| 【発明の名称】 |
液体供給具 |
| 【発明者】 |
【氏名】菅村 敦志
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| 【要約】 |
【課題】液体の適切な供給を容易に確認できる液体供給具の提供。
【解決手段】透明な筒状体で先端部分にノズル(2)が設けられた本体(1)と、前記本体の内側に配置され、前記本体の長軸方向に摺動することにより液体を押圧する押子(3)とを有する液体供給具であって、前記本体(1)および前記押子(3)のそれぞれの表面に設けられた線群(5,6)による干渉縞により、前記押子(3)の僅かな摺動を前記本体(1)を目視することにより容易に確認できることを特徴とする液体供給具。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】透明な筒状体で先端部分に内部に貯留される液体を導入または排出するためのノズルが設けられた本体と、前記本体の内側に配置され、前記本体の長軸方向に摺動することにより本体内部に貯留される液体をノズルを介して導入または排出するよう押圧する押子とを有する液体供給具であって、前記押子の僅かな摺動を前記本体を目視することにより容易に確認できることを特徴とする液体供給具。 【請求項2】前記本体および前記押子のそれぞれの表面に複数の線から構成される線群が設けられており、前記本体の表面に設けられた線群と前記押子の表面に設けられた線群との干渉縞により、前記押子の僅かな摺動を前記本体を目視することにより容易に確認できることを特徴とする請求項1に記載の液体供給具。 【請求項3】前記本体に形成された線群が液量を表示する目盛りであることを特徴とする請求項1または2に記載の液体供給具。 【請求項4】前記液体供給具が、シリンジまたは自律式の液体供給シリンジであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体供給具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液体供給具に関する。より具体的には、薬物の投与の際に、液体の供給が適切に行われていることを容易に確認できる液体供給具に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、インターフェロンや抗癌剤の投与のように、長時間に渡って薬剤を連続的に投与することが必要な場合、電動モータ等を用いてシリンジの押子(プランジャ)を押すことにより、シリンジ内の薬物を一定の割合で供給するシリンジポンプが使用されている。このような薬物の投与では、通常、薬物を低流量で長時間に渡って投与するため、シリンジポンプは非常にゆっくりした速度でシリンジ内の薬物を押し出す。例えば、抗癌剤の投与の場合、10ml/時の流量で投与される場合もある。このような場合に押子の移動を目視で確認することは困難であり、通常は一定時間経過後の押子の移動量を事後的に確認するか、シリンジポンプに設けられた作動状態表示ランプが点灯していることでシリンジポンプが正常に機能していることとしている。 【0003】しかし、一定時間経過後の移動量の確認では、実際に投与が行われていることをリアルタイムで確認することはできない。また、シリンジポンプの作動表示ランプが故障している場合もあり、ポンプが正常に機能していてもランプが点灯しなかったり、ポンプが故障していてもランプが点灯する場合も考えられる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】以上より、本発明の課題は、薬物の投与のような状況で、例えば薬物である液体の供給が適切に行われていることをリアルタイムで確認できる液体供給具を安価で提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、透明な筒状体で先端部分に内部に貯留される液体を導入または排出するためのノズルが設けられた本体と、前記本体の内側に配置され、前記本体の長軸方向に摺動することにより本体内部に貯留される液体をノズルを介して導入または排出するよう押圧する押子とを有する液体供給具であって、前記押子の僅かな摺動を前記本体を目視することにより容易に確認できることを特徴とする液体供給具を提供する。このような液体供給具は、例えば、本体および押子のそれぞれの表面に複数の線から構成される線群が設けられており、本体の表面に設けられた線群と押子の表面に設けられた線群との干渉縞によって、前記押子の僅かな摺動を前記本体を目視することにより容易に確認できる。本発明の液体供給具において、本体の表面に設けられた線群は、液量を表示する目盛りであってもよい。また、本発明の液体供給具は、シリンジまたは自律式の液体供給シリンジであってもよい。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の液体供給具について、図面を参照してより詳細に説明する。図1は、本発明の液体供給具の第1の実施形態であるシリンジの各構成要素を示した平面図であり、図2は、図1に示した要素を組み合わせた使用時の液体供給具を示した図である。図1、図2において、本発明の液体供給具100は、透明な筒状体の本体1と、その内部に挿入される押子3よりなる。本体1の先端部分には、内部に貯留される液体を本体1に導入し、または外部に排出するためのノズル2が設けられている。押子3は、本体1の内部に配置され、本体の長軸方向に液密に摺動することにより、本体1の内部に貯留される液体をノズル2を介して本体1に導入し、または外部に排出する。図に示す液体供給具では、押子3を本体1の内壁と液密な状態で摺動させるため、押子3のノズル側の先端部にガスケット4が取り付けられている。弾性材料製のガスケット4は、本体1の内壁に液密に接触する。押子3は、図示しない押圧力により本体1内でその長軸方向に摺動するよう駆動される。押圧力は例えばステップモータ、圧縮空気、液圧、バネ等の弾性部材の復原力等のいずれでもよいし、時には人手による押圧であってもよい。本体1および押子3がガラス製の円筒体であって液密に摺動可能である場合は、このようなガスケット4は必要ではなく、押子3が直接本体内で摺動してもよい。 【0007】本体1および押子3の表面には、押子3の移動方向に対して近似的に直交するように配置された複数の互いに平行する規則的に設けられた線から構成される線群5、6が設けられている。図において、線群5,6は、押子3の進行方向に対して直交するように配置された互いに平行する直線群として示されているが、これに限定されるものではない。線群5、6は同一の群に属する線が、直交方向からわずかに斜め方向に配置してもよく、交差する線であってもよい。また、線群5、6は曲線群であってもよい。 【0008】本発明の液体供給具は、本体1および押子3の表面に各々互いに平行する線群5、6が形成されていることにより、図に示すように、本体1に押子3を挿入し、または引出す際にモアレ干渉縞を含む干渉縞が生じる。すなわち、一方の直線群をそれ自身に対して直角方向に移動させると、線群5、6が重なり合った部分に、もとの線群とは異なった粗い縞模様がゆっくりと動いて見える視覚効果が生じる。本発明の液体供給具は、この視覚効果を利用して、本体1に対して押子3の移動速度がきわめてゆっくりである場合でも確実に視認することができる。すなわち、本体1に押子3を挿入すると、各々その表面に形成された線群5、6が重なり合い干渉縞が形成される。この状態で押子3を本体1の軸方向に移動させると、線群5、6は押子3の移動方向に対して直交するように配置されているため、線群5、6が重なり合った部分に、もとの線群とは異なった粗い縞模様がゆっくりと動いて見える視覚効果が生じる。 【0009】図において、本体1および押子3のいずれにもその表面に平行する等間隔な直線群5、6が形成されているが、必ずしもこのような構成であることは必要ではない。本体1および押子3のいずれにもその表面に線群5、6が形成されていることは必要であるが、等間隔な線群はいずれか一方に形成されていればよい。この場合、他の一方の線群は等間隔ではなく多少間隔がずれていてもよく、また、間隔の広い線群であってもよい。このため、例えば、押子3の表面に等間隔な線群6を設けた場合、本体1の表面の線群5は、従来から本体1の表面に付されている液体の供給量を表示する目盛りであってもよい。このように等間隔な縞模様を一方の表面にのみ形成する場合、本体1または押子3のいずれに形成してもよいが、シリンジである本体1の表面には通常目盛りが形成されていることから押子3の表面に形成することが好ましい。 【0010】本発明の液体供給具において、線群の間隔は、液体供給具の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、シリンジポンプで抗癌剤を投与する場合のように、押子の移動速度が非常に遅い場合、線群の間隔は狭いことが好ましい。一方、押子の移動速度が比較的速い場合、線群を設ける際のコスト上の問題や、本体に設けられた目盛りの視認性の観点から、線群の間隔は比較的広くしてもよい。また、図中、線群は黒い線で示されているが、他の色の線群であってもよい。異なる種類の液体を別々の供給具で供給する場合に、それぞれ異なる色の線群を持つ供給具を用いれば、薬液を誤って投与することが防ぐことができ、医療事故の防止にも有効である。 【0011】本発明の液体供給具において、本体および押子の表面に線群を設ける方法は、シリンジ等の液体の供給用の医療器具の表面に目盛りを形成するのと同様に実施することができる。すなわち、ポリプロピレン等の硬質プラスチックまたはガラス製の本体および押子の表面に線群をプリントしてもよく、線群がプリントされた透明フィルムを貼着してもよい。また、図に示すように、押子3の摺動をガスケット4によって得る場合、押子3のガスケット4以外の部分は、本体の内壁に直接接触しない。このため押子3の形状は必ずしも筒状であることは必要とされず、機械的強度を得ることや製造コストの観点から、その断面を角状または十字状の形状で構成し、形成される複数の平面に線群を形成してもよい。また、押子3の断面が角状または十字状の形状で構成する場合、線群がプリントされた透明なフィルムで筒状体のカバーを作製して、押子3の外側に被せてもよい。また、本体表面に形成する線群は、図に示すような実体を有する線である必要はなく、例えば、本体の表面に凹凸を設けて、他の本体の表面部と光の透過率を変化させた部位を利用するものであってもよい。このような凹凸には、本体の表面に透明なテープなどを貼り、そのテープの端部などを利用することもできる。これらの方法は、いずれも低コストで実施することができる。そのため、本発明の液体供給具は、本体1に対して押子3の移動速度がきわめてゆっくりでも確実に押子3の移動状態を視認することができ、しかも安価で供給することができる。 【0012】図から明らかなように、第1の形態の液体供給具は、通常のシリンジと同一の形状を有する。このため、通常シリンジが使用される種々の用途に用いることができる。第1の形態の液体供給具の好ましい用途は、シリンジポンプを用いた薬剤投与である。上記示したように、シリンジポンプによる薬剤投与では、薬剤を低流量で長時間に渡って連続的に投与するため、押子の移動速度が非常に遅く、シリンジポンプが正常に機能し、薬剤が適切に供給されていることを確認することは困難である。本発明の液体供給具は、このように押子の移動速度が非常に遅い場合であっても、線群5、6が重なり合った部分に、もとの線群とは異なった粗い縞模様がゆっくりと動いて見える視覚効果により、押子の移動を容易に確認することができる。第1の形態の液体供給具は、押子3を本体1の長軸方向に押圧して駆動するシリンジポンプとセットにした液体供給装置として実施してもよい。この場合、シリンジポンプの駆動手段は、ステップモータ、圧縮空気、液体、バネ等の弾性部材の復原力等のいずれであってもよい。 【0013】図3は、押子の押圧機構としてバネを有する自律式の液体供給シリンジである本発明の液体供給具の第2の実施形態を示す図である。図において、本発明の液体供給具102は、透明な筒状体の本体7の先端部分に本体内部に貯留される液体を導入するための導入ノズル10と本体7内部に貯留される液体を外部に排出するための排出するための排出ノズル11が設けられている。排出ノズル11は、液体を外部に供給するための可とう性のチューブ12と接続している。チューブ12の本体と接続していない側の端には、供給する液体の流量を調節する流量調節器13が接続している。本体7内部には、その長軸方向に液密な状態で摺動し、本体内部に貯留される液体を導入ノズル10から導入し、排出ノズル12から排出させる押子8が配置されている。押子8には、本体7の内壁と液密な状態で摺動させるため弾性材製のガスケット9が取り付けられている。ガスケット9は本体7の内壁に液密に接触する。もちろん、第1の形態について述べたように、押子の摺動性を得る方法はこれに限定されず、本体7および押子8がガラス製の円筒体であって液密に摺動可能である場合は、このようなガスケット9は必要ではなく、押子8が直接本体内で摺動してもよい。なお、本体7および押子8の材質については、第1の形態と同様である。 【0014】押子8のガスケット9と反対側の基端は、押子8を本体7の先端方向に押圧し得るばね14と接している。図の液体供給シリンジは、ばね14が存在することにより、ポンプ等の外部の手段を用いることなく、液体を一定の流量でチューブ12通じて外部に供給し、さらに流量調節器13で流量を微調節することができる。流量調節器13の調節機構は、公知の方法であってよく、例えば、異なる孔径のオリフィスが接続された複数の流路を有し、これらを切り替えることによって流量を調節してもよく、ねじ等によって流路に設けられた開口部の大きさを変えて流量を調節してもよい。このような自律式の液体供給シリンジの本体、押子、押圧手段等の要素については、具体的には、例えば、特開2000−197699号公報に開示されている液体供給具によって実現できる。 【0015】本体7および押子8の表面には、平行する等間隔な直線群13、14が形成されており、互いに重なりあって干渉縞を生じる。押子8がばね12に押圧されて移動した場合、上記第1の形態の説明で記載したように、直線群13、14が重なり合った部分に、もとの線群とは異なった粗い縞模様がゆっくりと動いて見える視覚効果が発生し、押子8の移動速度がきわめてゆっくりであっても確実に視認することができる。図3の液体供給具は、動力源が本体内部に設置されたばねであるため、従来技術のように液体が供給されていることをシリンジポンプの作動表示ランプで確認することができないため、かかる視覚効果は、液体が実際に供給されていることを確認するのに有効である。図の液体供給シリンジは、内部に設置されたばねを動力源とするため、シリンジポンプを動力源とする場合と異なり、容易に持ち運ぶことができるため、患者自身が携帯して病院以外の場所、例えば家庭や職場などで薬物投与を行う際に好ましく使用することができる。また、このような使用の場合、医療器具の取扱いに不慣れな者であっても、液体の供給が適切に行われていることを容易に確認できる本発明の液体供給具の特徴は効果的である。なお、押子を押圧する手段のばねは、コイルばね等種々のばねを用いることができ、また、ばね以外でも同様な効果を発揮できればよく、例えばバルーン等の他の弾性体によって押圧してもよい。 【0016】本発明の液体供給具において、本体に貯留される液体は、その使用目的に応じて適宜選択され、例えば、薬液については、モルヒネ(麻薬性鎮痛剤)等の鎮痛剤、インシュリン製剤、抗生物質、抗癌剤、インターフェロン、局麻剤等が挙げられる。また、本体に貯留される液体は、薬液に限定されるものではなく、例えば、生理食塩水、電解水、蒸留水、洗浄液、栄養剤、抗凝固剤、造影剤等の直接薬効を発揮しないものも含まれる。 【0017】 【発明の効果】本発明の液体供給具は、液体の供給が適切に行われていることをリアルタイムで容易に目視により確認することができる。そのため、押子の移動速度が非常にゆっくりであり薬剤が適切に供給されていることを目視で確認することが困難な抗癌剤やインターフェロン等の薬剤をシリンジポンプを用いて低流量で長時間に渡って連続的に供給するような用途に好ましく使用することができる。また、自律式の液体供給シリンジとして、本発明の液体供給手段を実施した場合、医療器具に不慣れな者でも薬剤が供給されていることを容易に確認できるため、持ち運びに便利で、患者自身が場所を問わず薬剤の投与ができるというこの種の医療器具の利点をいかんなく発揮することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000109543 【氏名又は名称】テルモ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080159 【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 望稔 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−291881(P2002−291881A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月8日(2002.10.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−101243(P2001−101243) |
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