| 【発明の名称】 |
医療用注射針およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】鎌田 宮子
【氏名】三浦 スミ子
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| 【要約】 |
【課題】注射針1について、単純に円筒を傾斜カットした一次カット面3、該第一カット面3に対して左右カット幅方向外径側ほど低い山形状になるように第二、第三のカット面4、5の切削をしたものについて、さらに刺入幅を低減して刺入時においての皮膚損傷だけでなく、刺入圧の低減を計り、刺痛感の解消とともに、刺通跡の回復の早期化を図ろうとする。
【解決手段】前記第一、第二、第三のカット面3、4、5が形成されたものの円筒外周面を、針軸回り方向および軸心方向に湾曲した湾曲面2として鋭利なコーナー部分のない弧状の外周縁として刺入時において血管内壁の損傷を回避する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 人体の皮膚等の肉体組織に刺入される中空状をした医療用の注射針であって、該注射針の先端部には、軸心方向に対して傾斜状に研削された第一のカット面と、該第一のカット面の先端側において左右が山形状に研削される第二、第三のカット面とを形成して針先端に稜線を形成してなる医療用注射針において、前記円筒外周面は、前記稜線の長さを短くするため針先端側ほど肉薄となるよう針軸回り方向および軸心方向に湾曲した湾曲面になっていることを特徴とする医療用注射針。 【請求項2】 請求項1において、湾曲面は、針先端から第一のカット面位置にまで至るように形成されていることを特徴とする医療用注射針。 【請求項3】 請求項1において、湾曲面は、針先端から第一のカット面を越える位置まで形成されていることを特徴とする医療用注射針。 【請求項4】 人体の皮膚等の肉体組織に刺入される中空状をした医療用の注射針の製造方法であって、該注射針の先端部外周面に、針軸回り方向および軸心方向に湾曲して先端側ほど肉薄になる湾曲面を形成する工程と、軸心方向に対して傾斜状に研削された第一のカット面を形成する工程と、該第一のカット面の先端側において左右が山形状に研削されて針先端に稜線を形成するための第二、第三のカット面を形成する工程とを備えたことを特徴とする医療用注射針の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、薬液注入、採血等、医療全般に採用される医療用の注射針(中空針、穿孔針)の技術分野に属するものである。 【0002】 【従来技術】今日、医療において、薬液を直接体内に注入したり、また血液等の体液を採取したりする等ための注射処理は汎用的に行われており、そのためには皮膚から体内に刺入するための注射針(中空針)が必要となる。このような注射針として、刺入する際の痛感の緩和、皮膚や血管等の人体組織へのダメージ低減(注射跡の極小化や早期回復等)等が強く要求される。ところで従来の注射針は、円筒状の針体を単純に傾斜(テーパ)状にカットして針先を形成していたが、このものでは、針先を刺入する際に、皮膚等の組織を注射針の針先により径方向(カット幅方向)に広く二次元的に切ったものを三次元的に押し広げることになるため、刺入幅が広いだけでなく、刺入圧が高いことになって被刺入者にとっては痛いだけでなく、刺入跡の回復に時間がかかり、皮膚や血管等の組織に対してのダメージが大きいという問題がある。そこで、注射針の先端カットについて、既にいろいろな提案がなされているが、皮膚を含めた人体組織というものは、弾性的に融通が利くことが大きく、そこでこのような提案の一つとして、図5に示す従来例ように、前記単純な円筒の傾斜カット(一次カット)面11に加え、その先端部に、前記第一のカット面11に対して注射針の軸芯線Pに対して、径方向(左右カット幅方向)外径側ほど低くなる山形状となるように第二、第三のカット面12、13の切削をして、三次元的なカット面11、12、13のある構成とし、これによって組織に対する刺入を三次元的なものとし、これによって単純に従来の二次元的に刺入するものに対して、刺入長さ(刺入幅)を低減して刺入時においての皮膚損傷だけでなく、刺入圧の低減を計り、刺痛感の解消とともに、刺通跡の回復の早期化を図ることが試みられており、それなりの評価を得られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが前記第二、三のカット面12、13を形成したものは、それなりの評価を得ていて汎用的に採用されているものの、例えば、透析用や留置用の針、さらには採血用の針のように、体液あるいは薬剤等の流体を大量に流入出するものは針径も太く、このようなものにおいては、前記第二、三のカット面12、13の存在によりそれなりに従来の問題は解決されるものの、稜線部14が長いものになって、これが刺入時、皮膚等を縦方向に長く切ることになって刺入時の痛さ、刺入圧の低減、そして刺入傷の早期回復の改善等にどうしても限界があった。そこで、特開平9‐56815号公報(図6、図7)に示されるように、針先部に第一、第二、第三のカット面11、12、13が形成される反対側外周面に第四の平面カット面15またはベベルカット面(、円錐面または傘型面取り面)16を形成するようにしたものが提唱されている。つまりこのものは、前記反対側外周面に、平面状の第四のカット面である平面カット面15あるいは円錐形の第四のベベルカット面16を形成し、これにより、前述した従来例の第二、第三のテーパ面12、13だけを形成したものよりも、稜線14の長さを短くすると共に、針先を針外周面より内径側に変位させて皮膚等に対する損傷の低減等をして刺入時の痛さの軽減等を計るようにしたものが提唱されている。ところがこれら第四のカット面15、16は、針軸心P方向に対して平面状、あるいは円錐状のものであるため、図6、7に示すように、針先部分となる第二、第三のカット面12、13と第四のカット面15、16との交点17が鋭利なコーナー形状(角形状)となり、このようなものを血管に刺入した場合、該刺入される鋭利な交点17部分が血管内に存在することとなって、例えば患者が腕を動かしたりして針が動いたとき、前記交点17部分が血管内壁面を傷つけてしまい、この結果、刺入跡の回復が悪いだけでなく、該傷つけることで切り離された血管組織等の体組織が血管内を流れていって血管閉塞等の二次障害をもたらすことも想定され、ここに本発明が解決せんとする課題がある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、人体の皮膚等の肉体組織に刺入される中空状をした医療用の注射針であって、該注射針の先端部には、軸心方向に対して傾斜状に研削された第一のカット面と、該第一のカット面の先端側において左右が山形状に研削される第二、第三のカット面とを形成して針先端に稜線を形成してなる医療用注射針において、前記円筒外周面は、前記稜線の長さを短くするため針先端側ほど肉薄となるよう針軸回り方向および軸心方向に湾曲した湾曲面になっていることを特徴とする医療用注射針である。そしてこのように構成することにより、第二、第三のカット面により形成される稜線の長さを小さいものにして、刺入圧の低下を計り、刺入時の痛さの緩和を計ることができながら、鋭利なコーナー部の存在をなくして刺入状態においての組織損傷を回避できるようにして注射による二次災害の発生を低減できるようにしたものである。このものにおいて、湾曲面は、第一のカット面位置にまで至るように形成されているか、第一のカット面を越える位置まで形成されていることを特徴とすることができ、このようにすることで、より組織損傷を回避することができる。また、人体の皮膚等の肉体組織に刺入される中空状をした医療用の注射針の製造方法であって、該注射針の先端部外周面に、針軸回り方向および軸心方向に湾曲して先端側ほど肉薄になる湾曲面を形成する工程と、軸心方向に対して傾斜状に研削された第一のカット面を形成する工程と、該第一のカット面の先端側において左右が山形状に研削されて針先端に稜線を形成するための第二、第三のカット面を形成する工程とを備えたことを特徴とする医療用注射針の製造方法の発明でもある。 【0005】 【発明の実施の形態】次ぎに、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は注射針であって、該注射針1は、円筒状(円管状)をした針本体の先端に、身体への刺入が容易となるよう本発明が実施されている。つまり、この針先端部を形成するための円筒体先端部一側は、周回り方向に加えて、軸心方向においても先端ほど中心側に向けて湾曲し、これによって針先端側ほど円筒の肉厚が肉薄となるするよう湾曲面2がまず形成される。この湾曲面2の形成は、例えば弾性砥石で針先端部を研削(研磨)することにより形成される。そしてこのように先端部一側面に湾曲面2が形成された針本体2の先端部について、湾曲面2が形成されるとは逆側面にテーパ状となった第一のカット面3が研削され、その先端側左右に、互いに山形状となる関係の第二、第三のカット面4、5が形成され、その先端にはこれらカット面4、5によって山形状の稜線6が形成されることになるが、前記第二、第三のカット面4、5部位は、その裏面側が前記湾曲面2として形成(Xの範囲が湾曲面)されていることで、稜線6の長さが短くなると共に、外周縁部分には鋭利なコーナー部がなく弧状になって、単純に第一のカット面3のみで研削したもののような弧状の外周縁となるように設定されている。 【0006】叙述のごとく構成された本発明の実施の形態において、注射針1には、第二、第三のカット面4、5が形成されて左右幅方向(径方向)に対しての刺入幅を小さくし、しかも稜線6の長さを短くして被刺入者に対する負担を低減できるものでありながら、該稜線6の長さ低減は、従来のように単純に針軸線方向に直線的なものでなく、該軸線方向についても湾曲して稜線6の長さを短くする湾曲面2を有した構造としたため、稜線6を短くしようとして第四のカット面を平面状あるいは円錐状に形成した従来のもののように、第四のカット面と第二、第三カット面4、5とのあいだに鋭利なコーナー部が形成されてしまうことがなく、針先端部が、第二、第三のカット面4、5を有し、かつ稜線6の長さが短くなりながら、鋭利なコーナー部のない弧状の外周縁となり、この結果、該注射針1を血管等の人体組織に刺入したときに、血管の内壁を損傷する等の不具合を低減することができることになって、刺入跡の回復が良いだけでなく、血管組織の切り離しもなくなって血管閉塞等の二次障害をもたらすことも回避される。 【0007】尚、本発明は、前記の実施の形態のものに限定されるものではなく、図4に示す第二の実施の形態のようにすることができる。このものは、針1に形成される湾曲面2が、針先端から第一のカット面3を越えた位置(Yの範囲が湾曲面)にまで至るよう全周に形成した後、第一のカット面3、第二、第三のカット面4、5を形成したもので、このようにしても本発明の実施ができる。そしてこの場合には、針先端から第一のカット面3を超える部分についてまでもが肉薄となるので、その分、皮膚等に対する損傷の低減等をして刺入時の痛さの軽減や回復の早期化の改善がさらに計れることになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501123905 【氏名又は名称】鎌田 宮子 【識別番号】501124865 【氏名又は名称】三浦 スミ子
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| 【出願日】 |
平成13年3月28日(2001.3.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085394 【弁理士】 【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
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| 【公開番号】 |
特開2002−291883(P2002−291883A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月8日(2002.10.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−93537(P2001−93537) |
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