハイミラン1650/サーリン8120=50/50)を射出し、直径約42.7mm、重量約45.3gのスリーピースソリッドゴルフボールを製造した。 【0069】得られたゴルフボールに対して、下記の通り飛び性能を調べた。結果を表3に示す。 ゴルフボール物性打撃マシンにて、ドライバー(W#1)にて、ヘッドスピード45m/sで打撃したときのキャリー、トータルを測定した。 【0070】 【表3】
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| 【出願人】 |
【識別番号】592014104 【氏名又は名称】ブリヂストンスポーツ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月30日(2001.5.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079304 【弁理士】 【氏名又は名称】小島 隆司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−355337(P2002−355337A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月10日(2002.12.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−163067(P2001−163067) |
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