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【発明の名称】 重量バランス調整可能バット
【発明者】 【氏名】木崎 満男

【要約】 【課題】中空バットの重量バランスを連続的に調整可能なバットを提供する。

【解決手段】中空バット1内に、その中空バットの軸方向に沿って移動可能に案内された錘15と、該錘の軸方向位置を調整する錘位置調整手段とを備える。前記中空バットのヘッド部3は、横断面内形状が軸方向に亘って同形に形成されたストレート部3bを有し、該ストレート部内周面3cによって前記錘を軸方向に案内する。前記錘位置調整手段は、前記中空バット先端に、前記軸方向への移動を規制されつつ前記軸中心に回転自在に軸支されるとともに前記錘を貫通して該錘に螺合するねじ13と、前記バットと前記錘との相対回転を規制する相対回転規制手段とからなる。相対回転規制手段は、錘の外周に装着された弾性樹脂素材からなる外郭部19と、この外郭部が摺動する前記ストレート部内周面3cに形成された粗面とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中空バット内に、該中空バットの軸方向に沿って移動可能に案内された錘と、該錘の軸方向位置を調整する錘位置調整手段とを備えたことを特徴とする重量バランス調整可能バット。
【請求項2】 前記中空バットのヘッド部は、横断面内形状が軸方向に亘って同形に形成されたストレート部を有し、該ストレート部内周面によって前記錘を軸方向に案内することを特徴とする請求項1に記載の重量バランス調整可能バット。
【請求項3】 前記錘位置調整手段は、前記中空バット先端に、前記軸方向への移動を規制されつつ前記軸中心に回転自在に軸支されるとともに前記錘を貫通して該錘に螺合するねじと、前記中空バットと前記錘との相対回転を規制する相対回転規制手段とからなることを特徴とする請求項2に記載の重量バランス調整可能バット。
【請求項4】 前記相対回転規制手段が、錘の外周に装着された弾性樹脂素材からなる外郭部と、該外郭部が摺動する前記ストレート部内周面に形成された粗面とからなることを特徴とする請求項3に記載の重量バランス調整可能バット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中空バットの重量バランスを調整可能なバットに関する。
【0002】
【従来の技術】野球やソフトボール等に使用される金属バットは、内部が中空に形成されている。かかる中空バットの特性は、長さ、重量、および重量バランスによって主に決定される。このため、メーカーは、これら長さ、重量、および重量バランスのそれぞれについて3〜5段階に分けて中空バットを用意しており、使用者は、打撃力等の自身の能力に合う中空バットを、前記区分の中から選択して使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記区分は前述のように限られており、真に自分に適合するバットの選定はできない。特に、振り易さおよび飛距離に影響する前記重量バランスにあっては、通常は、バットの先端側に重心があるトップバランス、トップバランスに比べて手元側に重心があるカウンターバランス、これらの中間に重心があるミドルバランスというように3段階でしか用意されておらず、真にしっくりくる振り易さを得るのは難しかった。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、中空バットの重量バランスを連続的に変更調整可能なバットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、中空バット内に、該中空バットの軸方向に沿って移動可能に案内された錘と、該錘の軸方向位置を調整する錘位置調整手段とを備えたことを特徴とする。上記発明によれば、前記錘位置調整手段によって、中空バット内の錘をそのバットの軸方向に移動してバットの重心位置を任意に連続的に変更することができる。よって、重量バランスを連続的に変更調整することができる。
【0006】請求項2に示す発明は、請求項1に記載の重量バランス調整可能バットにおいて、前記中空バットのヘッド部は、横断面内形状が軸方向に亘って同形に形成されたストレート部を有し、該ストレート部内周面によって前記錘を軸方向に案内することを特徴とする。上記発明によれば、前記錘は、中空バットのストレート部の内周面に案内されているので、軸方向移動を円滑にすることができる。また、錘の移動を案内するガイドロッドやガイドレールの如き案内部材を追設しなくて済み、構成部品を少なくすることができる。
【0007】請求項3に示す発明は、請求項2に記載の重量バランス調整可能バットにおいて、前記錘位置調整手段は、前記中空バット先端に、前記軸方向への移動を規制されつつ前記軸中心に回転自在に軸支されるとともに前記錘を貫通して該錘に螺合するねじと、前記中空バットと前記錘との相対回転を規制する相対回転規制手段とからなることを特徴とする。上記発明によれば、前記ねじを中空バットに対して相対回転することによって、前記ねじと螺合する前記錘を軸方向に移動することができる。よって、錘の位置を容易に変更することができる。
【0008】請求項4に示す発明は、請求項3に記載の重量バランス調整可能バットにおいて、前記相対回転規制手段が、錘の外周に装着された弾性樹脂素材からなる外郭部と、該外郭部が摺動する前記ストレート部内周面に形成された粗面とからなることを特徴とする。上記発明によれば、前記ストレート部内周面が粗面に形成されているので、これに案内されて摺動する錘の外郭部との間には大きな摩擦力が作用するようになっている。よって、前記ねじ回転時に、ねじと共に錘が供回りすることが防止され、このねじの回転によって速やかに錘の位置を変更することができる。また、前記内周面を粗面にすることで、前記相対回転規制手段となすことができるので、当該相対回転規制部材を別部材で構成する必要はなく、構成部品を少なくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態について詳述する。図1は、本発明の一実施形態の重量バランス調整可能バットを示す図であって、図1(a)はヘッド側から見た図を、図1(b)は図1(a)中のB−B線矢視の縦断面図を示す。尚、図1(b)中では、ねじは側面図にて、また錘はその一部を破断して示している。また、図2は同重量バランス調整可能バットの全体を、その一部破断して示す側面図である。
【0010】図2に示すように、本実施形態の中空バット1はアルミニウム合金によって一体的に形成された中空円筒体であり、大径のヘッド部3と、小径のグリップ部7と、その間のテーパー部5とから構成される。前記グリップ部7の端部には、グリップエンド9が一体的に形成されて前記端部が閉口される一方、前記ヘッド部3の開口した先端は、先端キャップ11が固定されて閉口される。
【0011】この先端キャップ11は、図1に示すようにドーム形状をなし、その下端には円環状の溝部11aが刻設されている。そして、この溝部11aが、前記ヘッド部3先端から径方向内方に突出する円環状部3aに係合することによって、前記先端キャップ11はヘッド部3先端に固定される。この先端キャップ11は、透明な樹脂にて形成されており、後記する錘15の位置を、この透明な先端キャップ11を通して視認可能になっている。但し、意匠上の理由から、ヘッド部3と同一色というように有色としても良い。
【0012】この先端キャップ11の中心には、後記ねじ13が挿通される円孔11bが貫通形成される。この円孔11bの周囲は円形にへこんでいて、このへこみ部11cは、前記ねじ13の頭部13bを収容する座ぐりとして機能する。この円孔11bに挿通されてヘッド部3の軸方向に延在する前記ねじ13は、その頭部13bと、その軸部13cに装着されたE型止め輪14aとで前記へこみ部11cを挟むようになっており、これによって、このねじ13は、先端キャップ11に対して、軸方向の移動を規制されつつ、軸中心に回転自在となっている。
【0013】ねじ頭部13b端面には、プラスの溝13dが刻設され、ねじ回しによって前記ねじ13を容易に回転できるようになっている。また、前記座ぐりに収容されたねじ頭部13bは、前記座ぐりを覆ってこれに嵌合されるねじキャップ12によって覆われて外見に現れないので、美的外観に優れる。
【0014】前記ヘッド部3は、その先端から軸方向の所定範囲に亘って同一内径に形成されたストレート部3bを有し、このストレート部内周3cには、円盤型の錘15が、ヘッド部3の軸方向に摺動可能に嵌挿されている。この錘15は、錘として機能する鉄製の円盤形状の芯部17と、この芯部17の全周を同軸に覆って環状に形成されて緩衝材として機能する外郭部19とからなる。この外郭部19は、バット1を振った際に生じる錘15の振動を吸収するものであり、発泡樹脂やスポンジゴム等の弾性素材にて形成される。また、この外郭部19は柔軟に弾性変形できるので、これと当接するヘッド部3の打撃時の扁平変形を一切拘束しない。このため、錘15の存在によってバット1の反発係数が変化することはない。
【0015】この錘15の外径は、前記ストレート部3bの内径よりも若干大径に形成され、この錘15がストレート部3b内に嵌挿された状態にあっては、前記外郭部19は弾性の縮径変形をしている。よって、かかる嵌挿状態では、常にストレート部3bには外郭部19の復元力が作用し、これに起因して、これらストレート部3bと外郭部19との間には摩擦力が作用し、この摩擦力が、これらの間の相対回転を規制する回り止めとして機能する。また、ストレート部3bの内周面3cには、相対回転規制手段としての前記軸方向の縦筋加工がなされていて、前記回り止め機能を強化するとともに、錘15の軸方向への移動を円滑にする。
【0016】この錘15の中心には、これを貫通して前記ねじ13と同軸に雌ねじ(図示なし)が形成されている。この雌ねじには、前記先端キャップ11の中心に回転自在に軸支された前記ねじ13が螺合していて、このねじ13を回転することによって、前記ストレート部3bとの相対回転を規制された前記錘15が、軸方向へ連続的に移動するようになっている。尚、このねじ13の軸部端には、E型止め輪14bが装着されており、グリップエンド方向への錘15の脱落を防止する。
【0017】ここで、かかる重量バランス調整可能バット1の使用方法ついて説明する。このバット1の使用者は、前記ねじキャップ12を取り外し、次いでねじ回しによって前記ねじ13を回転させて錘15の位置を変更し、重心バランスを変更する。そして、素振りをして、その感触からしっくりくる重心バランスの方向に錘15の位置を再度変更する。この重心バランスの変更および素振りを繰り返して、使用者は、当該バット1を、自身の最適な重量バランスに調整することができる。
【0018】かかる調整後、実際にこのバット1によってバッティングをするのであるが、その際には、前記錘15の位置でボールを打っても、前記錘15の外郭部19は柔軟に圧縮変形する。このため、バット1のヘッド部3の扁平変形は、前記錘15によって一切拘束されないので、錘15の存在によってバット1の反発係数が変化することはない。また、バット1を振った際に生じる錘15の振動は、前記外郭部19によって吸収されるため、これを使用者が体感することはない。
【0019】尚、前記ストレート部3b内周面3cに目盛りを付けておけば、前記透明な先端キャップ11を介して、自身の最適な錘15の位置を認識できる。よって、次回にこの重量バランスに設定する際には、単にその目盛りに錘15を位置合わせするだけで良く、短時間で設定できる。
【0020】以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0021】(a)本実施形態では、バット1をアルミニウム合金にて形成したが、中空なバットであればこれに限るものではなく、その素材としては、要求仕様に応じて、木、金属、および繊維強化プラスチック等を用いることができる。尚、前記金属としては、アルミニウム合金以外に、アルミニウム、チタニウム、チタニウム合金等があげられ、前記繊維強化プラスチックとしては、カーボンファイバー、グラスファイバー等にて強化されたプラスチック等があげられる。
【0022】(b)本実施形態では、前記ヘッド部3の内周3cを横断面円形状にするとともに、この内周3cに嵌挿される錘15の外周を同じく横断面円形状にしたが、錘を軸方向に案内できればこれに限るものではなく、すなわち、ヘッド部3の内周3cの横断面形状と錘15の外周の横断面形状とが同じであればこれに限るものではない。例えば、ヘッド部3における内周3cの横断面を若干楕円形状にするとともに、これに合わせて錘15の外周を横断面楕円形状にしても良い。尚、この場合は、この楕円形状によって、ヘッド部3と錘15との間の相対回転が規制されて、前記相対回転規制手段となる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に示す発明によれば、重量バランスを連続的に変更調整可能なので、使用者は、バットの重量バランスを自身の最適値に設定することができて、バットをとても振り易くなる。また、一本のバットで、長距離打者用や中距離打者用といった任意の重量バランスに調整できるので、試合の度に、重量バランスの異なる多数のバットを準備しなくて済み利便性が高い。
【0024】請求項2に示す発明によれば、錘を軸方向移動を円滑にすることができるので、重量バランスを容易に調整することができる。また、構成部品を少なくすることができるので、製造単価を安価にできる。
【0025】請求項3に示す発明によれば、錘の位置を容易に変更できるので、重量バランスを容易に調整することができる。
【0026】請求項4に示す発明によれば、前記ねじの回転によって速やかに錘の位置を変更できるので、重量バランスを速やかに調整することができる。また、構成部品を少なくすることができるので、製造単価を安価にできる。
【出願人】 【識別番号】501174815
【氏名又は名称】木崎 満男
【出願日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【代理人】 【識別番号】100071283
【弁理士】
【氏名又は名称】一色 健輔 (外3名)
【公開番号】 特開2002−325873(P2002−325873A)
【公開日】 平成14年11月12日(2002.11.12)
【出願番号】 特願2001−132779(P2001−132779)