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【発明の名称】 情報処理方法
【発明者】 【氏名】久保 博信

【要約】 【課題】個々に独立して配置され、運転の管理がなされている多数の呼吸用気体供給装置について、呼吸用気体供給装置利用者と支援機関と医療機関の間で、確実に、迅速に、十分に意志の疎通を図るための方法や装置を提供できる。

【解決手段】画像情報、文字情報、音声情報の内の少なくとも一つを含む情報を送信および受信できる通信手段A,B,Cを、それぞれ呼吸用気体供給装置利用者、呼吸用気体供給装置利用支援機関、医療機関が使用して、通信手段Aと通信手段Bと通信手段Cとの相互間で所定の情報について交信を行う通信方法であって、当該所定の情報が、当該呼吸用気体供給装置の設備情報、運転条件情報、運転情報の内の少なくとも1つと患者バイタル情報とを含む情報処理方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像情報、文字情報、音声情報の内の少なくとも一つを含む情報を送信および受信できる通信手段A,B,Cを、それぞれ呼吸用気体供給装置利用者、呼吸用気体供給装置利用支援機関、医療機関が使用して、通信手段Aと通信手段Bと通信手段Cとの相互間で所定の情報について交信を行う通信方法であって、当該所定の情報が、当該呼吸用気体供給装置の設備情報、運転条件情報、運転情報の内の少なくとも1つと患者バイタル情報とを含む情報処理方法。
【請求項2】 患者バイタル情報が、動脈血中酸素濃度、心拍数、呼吸数、体温、自覚症状の内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、呼吸器疾患患者等の呼吸用気体供給装置利用者のための情報処理方法、情報処理ネットワークシステム、コンピュータプログラムおよび記録媒体に関する。
【0002】なお、呼吸用気体供給装置は通常酸素を濃縮した気体を呼吸器疾患患者に供給する装置であるため、単に酸素濃縮器と呼称される場合もある。
【0003】
【従来の技術】従来、呼吸器疾患の患者に対して酸素ボンベから供給する酸素療法が行われており、最近では空気中の酸素を分離濃縮して酸素濃縮気体を得るための呼吸用気体供給装置が開発され、それを用いた酸素療法が次第に普及するようになって来ている。
【0004】かかる呼吸用気体供給装置としては、例えば窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を酸素濃縮手段として用いた吸着型呼吸用気体供給装置や、酸素選択透過性膜を酸素濃縮手段として用いた膜型呼吸用気体供給装置がある。前者は主に酸素濃度が90体積%程度の酸素濃度の気体を供給するのに適しており、後者は主に酸素濃度が40体積%程度の酸素濃度の気体を供給するのに適しているものであったが、技術の進歩と共にその境界は曖昧になってきている。また、その他に固体電解質法による酸素濃縮装置も知られている。
【0005】なお、酸素療法が用いられる他の酸素供給方式として、液体酸素から適当に制御された速度で蒸発した酸素を患者に供給する方法も知られている。
【0006】かかる呼吸用気体供給装置は、病院において利用されるのみならず、在宅医療用に家庭においても利用される場合が次第に多くなってきている。なおこれらの呼吸用気体供給装置は、病院や家庭において個々に配置され、別々に運転状況の把握およびその管理がなされている。
【0007】このため、かかる呼吸用気体供給装置の技術的支援を行う者や呼吸用気体供給装置の運転状況の集中的把握とその集中的管理とに携わる者よりなる、呼吸用気体供給装置利用支援機関、すなわち呼吸用気体供給装置利用者を支援する機関(以下呼吸用気体供給装置利用支援機関を略して単に支援機関ともいう)にとって、支援すべき対象者や内容を明確に把握することが困難になり、必要な部品の調達、呼吸用気体供給装置利用者への必要なサービスの提供を適切なタイミングで行うのが困難になってくる事態が想定される。
【0008】また、呼吸用気体供給装置利用者の方から見れば、アドバイスを求めたいときに、十分な情報を支援機関と共有することが困難になってくる事態が想定される。
【0009】さらに、呼吸用気体供給装置利用者は健康的に弱者であるところから、呼吸用気体中の酸素濃度および設定値の情報の内の少なくとも1つとともに、動脈血中酸素濃度、心拍数、呼吸数、体温、自覚症状等の患者の生存や適切な健康状態の維持に不可欠な情報(本願明細書においてはこのような情報を患者バイタル情報と呼ぶ)については、適切な範囲に維持することが重要であり、かつ、これらの情報に関し適切な対応策を決定できるのは主に医師や看護婦等(以下医師や看護婦等を「医師等」という)に限定されるところ、そのような情報の流れを適切に管理し、適切な時期に呼吸用気体供給装置利用者から患者バイタル情報が医師等の元に届けられ、適切な時期に、その対応策が医師等から呼吸用気体供給装置利用者にフィードバックされるというような方法、システムは、現在の所存在せず、在宅医療であるにもかかわらず、結局呼吸用気体供給装置利用者が患者として病院に赴き医師等の指示を仰がなければならないという不合理が存在する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このように個々に独立して配置され、運転の管理がなされている多数の呼吸用気体供給装置について、呼吸用気体供給装置利用者と支援機関とが確実、迅速に情報を共有するとともに、病院やナースセンター等の医療機関に患者バイタル情報が適切な時期に適切な形で届けられるようにするための方法やシステムを提供し、上記の問題を解決せんとするものである。
【0011】特に本願発明は、吸着型呼吸用気体供給装置や膜型呼吸用気体供給装置において、装置に関わる状況や患者バイタル情報の把握を、呼吸用気体供給装置利用者と支援機関と医療機関とが確実、迅速に共有するための方法やシステムを提供し、上記の問題を解決せんとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、各家庭等に分散して配置された個々の呼吸用気体供給装置に関わる状況の把握を、呼吸用気体供給装置利用者と支援機関と医療機関とが確実、迅速に共有するための方法を提供すべく鋭意検討した結果、本願発明に想到した。
【0013】すなわち、本願発明の態様の一つは、画像情報、文字情報、音声情報の内の少なくとも一つを含む情報を送信および受信できる通信手段A,B,Cを、それぞれ呼吸用気体供給装置利用者、呼吸用気体供給装置利用支援機関、医療機関が使用して、通信手段Aと通信手段Bと通信手段Cとの相互間で所定の情報について交信を行う通信方法であって、当該所定の情報が、当該呼吸用気体供給装置の設備情報、運転条件情報、運転情報の内の少なくとも1つと患者バイタル情報とを含む情報処理方法、である。
【0014】なお、本願発明の他の態様としては、このような情報処理を可能とするための情報処理ネットワークシステム、コンピュータプログラムおよびこのようなコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体が挙げられる。
【0015】ここで、通信手段Aと通信手段Bと通信手段Cとは公知のどのような通信手段を使用しても良い。通信手段Aと通信手段Bと通信手段Cとを使って支援機関と呼吸用気体供給装置利用者と医療機関とが交信を行うためのシステムとしては、公知のいかなるネットワークシステムも使用することができる。インターネット回線を利用することも可能である。
【0016】そして、このような送受信する機能は、通信手段Aと通信手段Bと通信手段Cとにコンピュータを付設することで可能とすることができる。
【0017】コンピュータを使用する場合等は、上記の交信方法を実行するためのコンピュータプログラムを作成すれば、汎用のパーソナルコンピュータ等を使用することも可能となる。そして、このようなプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体を用いれば、呼吸用気体供給装置の新設等に容易に対応することができる。
【0018】通常、呼吸用気体供給装置は家庭等に固定して設置されるが、設備の更新、呼吸用気体供給装置の新規設置、使用中止、呼吸用気体供給装置利用者の所在地の変更等の要因により、呼吸用気体供給装置の設置場所や使用状況がかなり頻繁に変更され、また、呼吸用気体供給装置に関する上記諸情報の内容が非定常的に変化することが原因となって、支援機関が、自己の支援すべき対象者や内容を明確に把握することを困難にする大きな原因となり得ることが判明した。また、呼吸用気体供給装置利用者は呼吸用気体供給装置に関する技術に習熟しているわけではないので、電話等の音声、文字情報だけでは、意思の疎通が充分図れないことも考えられる。
【0019】この意思の疎通を図るには、上記の情報が重要であることが判明した。
【0020】すなわち、本願発明に係る情報処理方法は先ず第一に、呼吸用気体供給装置の設備情報と運転条件情報と運転情報とを、通信手段Aと通信手段Bと通信手段Cとの間で、画像情報、文字情報、音声情報の内の少なくとも一つを含む情報として送信および受信できることを特徴としている。
【0021】ここで、呼吸用気体供給装置の設備情報としては、呼吸用気体供給装置の構造およびソフトウエアに関するどのような情報を含めることもできる。運転条件情報としては、呼吸用気体供給装置で使用される、圧力、流量、温度、湿度、容積、濃度、運転時間等に関するあらゆる条件を含めることができる。また、運転情報としては、これらの運転条件に対応する、圧力、流量、温度、湿度、容積、濃度、運転時間等の実際の値を含めることができる。
【0022】呼吸用気体供給装置の設備情報と運転条件情報と運転情報とを電子的に記録する記録手段として、コンピュータを使用することもできる。この記録手段は、呼吸用気体供給装置に付設されていてもよく、他の場所に集中的に情報を収集装置として設置しても良い。この情報は主として、支援機関が支援活動に役立てることができる。
【0023】交信に画像情報、文字情報、音声情報の内の少なくとも一つを含む情報を使用するのは、上記のごとく、支援機関や医療機関と、呼吸用気体供給装置に関する技術に習熟しているわけではない呼吸用気体供給装置利用者との間で、確実迅速な情報の交換を図るためである。
【0024】この場合、特に画像情報を交信するのが望ましい。そして、その用に供するため、通信手段Aおよび/またはBが撮像手段を付設していることが望ましい。撮像手段としては、ディジタルカメラ、ビデオテープレコーダ等どのような手段を使用することも可能である。
【0025】さらに、呼吸用気体供給装置利用者と支援機関との間の情報交換に有用な情報について検討した結果、当該呼吸用気体供給装置の地理的位置、当該呼吸用気体供給装置の機種、呼吸用気体供給装置利用者の個人的病歴が特に重要であることが判明した。
【0026】そして、これらに加えて、酸素濃縮手段内の圧力および設定値、呼吸用気体の温度および湿度、呼吸用気体の流量および設定値、呼吸用気体中の酸素濃度および設定値も交信される情報としては有用であることが判明した。
【0027】さらに、可能である場合には、呼吸用気体供給装置に関する異常警報、呼吸用気体供給装置の運転時間、呼吸気体供給装置がコンピュータを内蔵したものである場合の、過電流,コンピュータの作動異常および電源電圧の異常についての情報も有用である。なお、本願明細書では、これらの情報も、呼吸用気体供給装置の設備情報と運転条件情報と運転情報とに含まれるものとする。
【0028】すなわち、支援機関にとって、呼吸用気体供給装置の設備情報と運転条件情報と運転情報とに関する情報を受信できることは、技術的支援をなすに当たって非常に有用であり、呼吸用気体供給装置利用者にとっては必ずしも必要ではないにしても、時に必要な事態が考えられる。なお、ここで、呼吸用気体供給装置の設備情報と運転条件情報と運転情報とに関する情報は、現在の情報のみならず、過去の情報も含むことが望ましい。
【0029】上記の情報の内、呼吸用気体供給装置の地理的位置が重要であるのは、予想に反し、呼吸用気体供給装置の、新規設置、使用中止、呼吸用気体供給装置利用者の所在地の変更等の要因に対応して、その最新情報を迅速に把握することが、呼吸用気体供給装置利用者を支援するのに重要であるからである。
【0030】呼吸用気体供給装置の機種の情報が重要であるのは、急速に変化する技術革新の下、支援機関がすべての呼吸用気体供給装置の機種に即座には対応しきれないケースが考えられるからである。
【0031】呼吸用気体供給装置利用者の個人的病歴を知ることが支援機関と呼吸用気体供給装置利用者との間の意思の疎通に役立つことはいうまでもない。
【0032】また、その他の情報については次のような事情を例示することができる。
【0033】呼吸用気体供給装置は、通常、酸素濃縮手段に圧縮空気を送り込むためのコンプレッサー、空気の圧縮に伴って発生する熱を除去するための冷却ファン、吸着型や膜型の酸素濃縮手段、酸素濃縮手段内の圧力を検出する手段、呼吸用気体供給装置利用者に供給する呼吸用気体の流量を測定する手段、呼吸用気体供給装置利用者に供給する呼吸用気体中の酸素濃度を測定する手段、酸素濃縮手段内の圧力、呼吸用気体の流量、呼吸用気体中の酸素濃度が所定範囲を外れた場合に、異常と判断し、当該異常を検出した場合の音声、ランプ等による警報手段、呼吸用気体供給装置の運転条件を制御し、上記の異常を検出し警報する等の目的に使用されるコンピュータシステム等を有している。
【0034】酸素濃縮手段内の圧力が所定範囲を外れるケースの内、酸素濃縮手段内の圧力が下限を下回るケースには、たとえば、コンプレッサー自体に何かの異常が発生した場合が該当し、上限を上回るケースには、たとえば、酸素濃縮手段中の吸着剤に水分が過剰吸着した場合が該当する。
【0035】また、呼吸用気体の流量が所定範囲を外れるケースとしては、医師等の指示により設定された流量に対し、その許容下限流量を下回るケースが考えられる。具体的には、2L/分の設定値に対し、50%以上を許容範囲とすれば、50%未満で異常警報を発することになる。
【0036】呼吸用気体中の酸素濃度が所定範囲を外れるケースとしては、たとえば90%以上の酸素濃度を設定値とし、75%を下限とすれば、75%未満で異常警報を発することになる。
【0037】なお、酸素濃縮手段内の温度および湿度は上記のような異常を検出する補助的手段となり得ることが見出されている。
【0038】このような異常の状態について支援機関と呼吸用気体供給装置利用者との間の理解を深めるには上記の情報が役立つのである。
【0039】なお、これらの情報は、支援機関と呼吸用気体供給装置利用者とが適宜行うことになるが、秘密が外部に漏れないように万全の対策を講じることも重要である。このため、情報の送信に当たっては暗号化処理を行い、受信に当たって暗号解読処理を行うことが好ましい。
【0040】ただし、上記のような情報は特定の者のみがアクセスを許されるべきものであり、このような情報の出力先は厳密に管理することが必要となる。また、情報内容の一部を制限することも有用である。
【0041】送信受信する情報には、さらに、上記呼吸用気体供給装置の利用開始時期、過去における呼吸用気体供給装置の設備情報、運転条件情報、運転情報を含めることも、本願発明の好ましい態様の一つである。呼吸用気体供給装置利用者と支援機関とが過去の情報を必要とすることがしばしばあるからである。
【0042】なお、これらの呼吸用気体供給装置の設備情報、運転条件情報、運転情報は、医師等等が必要とする度合いは小さい。従って、通信手段Cが受信する情報中には、必ずしも含める必要はない。
【0043】次に、本願発明に係る情報処理方法では、動脈血中酸素濃度、心拍数、呼吸数、体温、自覚症状等の患者の生存や適切な健康状態の維持に不可欠な患者バイタル情報の交信を行う。現在の情報のみならず、過去の情報も含むことが望ましい。
【0044】動脈血中酸素濃度は、呼吸用気体供給装置を利用する呼吸用気体供給装置利用者が酸素を適切に摂取しているか否かを認識するための重要な指標であり、現在ではサック状の器具を指に取り付けるだけで簡単に測定する装置が市販されている。
【0045】心拍数、呼吸数、体温は呼吸用気体供給装置利用者の健康状態を知る上で最も基本的な情報に属し、また、日常的生活にも登場する概念であるため、呼吸用気体供給装置利用者が改めてその測定方法を勉強しなければならないと言った類の情報ではない。従って、呼吸用気体供給装置利用者が送信する情報としてはきわめて有用性が高い。
【0046】これらの情報や、それに加えて自覚症状の情報を呼吸用気体供給装置利用者が送信し、それが、支援機関や医療機関で受信されれば、呼吸用気体供給装置利用者の容態に重要な変化が生じたとき等には迅速な対策を講じることができる。
【0047】なお、これらの情報はその性質上、呼吸用気体供給装置利用者が通信手段Aを用いて、送信を開始することになるが、過去の情報に関しては通信手段Bや通信手段Cが送信する場合もあり得る。
【0048】また、これらの情報は、主に、人である呼吸用気体供給装置利用者が通信手段Aに入力することによって送信されるが、たとえば、上記動脈血中酸素濃度の測定器のような場合には、その器具から直接情報が送信される場合もあり得る。この場合はその器具自体が通信手段Cの役割を持つことになる。
【0049】通常の場合は、この患者バイタル情報は、通信手段Aから通信手段Bに送信され、通信手段Bから通信手段Cに送信されるが、他のルートもあり得る。
【0050】医師等の迅速な処理の助けとするため、通信手段Aから通信手段Bに送信される情報の種類と量とについて厳選したものが、通信手段Bから通信手段Cに送信されることが望ましい。
【0051】さらに、動脈血中酸素濃度、心拍数、呼吸数、体温については、比較的容易に、その上限おとび/または下限を決め、その限度を外れた場合には医師等の診断を仰ぐと言った取り決めが容易にできる性質の情報であり、そうすることにより、医師等は、患者バイタル情報そのものをいちいちチェックする労役から解放されることになるため、このような限度を予め設定し、その限度を外れた場合には通信手段Cの表示装置にその警告情報が表示されることが有用である。なお、このような情報は通信手段A,Bの表示装置においても可能であることが望ましい場合も多い。
【0052】ただし、上記のような情報は特定の者のみがアクセスを許されるべきものであり、このような情報の出力先は厳密に管理することが必要となる。また、情報内容の一部を制限することも有用である。
【0053】なお、情報内容の出力に際して、送受信が必要な場合には、送信内容の暗号化を図ることも、機密保持の上で望ましい。
【0054】
【発明の実施の形態】以下において、図1〜3を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。なお、下記は本願発明の実施の形態の一部を示すためのものであり、本願発明は、これらの記載によって制限を受けるものでなく、本願発明の趣旨に合致する限り、その他の形態をも含むものであることはいうまでもない。
【0055】図1は、本願発明に係る呼吸用気体供給装置をモデル的に表した図である。
【0056】図1において、呼吸用気体供給装置11にある、窒素を選択的に吸着し得る吸着剤12を充填した1基または2基以上の吸着筒13は、空気から酸素濃度の高められた酸素濃縮気体を分離するための酸素濃縮手段の主要部分である。
【0057】コンプレッサ14から、流路切替弁15を介してこの吸着筒13に圧縮空気が供給される。
【0058】吸着筒13で吸着されなかった酸素を含むガス、すなわち酸素濃縮空気、は、サージタンク16に貯留され、流量設定器17により酸素供給量を一定に調節した後、加湿器18で加湿され、鼻カニューラ19を介して呼吸用気体供給装置利用者に供給される。
【0059】さらに必要に応じて、コンプレッサ等のポンプ手段を冷却するための冷却風を生じさせるための冷却ファン20が具備される。
【0060】また、呼吸用気体供給装置11では、酸素濃縮手段内の圧力はXの位置で、呼吸用気体の流量、呼吸用気体中の酸素濃度、呼吸用気体の温度および湿度はYの位置で検出することができる。
【0061】呼吸用気体を呼吸用気体供給装置利用者の利用に供する供給手段としては、導管手段,鼻カニューラ,マスク等を具備したものがあげられる。
【0062】図2は、本願発明に係る情報処理方法を説明するモデル図である。
【0063】図2において、呼吸用気体供給装置1とパーソナルコンピュータ2とその表示装置3とを使用する呼吸用気体供給装置利用者がパーソナルコンピュータ2に入力した情報や呼吸用気体供給装置1からの情報が支援機関の元にあるシステム9に送信される。従って呼吸用気体供給装置1とパーソナルコンピュータ2とその表示装置3とで構成されるシステム4が通信手段Aに該当し、パーソナルコンピュータ5とその表示装置6とで構成されるシステム9が通信手段Bに該当する。
【0064】また、上記情報の一部はシステム9からシステム10に送信される。従ってパーソナルコンピュータ7とその表示装置8とで構成されるシステム10が通信手段Cに該当する。
【0065】なお、これらの機器は通信装置の必須要素を意味するものではない。たとえば表示装置を欠いている場合も含まれる。
【0066】交信は、主にA→B,B→Cのルートでなされ、A→Bのルートでは当該呼吸用気体供給装置の設備情報、運転条件情報、運転情報、患者バイタル情報が、B→Cのルートでは患者バイタル情報が主に送信される。
【0067】ただし、図2の細い矢印で示すルートもあり得る。
【0068】情報の表示は、表示装置3,6,8でなされるが、このような表示装置としては、画像情報、文字情報、音声情報を表示できるものが適切である。
【0069】この送信される情報には当該呼吸用気体供給装置利用者、支援機関、医療機関等を識別するための情報を含めることが望ましい。
【0070】図3は、本発明の情報交換方法を説明するフローチャートである。図3は呼吸用気体供給装置利用者が支援機関に呼吸用気体供給装置の設備情報、運転条件情報、運転情報の内の少なくとも1つと患者バイタル情報とを含む情報を送信し、支援機関が医療機関に患者バイタル情報に関する警告情報を送信するケースについて説明してある。
【0071】図3において、呼吸用気体供給装置利用者が自分の元にある通信手段(通信手段A)を用いて支援機関に情報を送信すると(S1)、支援機関が受信し(S2)、この情報の中に患者バイタル情報が含まれているかどうかをチェックする(S3)。患者バイタル情報が含まれていない場合には何もせずに終了する。あるいは通信手段Cに情報を送信する場合もある。
【0072】患者バイタル情報が含まれている場合には、それらの情報に含まれる数値について、動脈血中酸素濃度、心拍数、呼吸数、体温が所定の上限値および/または下限値の間にあるかどうかをチェックする(S4)。そして、所定の上限値および/または下限値の間にある場合には、何もしないで終了する。あるいは通信手段Cに情報を送信する場合もある。
【0073】所定の上限値および/または下限値の間にない場合には、通信手段Bが警告情報を送信し(S5)、その情報を通信手段Cが受信し(S6)、表示装置に表示する(S7)。警報情報の送信は即時行われるようにしておくことが望ましい。
【0074】なお、通信装置A,B,Cに付随する表示装置では随時必要な情報が表示される。
【0075】以上、本願発明の内容を纏めると下記の付記のようになる。
【0076】(付記1) 画像情報、文字情報、音声情報の内の少なくとも一つを含む情報を送信および受信できる通信手段A,B,Cを、それぞれ呼吸用気体供給装置利用者、呼吸用気体供給装置利用支援機関、医療機関が使用して、通信手段Aと通信手段Bと通信手段Cとの相互間で所定の情報について交信を行う通信方法であって、当該所定の情報が、当該呼吸用気体供給装置の設備情報、運転条件情報、運転情報の内の少なくとも1つと患者バイタル情報とを含む情報処理方法。
【0077】(付記2) 患者バイタル情報が、動脈血中酸素濃度、心拍数、呼吸数、体温、自覚症状の内の少なくとも1つを含むことを特徴とする付記1に記載の情報処理方法。
【0078】(付記3) 前記交信が、前記所定の情報については、通信手段Aから通信手段Bに送信され、前記患者バイタル情報については通信手段Bから通信手段Cに送信されることを特徴とする付記1または2に記載の情報処理方法。
【0079】(付記4) 前記患者バイタル情報が所定の基準値を外れた場合には、通信手段A,B,Cの内の少なくとも1つにその警告情報が表示されることを特徴とする付記1〜3のいずれかに記載の情報処理方法。
【0080】(付記5) 画像情報、文字情報、音声情報の内の少なくとも一つを含む情報を送信および受信できる通信手段A,B,Cを含んでなる情報処理ネットワークシステムであって、通信手段Aと通信手段Bとの間での交信については、交信される情報が、呼吸用気体供給装置の設備情報、運転条件情報、運転情報の内の少なくとも1つと、動脈血中酸素濃度、心拍数、呼吸数、体温、自覚症状の患者バイタル情報の内の少なくとも1つとを含み、通信手段Aと通信手段Cとの間および/または通信手段Bと通信手段Cとの間での交信については、通信手段Aおよび/または通信手段Bから通信手段Cに送信される情報が、動脈血中酸素濃度、心拍数、呼吸数、体温、自覚症状の患者バイタル情報の内の少なくとも1つを含む情報処理ネットワークシステム。
【0081】(付記6) 画像情報、文字情報、音声情報の内に少なくとも一つを含む情報を送信および受信できる通信手段Aと通信手段Bとが所定の情報を交信する段階と、通信手段Aおよび/または通信手段Bが送信する、動脈血中酸素濃度、心拍数、呼吸数、体温、自覚症状の患者バイタル情報の内の少なくとも1つを、画像情報、文字情報、音声情報の内の少なくとも一つを含む情報を送信および受信できる通信手段Cが受信する段階と、前記患者バイタル情報が所定の基準値を外れた場合には、通信手段A,B,Cの内の少なくとも1つがその警告情報を表示する段階とを情報処理ネットワークシステム上で実行させるためのコンピュータプログラム。
【0082】(付記7) 付記6に係るコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体。
【0083】
【発明の効果】本発明の情報処理方法、システム、コンピュータプログラムおよび記録媒体によれば、個々に独立して配置され、運転の管理がなされている多数の呼吸用気体供給装置について、呼吸用気体供給装置利用者と支援機関と医療機関との間で、確実に、迅速に、十分に意志の疎通を図るための方法や装置を提供できる。特に、呼吸用気体供給装置利用者の容態に重要な変化が生じたとき等には迅速な対策を講じることができる。
【出願人】 【識別番号】000003001
【氏名又は名称】帝人株式会社
【出願日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【代理人】 【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳 (外1名)
【公開番号】 特開2002−291890(P2002−291890A)
【公開日】 平成14年10月8日(2002.10.8)
【出願番号】 特願2001−97811(P2001−97811)