| 【発明の名称】 |
一斉開放弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】中澤 幸次
【氏名】山本 弘幸
【氏名】周藤 英男
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| 【要約】 |
【課題】チャッキ弁機能と気密シール機能の両機能を発揮する弁体を簡単に得ることのできる減圧開放型の一斉開放弁を提供する。
【解決手段】弁箱4の内部に一次側室5と二次側室6とが隔壁7を介して区画形成され、該隔壁7に連通孔8を設けている。一次側室5には感知ラインに連通される圧力制御室10が形成され、この圧力制御室10の内部に連通孔8を開閉する弁体11が昇降動自在に内蔵されている。弁体11の上端部に鍔部22を設け、この鍔部22に一次側室5と圧力制御室6とを連通する細孔28を設け、該細孔28の圧力制御室10内に臨む上端開口部は鍔部22の端縁全周に嵌合装着された断面コの字形状の弾性を有する環状パッキン29で覆ってチャッキ弁機能を発揮するものとする。また環状パッキン29は圧力制御室10の内周面に対し摺動自在とするとともに、圧力制御室10の内周面と鍔部22の端縁との間の隙間を気密状にシールしている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁箱の内部に一次側室と二次側室とが隔壁を介して区画形成され、該隔壁に一次側室と二次側室とを連通する連通孔を設けており、前記一次側室には感知ラインに連通される圧力制御室が形成され、この圧力制御室の内部に前記連通孔を開閉する弁体が昇降動自在に内蔵された減圧開放型の一斉開放弁において、前記弁体の上端部に鍔部を張出し形成し、この鍔部に一次側室と圧力制御室とを連通する細孔を設け、該鍔部の端縁全周に断面コの字形状の弾性を有する環状パッキンを、前記細孔の圧力制御室内に臨む上端開口部を覆うよう嵌合装着してあり、前記環状パッキンはこれの外周部を前記圧力制御室の内周面に対し摺動自在とするとともに、前記圧力制御室の内周面と前記鍔部の端縁との間の隙間を気密状にシールしていることを特徴とする一斉開放弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は泡消火設備に用いられる減圧開放型の一斉開放弁に関する。 【0002】 【従来の技術】減圧開放型の一斉開放弁は、一般に、図6に示すように、弁箱50が玉形弁とほぼ同様な形状に形成されており、弁箱50の内部に一次側室51と二次側室52とが隔壁53を介して区画形成され、該隔壁53に弁体54で開閉される連通孔55を設けている。隔壁53の上部にある圧力制御室56内には前記弁体54が昇降動自在に内蔵されており、弁体54の下部には合成ゴム製Oリングによるパッキン57を結合している。一次側室51の入口59は加圧送水装置に一次側配管63を介して接続され、弁体54は一次側室51の入口59から圧力制御室56内に流入する充水圧を受けてパッキン57を隔壁53上の弁座58に押し付け、連通孔55の閉止状態を保持している。圧力制御室56は感知ラインに接続され、感知ラインの作動によって圧力制御室56内の圧力が減少することにより、弁体54が開放する。この開放により加圧送水装置からの充水が、一次側室51の入口59から圧力制御室56、連通孔55を通って、開放型スプリンクラーヘッドに二次側配管64を介して接続される二次側室52の出口60へ流れるようになっている。 【0003】上記一斉開放弁は、施工後の感知ラインへの充水時及び監視状態における感知ラインの圧力低下分の補充をするために、弁体54にチャッキ弁70を設けている。図7に示すように、そのチャッキ弁70は、チャッキ弁箱71の内部に、ばね72により常時一次側に弾発付勢されたチャッキ弁体73と、このチャッキ弁体73に対応するOリングよりなるチャッキ弁座74とを設け、チャッキ弁箱71の一次側に入口75を、二次側に出口76をそれぞれ設けたものである。そして、図6で判るように、このチャッキ弁70は入口75が一次側室51に臨み、出口76が圧力制御室56に臨む状態で上記弁体54に取り付けている。したがって、このチャッキ弁70は、一次側室51の圧力が圧力制御室56の圧力よりも高いときに一次側室51から圧力制御室56に向かって充水を通過させるが、圧力制御室56や一次側室51の圧力の如何にかかわらず圧力制御室56から一次側室51に向かう充水の通過を阻止する機能を有している。 【0004】また、上記圧力制御室56の内周面と弁体54との間の隙間を気密状に保持するために、弁体54の外周に凹溝77を設け、この凹溝77にOリング78をはめ込んである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記一斉開放弁では、弁体54に取付けているチャッキ弁70がチャッキ弁箱71、ばね72、チャッキ弁体73、チャッキ弁座74など数多くの部品を組立てる必要のある複雑な構造であるため加工作業に手間を要するのであった。また、圧力制御室56の内周面と弁体54との間の隙間を気密状に保持するために、弁体54の外周の凹溝77にOリング78をはめ込む必要があり、このはめ込み作業は前記チャッキ弁70の取付け作業とは別に行わねばならず、弁体54の組立てを複雑にしていた。 【0006】本発明の目的は、上記のような減圧開放型の一斉開放弁において、弁体に対しチャッキ弁機能と気密シール機能を兼備する手段を採用することにより組立て、構造の簡素化を図れる減圧開放型の一斉開放弁を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の一斉開放弁は、弁箱の内部に一次側室と二次側室とが隔壁を介して区画形成され、該隔壁に一次側室と二次側室とを連通する連通孔を設けており、前記一次側室には感知ラインに連通される圧力制御室が形成され、この圧力制御室の内部に前記連通孔を開閉する弁体が昇降動自在に内蔵された減圧開放型の一斉開放弁において、前記弁体の上端部に鍔部を張出し形成し、この鍔部に一次側室と圧力制御室とを連通する細孔を設け、該鍔部の端縁全周に断面コの字形状の弾性を有する環状パッキンを、前記通孔の圧力制御室内に臨む上端開口部を覆うよう嵌合装着してあり、前記環状パッキンはこれの外周部を前記圧力制御室の内周面に対し摺動自在とするとともに、前記圧力制御室の内周面と前記鍔部の端縁との間の隙間を気密状にシールしていることに特徴を有するものである。 【0008】 【作用】上記構成の一斉開放弁によれば、弁体の鍔部に一次側室と圧力制御室とを連通する細孔を設け、この細孔の圧力制御室内に臨む上端開口部は鍔部に嵌合装着された弾性を有する環状パッキンで覆っているので、一次側室の圧力が圧力制御室の圧力よりも高いときに一次側室から細孔を通じて圧力制御室内へ充水を通過させるが、圧力制御室や一次側室の圧力の如何にかかわらず圧力制御室から一次側室へ向かう充水の通過を細孔を覆う環状パッキンで阻止するというチャッキ弁機能を発揮する。したがって、施工後、感知ラインへの充水時や監視状態における感知ラインの圧力低下分の補充をする時には弁体の細孔を通じて高圧状態の一次側室から圧力制御室、感知ラインへと充水・加圧することができる。逆に一次側室の圧力が低下し、感知ライン側が高圧になった場合には、細孔を覆う環状パッキンのチャッキ弁作用により感知ライン側の水が一次側室へ流出することはない。 【0009】また、上記のようにチャッキ弁作用を発揮する環状パッキンは、圧力制御室の内周面と弁体との間の隙間を気密状にシールする機能をも発揮する。このようにチャッキ弁機能と気密シール機能の両機能を発揮する環状パッキンは弁体の上端部の鍔部に嵌合装着するだけで簡単に組立てることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明に係る減圧開放型の一斉開放弁の好適な実施形態を図面に基づき説明する。図1は一斉開放弁を閉止状態で示す断面図、図2は図1におけるA部の拡大図、図3は一斉開放弁の取付け構造の正面図、図4は一斉開放弁の取付け構造の側面図である。 【0011】本発明に係る減圧開放型の一斉開放弁1は、図1に示すように、弁箱4の内部に一次側室5と二次側室6とを隔壁7を介して区画形成し、該隔壁7に一次側室5と二次側室6とを連通する連通孔8を設けている。一次側室5には感知ライン9に連通される圧力制御室10が形成され、この圧力制御室10の内部に連通孔8を開閉する弁体11が上下方向に昇降動自在に内蔵されている。前記隔壁7は、圧力制御室10の内周の上下方向中間部から平面環状の段部12を張り出し、この段部12の内周のほぼ半分から下方へ連設した上側の平面円弧形状の垂直壁部13と、この垂直壁部13の下端から水平に張り出して前記連通孔8を開口する水平壁部14、及びこの水平壁部14の外周一部から弁箱4の内底壁部へ向けて連設した下側の平面円弧形状の垂直壁部15により構成される。 【0012】弁箱4において、一次側室5の入口16は、加圧送水装置(図示せず)に一次側配管17を介して接続されるが、この入口16は、図6に示すごとき外向きのフランジ61を付けないフランジレス形状(ウェハー形状)に形成しており、入口16の外周壁16aの開口端面16bが一次側配管17の端に取付けたフランジ18と突き合わせ状に当接できるように形成されている。二次側室6の出口19は、開放型スプリンクラーヘッド(図示せず)に二次側配管20を介して接続されるが、この出口19においても、前記入口16の開口形状と同様に、図6に示すごとき外向きのフランジ62を付けないフランジレス形状に形成しており、この出口19の外周壁19aの開口端面19bが二次側配管20の端に取付けたフランジ21と突き合わせ状に当接できるように形成されている。 【0013】弁体11は板金製のものであり、金属板を有底筒状にプレス加工してなり、その開放上端部は外方へほぼ90゜折り曲げて拡開する鍔部22を一体に張出し形成してある。この有底筒状の弁体11の胴部外径は連通孔8の孔径よりも少し大きく形成され、その底部下面に合成ゴム等による円形パッキン23を結合する。円形パッキン23は弁体11の胴部外径より小さい径に設定され、この円形パッキン23の外周が連通孔8の内周面に気密状に摺り合うように形成してある。弁体11の底部下面に対し円形パッキン23は頭付きボルトよりなる弁棒24と板金製のパッキン押さえ板25でもって結合される。その結合に際しては、弁体11の底部下面に円形パッキン23及びパッキン押さえ板25を重合させるととともに、パッキン押さえ板25の下方から弁棒24をパッキン押さえ板25の中心孔、円形パッキン23の中心孔、及び弁体11の底部の中心孔に貫通させて、弁体11の底部より突出する弁棒24の下端ねじ部24aにナット26を締め付ける。これにより弁体11の底部、円形パッキン23及びパッキン押さえ板25の三者がナット26と弁棒24の頭27との間で挟持固定される。 【0014】図2に示すように、弁体11の鍔部22には一次側室5と圧力制御室10とを連通するための細孔28が形成されるとともに、断面コの字形状に形成された合成ゴム等による弾性を有する環状パッキン29を鍔部22の端縁全周に嵌合装着している。前記細孔28の圧力制御室10に臨む上端開口部は前記環状パッキン29で覆われることにより、一次側室5の圧力が圧力制御室10の圧力よりも高いときに一次側室5から圧力制御室10に向かって充水を通過させるが、圧力制御室10や一次側室5の圧力の如何にかかわらず圧力制御室10から一次側室5に向かう充水の通過を阻止するというチャッキ弁機能を発揮するものとしてある。 【0015】そして、弁体11は、弁箱4の上部を塞いだ蓋3の中央からスピンドル保持筒30を圧力制御室10内に垂下し、このスピンドル保持筒30の下端開口31に弁棒24の上端を摺動自在に挿入することにより圧力制御室10に上下方向に昇降動自在に内蔵される。図1では弁体11が下降し、円形パッキン23の外周が連通孔8の内周面に気密状に摺り合って連通孔8を閉止した状態を示している。弁体11の内底と蓋3との間には圧縮コイルばねよりなるばね32がスピンドル保持筒30及び弁棒24の外周を囲む状態に介在されて、このばね32により弁体11が常に閉止方向に押し下げ付勢されている。 【0016】弁体11の鍔部22に嵌合装着された環状パッキン29の外周部は圧力制御室10の段部12より上側の内周面10aに気密状に摺り合うように形成することにより、環状パッキン29が弁体11の鍔部22の端縁と圧力制御室10の内周面10aとの間の隙間を気密状にシールする機能をも発揮するものとしてある。 【0017】また、弁体11は鍔部22より下側の胴部11bが隔壁7の垂直壁部13の上部に形成した案内壁部13aで上下方向に真っ直ぐに摺動案内されるようにしている。さらに、パッキン押さえ板25の外周の一箇所または二箇所以上から突片33を下方へ真っ直ぐに垂下し、この突片33が隔壁7の連通孔8の内周面で上下方向に摺動案内されるようにしている。なお、その突片33は水が連通孔8から出口19に向かって流れる妨げにならないように出口19の内奥側に偏するよう配置させている。 【0018】上記のように構成された減圧開放型の一斉開放弁1は、平常時は、弁体11が一次側室5の入口16から圧力制御室10内に流入する充水圧を受けて下降することにより円形パッキン23の外周を連通孔8の内周面に気密状に摺り合せて、連通孔8の閉止状態を保持する。感知ライン9の火災感知ヘッドまたは手動開放装置の作動によって圧力制御室10内の圧力が減少すると、弁体11が上昇し、円形パッキン23が連通孔8から上方へ抜け出て連通孔8が開放する。 【0019】弁体11の昇降動に際しては、弁棒24がスピンドル保持筒30の下端開口31の案内下で摺動し、かつ鍔部22に嵌合装着された環状パッキン29の外周が圧力制御室10の段部12より上側の内周面10aに沿って摺動するとともに、鍔部22より下側の胴部11bが段部12より下側の案内壁部13aに沿って摺動する。したがって、弁体11は円形パッキン23を連通孔8に対し傾けることなく、連通孔8の中心線上を上下方向に真っ直ぐに安定よく円滑に昇降動作することになる。さらに、弁体11の突片33が隔壁7の連通孔8の内周面に沿って摺動することにより一層安定よく円滑に昇降動する。 【0020】上記構成の一斉開放弁1は、泡消火設備に使用されるが、この場合、図3及び図4に示すように、一次側室5の入口16に加圧送水装置(図示せず)が一次側配管17を介して接続され、二次側室6の出口19に開放型スプリンクラーヘッド即ち泡ヘッド(図示せず)が二次側配管20を介して接続される。 【0021】その際、一次側配管端のフランジ18及び二次側配管端のフランジ21に、弁箱4の入口16の開口端面16b及び出口19の開口端面19bをそれぞれパッキン(図示せず)を介して突き合わせたうえで、一次側配管端のフランジ18と二次側配管端のフランジ21とをボルト34(図示例では4本)及びナット35で直結することにより両フランジ18,21間に一斉開放弁1が挟持固定される。 【0022】上記のように一斉開放弁1を使用した泡消火設備において、施工後、感知ライン9への充水時や監視状態における感知ライン9の圧力低下分の補充をする時には弁体11の細孔28を通じて高圧状態の一次側室5から圧力制御室10、感知ライン9へと充水・加圧することができる。逆に一次側室5の圧力が低下し、感知ライン9側が高圧になった場合には、細孔28を覆う環状パッキン29のチャッキ弁作用により感知ライン9側の水が一次側室5へ流出するのを阻止できる。 【0023】上記実施例では、一次側配管端のフランジ18と二次側配管端のフランジ21との間に一斉開放弁1を挟む構造してあるが、この場合、弁箱4の入口16及び出口19のそれぞれの外周壁16a及び19aを少し長く延設し、それぞれの内部にバタフライ弁の弁体(図示省略)を内蔵して入口16及び出口19をそれぞれ開閉可能にすることができる。そのほかに、図5に示すように、弁箱4の入口16の開口端面16bと一次側配管端のフランジ18との間に入口開閉用のバタフライ弁37を、また弁箱4の出口19の開口端面19bと二次側配管端のフランジ21との間に出口開閉用のバタフライ弁38をそれぞれ介在させ、バタフライ弁37のフランジ39とバタフライ弁38のフランジ40とをボルト34及びナット35で直結することもできる。 【0024】 【発明の効果】本発明によれば、弁体の鍔部に一次側室と圧力制御室とを連通する細孔を設けるとともに、該鍔部に弾性を有する環状パッキンを前記細孔の圧力制御室内に臨む上端開口部を覆うように嵌合装着するという簡単な手段で、チャッキ弁機能と気密シール機能の両機能を発揮する弁体を得ることができるという利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000114905 【氏名又は名称】ヤマトプロテック株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月26日(2001.4.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072338 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 孝一 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−320688(P2002−320688A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月5日(2002.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2001−129989(P2001−129989) |
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