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【発明の名称】 電気刺激装置
【発明者】 【氏名】渡邊祐介

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】パルスの周波数を変化させながら生体を刺激する電気刺激装置において、パルスにはパルス群を用い、パルス群の周波数が低くなるほどパルス群の電気エネルギーが多くなるようにし、パルスの周波数が低い領域でも十分な刺激感覚が得られるようにした電気刺激装置。
【請求項2】パルス群は所定のパルス幅を有する基本パルスの集合であり、パルス群の電気エネルギーはパルス群を構成する基本パルスの数によって決定するようにした、請求項1記載の電気刺激装置【請求項3】少なくともパルス周波数が高い部分と低い部分とで、電気刺激の強さが同じになるようにパルス群の電気エネルギーをあわせて、全周波数領域でほぼ均一な刺激強度が得られるようにした、請求項1又は請求項2記載の電気刺激装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルス周波数(周期)を変化させて生体刺激をおこなう電気刺激装置に関するもので、特に、パルス周波数の低い領域においても十分な刺激を得ることができ、さらに、全ての周波数帯において、均一な刺激強度が得られるようにし、より効果的で安全な刺激をおこなうことのできる電気刺激装置を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】パルス電気刺激装置では、パルス幅、周期(周波数)、及び高さ(強度)をパラメータとして、目的に応じてこれらのパラメータを選択して使用している。例えば、疼痛緩和を目的とする電気刺激では、痛みを伝達する神経を選択的に刺激して痛みの信号をブロックするために、パルス幅が50〜60μsと100〜200μsのパルスを用いている。いわゆるTENS(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation)はこのような装置である。これに対して筋肉刺激では、細いパルスでは十分な収縮を生じることができないので、TENSよりも幅の広いパルスが用いられている。
【0003】刺激強度を上げると、やがて刺激感覚閾値に達し、更に上げると疼痛閾値に達する。電気刺激では疼痛閾値以下で使用する。一方、電気刺激は医療上有効ではあるが、刺激条件を一定にして単調な刺激を続けると慣れが生じ、効果が低下する。これを防止するために、パルスの周波数や強度を変化させる手法がとられている。しかし、パルス電気刺激では、刺激感覚閾値と疼痛閾値の差が小さいので、パルスの強度を変化させる制御は適しない。TENS等では、パルスの幅と強度を一定にして、場合によってはパルスの周波数を変化させて使用するが、この場合、パルスの周波数が高いほど生体に供給されるエネルギーが多くなり、刺激強度が強くなり、逆に、周波数が低くなると刺激強度が弱くなり、医療効果と患者の満足度が低くなる。
【0004】周波数が低くなったとき、十分な刺激強度を得るためにパルスの強度を制御すると、理論的にはこの問題を解決できると思われる。しかし、前述のように、パルス強度の制御は困難である。そこで、従来はパルスの周期とパルス幅とを一定の割合にするパルス幅制御法が使用されてきた。このように制御すると、周波数が変わっても一定のエネルギーを供給することができるので、常に一定の刺激強度を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 しかし、パルスの周期と幅とを一定の割合に維持するパルス幅制御法は、周波数を狭い範囲で制御するときは良い結果を得ることができるが、広い範囲で変化させるときは、低周波領域でパルス幅が広くなり、疼痛や火傷が発生する可能性が高くなり、低周波領域での刺激感の低下が問題であった。また、TENSでは、パルス幅を一定にして使用する必要があるため、パルスは場制御を使用することはできない。このため、低周波領域におけるエネルギーの低下は避けられず、治療効果と、患者の満足度は低くなっていた。低い周波数領域で強い刺激感を得ようとして出力ボリュームを上げておくと、高周波領域になったとき、強い刺激を受け、痛みやショックが生じ、危険であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決するために、請求項1記載の発明では、従来の単一パルスの代わりに、複数のパルスからなるパルス群を用い、高い周波数領域ではパルス群に含まれる電気エネルギーを少なくし、低周波領域ではパルス群の電気エネルギーを増やすようにし、低周波領域でも十分な刺激効果を得ることができるようにした。
【0007】また、請求項2記載の発明では、パルス群は所定のパルス幅を有する基本パルスの集合とし、パルス群の電気エネルギーはパルス群を構成する基本パルスの数によって決定するようにし、低周波領域でも十分な電気エネルギーを与え、十分な刺激効果を得ることができるようにした。
【0008】さらに、請求項3記載の発明では、少なくともパルス周波数が高い部分と低い部分とで、電気刺激で感じる強さが同じになるようにパルス群の電気エネルギーを、例えばパルス数を変え、全周波数領域でほぼ均一な刺激強度が得られるようにした。
【0009】
【作用】本発明によると、周波数が低くなるほどパルス群に含まれる電気エネルギーが、例えばパルス数が多くなるので、周波数が低い領域でも十分に強い刺激をおこなうことができる。
【0010】また、周波数が高い部分と低い部分の電気刺激強度を比較し、両者の刺激感覚が同じになるように、パルス群の電気エネルギー、例えばパルス数を調節し、全周波数領域で均一な電気刺激強度を得ることができる。さらに、パルス幅は一定に保つことができるので、TENSのような特定のパルス幅のパルスで刺激したい場合にも使用することができる。
【0011】
【実施例】請求項1記載の発明は、パルス頻度(周波数)を広い範囲で制御し、単一パルスの代わりにパルス群を用い、低い周波数領域でも十分な刺激効果が得られるように、周波数が低くなるほどパルス群に含まれる電気エネルギーを多くするものである。請求項2記載の発明は、パルス群の周波数が低くなるほど、パルス群に含まれるパルス数を多くし、パルス群の電気エネルギーを増やすようにしている。
【0012】図1に本発明の実施例を示す。図1のTはパルス群の周期、T‘はパルス群を構成する基本パルスの繰り返し周期、tは基本パルスのパルス幅である。(b)と(c)には直線状のパルスだけを示しているが、これは、パルスの数が判るようにしたものであり、実際には基本パルスの波形は(a)のようなパルスであり、図1(a)は高周波領域の、(b)は中間の周波数領域の、(c)は低周波領域のパルス発生状況を示す例である。ここでは、(a)は1000Hz、(b)は100Hz、(c)は1Hzとし、基本パルスのパルス幅tが100μsの双極性パルスを用い、パルス周波数(1/T‘)が5KHzのパルスを考え、1000Hzで1個の、100Hzで3個の、1Hzで6個のパルスを出すようにした例を考える。これらの間にある周波数では、周波数毎に、パルス群に含まれるパルス数を決めている。この決定法は後述する。
【0013】例えば、装置のパネル面に付けたスイッチ類を操作して、周波数を100Hzに設定し、出力調節ボリュームを操作して適切な刺激強度になるように設定すると、電気刺激がスタートし、周波数が5kHzの3個のパルスを有するパルス群が発生し、生体を刺激する。通常は治療開始と共にタイマーが作動し、タイマーが終了すると、出力も停止し、刺激を終了する。
【0014】同様に、治療前に周波数を1Hzに設定すると6個のパルスを有するパルス群を、1000Hzでは1個を、それぞれ出力して治療を行う。本発明では、基本パルスの数は、1個も複数という。本発明では、パルス群に含まれる基本パルスのパルス幅、強度、周波数、波形、双極性のパルスか単極性か、等は問わないし、可変にしてもよい。図1例で、パルス群の周波数を1000Hzから1Hzまで連続的に変化させると、1000Hzのとき、パルス群に含まれる基本パルスの数は1個発生し、周波数が低くなるに従って基本パルスの数が増加し、100Hzでは3個、1Hzになると6個のパルスを発生し、従来に比して1Hzでは6倍の刺激を与えることができ、低周波領域でも十分な電気刺激をおこなうことができる。ただし、これらのパルスの数は説明のための便宜上のもので、実際とは異なる。実際に基本パルスの数を決定する方法は後述する。
【0015】請求項3記載の発明は、少なくともパルス周波数が高い部分と低い部分の2カ所で、電気刺激で感じる強さが同じになるようにパルス群の電気エネルギーを補正し、全周波数領域でほぼ均一な刺激強度が得られるようにするものである。図2は周波数とdutyの関係を表すグラフである。dutyとは、パルス幅とパルスの周期との比の平方根で、そのエネルギーを表す。つまり、このグラフはパルスの周波数とエネルギーの関係を示す。パルス幅が一定の単一パルスでは、各周波数で、周期とパルス幅との比をとり、dutyを求め、全周波数についてプロットをとると、Aの曲線が得られる。
【0016】請求項3記載の発明では、高い周波数で(例えば1000Hz)で所定のパルス(例えばパルス幅100μs)のパルス群(例えば1個)を発生させて刺激強度を求め、その後、1Hzでパルス群を発生させ、パルス群に含まれるパルス数を変化させながら、1000Hz時の刺激強度と比較し、両者の刺激強度が同じと感じられるパルス数を決定し、このときのdutyを計算して、P点を決定する。その後、P点とQ点とを結んで、曲線Bを得て、この曲線から各周波数に対するdutyを読みとり、パルス数を計算する。パルス幅tに変えると、このパルスに対する曲線を求めることができる。
【0017】この例では、1000Hz時に1個のパルスを出す例を示したが、複数個にしてもよい。P点の決定は、人の間隔に依存するので、多数で測定して平均的な値を求めればよい。P点は変更できるので、個人に適した補正をおこなうことができる。
【0018】この例では、B曲線を、P点を決定した後、A曲線に類似した形状にしたが、P−Qをより変化の少ない曲線にしたり、直線にしたりすることもできる。以上の説明では、周波数が高い点と低い点の2カ所で電気刺激強度が同じになるように補正した例を示したが、途中の複数の周波数で至適強度を求めて、これをプロットして、各周波数におけるパルス群に含まれるパルスの数を決定してもよい。人体は非線形特性を有するので、いくつかの点で測定して決定した方が、より、全周波数帯での刺激強度を均一にすることができる。均一な刺激強度になるほど、刺激効率と治療効果が向上する。なお、図2の直線Cは、瀬部手の周波数でdutyを一定にしたときの直線である。
【0019】パルス幅は100μsの例を示したが、50μsその他にしてもよい。また、双極性のパルス波形の例を示したが、波形は単極性パルスや微分波形その他、どのような波形でもよい。基本パルスの周波数は特に問わない。
【0020】以下に、図2のようにしたときの動作を説明する。パネル面のスイッチを操作して、1Hzから1000Hzまでリニアに周波数を変化させるモードを選択し、出力調節ボリュームを上げて適切な刺激強度にすると治療がスタートする。治療中、周波数は1Hzから1000Hzまでリニアに変化する。この間、出力周波数によって、パルス群に含まれるパルス数は決定されており、周波数が変化するに従って、パルス群に含まれる基本パルスの数も変化し、与えるエネルギーも変化する。あるパルス群に含まれるパルス数は、生体の特性に合わせて補正したものであるから、全ての周波数で均一な刺激強度と刺激感を得ることができる。このため、治療効率も、患者の満足も高いものになる。また、従来は周波数の低い領域で刺激強度を設定すると、周波数が高い領域になったとき、強い刺激のショックを受け、危険であった。しかし本発明よると、刺激強度は全ての周波数帯で均一であるため、どのような周波数で出力調節をおこなっても、治療中に強いショックを受けることはなく、安全に治療を受けることができる。
【0021】
【発明の効果】従来は、パルス幅が一定の単一パルスで刺激していたため、高周波領域で強い刺激となっていた。このため、高周波領域で刺激強度を決定すると、低周波領域では十分なエネルギーが供給できなくなり、治療効果が低下し、患者の満足度も低くなっていた。逆に、低い周波数領域で刺激強度をあわせると、高い周波数領域で、強い刺激を受け、疼痛やショックが生じることもあり、危険であった。しかし本発明によると、単一パルスの代わりにパルス群で刺激し、周波数が低くなるほどパルス群のエネルギーを増加させて使用するので、低周波領域でも十分な電気刺激強度を得ることができる。しかも、疼痛やショックの少ない、安全な刺激を行うことができる。
【0022】また、高い周波数領域と低い領域とで刺激強度の間隔を比較し、同じ刺激強度になるようにパルス群のエネルギーを調節し、全周波数領域で均一な刺激強度になるようにしているので、十分な治療効果と患者の満足が得られる。
【0023】また、パルス波形は一定に保つことができるので、TENSのような特定のパルス幅が必要な刺激に使用することができ、すべての周波数領域で十分なエネルギーを供給することができるので、従来よりも高い鎮痛効果と、患者の満足が得られる。疼痛等、患者の満足度が治療効果に大きな影響を与えることは多いので、相乗的に治療効果を高くすることができる。
【出願人】 【識別番号】000114190
【氏名又は名称】ミナト医科学株式会社
【出願日】 平成13年2月23日(2001.2.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−248175(P2002−248175A)
【公開日】 平成14年9月3日(2002.9.3)
【出願番号】 特願2001−48676(P2001−48676)