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【発明の名称】 バンカー練習機
【発明者】 【氏名】河▲さき▼ ▲えい▼五

【要約】 【課題】ゴルフ練習場に設けられる練習打席の前方に配設されるバンカー練習機において、ゴルフ練習場等の練習施設に適したバンカー練習機を提供する。

【解決手段】砂を充填可能なバンカーボックス116と、バンカーボックス116の側方に設けられる打席部118と、バンカーボックス116の上面を開閉可能に覆う蓋体119と、蓋体119がバンカーボックスの上面を覆うときに、練習打席308での練習者の通常練習を可能とし、蓋体119がバンカーボックス116の上面を開放したときに、練習打席308での練習者の通常練習を禁止する同時練習禁止手段310を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ゴルフ練習場に設けられる練習打席の前方に配設されるバンカー練習機であって、砂を充填可能なバンカーボックスと、そのバンカーボックスの側方に設けられる打席部と、前記バンカーボックスの上面を開閉可能に覆う蓋体と、その蓋体がバンカーボックスの上面を覆うときに、前記練習打席での練習者の通常練習を可能とし、その蓋体がバンカーボックスの上面を開放したときに、前記練習打席での練習者の通常練習を禁止する同時練習禁止手段とを有するバンカー練習機。
【請求項2】 前記同時練習禁止手段は、前記練習打席内においてゴルフボールがセットされるマットの側方に配設される棒体を備えており、その棒体は、前記蓋体がバンカーボックスの上面を覆うときに前記マットの上方に位置せず、前記蓋体がバンカーボックスの上面を開放したときに前記マットの上方に位置するようになっている請求項1に記載のバンカー練習機。
【請求項3】 砂を充填可能なバンカーボックスと、そのバンカーボックスの側方に設けられる打席部とを有するバンカー練習機であって、前記打席部の上面が、上下方向に位置調節可能となっているバンカー練習機。
【請求項4】 砂を充填可能なバンカーボックスと、そのバンカーボックスの側方に設けられる打席部とを有するバンカー練習機であって、前記打席部は、上面が開放され、かつ、内部に砂を充填可能な打席ボックスと、その打席ボックスの上面を開閉する蓋体とで構成されるバンカー練習機。
【請求項5】 砂を充填可能なバンカーボックスと、そのバンカーボックスの側方に設けられる打席部とを有するバンカー練習機であって、前記バンカーボックスの上面を開閉する蓋体を備え、その蓋体にはゴルフボールを設置するためのマットが配設されており、前記蓋体がバンカーボックスの上面を閉じる位置にあるときは、前記マットが表面に位置するようになっているバンカー練習機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、バンカーショットの練習に用いるバンカー練習機に関する。
【0002】
【従来の技術】 一般ゴルファーにとってバンカーショットは最も苦手なショットの一つであって、バンカーショットの上達がスコアメイクの鉤となる。そこで、従来からバンカーショットの練習を行なうためのバンカー練習機が種々提案されている(例えば、実開昭64−37274号公報、特開平7−328169号公報等)。これらの従来のバンカー練習機では、砂が充填されるバンカーボックスを備え、練習者はバンカーボックス内に充填された砂の上にゴルフボールを置き、バンカーショットの練習を行なうようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 上述したバンカー練習機は、単にバンカーボックス内に充填された砂の上にゴルフボールを置いて打つだけであるので、ゴルフ練習場等の練習施設に設置した際に種々の不具合があった。例えば、ドライバーショットやアイアンショットの練習(以下、通常練習という)を行なう練習打席と併設する場合、風等によってバンカーボックス内の砂が通常練習を行なう練習打席側に飛散し通常練習の邪魔になるという問題が生じる。また、練習によってバンカーボックス内の砂が少なくなってきた場合に、練習者がスタンスをとる打席面とゴルフボールを設置する砂面との間に高低差が生じるため、実際のバンカーショットの状態(打席面とゴルフボールを設置する砂の高さが略同一)からずれてしまい、より高度の練習を望む練習者の要求に応えられないという問題が生じる。本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゴルフ練習場等の練習施設に適したバンカー練習機を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】 上記課題の少なくとも一部を解決するため請求項1に記載の発明は、ゴルフ練習場に設けられる練習打席の前方に配設されるバンカー練習機であって、砂を充填可能なバンカーボックスと、そのバンカーボックスの側方に設けられる打席部と、前記バンカーボックスの上面を開閉可能に覆う蓋体と、その蓋体がバンカーボックスの上面を覆うときに、前記練習打席での練習者の通常練習を可能とし、その蓋体がバンカーボックスの上面を開放したときに、前記練習打席での練習者の通常練習を禁止する同時練習禁止手段とを有する。上記バンカー練習機では、バンカー練習をする際には蓋体を開いてバンカーボックス上面を開放しなければならず、蓋体を開いた状態とすると同時練習禁止手段により通常練習が禁止される。このため、通常練習を行なう際には蓋体を閉じた状態としなければならず、この状態ではバンカー練習が禁止される。したがって、通常練習の際には蓋体が閉じられているため、風によるバンカーボックス内の砂が飛散することが防止される。また、通常練習を行なう練習打席の前方に設置されていても通常練習時には蓋体が閉じた状態となるため、ドライバーショット等のミスショットのゴルフボールが開いた蓋体に衝突するという事態が防止される。
【0005】請求項1に記載のバンカー練習機において、前記同時練習禁止手段は、前記練習打席内においてゴルフボールがセットされるマットの側方に配設される棒体を備えており、その棒体は、前記蓋体がバンカーボックスの上面を覆うときに前記マットの上方に位置せず、前記蓋体がバンカーボックスの上面を開放したときに前記マットの上方に位置するようになっていることが好ましい。上記バンカー練習機では、蓋体が開いた状態となると通常練習時にゴルフボールがセットされるマット上に棒体が位置するため、マット上でゴルフクラブをスイングすることが不可能となって通常練習が禁止される。一方、蓋体が閉じた状態となるとマット上に棒体が位置しないため、マット上でゴルフクラブをスイングすることが可能となり通常練習が可能となる。したがって、簡易な手段により通常練習が可能な状態と不可能な状態に切替えることができる。
【0006】また、上記課題の少なくとも一部を解決するため請求項3に記載の発明は、砂を充填可能なバンカーボックスと、そのバンカーボックスの側方に設けられる打席部とを有するバンカー練習機であって、前記打席部の上面が、上下方向に位置調節可能となっている。上記バンカー練習機では、打席部の上面を上下方向に位置を調節することができるため、バンカーボックス内の砂が少なくなって砂面が低くなると、これに併せて打席部の上面(練習者の足の位置)を低くすることができる。したがって、実際のバンカーに近い状態でバンカーショットの練習を行なうことができる。
【0007】また、上記課題の少なくとも一部を解決するため請求項4に記載の発明は、砂を充填可能なバンカーボックスと、そのバンカーボックスの側方に設けられる打席部とを有するバンカー練習機であって、前記打席部は、上面が開放され、かつ、内部に砂を充填可能な打席ボックスと、その打席ボックスの上面を開閉する蓋体とで構成される。上記バンカー練習機では、蓋体を開いて打席ボックスの上面を開くと、打席ボックス内の砂の上でスタンスをとってバンカーショットの練習を行なうことができ、蓋体を閉じて打席ボックスの上面を閉じると、蓋体の上でスタンスをとってバンカーショットの練習を行なうことができる。したがって、実際のバンカーにより近い状況で練習を行ないたい練習者の要求と、砂で靴を汚したくない練習者の要求の両者を満足することができる。
【0008】さらに、上記課題の少なくとも一部を解決するため請求項5に記載の発明は、砂を充填可能なバンカーボックスと、そのバンカーボックスの側方に設けられる打席部とを有するバンカー練習機であって、前記バンカーボックスの上面を開閉する蓋体を備え、その蓋体にはゴルフボールを設置するためのマットが配設されており、前記蓋体がバンカーボックスの上面を閉じる位置にあるときは、前記マットが表面に位置するようになっている。上記バンカー練習機では、バンカーボックスの上面を蓋体が覆う状態では、蓋体の表面にゴルフボールをセットするマットが位置するようになっている。したがって、バンカー練習を行なわないときには、蓋体の上のマットにゴルフボールをセットして、他の通常練習(例えば、アイアンショットの練習、ドライバーショットの練習等)を行なうことができる。したがって、同一打席上でバンカーショットと通常練習が可能となり、スペース効率が向上する。また、通常練習時には、バンカーボックスの上面を蓋体が覆っているので、通常練習時に風によってバンカーボックス内の砂が飛散することが防止される。
【0009】
【実施の形態】 本発明は、次に記載する形態で好適に実施することができる。
(形態1) 上記各請求項に記載のバンカー練習機には、前記打席部前方に打席部に対して角度調整可能な傾斜板が設けられていることが好ましい。このような形態によると、この傾斜板によりバンカーの傾斜をイメージして練習を行なうことができる。なお、打席部前方には、1の傾斜板のみが設けられても良いし、複数の傾斜板が連接されるようにしても良い。複数の傾斜板が連接される場合には、各傾斜板が独立して角度調整可能とされていることが好ましい。
(形態2) 請求項1,2又は5に記載のバンカー練習機において、前記打席部の上面が、上下方向に位置調節可能となっていることが好ましい。このような形態によると、バンカーボックス内の砂が少なくなってきたときに、打席部の上面の高さを調整することができる。特に、請求項5に記載のバンカー練習機においては、バンカーボックスの上面を蓋体が閉じている状態でボールがセットされる高さ(蓋体の上面)と、蓋体が開いている状態でボールがセットされる高さ(バンカーボックス内の砂面の高さ)とは、蓋体の厚みの分だけ必ずずれるため、打席部の高さが調整できる機構を設けることが好ましい。
(形態3) 請求項1,2又は5に記載のバンカー練習機において、前記打席部は、上面が開放され、かつ、内部に砂を充填可能な打席ボックスと、その打席ボックスの上面を開閉する蓋体とで構成されていても良い。
【0010】
【実施例】 本発明を具現化したバンカー練習機の第1実施例を、図1〜図13を参照して説明する。ここで、図1はバンカー練習機の全体斜視図であり、図2はバンカー練習機の平面図であり、図3はバンカー練習機の側面図であり、図4、図5は打席部の構成を説明するための図面であり、図6、図7は第1傾斜板の構成を説明するための図面であり、図8は第2傾斜板の正面図であり、図9は図8のIX−IX断面図であり、図10は図8のX−X断面図であり、図11は図9のXI−XI断面図であり、図12、図13は第1実施例に係るバンカー練習機をゴルフ練習場に設置した例を説明するための図面である。図1に示すように、第1実施例に係るバンカー練習機は、打席部10と、打席部10の前方に設けられた砂回収ボックス30と、砂回収ボックス30に対して角度調整可能に設けられた第1傾斜板40と、第1傾斜板40に対して角度調整可能に設けられた第2傾斜板70を備える。
【0011】打席部10には、図2、図4に示すように、その中央部分にバンカーボックス16が配される。バンカーボックス16は、バンカー砂が充填される箱状の部材であり、その前方の壁には斜めにクラブ保護材17が配設される(図3参照)。クラブ保護材17は、バンカーボックス16の前方よりの位置にボールを置いて練習を行う場合等において、バンカーボックス16の前方の壁にクラブが衝突したときの衝撃を緩衝するための部材である。第1実施例では、所定の厚み(例えば、20〜30mm程度)の人工芝〔裏面に衝撃吸収部材(ゴム等)が貼付けられている〕が用いられる。このバンカーボックス16の片側の側面には、図2、図4に示すように、その前方よりの部分に予備砂ボックス14が設けられ、予備砂ボックス14の後方にボールボックス12が設けられる。予備砂ボックス14には、バンカーボックス16内に充填されているバンカー砂が少なくなってきたとき、バンカーボックス16内に補充するための予備のバンカー砂が収納されている。ボールボックス12には練習用のゴルフボールが収納されており、練習者は必要に応じてボールボックス12内からバンカーボックス16の砂の上にゴルフボールを取出しバンカーショットの練習を行う。一方、バンカーボックス16の他方の側面には打席ボックス18が設られる。この打席ボックス18にはスタンスマットが配され、このスタンスマット上で練習者はバンカーショットの練習を行う。このスタンスマットは、所定の厚み(例えば、人工芝20mm+ゴム板20mm)で形成されており、スタンスマットが磨耗した場合等にはマットのみを交換できるようになっている。なお、打席ボックス18は、ゴルフ練習場(打席幅が略2.5m〜2.6m程度)等において前後左右に安全な間隔を設けるため、所定の寸法(ここでは、前後方向の長さを1000mm、幅を700mm)とされている。
【0012】また、打席部10には、図1に示すように、バンカー練習機の不使用時においては上述したボールボックス12、予備砂ボックス14、バンカーボックス16、打席ボックス18の上面を覆い、使用時においてはボールボックス12、予備砂ボックス14、バンカーボックス16、打席ボックス18の上面を開放する打席開閉シート20が設けられる。この打席開閉シート20は、図4に示すように、打席部10の前後に設けた2本の可動レール26に固定されており、可動レール26と一体となって移動するように構成される。各可動レール26は、それぞれ4つの滑車25に案内され(図5参照)、打席部10の前後に設けた滑車25同士は回転軸24により連結される(図4参照)。したがって、図5の左下の回転軸24にチェーンを介してモータ22の回転が伝達されると、2つの可動レール26が同期して回転することとなる。なお、このモータ22は、後述する操作スタンド100の操作に基づいて図示省略の制御装置(マイコン)により制御される。
【0013】上述したように構成される打席部10の前方には、図1〜図3に示すように、砂回収ボックス30が設けられる。この砂回収ボックス30は、練習者が打席部10でバンカーショットした際に第1傾斜板40、第2傾斜板70方向に飛散する砂を回収する働きを有する。すなわち、打席部10からバンカーショットする際に飛散し第1傾斜板40、第2傾斜板70に衝突した砂は、重力により第1傾斜板40、第2傾斜板70の表面を下方に流れることで、砂回収ボックス30内に回収される。この砂回収ボックス30には、図2、図3に示すように、その底面に砂埃分離網32が設けられ、この砂埃分離網32により砂回収ボックス30内に回収された砂を目の細かい砂と目の大きい砂とに分離する。具体的には、例えば、砂回収ボックス30内の砂に水等をかけることにより、目の細かい砂(埃となる砂)を水と共に砂埃分離網32の下に設けた排水溝36(図1参照)に廃棄し、一方、砂埃分離網32の上側に残った砂は、再度予備砂ボックス14又はバンカーボックス16に戻されて使用される。また、砂回収ボックス30には、図2、図3に示すように、第1傾斜板40を砂回収ボックス30に対して回転させるためのモータ38が設けられている。なお、砂回収ボックス30の大きさは、打席部10と第1傾斜板40の間に所定の間隔(第1実施例では、1000mm〜1500mm)が形成されるよう決められ、練習者が圧迫感を受けることなくバンカー練習できるようにしている。
【0014】上述した砂回収ボックス30の前方には、砂回収ボックス30に対して角度調整が可能とされた第1傾斜板40が設けられる。第1傾斜板40は、図2に示すように、複数の部材(アングル材等)を連結することにより形成される長方形状のフレーム42を備え、このフレーム42の砂回収ボックス30側の辺には、回転軸44が固設されている。この回転軸44は、砂回収ボックス30に設けた軸受けに回転可能に支持されるとともに、この回転軸44にはモータ38の回転がチェーン等により伝達されるようになっている。したがって、モータ38が回転すると、第1傾斜板40は、所定の角度範囲内〔第1実施例では水平な状態(砂回収ボックス30に対して0°)から80°まで〕で回動するようになっている。また、フレーム42の第2傾斜板70側には、図2、図3に示すようにモータ固定板46が取付けられ、このモータ固定板46に第2傾斜板70を回動するためのモータ48が取付けられている。さらに、第1傾斜板40の裏側には、図6に示すように転倒防止ワイヤ62が取付けられている。この転倒防止ワイヤ62は、第1傾斜板40を砂回収ボックス30に対して角度を大きくしたとき(立てたとき)、第1傾斜板40が風により転倒してしまうことを防止するためのワイヤーである。
【0015】上述したフレーム42の表面には、図6、図7に示すように、クッションシート50が設けられる。ここで、図6は第1傾斜板40の側縁部分(錘58を設けた部分)の断面図であり、図7は第1傾斜板40の中央部分の断面図である。上記クッションシート50は、木製の板や樹脂板等からなる層にナイロンゴム等のクッション材からなる衝撃吸収層を設けた多層構造の衝撃吸収板である。このクッションシート50の表側には、図7に示すように打席部10から飛んできたゴルフボールを捕球するためのクッションネット54が設けられる。このクッションネット54は、図2、図6に示すように、第1傾斜板40の両側縁に張られたクッションネット固定ロープ52にその両側縁が固定される。このクッションネット固定ロープ52は、図6に示すように、その一端が砂回収ボックス30に固定されており、その他端はフレーム42の上端に設けた滑車56を介して錘58に取付けられる。そして、錘58は、ゴムロープ60により砂回収ボックス30に接続されている。したがって、上記クッションネット固定ロープ52は、一端に取付けた錘58により常時上方に付勢され、これによりクッションネット固定ロープ52に取付けたクッションネット54も常に張られた状態となる。そして、ゴルフボールや固まった砂等がクッションネット54に衝突した際は、その衝撃により錘58が上方に移動し、これによりクッションネット54がたわんでその衝撃を吸収する。したがって、クッションネット54により衝撃がある程度吸収されたゴルフボール等がクッションネットシート50に衝突することとなるため、ゴルフボール等が大きくはね返り練習者の方にまで飛ぶことが防止される。また、クッションネット54を通過した砂等は、クッションシート50に衝突してクッションシート50上を滑り落ち砂回収ボックス30内に回収される。なお、第1傾斜板40の長さ(最大高さ)は、練習者が第1傾斜板40及び第2傾斜板70を超えて飛んでいくゴルフボールの軌跡や落下地点等が確認できる高さ(第1実施例では、1.2m)に設計されている。
【0016】上述した第1傾斜板40の前方には、図2、図3に良く示されるように、第1傾斜板40に対して角度調整可能とされた第2傾斜板70が設けられる。この第2傾斜板70は、図2に示すように、第1傾斜板40の上端に設けた軸受けに回転自在に支持される回転軸74を備え、この回転軸74には第1傾斜板40に設けたモータ48の回転がチェーンを介して伝達される。このため、モータ48が回転すると回転軸74が回転し、これにより第2傾斜板70が第1傾斜板40に対して回動するように構成される。なお、第2傾斜板70が回動する範囲は、第1傾斜板40に対して所定の角度範囲内(第1実施例では、0°〜80°)とされている。また、上述した回転軸74の両端には、図8に良く示されるように支柱71が固定される。この支柱71は中空のパイプ材であり、図9、図11にも示されるように、その外周面にはミスショットしたゴルフボールの衝撃を緩和するためのクッションシート72が設けられている。このクッションシート72の外周上には、さらに、図11に示すように打席部10方向に伸びるクッション板73が設けられる。このクッション板73は、ミスショットしたゴルフボールが衝突した際に変形して、その飛行方向を変える働きをする。これにより、はね返ったゴルフボールが練習者の方向に飛ぶことが防止される。
【0017】また、両支柱71の内部には、図8、図9に示すように、錘82が上下方向に移動自在に設けられている。この2つの錘82は、各支柱71の上端に設けた滑車75を介してナイロンロープ80により接続される。また、この錘82は、ゴムロープ84により回転軸74に接続されている。上述したナイロンロープ80には、図8、図10に示すように、透明シート76の上端が固定され、この透明シート76の下端は回転軸74に固定される。また、透明シート76の表側には捕球ネット78が設けられ、捕球ネット78は、透明シート76と同様、その上端がナイロンロープ80に固定され、その下端が回転軸74に固定される。したがって、透明シート76、捕球ネット78が取付けられるナイロンロープ80は、その両端に取付けた錘82により常時側方に付勢され、これにより透明シート76、捕球ネット78も常に張られた状態となる。そして、ゴルフボール等が透明シート76、捕球ネット78に衝突した際は、錘82がその衝撃により支柱71内を上方に移動し、これにより透明シート76、捕球ネット78がたわんでその衝撃を吸収する。したがって、透明シート76、捕球ネット78に衝突したゴルフボール等が練習者の方向に大きくはね返ることが防止されている。
【0018】次に、上述したように構成されるバンカー練習機をゴルフ練習場に設置した場合の設置状態を、図12、図13に基づいて説明する。図12に示す例では、バンカー練習機はゴルフ練習場における通常の打席(ドライバショット、フェアウェイからのアイアンショット等の練習を行う打席)の前方部分に設置される。すなわち、ドライバショット等を練習するときは、練習者は図12の点線で示す位置で練習を行い、バンカー練習をするときは、図12の実線に示す位置で練習を行う。このバンカー練習機が設置された各打席には、間仕切りシート94が設けられ、この間仕切りシート94により隣接する打席に砂埃等が飛散することが防止される。この間仕切りシート94は、図13に示すように、バンカー練習を行わないときはシート巻ロール98に巻き取られており、バンカー練習を行うときにシート巻ロール98から巻出されて上昇する。すなわち、バンカー練習を行う際は、モータ96によりワイヤ90が滑車92を介して巻き取られ、同時にシート巻ロール98が回転することでシート巻ロール98から間仕切りシート94が巻出される。このため、間仕切りシート94が上昇し、各打席間を仕切ることとなる。一方、バンカー練習を行わないときは、モータ96が逆方向に回転することで、間仕切りシート94がシート巻ロール98に巻き取られて、間仕切りシート94が下降する。
【0019】また、バンカー練習機が設置された練習打席の通路よりの部分には、バンカー練習機を操作するための操作スタンド100が設けられる。この操作スタンド100には、バンカー練習機を使用してバンカー練習を行うときに、その開始を指示するスタートスイッチ、その終了を指示する終了スイッチ、第1傾斜板40の角度を調整するための操作スイッチ、第2傾斜板70の角度を調整するための操作スイッチ、プリペイドカードやコイン等の投入口が設けられる。上述した各スイッチは、操作スタンド100内に設けた図示省略したマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)に接続されており、このマイコンは、上述した各スイッチからの指示(信号)に基づきモータ22、38、48、96を制御する。
【0020】次に、上述したようにゴルフ練習場に設置されたバンカー練習機により、バンカー練習を行う際の動作について説明する。まず、練習者は操作スタンド100にプリペイドカード若しくはコイン等を投入して、操作スタンド100に設けたスタートスイッチを押す。そうすると、モータ96が駆動されて間仕切りシート94が上昇し、また、モータ22が駆動されてバンカーボックス16の上面から打席開閉シート20が取り除かれる。次に、練習者は、操作スタンド100に設けたスイッチを操作することで、第1傾斜板40の角度及び第2傾斜板70の角度を調整する。例えば、グリーン周りに設けられるあごの高い(深さの深い)バンカーショットの練習を行うときは、第1傾斜板40及び第2傾斜板70を打席部10に対して垂直に近くなるように調整する。この際、第1実施例に係るバンカー練習機では、第1傾斜板40でバンカー部分の傾斜をイメージしてその傾きを調整し、第2傾斜板70部分で芝部分の傾斜をイメージして傾きを調整することができる。また、例えば、ロングホールのフェアウェイ部分に設けられるバンカーをイメージして練習を行う際は、第1傾斜板40を打席部10に対して略水平の状態とし、第2傾斜板70のみの角度を調整してフェアウェイバンカーの練習を行う。上述した手順で第1傾斜板40及び第2傾斜板70の角度調整が終了すると、次に、バンカーボックス16に充填された砂の上にゴルフボールを置き、第1傾斜板40及び第2傾斜板70を超えるようにバンカーショットを行う。この際、第1傾斜板40の高さが低く抑えられており、なおかつ、第2傾斜板70は透明シート76、捕球ネット78により衝撃吸収面が形成されるため、練習者は自分が打ち出した球筋・落下地点を確認することができる。なお、バンカー練習を終了するときは、練習者は操作スタンド100に設けた終了スイッチを押す。そうすると、間仕切りシート94がシート巻ロール98に巻き取られ、また、打席開閉シート20が打席部10の上面を覆うことで練習者(客)のバンカー練習機の無断使用を禁止する。また、第1傾斜板40及び第2傾斜板70は、通常の打席からのドライバーショット等の練習の邪魔にならないよう水平位置(レディ位置)に戻る。
【0021】上述したことから明らかなように、第1実施例に係るバンカー練習機は、第1傾斜板40、第2傾斜板70を備えるため、打席部10に対して第1傾斜板40から傾斜させることで傾斜部までの距離の短いバンカーの練習を行うことができ、また、第2傾斜板70のみを傾斜させることにより傾斜部までの距離が長いバンカーの練習を行うことができる。したがって、1台のバンカー練習機でフェアーウェイバンカー(傾斜部までの距離の長いバンカー)からグリーン周りのあごの深いバンカー(傾斜部までの距離の短いバンカー)までの練習を行うことができる。また、第1実施例のバンカー練習機においては、練習者は砂場に入らなくても打席ボックス18上でバンカーショットの練習ができるため、服や靴を汚さずに練習することができる。また、第1実施例のバンカー練習機をゴルフ練習場の打席内に設置すれば、雨の日や夜でもバンカーショットの練習をすることが可能となり、また、練習場のフェアーウェイを利用することで、フェアーウェイバンカー等の距離の長いバンカー練習から50ヤード〜100ヤードの中距離のバンカー練習、グリーン周りの5ヤードから20ヤードのピンに絡ませるバンカー練習が可能となる。また、従来のバンカー練習機(例えば、実開昭64−37274号)では、傾斜部を形成するために打席の前に支柱を設ける必要があった。このため、従来の練習機ではこの支柱に衝突したゴルフボールが跳ね返って練習者に当たる可能性があり、通常の打席(ドライバー等を練習する打席)内への設置が困難であった。しかしながら、第1実施例のバンカー練習機ではこのような支柱がなく、さらに、各傾斜板を格納した状態では打席部の前方にはゴルフボールが衝突する障害物が何も無い。したがって、ゴルフ練習場における通常打席内への設置が可能となる。よって、第1実施例のバンカー練習機を通常打席内に設置すれば、ゴルフ練習場のフェアーウェイを利用して、同一の打席においてドライバーショットからフルショットのバンカーショットの練習まで可能となる。
【0022】(第2実施例) 次に、本発明の第2実施例に係るバンカー練習機について図面を参照して説明する。第2実施例に係るバンカー練習機も、第1実施例と略同様に構成されるが、(1)打席部の上面を打席開閉板で開閉する点(2)第1傾斜板が油圧ユニットで駆動される点及び第1傾斜板の衝突面の構造(3)第2傾斜板の衝突面がネットのみで構成される点(4)第1傾斜板の角度により第2傾斜板の回動可能角度範囲が変化する点等で異なる。したがって、以下の発明では、上記異なる点を中心に説明する。
【0023】図14に示すように、第2実施例に係るバンカー練習機も、打席部110と、打席部110の前方に設けられた砂回収ボックス120と、砂回収ボックス120に対して角度調整可能に設けられた第1傾斜板130と、第1傾斜板130に対して角度調整可能に設けられた第2傾斜板140を備える。図15に示すように、打席部110は、第1実施例と同様、予備砂を貯めておく予備砂ボックス112、練習用のゴルフボールを一時的に収容するボールボックス114、バンカー砂が充填されるバンカーボックス116及び人工芝製のスタンスマットが配される打席ボックス118を備える。これら各ボックス112、114、116、118は一つの箱体111に収容され、この箱体111には、予備砂ボックス112、ボールボックス114、バンカーボックス116を開閉可能に覆う打席開閉板119が取付けられている。この打席開閉板119は、箱体111の側辺(予備砂ボックス112及びボールボックス114側の辺)に回動可能(0°〜90°)に取付けられており、箱体111内に収容した図示省略の打席開閉板駆動モータ172(ブレーキ付きギヤモータ;図20に図示)により開閉される。この打席開閉板119の表面には人工芝が貼り付けられ、また、裏面にはバンカー練習機の操作方法及び注意書き等が記載されている。したがって、打席開閉板119が閉じた状態では、人工芝を貼り付けた表面が表となって打席ボックス118に配された人工芝製のスタンスマットと統一した外観を呈するとともに、バンカーボックス116内の砂が風で飛散することを防止する。一方、打席開閉板119が開いた状態では、打席開閉板119の裏面に記載された操作方法や注意書きを練習者が読める状態となり、練習者の誤操作を防止する。さらには、打席開閉板119が開いた状態では、この打席開閉板119が隣の打席との間仕切り板となり、練習者のミスショットのボール等が隣の打席に飛んでいくことが防止される。
【0024】砂回収ボックス120は、第1実施例と同様、練習者がバンカーショットすることにより第1傾斜板130、第2傾斜板140側に飛散したバンカー砂を回収する。ただし、この砂回収ボックス120は、第1実施例と異なり砂埃分離網や排水溝等が設けられず、回収された砂は、そのまま砂回収ボックス120内に貯められるようになっている。
【0025】第1傾斜板130は、第1実施例と略同様の構造を有し、砂回収ボックス120に対して回動可能に取り付けられている。ただし、この第1傾斜板130は、第1実施例と異なり、図14に示すように油圧シリンダ124により回動する。すなわち、第1傾斜板130の裏面には、油圧シリンダ124のロッド125が固定され、この油圧シリンダ124には油圧ユニット122から油圧が供給される。したがって、油圧ユニット122によって油圧シリンダ124が作動すると、油圧シリンダ124のロッド125が進退動する。このため、ロッド125の進退動に応じて第1傾斜板130が、砂回収ボックス120に対して所定の角度範囲内(第2実施例では、0°〜70°)で回動する。また、この第1傾斜板130の衝突面は、第1実施例(クッションシート+クッションネットの組合せ)と異なり、図16に示すように金属製の基板132と、基板132の表面に配された緩衝材134と、この緩衝材134の表面に配された人工芝136の3層構造となっている。この第2実施例の基板132にはパンチングメタルを用いており、これによってゴルフボールが衝突した際の衝突音を小さくしている。緩衝材134にはウレタンゴムシートを用いており、これによってゴルフボールが衝突した際の衝撃を緩衝する。また、人工芝136には、長めの人工芝(芝の長さが20mm〜25mm)が用いられ、これによってゴルフボールが衝突した際の衝撃を緩衝する役割を果たす。この緩衝材134と人工芝136の組合せによって、練習者がショットしたゴルフボールと砂の衝撃が緩衝され、ゴルフボール及び砂のはね返りを防止することができた。また、第1傾斜板130の表面に貼り付けられた人工芝136は、この人工芝136によってバンカーラフのイメージが創出され練習者の実践的な練習にも寄与する。
【0026】第2傾斜板140も、第1実施例と略同様の構造を有し、第1傾斜板130に対し回動可能に取り付けられている。この第2傾斜板140は、図14に示すように、第1傾斜板130の裏面に取付けられた第2傾斜板駆動モータ138によって所定の角度範囲内を回動する。すなわち、第2傾斜板駆動モータ138の出力軸に形成されたギヤが第2傾斜板140の回転軸150(第2傾斜板140のフレームの一部)に形成されたギヤと噛合しており、これにより、第2傾斜板駆動モータ138の回転が回転軸150に伝達され第2傾斜板140が回動する。この第2傾斜板駆動モータ138はブレーキ付きギヤモータであり、回動可能範囲内において、練習者が所望する任意の位置で位置決めすることが可能となっている。ただし、この第2傾斜板140は、後述する制御装置によって、第1傾斜板130の傾斜角度に応じて、回動する範囲が規制されるようになっている。例えば、第1傾斜板130が図14の二点鎖線Aで示す位置となる場合〔第1傾斜板130が+30°の場合〕は、第2傾斜板140は第1傾斜板130に対して−30°〜+70°の範囲で回動するようになっている(ここで、回動角度の+方向は図14において時計回り方向(打席側)に回動することを意味し、−方向は図14において反時計回り方向(フェアウェイ側)に回動することを意味する。)。また、第1傾斜板130が図14の二点鎖線Bで示す位置となる場合〔第1傾斜板130が+70°で最大回動位置の場合〕は、第2傾斜板140は第1傾斜板130に対して−70°〜0°の範囲で回動するようになっている。このように、第1傾斜板130が最大傾斜角となる場合に、第2傾斜板140が第1傾斜板130より+方向に回動しないのは、第2傾斜板140に衝突したゴルフボールが練習者側にはね返ることを防止するためである。また、第2傾斜板140が、打席面(地面)と水平となる位置まで−方向に回動するのは、グリーン周りのバンカーにおけるグリーンへのアプローチ面をイメージして練習できるようにしたためである。
【0027】また、第2傾斜板140は、第1実施例では透明シートにより衝突面が形成されたが、第2実施例では図18に示すように網目が菱目状とされたネット146のみにより形成される。以下、ネット146の構造等について詳細に説明する。まず、第2傾斜板140のフレームへのネット146の取付構造を説明する。第2傾斜板140も、第1実施例と同様、回転軸150と、この回転軸150の両端に固設された支柱152によってフレームが構成され、このフレームにネット146が取付けられる(図8、図19参照)。すなわち、回転軸150の両端に固設された支柱152の間にナイロンロープ142が架け渡され、このナイロンロープ142にネット146が取付けられる。具体的には、図17(a)に示すように、ネット146の上端は袋状に形成され、その袋状に形成された内部空間148内をナイロンロープ142が挿通される。このナイロンロープ142の両端は、図19に示すように、それぞれ支柱152の上端に設けられた滑車154に案内されて支柱152の内部空間に導かれ、スプリング158を介して回転軸150に固定される。したがって、ナイロンロープ142は、スプリング158の復元力によって常に側方に張られた状態となる。一方、ネット146の下端は、図17(b)に示すようにナイロンロープ144に固定されており、このナイロンロープ144は左右の支柱152の裏側に固定される(図示省略)。ここで、上述のようにして両支柱152間に取付けられるネット146は、両支柱152間の長さよりも大きな寸法(支柱間の距離に対して、1.1〜1.5倍程度;第2実施例では1.3倍)とされている。したがって、ネット146は、図18(a)に示すように、通常時には網目が縦方向に長い菱形状を為し、一方、ゴルフボールの衝突時には、図18(b)に示すように、ネット146が打球方向に変形して(打球方向に凹み)、その網目が横方向に広がることとなる。これによって、衝突したゴルフボールの勢いを吸収し、練習者へのはね返りを防止することができる。また、ネット146の上端のナイロンロープ142にゴルフボールが当たった場合においては、ナイロンロープ142の両端に取付けたスプリング158が伸びることでネット146が変形し、ネット146の破損を防止することができる。
【0028】次に、上述のように構成されるバンカー練習機の制御装置について図20を参照して説明する。図20に示すように、上述したバンカー練習機の制御装置は、CPU160、ROM162、RAM164とI/O166で構成されるマイクロコンピュータ170で構成され、このマイクロコンピュータ170に油圧ユニット122、第2傾斜板駆動モータ138、打席開閉板駆動モータ172、操作ユニット174が接続されている。マイクロコンピュータ170は、ROM162に格納された制御プログラムにしたがって、油圧ユニット122、第2傾斜板駆動モータ138、打席開閉板駆動モータ172を駆動する制御を行う。操作ユニット174は、図21に示すように、バンカー練習機を操作するための各種ボタンが設けられている。スタートボタン180は練習開始時に操作されるボタンであり、このスタートボタン180が操作されると打席開閉板駆動モータ172が駆動され、打席開閉板119が打席部110に対して垂直となる位置まで回動する。一方、終了ボタン182は練習終了時に操作されるボタンであり、この終了ボタン182が操作されると打席開閉板駆動モータ172が駆動され、打席開閉板119が閉じた位置に回動する。また、UPボタン190、184は、第1傾斜板130、第2傾斜板140をそれぞれ+方向(図14における時計回りの方向)に回動させるボタンであり、DOWNボタン188、186は、第1傾斜板130、第2傾斜板140をそれぞれ−方向(図14における反時計回りの方向)に回動させるボタンである。なお、第1傾斜板130の角度調整は、第1傾斜板130の回動可能角度範囲内で自由に調整することができる。一方、第2傾斜板140の角度調整も、第2傾斜板140の回動可能角度範囲内で自由に調整することができるが、既述したように、この回動可能角度範囲は第1傾斜板130の傾斜角度によって変化する。すなわち、マイクロコンピュータ170は、第1傾斜板130の角度に基づいて第2傾斜板140の回動可能角度範囲を演算し、その演算した回動可能角度範囲内で第2傾斜板駆動モータ138を駆動するようになっている。
【0029】次に、上述のように構成される第2実施例に係るバンカー練習機をゴルフ練習場に設置した状態を図22〜24に基づいて説明する。第2実施例においても、第1実施例(図12参照)のバンカー練習機と同様、通常練習(ドライバーショットやアイアンショットの練習)をする練習打席(以下、通常練習打席という)の前方に設置される。しかしながら、第2実施例に係るバンカー練習機では、バンカー練習と通常練習が同時にすることができないように、一方の練習が可能な状態のときは他方の練習が不可能な状態となり、一方の練習が不可能な状態のときに他方の練習が可能な状態となる。以下、この点について詳細に説明する。
【0030】図22は通常練習が可能な状態におけるバンカー練習機の打席部と、通常練習打席の状態を示す図であり、図23はバンカー練習が可能な状態におけるバンカー練習機の打席部と、通常練習打席の状態を示す図である。図22、図23に示すように、バンカー練習機の打席部110は通常練習打席300の前方(フェアウェイ側)に設置される。通常練習打席300には、ドライバーショットの練習の際にゴルフボールをセットするドライバーショットマット302と、アイアンショットの練習の際にゴルフボールをセットするアイアンショットマット306と、練習者がスタンスをとるスタンスマット308が設けられる。ドライバーショットマット302は、その表面には人工芝が配されており、その略中央にゴルフボールをセットするティー304が設けられる。ティー304はオートティーアップ方式となっており、練習者がティー304にセットされたゴルフボールをショットすると、ティー304上には自動的にゴルフボールが供給され、そのゴルフボールを所定の高さにセットする。なお、オートティーアップ方式のティーの詳細な構造については、公知の装置と同一であるため、ここではその詳細な説明を省略する。また、アイアンショットマット306は、その表面に人工芝が配され直接ゴルフボールをセットすることができるようになっており、スタンスマット308は、ゴルフシューズ(スパイク付のシューズ等)を履いた練習者が、安定した状態でスイングできるよう滑らない素材(例えば、樹脂製のシート)がその表面に配設されている。
【0031】上述した通常練習打席300の側方(ドライバーショットマット302側)には、ドライバー・アイアン練習防止装置310が設置されている。ドライバー・アイアン練習防止装置の構造を、図24を参照して説明する。図24(a)はドライバー・アイアン練習防止装置310の斜視図であり、同図(b)はドライバー・アイアン練習防止装置310の構造を模式的に示す図である。図24(a)に示すように、ドライバー・アイアン練習防止装置310は、内部空間が形成される箱状の支持体311と、支持体311に対して矢印の方向に回動可能に取付けられたドライバー・アイアン防止バー312により構成される。ドライバー・アイアン防止バー312はL字型の形状をなす断面円形の鋼製のパイプ材で構成される。ドライバー・アイアン防止バー312は、図24(b)に示すように、その基端部312aが支持体311の上方からその内部に差込まれて支持されている。この基端部312aには、図示省略したストッパーが設けられており、このストッパーが支持体311の内壁2箇所に設けられたストッパー(図示省略)と当接するようになっている。したがって、ドライバー・アイアン防止バー312は、所定の角度範囲内(具体的には、図22に示す状態から図23に示す状態まで)を回動可能となっている。また、基端部312aの先端にはトーションバネ316が取付けられており、このトーションバネ316によって、ドライバー・アイアン防止バー312は図22に示す状態となる方向に付勢されている。
【0032】上述したドライバー・アイアン防止バー312には、図22、24に示すように、バンカー練習機の打席開閉板119の動きがコントロールケーブル314(アウターケーブル314aとインナーケーブル314bとで構成される)を介して伝達されるようになっている。すなわち、打席部110の箱体111と、ドライバー・アイアン練習防止装置310の支持体311〔詳しくは、支持体311の外壁に設けられたアウターケーブル取付口318(図24(b)参照)〕には、アウターケーブル314aの両端が固定される。このアウターケーブル314a内を進退動可能に内挿されるインナーケーブル314bの一端は、打席開閉板119の内側に固定され、また、インナーケーブル314bの他端は、ドライバー・アイアン防止バー312の基端部312aに固定される。したがって、打席開閉板119が開くと、これによりインナーケーブル314bがドライバー・アイアン防止バー312を回転(図23に示す状態に回転)させる。
【0033】以上の説明から明らかなように、上述のようにバンカー練習機をゴルフ練習場に設置した場合は、打席開閉板119が閉じた状態では、トーションバネ316のバネ力によりドライバー・アイアン防止バー312は図22に示す状態で保持される。したがって、打席開閉板119が閉じた状態、すなわち、バンカー練習ができない状態のときは、ドライバーショットマット302及びアイアンショットマット306上にドライバー・アイアン防止バー312が位置せず、ドライバーショットやアイアンショット等の練習が可能となる。逆に、打席開閉板119が開いた状態では、コントロールケーブル314によって力が伝達され、ドライバー・アイアン防止バー312は図23に示す状態で保持される。したがって、打席開閉板119が開いた状態、すなわち、バンカー練習が可能な状態のときは、ドライバーショットマット302及びアイアンショットマット306上にドライバー・アイアン防止バー312が位置するため、ドライバーやアイアン等のスイングを行うことができず、ドライバーショットやアイアンショット等の練習が不可能となる。したがって、打席部110に対して垂直に開かれた打席開閉板119に、ドライバーショット等のミスショットが直撃する等の事態を防止することができる。
【0034】以上、本発明を具現化したいくつかの実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に限られることなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【0035】上述した実施例においては、バンカー練習機の打席部の高さが一定であったが、図25に示すように、バンカー練習機の打席部の高さが調節できるような構造としても良い。すなわち、図25に示すように、打席部320を、打席ボックス321と、この打席ボックス321に対して高さ方向に移動する蓋体322により構成する。蓋体322は、打席ボックス321の内部に収容されたジャッキ機構326によって支持されており、ジャッキ機構326は足踏みペダル324によって動作し、これによって蓋体322の高さを調節可能とする。このような構成によると、バンカーボックス内の砂の減少に併せて蓋体322(すなわち、練習者の足の位置)の高さを調整できるので、実際のバンカーにより近い状態でバンカー練習をすることができる。なお、図26の説明では、足踏みペダル324の上下動を利用してジャッキ機構を上下動させたが、ジャッキ機構を上下動させるための機構としては、例えば、ハンドルの回転運動によりジャッキ機構を上下動させるようにしても良い。ハンドルの回転運動を利用する場合には、ハンドルの回転を減速機を介してジャッキ機構に伝達するようにすれば、小さい力によりジャッキ機構を上下動させることができる。また、モータ等の駆動源によりジャッキ機構を上下動させるようにしても良い。また、上述のように打席部を打席ボックスと、打席ボックスの上面を蓋する蓋体で構成した場合には、この蓋体を打席ボックスに対して着脱可能な構成としても良い。このような構成の場合、打席ボックス内にも砂を充填しておき、砂の上からバンカーショットの練習を行うことも可能となる。したがって、砂の上からのショットを練習したい上級者は、打席ボックスから蓋体を取り外して練習を行ない、ゴルフシューズを汚したくない練習者は蓋体の上から練習を行なうことができる。
【0036】なお、上述した各実施例に記載のバンカー練習機では、2枚の傾斜板を打席部前方に設けたが、打席部の前方に設ける傾斜板は1枚としても良いし、傾斜板を設けずにバンカーボックスと打席ボックスだけの簡易な構成でゴルフ練習場に設置しても良い。このような構成によると、コストを低く抑えることができるため初期投資の額を少なくすることができる。また、上述した各実施例のバンカー練習機において、打席部、砂回収部、第1傾斜板、第2傾斜板が完全に分離されているため、打席部(打席ボックスと板かボックス等)のみを設置し、その後に順次砂回収部、第1傾斜板等を付け足して増設することもできる。また、上述した実施例では、バンカー練習機と通常練習を行なう練習打席を異なる打席とした例を説明したが、例えば、バンカーボックスを覆う打席開閉板の表面に人工芝を配設し、この上からドライバーショットやアイアンショットの練習が可能なようにしても良い。この場合には、打席部を図25に示すような構造とし、打席開閉板を開けたときには、打席部の高さをバンカーボックス内の砂面の高さと同一の高さとし、打席開閉板を閉じたときには、打席部の高さを打席開閉板の表面の高さと同一となるようにして練習することができる。このような構成の場合には、打席開閉板の表面と打席部の高さを故意にずらすことで、前上がりや前下がりからのアイアンショットの練習も可能となる。
【0037】さらに、上述した第2実施例では、打席開閉板の動きがコントロールケーブルにより伝達されることでドライバー・アイアン防止バーが回動するようになっていた。しかしながら、ドライバー・アイアン防止バーは、別途モータ等により回動するようにし、このモータの動きを制御装置により制御するような構成としても良い。さらに、上述した実施例では、バンカーボックスを覆う打席開閉板をモータにより駆動するようにしたが、このような例に限られず、この打席開閉板を手動により開閉するようにしても良い。
【0038】また、上述した各実施例では、モータ等の駆動源により第1傾斜板40(130)、第2傾斜板70(140)を回動させる構造としているが、当然のことながら、これらの傾斜板を手動で傾斜させるようにしても良い。なお、上述した第2実施例では第1傾斜板130を油圧ユニットにより駆動するようにしたが、この油圧ユニットの替わりに、油圧ユニットと同等の機能を果たす他の装置により代替することも可能である。例えば、モータを駆動することでボールネジが形成されたシリンダを軸方向に移動させ、それによってシリンダ長を伸縮させるモータ駆動型シリンダを使用することもできる。このようなモータ駆動型シリンダを使用した場合には、油圧ユニットを使用した場合に必要となる油圧配管等が不要となり、雨対策等が不要となり取扱が容易となる。
【0039】また、上述した各実施例では、第2傾斜板に衝突したゴルフボールは、その勢いが吸収されて、第2傾斜板の表面で捕球されるようになっていたが、本発明はこのような形態に限られず、例えば、勢いのあるボールは第2傾斜板を通過して前方に通過するように構成しても良い。すなわち、第2傾斜板に張るネットの網目をボールが通過可能な網目(例えば、ボールの直径と略同一長さの角目のネット)とし、勢いの弱いボールの場合には第2傾斜板で捕球し、勢いの強いボールの場合には第2傾斜板のネットを通過して前方に飛び出すようにする。このような構成によれば、ネットに過大な力が作用することが防止できる。また、第2傾斜板を構成する支柱は、図26に示すように構成しても良い。すなわち、図26に示す支柱200は、打席側から前方(フェアーウェイ側)に膨らむ円弧状のパイプ材202と、このパイプ材202の表面に配設されたウレタンゴム等の緩衝材204により構成しても良い。このような構成によれば、例えば、隣の打席からミスショット等により飛んできたボールは支柱200の衝突面(緩衝材の側面;図26(a)の斜線で示す部分)204aに衝突するため、衝突後のボールが他の打席の練習者の方向に飛んでいくことが防止される。
【0040】また、上述した第2実施例では、第1傾斜板の表面に人工芝を張るようにしたが、この人工芝を延長して砂回収ボックスにまで張るようにしても良い。このようにすれば、第1傾斜板と砂回収ボックスの継ぎ目が隠れ美観が向上する。なお、このような場合には、第1傾斜板と砂回収ボックスに張る人工芝は、砂回収ボックス側の端部から第1傾斜板側の継ぎ目近傍の位置(継ぎ目から少しだけ第1傾斜板の先端側に離れた位置)までは、砂回収ボックス及び第1傾斜板に固定されず、残りの部分が接着剤等により第1傾斜板に接着されていることが好ましい。すなわち、砂回収ボックス側の端部はスプリングを介して砂回収ボックスの底面に固定され、第1傾斜板の回動動作に合わせて人工芝が砂回収ボックス及び第1傾斜板の表面をスライドすることが好ましい。このような形態によると、第1傾斜板が回動しても人工芝が弛むことはなく、美観が崩れることが防止される。
【0041】また、上述した各実施例では、バンカー練習機を操作する操作ユニットを練習打席の後部に設置するようにしたが、操作ユニットを設置する位置は、練習者の練習の邪魔にならない位置であれば適宜設置することができる。特に、練習者がゴルフクラブ(サンドウェッジ等)で操作できる位置(例えば、砂回収ボックス内)に操作ユニットを設けるようにすることが好ましい。このように練習打席内から操作できる位置に操作ユニットを配置すると、練習時の各傾斜板の角度調整が簡便に行うことができる。
【0042】また、上述した実施例は、バンカー練習機をゴルフ練習場の打席に設置した例を説明したが、本発明のバンカー練習機は、これ以外にもミニコースやショートコース等のティグランドに設置され、バンカー練習機から第1打をショットするような構成としても良い。このような構成によれば、同一のホールでも異なる印象をプレイヤに与え、ホールを回る楽しみを増すことができる。また、ゴルフスクール(室内、室外不問)に設置した場合には、より高度なバンカー練習がスクール教材のメニューとして追加することが可能となる。さらに、従来の屋外のアプローチグリーンがある場所に設置した場合においても、これらのグリーンの近辺に設置するだけで色々な角度からバンカー練習が可能となる。特に、従来と異なり、地面に穴を掘らなくても良いため、雨水等の排水の管理が不要となるという利点を有する。
【出願人】 【識別番号】501132309
【氏名又は名称】有限会社エヌティーケイ
【出願日】 平成13年4月26日(2001.4.26)
【代理人】 【識別番号】100091742
【弁理士】
【氏名又は名称】小玉 秀男 (外3名)
【公開番号】 特開2002−320699(P2002−320699A)
【公開日】 平成14年11月5日(2002.11.5)
【出願番号】 特願2001−128793(P2001−128793)