| 【発明の名称】 |
ゴルフクラブ |
| 【発明者】 |
【氏名】長谷川 宏
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| 【要約】 |
【課題】スイング時のヘッドスピードを向上させ、手および腕の疲労感を減少させる。
【解決手段】シャフト2の後端部2bにグリップ4を有するゴルフクラブである。前記グリップ4は、その後端から該グリップの全長さLの少なくとも10%以上かつ40%以下の範囲をなす後端側領域でのグリップ外径が27〜33mmである。またグリップの全長さに亘ってグリップの外径A(mm)とグリップのJISA硬さB(度)との比(A/B)を0.30〜0.90とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】シャフトの前端部にヘッドをかつ後端部にグリップを有するゴルフクラブであって、前記グリップは、その後端から該グリップの全長さLの10%以上かつ40%以下の範囲をなす後端側領域でのグリップ外径が27〜33mmであり、かつグリップの全長さに亘ってグリップの外径A(mm)とグリップのJISA硬さB(度)との比(A/B)が0.30〜0.90であることを特徴とするゴルフクラブ。 【請求項2】前記グリップは、前記後端側領域におけるグリップ外径が27〜30mmであり、かつグリップの全長さに亘ってシャフトの前端部側に向かってグリップ外径が漸増する逆テーパ部がないことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブ。 【請求項3】前記グリップは、グリップの前端から該グリップの全長さLの40%の領域である前端側領域の外径が26〜27mmであることを特徴とする請求項1又は2記載のゴルフクラブ。 【請求項4】前記比(A/B)が0.45〜0.67である請求項1乃至3のいずれか1に記載のゴルフクラブ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、グリップの外径と硬さとを適切に規制することでスイング時のヘッドスピードを向上させ、手および腕の疲労感を減じうるゴルフクラブに関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ゴルフ競技においては、ヘッドスピードが大きいほど打球の飛距離が伸び有利である。従来より、ヘッドスピードを高めるために、様々な方法が考えられており、例えばクラブ全長を長くして遠心力の助けを借りる方法や、或いはシャフトのヘッド側の剛性を小さくし、シャフトのしなりを利かせる方法等が提案されている。しかしながら、ゴルファの体格、筋力等がそれぞれ異なるため、各人毎にスイングの特性も異なり、上記の方法が必ずしもヘッドスピードの向上に適合するわけではない。 【0003】一方で、発明者らが種々調査したところ、人間には握りやすいと感じるグリップの外径が存在しており、このグリップの外径は意外にも現在頻繁に使用されているものより大きいことが判明した。そして、このようなやや太いグリップを用いてスイングすると、グリップを把持する手に作用する圧力が小さくなり、さらにヘッドスピードが向上することが判った。このように、グリップの外径を適切に規制することにより、ヘッドスピードは向上しうる。 【0004】ところで、従来にもグリップの外径を太く設定することが、例えば特開平9−299524号公報などに記載されている。しかしながら、グリップの外径を従来に比して大としても、その硬さが適切でないと、上記効果を十分に期待することができない。即ち、グリップが柔らかすぎると、手とグリップとの間にズレが生じたり、或いは握り難いと感じるなど、スイング時に違和感を覚え打球の方向が定まらない場合がある。また、逆にグリップが硬すぎると、握りずらくなったり、或いは打球時の衝撃を受けやすく手の疲労の原因になったりするなど好ましくない。このように、ヘッドスピードを向上させるためには、単にグリップ外径を規制するだけでは足りず、グリップを握ったときの硬さが非常に重要となる。 【0005】本発明は、以上のような実状に鑑み案出なされたもので、グリップの外径とその部分での硬さの関係を適切に規制することを基本として、スイング時のヘッドスピードを向上でき、手および腕の疲労感がなく、打球の方向安定性に優れるゴルフクラブを提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記載の発明は、シャフトの前端部にヘッドをかつ後端部にグリップを有するゴルフクラブであって、前記グリップは、その後端から該グリップの全長さLの10%以上かつ40%以下の範囲をなす後端側領域でのグリップ外径が27〜33mmであり、かつグリップの全長さに亘ってグリップの外径A(mm)とグリップのJISA硬さB(度)との比(A/B)が0.30〜0.90であることを特徴としている。 【0007】また請求項2記載の発明は、前記グリップは、前記後端側領域におけるグリップの外径が27〜30mmであり、かつグリップ全長さに亘ってシャフトの前端部側に向かってグリップ外径が漸増する逆テーパ部がないことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブである。 【0008】また請求項3記載の発明は、前記グリップは、グリップの前端から該グリップの全長さLの40%の領域である前端側領域の外径が26〜27mmであることを特徴とする請求項1又は2記載のゴルフクラブである。 【0009】また請求項4記載の発明は、前記比(A/B)が0.45〜0.67である請求項1乃至3のいずれか1に記載のゴルフクラブである。 【0010】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。図1は本実施形態のゴルフクラブの正面図、図2はその後端の断面図、図3は図2のX−X断面図をそれぞれ示している。図において、ゴルフクラブ1は、シャフト2と、このシャフト2の前端部2a(チップ部)に固着されたヘッド3と、前記シャフト2の後端部2b(バット部)に取り付けられたグリップ4とから構成されたウッド型のものを例示している。 【0011】前記シャフト2は、例えば繊維強化樹脂(FRP)、金属、木、樹脂等を用いて構成でき、本例では繊維強化樹脂からなるとともに、図2、図3に示すように内部を中空とした断面円形のパイプ状のものを例示している。なおシャフト2の長さ、硬さ、材質などは必要に応じて種々のものが採用できる。 【0012】前記グリップ4は、図2に示すように、前記シャフト2の外周面を覆う筒状の主部4aと、この主部4aの後端側を透孔5を残して閉塞する閉塞部4bとを一体に具えて構成されている。該グリップ4は、例えばゴム、合成樹脂、天然又は人工皮革、コルク等を用いて形成することができ、本実施形態ではゴムからなるものが例示されている。また本実施形態のグリップ4は、その全長さLに亘り前端側に向かって外径を徐々に減じるテーパ状で形成されている。前記長さLは、例えば150〜300mm、好ましくは200〜300mm程度に設定される。 【0013】本実施形態のグリップ4は、その後端4eから該グリップの全長さLの10%以上かつ40%以下の範囲Laをなす後端側領域6でのグリップの外径Aが27〜33mmに設定される。なおグリップ4の後端4eは、図2に示すように、閉塞部4bの最後端ではなく、把持可能な部分の最後端位置として定める。一般に、右利きゴルファを例に挙げると、左腕がスイングをする方向にありかつグリップ4のほぼ前記後端側領域6を左手で握ることになる。また左手のグリップを握る把持力は右手のそれよりも大きい。そして、ゴルフスイングは、このような後端側領域6を握る左手が主体となって行われるため、スイングの安定させるためには。この左手(グリップ後端側領域6を握る手)の動きを安定させることが重要になる。 【0014】そして、発明者らの種々の実験の結果、前記グリップ4の後端側領域6の外径を上述の範囲に規制することにより、スイング中の左手の手首の角度変化を小さくでき、スイングを安定させて打球の方向性をも向上しうることが見出された。前記後端側領域6でのグリップ外径Dが27mm未満であると、従来のグリップと大差がなく、スイング中に主体となる腕の手首とグリップ4との相対角度の変化が大きくなるためスイングがぶれやすくなり、逆に33mmを超えると、グリップ4の外径Aが過度に大きくなって掌でグリップを覆うことが困難となり自然なスイングを行うことができない。このような観点より、特に好ましくは前記後端側領域6でのグリップの外径Aは、27〜31mm、さらに好ましくは27〜30mmとすることが望ましい。そして、このような外径Aは、左手が密着する部分である前記グリップ4の後端側領域6の全範囲において満たされることが必要となる。 【0015】なおグリップ4には、掌との摩擦を高めるために種々の凹凸模様が付されており、またシャフト2との間にバックラインなどが埋め込まれるときがあるなど断面が非円形になる場合がある。従って、このような場合、グリップ4の外径Aは、ノギス等でグリップ4の最大径と最小径とを測定し、その平均値を用いることとする。 【0016】また本実施形態の後端側領域6は、前端部2a側に向かって外径を徐々に減じるテーパ部9からなるものが例示される。後端側領域6は、上記外径Aを有するものであれば、その形状は特に限定されない。例えば図4に示す如く、後端側領域6が実質的に等しい外径で連続する等径部10で形成されても良い。この場合、比較的手の大きなゴルファや野球に熟練したゴルファなどに好適なグリップ形状となる。また図5に示すように、グリップ4の後端側領域6は、テーパ部9と等径部10とをともに含むものとしても構成しうる。さらに図6に示すように、テーパ部9を後端側に等径部10を前端部側に配することもできる。図5、図6に示した態様では、掌との密着性が確保され易く、よりスイングを安定化させるのに役立つ。 【0017】またグリップ4は、グリップの全長さに亘って前記シャフトの前端部2a側に向かってグリップ外径が漸増するようないわゆる逆テーパ部がないことが好ましい。このような逆テーパ部は、握った際に違和感を感じやすくかつ十分な把持力が得られ難い。従って、後端側領域6は、テーパ部9、等径部10又はこれらの組み合わせのいずれかによって形成しうる。 【0018】また本発明のゴルフクラブ1は、グリップ4の全長さLに亘ってグリップ4の外径A(mm)とグリップのJISA硬さB(度)との比(A/B)を0.30〜0.90に設定することを特徴事項の一つとしている。発明者らの独自のテストの結果、前記比(A/B)を上述の範囲に限定することにより、握り易さを向上でき、特にクラブを繰り返し使用した場合における手指の疲労感を大幅に軽減しうることを見出した。 【0019】すなわち、前記比(A/B)が0.30未満になると、グリップ外径Aに対するグリップの硬さが過大となり、例えばスイング中に生じる掌とグリップとの間の摩擦で手指の損傷や痛みが生じやすくなる他、握った際のフィーリングも硬く感じられるため好ましくない。逆に前記比(A/B)が0.90よりも大になると、グリップの外径Aに対するグリップの硬さが不足し、把持が不安定となって手の中でグリップが動きやすくなる。したがって、スイング中に手首とグリップのと角度変化が生じやすい。このような観点より、前記比(A/B)は、より好ましくは0.40〜0.90、さらに好ましくは0.45〜0.67とすることが望ましい。 【0020】本実施形態のグリップ4は、そのJISA硬さBが、グリップ4の後端4eから前端部4s側に向かって徐々に大となるものを例示している。例えばグリップ4の後端4eでのJISA硬さB1と、グリップ4の前端4sでのJISA硬さB2との比(B2/B1)は、1.1〜3.0、より好ましくは1.2〜2.5、さらに好ましくは1.2〜1.5程度とするのが望ましい。つまり、グリップ4において、把持力が大きくなる後端4e側部を柔らかく形成する一方、把持力が小さくなり易い先端部4s側を硬く形成することにより、スイング中の掌とグリップ4との遊びを無くしつつ把持フィーリングを向上できる。またグリップ4の強く握る部分の硬さが相対的に低いため、手指の疲労感、傷付きなどが効果的に防止できる点でも好ましい。なおこのように部分的に硬さが異なるグリップ4は、例えば配合が異なるゴムを用いることによって容易に成形しうる。 【0021】またゴムのJISA硬さは、JIS K−6253に規格があり、試験片等の寸法が規定されているが、本発明におけるグリップ4のJISA硬さは、図7に示すように、グリップ(ゴムであるか否かを問わない)の外表面にデュロメータ(タイプA)11を押し当てて測定する。このような測定の方が、グリップ4を握った際の硬さをより適切に表すことができる。なおデュロメータを押し当てる位置Pの押し込み方向の延長線上にシャフトの中心CLが位置するように設定する。 【0022】また本実施形態のグリップ4は、グリップ4の前端4sから該グリップ4の全長さLの40%の領域である前端側領域7の外径を26〜27mmに設定している。このようなグリップ4は、握った際のフィーリングが最適となり、かつより違和感の少ないものとなる点で好ましい。とりわけ、前記前端側領域Lbの外径は、後端側領域6の外径よりも小とすることが望ましく、これによりさらにフィーリングを良好としうる。またグリップ4の厚さtは、シャフト2の外径に応じて種々設定できる。図2の態様では厚さtを1〜2mmとしているが、図8の如くシャフト2が小径の場合には4〜12mm程度にも設定しうる。 【0023】以上本発明のゴルフクラブについて詳述したが、本発明のゴルフクラブは、スイングする際のヘッドスピードの向上が目的であるため、ヘッドスピードが問題とされないパター型ゴルフクラブを除いた全てのゴルフクラブ(アイアン型、ユーティリティ型)を対象としうるのは言うまでもない。 【0024】 【実施例】次に本発明をより具現化した実施例について説明する。図1に示したウッド型ゴルフクラブ(ヘッドは住友ゴム工業(株)製のチタンヘッド「XXIO」、シャフトはCFRP、グリップはゴム)を用いて10名のテスター(ハンディキャップ1〜20)によりヘッドスピード、打点のバラツキ、官能評価、疲労感についてテストを行った。なお各供試クラブは、クラブ重量を300g、バランスをD1に統一している。テスト方法は、次の通りである。 【0025】<ヘッドスピード>ヘッドスピード測定器によって各供試クラブでの打球直前のヘッドスピードを10回測定しその平均ヘッドスピードを求めた、評価は実施例3の平均ヘッドスピードを100とする指数により表示した。数値が大きいほど良好である。 【0026】<打点のバラツキ>各供試クラブそれぞれ10回の試打を行い、各打点の平均座標を求めるとともに、この座標と各打点との距離の平均値を採用した。数値が大きいほど打点のバラツキが少なくスイングが安定していることを示す。 【0027】<官能評価>各供試クラブのスイングのし易さを5点法で評価し、10名の平均値で表示している。評点5が「最もスイングしやすい」であり、評点1が「最もスイングし難い」とし、数値が大きいほど良好であることを示す。 【0028】<疲労感>各テスター毎に、各クラブについて20秒に1回のテンポで100回スイングを行ない、下記式により疲労度を求めた。 疲労度=(スイング前の握力−スイング後の握力)/スイング前の握力そして、実施例3を100とする指数で表示した。数値が大きいほど、疲労度が大きいことを示す。テストの結果を表1に示す。 【0029】 【表1】
【0030】テストの結果、実施例1のものは、硬さのみ違えた同形状のグリップを有する比較例1ないし3に比べてヘッドスピード、打点のバラツキ、官能評価、疲労度の全ての項目において最もよい結果を示している。また実施例2では、グリップが等径部で構成されているが、グリップの後端側領域の外径ないし外径と硬さとの比を適切としているため、同形状のグリップを有する比較例4、5に比べて、特に疲労度、官能評価で優れた結果を得ている。また実施例3は、実施例1ベースでありながら、前記比(A/B)をより最適化しているため、実施例1よりもさらにヘッドスピード、疲労度などを向上している。 【0031】他方、比較例1、2は、グリップの後端側領域の外径が小さいため実施例に比べて特にバラツキ、疲労感で劣る。また比較例3は、後端側領域の外径が大きすぎるため、実施例に比較して特にバラツキで劣っており、官能評価も良くない。また比較例4は、比(A/B)が小さすぎるため、特に疲労度で劣っており、官能評価も良くない。さらに比較例5は、比(A/B)が大きすぎるため、特にバラツキで劣っている。さらに比較例6も比(A/B)がグリップの全長さで満たされておらず性能的に劣る。 【0032】 【発明の効果】上述したように、本発明のゴルフクラブは、グリップ外径とそのJISA硬さとの関係を適度に規制したことにより、ヘッドスピードを向上させ、手および腕の疲労感を減じうる。また打球の方向性を安定化させるのに役立つ。 【0033】また請求項2記載の発明では、グリップ全長さに亘ってシャフトの前端部側に向かってグリップ外径が漸増する逆テーパ部がないことによって、握った際の違和感を防止できる。 【0034】また請求項3記載の発明では、前記グリップは、その前端側領域の外径を規制したことにより、さらに握り易さを向上し、ヘッドスピードを高めるのに役立つ。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000183233 【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月2日(2001.5.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082968 【弁理士】 【氏名又は名称】苗村 正 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−325871(P2002−325871A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月12日(2002.11.12) |
| 【出願番号】 |
特願2001−135413(P2001−135413) |
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