| 【発明の名称】 |
ダイブコンピュータ |
| 【発明者】 |
【氏名】松浦 嘉宏
|
| 【要約】 |
【課題】スキューバダイビングにおける最大水深超過などを警告音によってダイバーに知らせるため、警告内容がわかりにくい。
【解決手段】水深情報発生部1と時間情報発生部2からの情報と、計算用データ保存部4のデータを使用して潜水状態管理部3が最大水深超過、潜水時間超過等を判定し、警告発生命令部11は当該検出内容に対応した音声メッセージ情報を発生し、この音声メッセージ情報に対応した音声合成を音声合成部12で行い、この合成音声でダイバーに警告する。タンク内空気の残圧情報を取り込んでタンク内残圧不足やダイバーの呼吸量異常を合成音声で警告することも含む。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スキューバ・ダイビングを行っているときの水深情報と時間情報および計算用データを使用して潜水状態を管理し、最大水深超過、潜水時間超過、浮上速度超過、無減圧潜水可能時間超過の少なくとも1つを検出したときにダイバーに警告するダイブコンピュータであって、前記最大水探、潜水時間、浮上速度、無減圧潜水可能時間の少なくとも1つに超過が検出されたときに当該検出内容に対応した音声メッセージ情報を得、この音声メッセージ情報に対応した音声合成を行い、この合成音声でダイバーに警告する音声合成装置を備えたことを特徴とするダイブコンピュータ。 【請求項2】 スキューバ・ダイビングを行っているときの水深情報と時間情報とタンク内空気の残圧情報および計算用データを使用して潜水状態を管理し、最大水深超過、潜水時間超過、浮上速度超過、無減圧潜水可能時間超過、タンク内残圧不足、呼吸量異常の少なくとも1つを検出したときにダイバーに警告するダイブコンピュータであって、前記最大水探、潜水時間、浮上速度、無減圧潜水可能時間の少なくとも1つの超過、または前記残圧不足、呼吸量異常の少なくとも1つが検出されたときに当該検出内容に対応した音声メッセージ情報を得、この音声メッセージ情報に対応した音声合成を行い、この合成音声でダイバーに警告する音声合成装置を備えたことを特徴とするダイブコンピュータ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、スキューバ・ダイビングにおける安全な潜水をバックアップするためのダイブコンピュータに関する。 【0002】 【従来の技術】スキューバ・ダイビングでは、潜る水深に応じた水圧と同じ圧力に調整された空気を、水中でタンクから吸入することで呼吸を確保している。その際に、体内で代謝される酸素と二酸化炭素については体内に蓄積していく事はないが、体内で代謝されない窒素は、その時点での窒素の分圧の上昇に応じて肺から血液中に溶け込み、分圧の下降に応じて換気され肺より放出されるようになる。その窒素の溶け込む量は、分圧と時間の増加に伴って増えていき、溶け込んだ量が多いほど、放出するのに時間がかかるようになる。 【0003】血液中に溶け込んだ窒素は血液が体内を循環するに伴って、体内の各組織に溶け込むようになる。この状態が継続すると大気圧での窒素の溶解量を越えた量の窒素が溶け込み、その過剰な窒素の量が多い場合には、周囲の圧力が大気圧まで下がった段階で、血液中や体内組織に溶けていた窒素は、そのままではいられなくなるため、気体化し、気泡となってあらわれるようになる。 【0004】この気泡は、血液中にあらわれた場合には、血管の細い部分で狭窄を引き起こし、血行障害となる。また、関節や筋肉内にあらわれた場合は痛みを引き起こし、神経組織内にあらわれた場合には麻痺、意識障害、呼吸困難なども引き起こすことになる。 【0005】これらの現象は一般に減圧症と言われており、これを防ぐために、スキューバ・ダイビングを行うとき、水深と潜水時間とを管理して、浮上時に気泡が生成されないようにする必要がある。 【0006】そのために、体内組織の窒素の溶解量と放出量を推定したモデルを基に、大気圧まで減圧しても問題となる気泡が発生しないように、大気圧での許容される窒素溶解量を越えてしまわないための潜水時間を計算して、その時間以内で潜水を行う。その潜水可能時間を算出するために、潜水中の水深変化に対応しつつ潜水可能時間を計算する防水処理した小型のコンピュータを潜水時に利用することがある。これを一般にダイブコンピュータと呼んでいる。 【0007】このダイブコンピュータには、警告音を発生する機能を持っている物がある。潜水可能時間を超過した場合に警告を発する以外に、窒素の溶解量が、水深、潜水時間が多くなるほど増え、それにともなって危険度が増すことから、最大水深超過や潜水時間超過に対して警告音を発したり、浮上速度が速い場合に窒素溶解量が許容限度内であっても気泡を生成しやすくなることから、浮上速度超過に対して警告音を発したりする機能を持たせている。 【0008】図3は、ダイブコンピュータの装置構成例を示す。水深情報発生部1は、スキューバ・ダイビングを行っているときの水深検出情報を取得する。時間情報発生部2は、スキューバ・ダイビングを行っているときの時間情報を取得する。潜水状態管理部3は、水深情報と時間情報および計算用データ保存部4のデータを使用して前記の最大水深超過や潜水時間超過、浮上速度超過の有無を監視する。警告音発生部5は、潜水状態管理部4が潜水時間超過等の発生を検出したときに警告音信号を発生し、警告音出力部6によりダイバーに音で警告する。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】従来のダイブコンピュータは、最大水深、潜水時間、浮上速度、無減圧潜水可能時間などを超過した事を、警告音機能によってダイバーに知らせることができるが、警告音が単純な振動音やメロディーになるため、初心者には警告内容がなにであるかがわかりにくいという問題があった。 【0010】本発明の目的は、警告内容を初心者でも確実、容易に理解できるダイブコンピュータを提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を解決するため、ダイブコンピュータには音声合成装置を設け、ダイバーには合成音声メッセージによる警告ができるようにしたもので、以下の構成を特徴とする。 【0012】(1)スキューバ・ダイビングを行っているときの水深情報と時間情報および計算用データを使用して潜水状態を管理し、最大水深超過、潜水時間超過、浮上速度超過、無減圧潜水可能時間超過の少なくとも1つを検出したときにダイバーに警告するダイブコンピュータであって、前記最大水探、潜水時間、浮上速度、無減圧潜水可能時間の少なくとも1つに超過が検出されたときに当該検出内容に対応した音声メッセージ情報を得、この音声メッセージ情報に対応した音声合成を行い、この合成音声でダイバーに警告する音声合成装置を備えたことを特徴とする。 【0013】(2)スキューバ・ダイビングを行っているときの水深情報と時間情報とタンク内空気の残圧情報および計算用データを使用して潜水状態を管理し、最大水深超過、潜水時間超過、浮上速度超過、無減圧潜水可能時間超過、タンク内残圧不足、呼吸量異常の少なくとも1つを検出したときにダイバーに警告するダイブコンピュータであって、前記最大水探、潜水時間、浮上速度、無減圧潜水可能時間の少なくとも1つの超過、または前記残圧不足、呼吸量異常の少なくとも1つが検出されたときに当該検出内容に対応した音声メッセージ情報を得、この音声メッセージ情報に対応した音声合成を行い、この合成音声でダイバーに警告する音声合成装置を備えたことを特徴とする。 【0014】 【発明の実施の形態】(実施形態1)本実施形態は、最大水探、潜水時間、浮上速度、無減圧潜水可能時間の超過に際してダイバーに音声メッセージで警告する。 【0015】本実施形態のダイブコンピュータの構成を図1に示す。同図が図3と異なる部分は、これまで警告音を出す機能だけを持っていた警告音出力部6に代えて、音声メッセージの警告内容を出力できる音声合成装置を設けた点にある。 【0016】警告発声命令部11は、潜水状態管理部3が最大水探、潜水時間、浮上速度、無減圧潜水可能時間のいずれか1つ又は複数項目について超過を判定したとき、これら項目に対応した音声メッセージ情報(テキストデータ)を出力する。音声合成部12は、音声メッセージ情報に対応する音声合成を行い、ダイバーに音声合成の音声メッセージで警告を発声する。音声合成部12による音声合成には音声合成用データ保存部13に保存するデータを使用する。この音声合成用データは、あらかじめ録音した音声メッセージを音声合成部の再生方式に併せてデータ変換しておく。 【0017】したがって、音声合成部12では、どの音声メッセージを発声させるかを発声命令として受け付け、該当する音声メッセージを音声合成用データを基に合成することでメッセージを発声させる。その発声させる音声メッセージは全てあらかじめ変換して音声合成用データとして蓄積しておく。 【0018】本実施形態では、最大水深超過、潜水時間超過、浮上速度超過、無減圧潜水可能時間超過について警告メッセージを発声させる。発声例を表1に示す。 【0019】 【表1】
【0020】最大水深と潜水時間については、それぞれ自由に設定可能であり、その設定数値を警告メッセージに埋め込んだ形で発声させる。潜水状態管理部3において、最大水深超過、潜水時間超過、浮上速度超過、無減圧潜水可能時間超過を検出した段階で、警告発声命令部11が発声命令を音声合成部12に出力し、音声合成部12より該当する警告メッセージを出力することで、使用者に浮上を促すかまたは浮上速度を調整することを促し、減圧症になることを回避する。 (実施形態2)本実施形態は、残圧情報を利用可能にするものであり、その構成を図2に示す。同図が図1と異なる部分は、残圧情報発生部14を設けた点にある。 【0021】ダイブコンピュータには、タンク内の空気の残圧情報も入力情報として利用できるタイプもあり、残圧情報からは、吸入した空気量を求める事ができ、それを基にして、窒素溶解量の計算時のパラメータ値を修正することができる。また、潜水状態管理部3では実施形態1で示した管理以外に、残圧情報を基に、残圧不足や、呼吸量異常などを判定することができ、これら判定で音声合成装置による合成音声メッセージによる警告を発生させることもできる。 【0022】本実施形態は、それに対応して、発声させる警告メッセージに残圧不足警告や、呼吸量異常警告を加えたものである。発声例を表2に示す。 【0023】 【表2】
【0024】残圧不足警告については、警告を発声させたい残圧を自由に設定可能であり、その設定数値を警告メッセージに埋め込んだ形で発声させる。潜水状態管理部3において、残圧不足や、呼吸量異常を検出した段階で、発声命令を音声合成部12に出力し、音声合成部12より該当する警告メッセージを出力することで、エア切れなどの事故を未然に防ぐ事ができる。また、近くにいる人間も該当者の状況を簡単に把握することができるため、エア切れに備えるなどの対処をあらかじめしておくことができるようになる。 【0025】 【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、音声合成装置を設けることで、ダイバーには合成音声メッセージによる警告ができるようにしたため、以下の効果が得られる。 【0026】(1)警告メッセージを音声合成によって発声させることにより、具体的な警告内容を即座に把握することができ、スキューバ・ダイビングの安全性を増すことができる。 【0027】(2)近くにいる人間にも警告内容が即座に伝わるため、該当者に対するケアを十分に行うことができ、それによってスキューバ・ダイビングの安全性を増すことができる。 【0028】(3)警告時に、適切な指示内容もメッセージとして発声させることができるため、警告に対してより迅速に行動することができるようになる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006105 【氏名又は名称】株式会社明電舎
|
| 【出願日】 |
平成13年4月25日(2001.4.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062199 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−320701(P2002−320701A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月5日(2002.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2001−126917(P2001−126917) |
|