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【発明の名称】 免疫賦活用担体の製造方法
【発明者】 【氏名】和田 拓也

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 血液回路中に設けられた免疫賦活装置において使用される球状の免疫賦活用担体の製造方法であって、プラスチック棒状体から連続球体を形成する転造工程と、この転造工程により得られた連続球体を分離する球体分離工程とからなることを特徴とする免疫賦活用担体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、血液と接触することによって血液中の成分の吸着、及び変性をコントロールするために使用される球状の免疫賦活用担体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックを原料とする球状の免疫賦活用担体は、プラスチック配合組成物を押出機等によりペレット化し、そのペレットを射出成形法により球状に成形する方法(a)、ペレットを直接バレル研磨あるいは精密研磨で球状に研磨する方法(b)、あるいは懸濁重合によりモノマーから重合して球状ポリマーを得る方法(c)が知られている(特開平2−193069号公報)。
【0003】上記射出成形による方法(a)では、複数個取りの金型を用いることによって製造速度を速くすることができるが、ランナー部分等の不要部分によるロスが発生し、また、ゲートやバリを取り除く工程を必要し、ゲート切断跡やバリ除去跡を精密研磨する工程まで必要とされ、煩瑣であり、製造コストを高いものにしていた。また、射出工程と研磨工程との2回にわたる熱履歴を経るので、熱によって変質する材料には不向きであった。
【0004】研磨による方法(b)は、バレル研磨、精密研磨、あるいはこの併用によりペレット形状から直接球状まで削りあげるため、原料ロスが多く、また1バッチ(通常2〜10kg)のペレットを球状にするのには長時間かかることから、大量生産には不向きであり、製造コストも高かった。さらに、研磨によって発生する摩擦熱を冷却するために水を使うため、水分を吸収し易い材料には不適であった。また、懸濁重合法(c)では、ペレット化の必要はないものの、一度の重合に8〜10時間と長時間を要し、粒子径を揃えると収率が悪くなる。その上、直径2.5mmを超える大きな球体は得られないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、材料ロスがなく、熱履歴の少ない、免疫賦活用担体の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明においては、先ず、プラスチック棒状体を転造により球体が数珠状に連結された連続球体を形成する。
【0008】プラスチック棒状体としては、プラスチック配合組成物を押出機等によって成形された丸棒体等が用いられる。その材質としては、転造形成に耐え得る硬度を有する材質であれば特に限定されない。もちろん、製造された免疫賦活用担体は、接触する血液に有害であってはならない。たとえば、酢酸セルロース、ポリスチレン、酢酸セルロース、6−ナイロンや11−ナイロンなどのナイロン、ポリトリフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等があげられる。
【0009】なお、可塑剤が配合される場合には、可塑剤は一般に毒性があるため、抽出操作を施すのがよい。この抽出操作は、プラスチック棒状体成形後のいずれかの段階で行えばよい。転造前に抽出を行うと、プラスチック棒状体が硬くなり、転造し易くなることがあるので、その場合には転造工程前に行うことが好ましい。
【0010】プラスチック棒状体の断面形状は、最終形状が球体であるため、丸棒状であることが好ましい。また、その太さも特に限定されないが、通常、直径1〜10mmとされる。押出後の冷却の際、表面部と内部との収縮の違いにより粗密が生じたものとなることがあり、得られる球体の品質を損なうことがあるので、断面積の大きいプラスチック棒状体を用いる場合には、この点注意する必要がある。
【0011】転造工程においては、たとえば、図1に示すとおりの転造盤が用いられる。転造盤1は、互いに近接して設けられ、同方向かつ同速度で回転駆動する一対のローラ11、12と、プラスチック棒状体2を支持案内する支持台13からなる。ローラ11、12には、半円または部分円弧状輪郭を有する転造溝111、112が螺旋状に刻設されている。この転造溝111、112は、ローラ11、12間にかみ込まれるプラスチック棒状体2の体積と、ローラ11、12の出口から出る連続球体3の体積が等しくなるように、リード角が入口側から出口側に向かって徐々に大きくなるようにされている。また、ローラ11、12及びプラスチック棒状体2は同一平面内になく、プラスチック棒状体2に送りがかかるように傾斜している。
【0012】支持台13に案内支持されたプラスチック棒状体2を、ローラ11、12の入口に挿入すると、プラスチック棒状体2は連続的にだんだん小さい断面に変形し、ローラ11、12の出口から、球体4が小さなブリッジ5でつながった、数珠状の連続球体3が形成される。
【0013】こうして形成された連続球体3のブリッジ5を、球体分離工程において切断分離し、個々の球体4を得る。この球体4を精密研磨にかける。この精密研磨により、ブリッジ切断跡が研磨されるとともに、表面にある一定の凹凸状態をもたせることができる。精密研磨後、球体4を洗浄して免疫賦活用担体が得られる。なお、球体4の表面の凹凸状態は、上記精密研磨条件と洗浄条件により決められる。免疫賦活用担体の表面の凹凸状態によって、これに接触した血液細胞の形態変化が起こり、細胞内からその形態変化に応じた分泌物が分泌されることになる。
【0014】
【作用】以上のとおり、プラスチック棒状体は、ローラ間にかみ込まれ、螺旋状の転造溝により、連続的にだんだん小さい断面に変形されて数珠状の連続球体が形成される。そして、この連続球体のブリッジを切断分離することにより個々の球体が得られ、免疫賦活用担体とされる。したがって、連続した工程で行うことができ、原料ロスが極めて少なく、熱履歴が少ない免疫賦活用担体が得られる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例につき説明する。
【0016】プラスチック棒状体の製造アセチルトリエチルサイトレートを30重量%含有するコットンリンテー綿よりなる酢酸セルロースを原料とし、押出機により170〜200℃で直径2mmの丸棒体を成形した。この丸棒体を50℃以下まで冷却し、1mの長さに切断し、1000本にまとめてメタノール中に浸漬して可塑剤抽出を5回行った。1回の抽出は、80リットルのメタノールを使用し、55〜60℃、約1.5時間浸漬とした。その後常温に冷却した。
【0017】免疫賦活用担体の製造図1に示すような転造盤を用いて、上記酢酸セルロース丸棒の転造を行った。この転造時間は1秒とし、ローラの出口側に鋭いカッタを設けて、得られた連続球体をブリッジ部分で切り落として個々に分離した。
【0018】個々の球体に精密研磨をかけた。この精密研磨には、粗さ600番、直径80cmの石臼状の研磨板を2枚用い、2mm間隔を持たせた研磨装置を用いた。研磨板の間に上記球体2kgを入れ、20回転/分で回転する研磨板を、2時間回転させて研磨した。こうして、ブリッジ切断跡のない、かつ表面が必要な凹凸粗さをもつ球体(2mm)を得た。
【0019】次に、球体40kgを純水で洗浄した。この洗浄条件は、密閉タンク内で純水80リットルを80℃×1時間の洗浄を5回繰り返した。洗浄後、真空乾燥機で乾燥させ、免疫賦活用担体を得た。
【0020】免疫賦活用担体の実用試験上記免疫賦活用担体を免疫賦活装置に充填し、燐酸緩衝液または生理的食塩水で洗浄し、液を排出した。その後、人全血を免疫賦活装置導入部より注入し、37℃で1時間放置した。ブランク試験として免疫賦活用担体を充填しないこと以外は上記と同様にした。放置後の血液の腫瘍壊死因子(TNF−α)活性は、ブランクに比べ3倍から10倍の高い値を示した。
【0021】
【発明の効果】以上のとおり、この発明の免疫賦活用担体の製造方法によれば、プラスチック棒状体の転造により球体を成形するので、原料の歩留りが高く、生産時間を短縮することができ、効率よくプラスチック製免疫賦活用担体を得、生産コストを低くすることができる。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【識別番号】000153258
【氏名又は名称】株式会社日本抗体研究所
【出願日】 平成5年6月22日(1993.6.22)
【代理人】 【識別番号】100086597
【弁理士】
【氏名又は名称】宮▼崎▲ 主税
【公開番号】 特開2002−325843(P2002−325843A)
【公開日】 平成14年11月12日(2002.11.12)
【出願番号】 特願2002−71571(P2002−71571)