| 【発明の名称】 |
ゴルフボールおよびそのスピン速度を制御する方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】マイケル ジェイ サリヴァン
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| 【要約】 |
【課題】制御された慣性モーメントを持つ、また制御されたスピン速度を持つゴルフボールを提供することにある。
【解決手段】1.8を越える比重を持つ内部コア12および0.95未満の比重をもつカバー層18を含み、該内部コアは、これを取り巻く第一のマントル14内に収容されており、該第一マントル部分は、0.9未満の比重を有する、低比重層を含むことを特徴とする、ボール。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1.8を越える比重を持つ内部コアおよび0.95未満の比重をもつカバー層を含み、該内部コアは、これを取り巻く第一のマントル内に収容されており、該第一マントル部分は、0.9未満の比重を有する、低比重層を含むことを特徴とする、ボール。 【請求項2】 該内部コアの比重が、2.0を越える、請求項1記載のボール。 【請求項3】 該内部コアの比重が、2.5を越える、請求項2記載のボール。 【請求項4】 該内部コアの比重が、5.0を越える、請求項3記載のボール。 【請求項5】 該内部コアの比重が、10.0を越える、請求項4記載のボール。 【請求項6】 該内部コアが、中実金属構造にある、請求項1記載のボール。 【請求項7】 該カバーが、0.90未満の比重を持つ、請求項1記載のボール。 【請求項8】 該カバーが、外部カバー層と、少なくとも1層の内部カバー層とを含み、該少なくとも1層の内部カバー層が、0.90未満の比重を持つ、請求項1記載のボール。 【請求項9】 該マントルが、0.8未満の比重を持つ、請求項8記載のボール。 【請求項10】 更に、該内部コアの動径方向外側に設けられた、第二のマントルを含み、該第二のマントルが、0.9を越える比重を持つ、請求項1記載のボール。 【請求項11】 該第二のマントルが、該内部コアと該第一のマントルとの間に設けられている、請求項10記載のボール。 【請求項12】 更に、該内部コアの動径方向外側に設けられた、第二のマントルを含み、該第二のマントルが、低比重層であり、かつ0.9未満の比重を持つ、請求項1記載のボール。 【請求項13】 該第一のマントルが、熱可塑性材料で作られている、請求項1記載のボール。 【請求項14】 該第一のマントルが、熱硬化性材料で作られている、請求項1記載のボール。 【請求項15】 該第一のマントルが、エポキシ、ウレタン、ポリエステル、ポリウレタンまたはポリウレアからなる群から選択される材料で作られている、請求項1記載のボール。 【請求項16】 該第一のマントルが、流し込み成型法、反応射出成型法、噴霧、浸漬、注入または圧縮成型法で作られる、請求項15記載のボール。 【請求項17】 該低比重層が、比重低下剤を含む、請求項1記載のボール。 【請求項18】 該比重低下剤が、発泡された粒状物を含む、請求項17記載のボール。 【請求項19】 該比重低下剤が、フィラーを含む、請求項17記載のボール。 【請求項20】 該比重低下剤が、微小球を含む、請求項17記載のボール。 【請求項21】 該比重低下剤が、核生成され、反応射出成型されたポリマーを含む、請求項17記載のボール。 【請求項22】 該内部コアが、1.5 mm〜20 mmなる範囲の径を持つ、請求項1記載のボール。 【請求項23】 該径が、3 mm〜15 mmなる範囲内にある、請求項22記載のボール。 【請求項24】 該内部コアの外径が、重心半径から動径方向内側に位置している、請求項1記載のボール。 【請求項25】 該内部コアが、高密度の中空殻であり、該殻の外側半径が、重心半径から動径方向内側に位置している、請求項1記載のボール。 【請求項26】 該殻の内側半径が、5 mmを越える、請求項25記載のボール。 【請求項27】 コアを収容する、薄い、高密度の層を含み、該薄い、高密度の層はカバーによって収容され、該薄い、高密度の層は少なくとも約38.4 mmの内径を有し、1.2を越える比重および0.025mm〜1.27 mmなる範囲内の厚みを有し、かつ該薄い、高密度の層は、該重心半径外側の動径方向からある距離に位置することを特徴とする、ボール。 【請求項28】 該薄い、高密度の層が、該ボールのランド面から0.76 mm〜2.8 mmなる範囲の距離に配置されている、請求項27記載のボール。 【請求項29】 該薄い高密度層の比重が、1.5を越える、請求項27記載のボール。 【請求項30】 該薄い高密度層の比重が、1.8を越える、請求項29記載のボール。 【請求項31】 該薄い高密度層の比重が、2.0を越える、請求項30記載のボール。 【請求項32】 該薄い高密度層の厚みが、0.127 mm〜0.76 mmである、請求項27記載のボール。 【請求項33】 該薄い高密度層の厚みが、0.25 mm〜0.5 mmである、請求項32記載のボール。 【請求項34】 該薄い高密度層が、高密度化され、増量されたフィルムで作られている、請求項27記載のボール。 【請求項35】 該薄い高密度層が、ポリウレタン、エポキシ、ポリエステル、シリコーンおよびゴムラテックスからなる群から選択される材料で作られている、請求項27記載のボール。 【請求項36】 該薄い高密度層が、比重増化剤で増量された熱可塑性ポリマーで作られている、請求項27記載のボール。 【請求項37】 該薄い高密度層が、タングステン粉末を含む、ポリブタジエンで作られている、請求項36記載のボール。 【請求項38】 該薄い高密度層が、液状の溶液として、該コアに適用される、請求項27記載のボール。 【請求項39】 該薄い高密度層が、圧縮成型または射出成型、反応射出成型、流し込み成型、噴霧、浸漬または粉末塗布によって形成される、請求項27記載のボール。 【請求項40】 該コアが、該薄い高密度層の比重未満の比重を持ち、35 mm〜42 mmなる範囲の径および90未満の圧縮率を有する、非糸巻きコアである、請求項27記載のボール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】ゴルフボールのスピン速度は、多くの変数の最終的な結果であり、該変数の一つは、該ボール内の密度の分布または比重である。スピン速度は、熟練のおよび娯楽的なゴルファー両者用のゴルフボールにとって重要な特性である。高いスピン速度は、熟練度の高い競技者、例えばPGAプロゴルファーおよびローハンディキャップ競技者が、ゴルフボールを最大限にコントロールすることを可能とする。高いスピン速度を持つゴルフボールは、グリーンへのアプローチショットにとって有利である。バックスピンを発生させかつ調節して、該グリーン上に該ボールを停止させる能力、およびドローボールまたはフェードボールを生じるサイドスピンを発生させかつ調節する能力は、該ボールに対する競技者の制御性を改善する。従って、熟練度の高い競技者は、一般に高いスピン速度を示すゴルフボールを好む。 【0002】他方、該ボールのスピンを意図的に制御できない娯楽的な競技者は、一般に高いスピン速度のゴルフボールを好まない。これら競技者にとっては、スライスおよびフックは、より直接的な障害となる。クラブヘッドがボールをヒットした場合、非意図的なサイドスピンがしばしばゴルフボールに付与されて、該ボールはその意図したコースからはずれてしまう。このサイドスピンは、該ボールに対する競技者の制御性を減じ、また該ボールが移動する距離を減じてしまう。ショットが、ゴルフクラブのフェースに対してスクエアーにヒットされたものでないと、回転するゴルフボールは、意図する方向を反れて、でたらめに移動する強い傾向をもつ。低スピンボールは、このフックまたはスライスを矯正することはないが、このサイドスピンの不利な作用を減じるであろう。従って、娯楽的な競技者は、低スピン速度を示すゴルフボールを好む。 【0003】該ボールにおける種々の層またはマントルの、密度または比重の再配分は、ゴルフボールの該スピン速度を調節するための重要な手段である。幾つかの例において、該ボールの外側部分の質量を、該ボールの中心部に再配分して、その慣性モーメントを減じ、結果として該スピン速度を高めている。例えば、米国特許第4,625,964号は、比重少なくとも1.50および径少なくとも32 mmのコア、および該コアとカバーとの間の、比重の低い中間層を含む、低い慣性モーメントを持つゴルフボールを開示している。米国特許第5,104,126号は、比重少なくとも1.25を有し、低密度のシンタクチックフォーム組成物に封入された、高密度の内部コアを含むボールを開示している。米国特許第5,048,838号は、15-25 mmなる範囲の径、1.2〜4.0なる範囲の比重を持つ高密度内部コアと、該内部コアの比重よりも小さな、0.1〜3.0なる範囲の比重を持つ外部層とを含む、もう一つのゴルフボールを開示している。米国特許第5,482,285号は、外部コアの比重を0.2〜1.0まで減じることによって、慣性モーメントを低下させた、更に別のゴルフボールを開示している。 【0004】他の例においては、該ボールの内側部分の質量を、外側に再配分して、該ボールの慣性モーメントを高め、結果としてそのスピン速度を減じている。米国特許第6,120,393号は、1以上の弾性外部層をもつ中空内部コアおよび硬質のカバーを含み、該中空内部コアの使用により、ゴルフボールに軟質のコアをもたらす、ゴルフボールを開示している。米国特許第6,142,887号は、金属、セラミックまたは複合材料製の、1以上のマントル層、および該マントル層の内側に設けられた、ポリマー製の球状支持体を含むゴルフボールを開示している。これらおよびその他の参考文献は、該コアに対して様々な範囲の比重、様々な範囲の径および該外部層等について様々な範囲の厚みを持つ、高スピンおよび低スピン速度のボールを開示している。しかし、これらはゴルフボールのスピンを制御するための、如何なる汎用性のあるガイドラインをも与えていない。従って、制御されたスピン速度を持つ、改良されたゴルフボールに対する、当分野における需要が残されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、制御された慣性モーメントを持つゴルフボールを提供することにある。本発明の目的は、また制御されたスピン速度を持つゴルフボールを提供することにある。本発明の目的は、更にゴルフボールの慣性モーメントを制御する方法を提供することにある。本発明は、好ましくはコアとカバーとを含むボールを提供することにあり、ここで該ボールの重量または質量は、その重心に関して動径方向に配分され、結果として該ボールの慣性モーメントを指定する。該ボール質量を、その重心に向かって動径方向に配分する場合、その慣性モーメントは減少し、また該質量を該重心から離れた外向きに配分した場合、該ボールの慣性モーメントは増大する。該重心半径の測定方法をも提供する。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の一局面によれば、低い慣性モーメントを持つボールは、少なくとも1.8よりも大きな比重を有し、低比重層により包まれた内部コアを含み、該低比重層は、ある試薬によって減じられた比重を持つ。該低比重層は、少なくとも0.9未満の比重をもつ。このボールは、また付随的な中間マントルおよびカバー層を含むことができる。該内部コアは、任意の高密度材料で作ることができ、また中実または中空であり得る。このコアは、好ましくは該重心半径の動径方向内側に配置される。本発明のもう一つの局面によれば、高慣性モーメントボールは、内部コアを包んでいる薄い高密度層を含む。この薄い高密度層は、少なくとも1.2を越える比重および約0.0254 mm (0.001 in)〜約1.27 mm (0.050 in)なる範囲の厚みを持ち、またこの薄い高密度層の外側表面は、そのランド面から約0.762 mm (0.030 in)〜約2.794 mm (0.110 in)なる範囲の距離に配置されている。この薄い高密度層は、好ましくは該重心半径の動径方向外側に配置されている。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本明細書の一部を構成し、かつ該明細書と共に読むべき添付図を参照しつつ、本発明を更に詳しく説明する。これら添付図において、同様な参照番号を、種々の図における同様な部分を示すのに使用する。一般的に、ゴルフボール10、20および30を示す図1、2および3を参照すると、該ボールの全質量は、USゴルフ協会(United States Golf Association: "USGA")によって設定された、質量限界に適合しなければならない。該ボールの重量または質量を、該ボール中心に向けてあるいは該ボールの外表面に向けて分配することによって、インパクトの際および飛翔中の動的特性を変更する。具体的には、該ボール密度を、その中心に向かってシフトさせ、あるいは分布させた場合、その慣性モーメントは減少し、また該ボールがゴルフクラブを離れた際の初期スピン速度は、該ボールの慣性モーメントに起因する低抵抗性のために、増大する。逆に、該密度を、該外部カバーに向けてシフトさせ、あるいは分布させた場合、このボールの慣性モーメントは増大し、また該ボールがゴルフクラブを離れた際の初期スピン速度は、該ボールの慣性モーメントに起因する高い抵抗性のために、減少するであろう。該ボールの中心または該外部カバーからの、動径方向の距離は、ゴルフボールの設計における重要な因子であり、この距離によって、該ボールの慣性モーメントは、重量または質量密度の再配分の結果として、増大する態様から減少する態様に切り替えられる。 【0008】本発明の一局面によれば、この動径方向の距離(以下、重心半径と言う)が与えられる。該ボールの質量または重量の大部分が、該ボールの中心から該重心半径までの、該ボールの体積に渡り再配分された場合、該慣性モーメントは減少し、その結果高スピンボールが得られる。該ボールの質量または重量の大部分が、該重心半径と該外部カバーとの間のボール体積に再配分された場合には、該慣性モーメントは増大し、結果として低スピンボールが得られる。該重心半径は、以下の関係式:r重心=(0.6)1/2×Rホ゛ールからおよび以下の段階に従うことにより決定できる。 (a) R0を、平均サイズのボール径約4.27 cm (1.68 in)の1/2に設定する。ここで、R0は、該ボールの外側半径である。 (b) 該ボールの質量を、USGAによる規定の質量:約45.9 g (1.62 oz)に設定する。 (c) あらゆる質量分配に先立ち、均等に分配された密度を持つボールの、慣性モーメントを測定する。 【0009】この慣性モーメントは、(2/5)(Mt)(R02)で表され、ここでMtは、該ボールの全質量または重量である。本発明の目的にとって、質量および重量は、互換的に使用できる。任意の径の球に関する慣性モーメントを表す式は、CRCスタンダードマシマティカルテーブルズ(CRC Standard Mathematical Tables)、第24版、1976、20(以下、CRC基準と言う)に与えられている。このようなボールの慣性モーメントは、約83.62 g・cm2 (0.4572 oz-in2)である。これが、ベースライン慣性モーメントである。 (d) 該ボールから、均一にその質量の所定量をとり、この所定量の質量を、薄い殻として、該ボールの中心近傍の位置に再配分し、この質量再配分ボールの新たな慣性モーメントを計算する。この慣性モーメントは、減じられた質量を持つ該ボールの慣性と、この薄い殻の寄与に基づく慣性モーメントとの和である。この新たな慣性モーメントは、(2/5)(Mr)(R02) + (2/3)(Ms)(Rs2)で表され、ここでMrは該ボールの減じられた質量であり、Msは該薄い殻の質量であり、またRsは該ボールの中心から測定した、該殻の半径である。また、Mt = Mr + Msである。薄い殻に起因する該慣性モーメントを表す式も、該CRC基準に与えられている。 【0010】(e) 上記段階(d)で測定された新たな慣性モーメントを、上記段階(c)で測定された慣性モーメントと比較して、該慣性モーメントがこの質量の再配分によって、増大するか、あるいは減少するかを決定する。即ち、該新たな慣性モーメントから、該ベースライン慣性モーメントを引く。 (f) 該ボールの中心から徐々に離れた位置の、同一の所定量の質量につき、該所定の質量が、該ボールの外側表面に達するまで、上記段階(d)および(e)を繰り返す。 (g) 動径方向の位置として、該重心半径を決定する。ここで、該慣性モーメントは増加から減少に転じる。 (h) 種々の所定量の質量につき、上記段階(d)、(e)、(f)および(g)を繰り返し、該重心半径が、各所定量の質量につき同一であることを確認する。 本発明の好ましい態様においては、該所定の質量は、初め極めて小さな質量、例えば約0.284 g (0.01 oz)に設定され、該薄い殻の位置は、最初該ボールの中心から、動径方向約0.254 mm (0.01 in)の位置に配置される。この約0.284 g (0.01 oz)の薄い殻は、次いで動径方向に、かつ漸増的に該中心から離される。これら結果を以下の表に報告する。 【0011】 【表1】表1:約0.284 g (0.01 oz)の質量 【0012】これらの結果は、径約4.27 cm (1.68 in)をもつ約45.9 g (1.62 oz)のボールに関連して、該重心半径が、該ボールの中心から、約16.5 mm (0.65 in)動径方向に離れた位置にあり、あるいは該外側表面から動径方向内側に、約4.83 mm (0.19 in)離れた位置にあることを示している。換言すれば、該再分配質量が、動径方向の距離約16.5 mm (0.65 in)にある場合、このボールの該新たな慣性モーメントは、均一な密度を持つボールのベースライン慣性モーメントと同一である。上で議論した該重心半径の好ましい測定方法が、正確なものであることを確認するために、同一の計算を、所定の質量約5.67 g (0.20 oz)、約11.5 g (0.405oz) (該ボールの全質量の1/4)、約23.0 g (0.81 oz) (該ボールの全質量の1/2)および約45.6 g (1.61 oz) (事実上の全質量)について繰り返した。結果を以下の表に報告する。 【0013】 【表2】表2:質量約5.67 g (0.20 oz) 【0014】 【表3】表3:質量約11.5 g (0.405 oz) 【0015】 【表4】表4:質量23.0 g (0.81 oz) 【0016】 【表5】表5:質量約45.6 g (1.61 oz) 【0017】各場合において、該重心半径は、同一の動径方向距離において、即ち約45.9 g(1.62 oz)なる質量および約4.27 cm (1.68 in)なる径を持つボールの中心から動径方向に、約16.5 mm (約0.65 in)離れた位置にある。各所定の質量に関する、「慣性における変化」対動径方向の距離のグラフを、図4に示したが、ここでx-軸は動径方向の距離であり、またy-軸は「慣性における変化」である。この結果は、該重心半径が、該ボール中心から約16.5 mm (約0.65 in)動径方向に離れた位置にあることを示している。図4から容易に導かれる、他の有利な結果は、中心から約5.08 mm (0.20 in)未満動径方向に離れた位置における、慣性モーメントの減少は、約5.08 mm (0.20 in)〜約16.5 mm (約0.65 in)動径方向に離れた際の慣性モーメントにおける減少よりもかなり小さい。 【0018】更に、該質量の再分配が、薄い殻ではなく、より均一な質量の配分である場合、該重心半径は、また該慣性モーメントにおける変動を、より正確に予測する。以下の表は、該重心半径の内側における該ボールの密度が、該重心半径の外側の密度に相対的に変動する場合に見られる、該ベースライン慣性モーメントに対する、慣性モーメントの変化を示す。該重心半径の内側における該ボールの慣性モーメントは、上記のように球に関するものである。該重心半径の外側における該ボールの慣性モーメントは、厚い殻に関する慣性モーメントであり、またこれは上記のCRC基準に従って、式:(2/5) (R重心外側のボールの質量) (R05-R重心5)/( R03-R重心3)によって決定される。 【0019】 【表6】
【0020】上記したように、該質量を該重心半径の外側に配分した場合、即ち該重心半径の内側における該ボールの密度が、1.0未満である場合、該慣性モーメントは、該ベースライン慣性モーメントに対して増大する。該質量を該重心半径の内側に配分した場合、即ち該重心半径の内側における該ボールの密度が、1.0を越える場合、該慣性モーメントは減少する。図1に示したように、ボール10は、内部コア12、少なくとも2つの中間マントル14、16および中実カバー18を含む。図2に示したように、ボール20は、内部コア22、少なくとも1つの中間マントル24および中実カバー26を含む。図3に示したように、ボール30は、内部コア32、比較的薄いマントル34およびカバー36を含む。カバー36は、またその上に画成された多数のディンプル38を有する。カバー18および26も、ディンプルを持つことができる。 【0021】本発明の一局面によれば、ボール20は、低慣性モーメントボールであって、低比重層24によって包まれた、高比重内部コア22を含む。該層24の少なくとも一部は、密度低下フィラーで作られ、あるいはまた例えば発泡等によって、密度が減じられて、USGA規格の質量をもつボールが得られる。本明細書で使用する用語「低比重層」とは、密度低下フィラーの使用または他の方法により減じられた比重を持つ、層または層の一部を意味する。低比重層24は、糸巻き層を含むことができるが、好ましくは非糸巻き層である。内部コア22および層24は、更に中実カバー26内に収容される。好ましくは、このカバーは、該カバーの密度調節以外の理由で使用される、顔料、着色剤、安定化剤および他の添加物を除き、密度調節要素を含まない。好ましくは、高密度または高比重内部コア22は、該重心半径から動径方向内側に位置する。従って、ボール20は、有利には低い回転慣性モーメントおよび高い初期スピン速度を持つ。 【0022】該コア22は、好ましくはボール20における全ての層の内で、最大の比重を持つ。好ましくは、該ボール22の比重は、1.8を越える。本明細書で使用する用語「比重」とは、その通常の、かつ一般的な意味、即ちある物質の密度と4℃における水の密度との比を意味し、この温度における水の密度は、1 g/cm3である。より好ましくは、該ボール22の比重は、2.0を越え、最も好ましくは、該ボール22の比重は、2.5を越えるものである。該コアの比重は、5.0、10.0あるいはそれ以上であり得る。コア22は、高密度の金属またはポリマーバインダー内に封入した金属粉末から製造できる。高密度金属、例えばスチール、タングステン、鉛、黄銅、青銅、銅、ニッケル、モリブデンまたは合金を使用することができる。コア22は、種々の金属または合金製の、多数の別々の層を含むことができる。コア22は、中実の金属球または1.5 mm〜20 mmなる範囲、より好ましくは3 mm〜15 mmなる範囲の外径を持つ、中空で壁厚の金属球または中実の金属球であり得る。本出願における測定の殆どは、英国単位で与えられているが、幾つかの資料は、より容易にSI単位で得ることができる。当業者は、これらの単位間の変換を容易に行うことができる。 【0023】あるいはまた、該コアは球状、立方体状、ピラミッド型、測地学的または任意の3次元、対称形状であり得る。炭素鋼、ステンレススチール、クロム鋼製の球は、サイズ1 mm〜20 mmなる範囲のボールベアリングとして市場から入手できる。英国単位による好ましいサイズは、0.25 in (約0.64 cm)、0.3125 in (約0.7938 cm)、0.375 in (約0.953 cm)、0.4375 in (1約.111 cm)、0.5 in (約1.27 cm)、0.75 in (約1.91 cm)または0.6875 in (約1.746 cm)である。軟鋼から製造したボールベアリングは、比重量約7.85 g/cm3をもつ。従って、軟鋼製の0.4375 in (1約.111 cm)ボールは、重さ約5.64 gである。該高比重コア22の質量および該中実カバー26の比重が、既知である場合、該低比重層24の比重は、USGA規格の質量をもつボールが得られたことの確認を可能とする。また、中空金属球を使用した場合、好ましくは、該球の内側半径は、約5.1 mm (0.20 in)を越え、より好ましくは約6.35 mm (0.25 in)を越える。 【0024】上に述べたように、層24の少なくとも一部は、密度低化剤を含むか、あるいは例えば該ポリマーを発泡させることによって減じられた、比重を有するポリマーを含有する。この低比重層にとって有効な比重は、好ましくは0.9未満であり、より好ましくは0.8未満である。実際の比重は、該内部コア22および該外部コア26の比重および物理的寸法に基づいて、決定され、かつ調節される。本発明のボールは、1層を越える低比重層を含むことができる。例えば、図1に示したようなボール10は、場合により、好ましくは0.9未満およびより好ましくは0.8未満の比重を持つ、第一および第二低比重層14および16を含むことができる。ボール10が1層を越える低比重層を含む場合、該層の一つは、糸巻き層であり得る。このように、ボール10は低比重層14および16を含むので、層16は糸巻き層であり得る。あるいはまた、層14は低比重層であり得、一方層16は質量が減じられていない比重層であり得る。他方、層14が、質量の減じられていない比重層であり得、一方層16が低比重層であり得る。更に、これら層14および16の一方は、反応射出成型(RIM)または流し込み成型されたポリマーで作ることができる。同様に、低比重層24および/またはカバー18、26は、RIMまたは流し込み成型されたポリマーで作ることができる。 【0025】該低比重層は、この低比重層が耐久性に富み、かつ該ゴルフボールに望ましからぬ特性を与えない限りにおいて、多数の適当な材料から作ることができる。好ましくは、この低比重層は、該ゴルフボールの温和な圧縮率およびレジリエンスに寄与する。この低比重層は、エポキシ、ウレタン、ポリエステルまたは任意の適当な熱硬化性バインダ製の、ポリマーマトリックス中に、中空球状フィラーまたは微小球を含む、熱硬化性シンタクチックフォームから製造できる。ここで、該硬化された組成物は、0.9未満、好ましくは0.8未満の比重を有する。適当な材料は、またポリウレタンフォーム、または同一の組成を持つ発泡性支持体上に、ポリウレタン製中実スキンを形成する、一体的にスキン形成されたポリウレタンフォームを含むこともできる。あるいはまた、適当な材料は、核形成された反応射出成型ポリウレタンまたはポリウレアを含むことができ、ここでは、完全な反応が起こり、減じられた比重を持つ硬化されたポリマーを与える、閉じられた金型内に成分を注入する前に、該ポリウレタン成分の少なくとも1種、典型的には該プレポリマー内に、ガス、典型的には窒素ガスを吹き込む。更に、流し込みまたはRIM成型したポリウレタンまたはポリウレアは、フィラーまたは中空球等の添加によって、更に減じられた比重を持つことができる。付随的に、任意数の発泡された、あるいは比重の減じられた熱可塑性ポリマー組成物、例えば米国特許第5,824,746号および同第6,025,442号に記載された、メタロセン触媒ポリマーおよびそのブレンドを使用することもできる。更に、減じられた比重を有する、米国特許第5,919,100号、同第6,152,834号および同第6,149,535号並びにPCT国際公開No. WO 00/57962に、マントルまたはカバー層材料として記載されている任意の材料が、適当な材料である。これら参考文献の開示事項を、本発明の参考とする。該低比重層は、流し込み成型、噴霧、浸漬、射出成型または圧縮成型法によって製造することもできる。 【0026】該質量の減じられていない比重層は、比重の減じられていない、即ち比重の変更されていない、糸巻き層または非-糸巻き層を含むことができる。メタロセン、イオノマーまたは他のポリオレフィン系材料等の材料を使用した場合には、この層の比重も、0.9未満、好ましくは0.8未満であり得る。他の適当な材料は、ポリウレタン、ポリウレタンイオノマー、相互に侵入し合ったポリマーの網状構造、ハイトレル(HytrelTM; ポリエステル-エーテルエラストマー)、またはペバックス(PebaxTM; ポリアミド-エステルエラストマー)等を包含し、これらは1.0未満の比重を持つことができる。更に、適当な未変性材料は、また米国特許第6,419,535号、同第6,152,834号、同第5,919,100号および同第5,885,172号およびWO 00/57962に記載されている。これら参考文献は、既に本明細書に参考として組み込まれている。上記の質量の減じられていない比重層は、流し込み成型法、反応射出成型法、射出または圧縮成型法、噴霧または浸漬法によって製造できる。このカバー層は、弾性かつ質量の減じられていない比重層である。適当な材料は、ボール圧縮率、復元係数、スピン速度等の適合を可能とする、任意の材料を含み、これらは米国特許第6,419,535号、同第6,152,834号、同第5,919,100号および同第5,885,172号に記載されている。イオノマー、イオノマーブレンド、熱硬化性または熱可塑性ポリウレタン、メタロセンが好ましい材料である。該カバーは、流し込み成型法、反応射出成型法、射出または圧縮成型法、噴霧または浸漬法によって製造できる。 【0027】本発明のもう一つの局面において、ボール30は、高い慣性モーメント、低い初期スピン速度ボールであり、コア32と、薄い高密度の層34と、カバー36とを含む。好ましくは、薄い高密度の層34は、外部カバー36に近接して配置され、また好ましくは、層34はできる限り薄く形成される。層34は、約0.025 mm〜約1.27 mm(約0.001 in〜約0.05 in)、より好ましくは約0.127 mm〜約0.76 mm (約0.005 in〜約0.030 in)および最も好ましくは約0.25 mm〜約0.5 mm (約0.010 in〜約0.020 in)なる範囲の厚みを持つことができる。薄い高密度の層34は、好ましくは1.2を越える、より好ましくは1.5を越える、より一層好ましくは1.8を越えるおよび最も好ましくは2.0を越える比重を持つ。好ましくは、薄い高密度の層34は、ボール30の外側表面に、即ちカバー36のランド面またはディンプルを持たない表面にできる限り近接して配置される。約0.76 mm (約0.030 in)なる厚みを持つカバーを有するゴルフボールについては、該薄い高密度の層は、上記の重心半径の十分に外側の、該薄い高密度層の厚みを含む該ランド面から、約0.79 mm〜約1.78mm (約0.031 in〜約0.070 in)なる位置に配置されるであろう。約2.8 mm (約0.110 in)なるカバー厚み (1以上の同一または異なる材料の層) を有するゴルフボールに関連して、該薄い高密度層は、同様に該重心半径の外側の、該ランド面から約2.82 mm〜約3.84 mm (約0.111 in〜約0.151 in)なる位置に配置されるであろう。可能な限り動径方向外側に、該薄い高密度層を配置する利点は、詳細に上で議論した。しかし、該薄い高密度層を該重心半径の外側に配置する必要がある。 【0028】該慣性モーメントを除き、該薄い高密度層は、好ましくは全体としてのボールの諸特性、例えば感触、圧縮率、復元係数およびカバーの硬さに、大幅な影響を与えることはない。しかし、該内部コア34を含む、該重心半径内側の該ボールの質量は、結果的に減少し、該ボールを該USGA規格の質量に維持するはずである。該薄い高密度層用の適当な材料は、上記の比重および厚みに関する条件を満たす任意の材料を含む。該薄い高密度層は、好ましくは液状溶液、分散物、ラッカー、ペースト、ゲル、溶融物等、例えば増量したまたは充填物を含む天然または非-天然のゴムラテックス、ポリウレタン、ポリウレア、エポキシ、ポリエステル、任意の反応性または非-反応性の被膜または注型材料として該内部コア32に適用され、次いで硬化され、乾燥され、平衡状態にある固体レベルまで蒸発される。この薄い高密度層は、また圧縮成型または射出成型、RIM、流し込み成型、噴霧、浸漬、粉末被覆、または該内部コアに材料を堆積する任意の手段によって製造できる。この薄い高密度層は、更に比重増加フィラー、繊維、フレークまたは粒状物質を添加した熱可塑性ポリマーであり得、従ってこれは薄い被膜として適用でき、また上記の好ましい比重レベルを満足する。該圧縮成型法を利用して、タングステン粉末を含む軟質ポリブタジエンから作成した、薄い高密度層の特定例の一つは、約0.53 mm〜約0.64 mm (約0.021〜約0.025 in)の厚み、および1.31なる比重および約72のショアD硬さを持つ。 【0029】反応性液体系に関連して、適当な材料は、反応して固体を形成する任意の材料、例えばエポキシ、スチレン処理したポリエステル、ポリウレタンまたはポリウレア、液状PBR、シリコーン、シリケートゲル、寒天ゲル等を包含する。反応性の薄い高密度層を適用するための好ましい方法は、流し込み成型、RIM、浸漬および噴霧法である。非-反応性材料は、揮発性の溶媒に溶解したまたは分散させた、溶融または流動状態にあるポリマー、粉末を含む。適当な熱可塑性材料は、米国特許第6,149,535号および同第6,152,834号に記載されている。あるいはまた、ゴルフクラブに関連して米国特許第6,010,411号に記載されている、充填物を含む薄いフィルムまたは「プレプレグ」または「高密度化充填フィルム」は、圧縮成型されたまたは該カバー層36の内側に適用された、積層状態にある、薄いフィルム層として使用できる。該米国特許第6,010,411号に記載されている「プレプレグ」は、その比重および好ましくはその厚みのレベルが満たされる限りにおいて、繊維で強化し、または強化せずに使用できる。該充填フィルムは、密度増化剤または質量増化剤、好ましくは均等に分配された銅、鉄またはタングステン粉末を含む、段階的に調節された樹脂フィルムを含む。この樹脂は、該充填フィルムが展性をもつシートを形成するように、部分的に硬化することができ、該展性を持つシートは、所定のサイズに裁断して、該コアの外側にまたは該カバーの内側に適用することができる。このようなフィルムは、CAアナハイムまたはCAサンジョーズのサイテック(Cytec)から入手できる。 【0030】ボール30の該内部コア32は、その比重が、該薄い高密度層の高い比重を相殺して、ボール30の質量を該USGA規格の質量範囲内にする限り、多くの材料から製造することができる。内部コア32は、好ましくは中実の一体的なまたは中実のマルチピースコアであり、また糸巻き層、液体、ゲル、および中空のまたは発泡層を含むことができる。このコアは、また1または複数のポリウレタン層内に包まれた、1以上のポリブタジエン層を含むことができる。糸巻き層に続いて、該薄い高密度層34を液体状態で堆積させる場合、該液体材料は、該糸巻き層内に侵入できる。米国特許第5,947,843号は、予備加硫したラテックス材料が、約1.27 mm (0.050 in)なる深さまで侵入できるものと予想した。しかし、この侵入深さは、該液体の粘度および温度並びに該糸巻き層の間隔または他の表面現象等の因子に依存する。該内部コア32が、中実または非-糸巻きコアである場合、液体状態にある該薄い高密度層は、厚み約0.025 mm (0.001 in)またはそれ以上を持つフィルムを形成し得る。この液体材料は、紫外線照射または加熱または周囲条件下で乾燥することにより硬化できる。該液体を加熱乾燥する場合、該内部コア材料は、好ましくは該コアの熱軟化を防止するために、熱硬化性材料から作られる。好ましいラテックスは、マサーチュセッツ州、フォールリバーのヘバテックス(Heveatex)社によって製造されている、予備加硫されたヘバテックス(Heveatex)No.1704である。また、他のラテックス被覆コアが、米国特許第5,989,136号および同第6,030,296号に記載されている。米国特許第5,989,136号は、熱可塑性材料を該コア上に射出成型する前に、ウレタン分散物(充填物を含まない)で含浸した糸巻きコアを開示している。 【0031】ボール30用の該カバーは、上で議論したボール10および20用のカバーと同様な材料で作ることができる。好ましくは、該コアは、39 mm〜42 mm (約1.54 in〜1.64 in)、より好ましくは40 mm〜42 mm (約1.56 in〜1.64 in)なる範囲の径を持つ。このコアは、好ましくは90未満、より好ましくは80未満、最も好ましくは70未満の、PGA圧縮率を持つ。圧縮率は、NJユニオンシティーのアッチエンジニアリング社により製造された、手動の装置(アッチ(Atti)ゲージ)を使用して、検査すべきゴルフボール中心、ゴルフボールコアまたはゴルフボールに、バネによる力を印加することにより測定する。フェデラルダイアルゲージ(Federal Dial Gauge)モデルD81-Cを備えたこの装置は、既知荷重の下で較正されたバネを使用する。テストすべき球を、このバネに対して5 mm (0.2 in)推し進める。この際、該バネが5 mm (0.2 in)押し付けられた場合、この圧縮率を100とする。このバネが約2.54 mm (0.1 in) 押し付けられた場合、その圧縮率値を0とする。このように、より圧縮性の、より柔軟な材料は、より硬い、圧縮率の低い材料よりも低いアッチゲージ値を持つ。この装置で測定した圧縮率は、またPGA圧縮率とも呼ばれる。以上、本発明について種々説明してきたが、これら本発明の様々な特徴は、単独でまたは組み合わせで使用できるものと理解すべきである。従って、本発明は、本明細書に記載した、具体的かつ好ましい態様によって、何等制限されない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390023593 【氏名又は名称】アクシュネット カンパニー 【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
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| 【出願日】 |
平成14年3月22日(2002.3.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059959 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 稔 (外9名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−325863(P2002−325863A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月12日(2002.11.12) |
| 【出願番号】 |
特願2002−80050(P2002−80050) |
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