トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 血液成分採取装置
【発明者】 【氏名】高木 愛己

【氏名】木村 重幸

【要約】 【課題】品質の高い所望の血液成分を得ることができる血液成分採取装置を提供すること。

【解決手段】血液成分採取装置1は、血液を複数の血液成分に分離する遠心分離器20と、遠心分離器20に血液を導入する第1のライン21と、遠心分離器20内から血液成分を排出する第2のライン22と、第2のライン22に接続され、濃厚血小板血漿を一時的に貯留する一時貯留バッグ26’と、濃厚血小板血漿中から白血球を分離除去する白血球除去フィルター261と、白血球除去フィルター261内を通過した後の濃厚血小板血漿を貯留する血小板採取バッグ26とを備え、一時貯留バッグ26’内の濃厚血小板血漿を、白血球除去フィルター261を経て、血小板採取バッグ26内へ移送し、その後、血漿を供給し、白血球除去フィルター261内に残存する血小板(白血球を分離除去した後の濃厚血小板血漿)を、血漿とともに血小板採取バッグ26内に回収するよう構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 血液を複数の血液成分に分離するとともに分離された血液成分を採取する血液成分採取装置であって、内部に貯血空間を有するローターと、前記貯血空間に連通する流入口および排出口とを有し、前記ローターの回転により前記流入口より導入された血液を前記貯血空間内で複数の血液成分に遠心分離する遠心分離器と、前記流入口と、血液を採取する採血手段とを接続する第1のラインと、前記排出口に接続された第2のラインと、前記第2のラインに接続され、第1の血液成分を一時的に貯留する第1の容器と、前記第1の容器に接続され、前記第1の血液成分中から所定の細胞を分離除去する細胞分離フィルターと、前記細胞分離フィルターに接続され、前記細胞分離フィルター内を通過した後の前記第1の血液成分を貯留する第2の容器とを備え、前記第1の容器内の前記第1の血液成分を、前記細胞分離フィルターを経て、前記第2の容器内へ移送し、その後、第2の血液成分を供給し、前記細胞分離フィルター内に残存する前記所定の細胞を分離除去した後の前記第1の血液成分を、前記第2の血液成分とともに、前記第2の容器内に回収するよう構成されていることを特徴とする血液成分採取装置。
【請求項2】 血液を複数の血液成分に分離するとともに分離された血液成分を採取する血液成分採取装置であって、内部に貯血空間を有するローターと、前記貯血空間に連通する流入口および排出口とを有し、前記ローターの回転により前記流入口より導入された血液を前記貯血空間内で複数の血液成分に遠心分離する遠心分離器と、前記流入口と、血液を採取する採血手段とを接続する第1のラインと、前記排出口に接続された第2のラインと、前記第2のラインに接続され、第1の血液成分を一時的に貯留する第1の容器と、前記第1の容器に供給用チューブを介して接続され、前記供給用チューブを介して供給された前記第1の血液成分中から所定の細胞を分離除去する細胞分離フィルターと、前記細胞分離フィルターに排出用チューブを介して接続され、前記細胞分離フィルター内を通過した後の前記第1の血液成分を貯留する第2の容器とを備え、前記第1の容器内の前記第1の血液成分を、前記供給用チューブ、前記細胞分離フィルターおよび前記排出用チューブを経て、前記第2の容器内に移送し、その後、第2の血液成分を供給し、前記細胞分離フィルター内および前記排出用チューブの流路内に残存する前記所定の細胞を分離除去した後の前記第1の血液成分を、前記第2の血液成分とともに、回収するよう構成されていることを特徴とする血液成分採取装置。
【請求項3】 前記供給用チューブの流路の途中を開閉し得る流路開閉手段を有する請求項2に記載の血液成分採取装置。
【請求項4】 前記第2の血液成分の供給量により、前記第2の容器内の血液成分の総量を調整する請求項1ないし3のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【請求項5】 前記第2の血液成分を貯留する第3の容器を有し、前記第2の血液成分は、前記第3の容器内から供給される請求項1ないし4のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【請求項6】 前記第2の血液成分は、前記第1の容器内に残存する前記第1の血液成分とともに前記細胞分離フィルターに供給される請求項1ないし5のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【請求項7】 前記第1の血液成分は、血小板を含む血漿である請求項1ないし6のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【請求項8】 前記第2の血液成分は、血漿である請求項1ないし7のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【請求項9】 前記細胞分離フィルターは、白血球除去フィルターである請求項1ないし8のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液を複数の血液成分に分離するとともに分離された血液成分を採取する血液成分採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】採血を行う場合、現在では、血液の有効利用および供血者の負担軽減などの理由から、採血血液を遠心分離などにより各血液成分に分離し、輸血者に必要な成分だけを採取し、その他の成分は供血者に返還する成分採血が行われている。
【0003】このような成分採血において、血小板製剤を得る場合、供血者から採血した血液を血液成分採取回路に導入し、該血液成分採取回路に設置された遠心ボウルと呼ばれる遠心分離器により、血漿、バフィーコートおよび赤血球に分離し、その内のバフィーコートから血小板を分離し、容器に回収して血小板製剤とし、残りの血漿、白血球および赤血球は、供血者に返血することが行われる。
【0004】しかしながら、この方法では、多くの血小板を得ようとすると、それに混入する白血球の量も増大するため、発熱、同種抗原感作、ウィルス感染等の確率が高くなるという問題がある。
【0005】そこで、得られた血小板を白血球除去フィルターに通過させ、白血球を分離除去し、この乏白血球血小板を容器に回収して血小板製剤とすることが提案されている。また、この際、白血球除去フィルターには、血小板が残存するので、血小板の収率を上昇させるために、生理食塩水や抗凝固剤のような洗浄液を用いて白血球除去フィルターの洗浄が行なわれている。
【0006】しかしながら、この方法では、洗浄液が血小板製剤中に混入することになり、得られた血小板製剤の品質を低下するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、品質の高い所望の血液成分を得ることができる血液成分採取装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記(1)〜(9)の本発明により達成される。
【0009】(1) 血液を複数の血液成分に分離するとともに分離された血液成分を採取する血液成分採取装置であって、内部に貯血空間を有するローターと、前記貯血空間に連通する流入口および排出口とを有し、前記ローターの回転により前記流入口より導入された血液を前記貯血空間内で複数の血液成分に遠心分離する遠心分離器と、前記流入口と、血液を採取する採血手段とを接続する第1のラインと、前記排出口に接続された第2のラインと、前記第2のラインに接続され、第1の血液成分を一時的に貯留する第1の容器と、前記第1の容器に接続され、前記第1の血液成分中から所定の細胞を分離除去する細胞分離フィルターと、前記細胞分離フィルターに接続され、前記細胞分離フィルター内を通過した後の前記第1の血液成分を貯留する第2の容器とを備え、前記第1の容器内の前記第1の血液成分を、前記細胞分離フィルターを経て、前記第2の容器内へ移送し、その後、第2の血液成分を供給し、前記細胞分離フィルター内に残存する前記所定の細胞を分離除去した後の前記第1の血液成分を、前記第2の血液成分とともに、前記第2の容器内に回収するよう構成されていることを特徴とする血液成分採取装置。
【0010】(2) 血液を複数の血液成分に分離するとともに分離された血液成分を採取する血液成分採取装置であって、内部に貯血空間を有するローターと、前記貯血空間に連通する流入口および排出口とを有し、前記ローターの回転により前記流入口より導入された血液を前記貯血空間内で複数の血液成分に遠心分離する遠心分離器と、前記流入口と、血液を採取する採血手段とを接続する第1のラインと、前記排出口に接続された第2のラインと、前記第2のラインに接続され、第1の血液成分を一時的に貯留する第1の容器と、前記第1の容器に供給用チューブを介して接続され、前記供給用チューブを介して供給された前記第1の血液成分中から所定の細胞を分離除去する細胞分離フィルターと、前記細胞分離フィルターに排出用チューブを介して接続され、前記細胞分離フィルター内を通過した後の前記第1の血液成分を貯留する第2の容器とを備え、前記第1の容器内の前記第1の血液成分を、前記供給用チューブ、前記細胞分離フィルターおよび前記排出用チューブを経て、前記第2の容器内に移送し、その後、第2の血液成分を供給し、前記細胞分離フィルター内および前記排出用チューブの流路内に残存する前記所定の細胞を分離除去した後の前記第1の血液成分を、前記第2の血液成分とともに、回収するよう構成されていることを特徴とする血液成分採取装置。
【0011】(3) 前記供給用チューブの流路の途中を開閉し得る流路開閉手段を有する上記(2)に記載の血液成分採取装置。
【0012】(4) 前記第2の血液成分の供給量により、前記第2の容器内の血液成分の総量を調整する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0013】(5) 前記第2の血液成分を貯留する第3の容器を有し、前記第2の血液成分は、前記第3の容器内から供給される上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0014】(6) 前記第2の血液成分は、前記第1の容器内に残存する前記第1の血液成分とともに前記細胞分離フィルターに供給される上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0015】(7) 前記第1の血液成分は、血小板を含む血漿である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0016】(8) 前記第2の血液成分は、血漿である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0017】(9) 前記細胞分離フィルターは、白血球除去フィルターである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の血液成分採取装置を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明の血液成分採取装置の構成を示す平面図であり、図2は、血液成分採取装置が備える遠心分離器に遠心分離器駆動装置が装着された状態の部分破断断面図であり、図3〜図6は、それぞれ、本発明の血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【0020】図1に示す血液成分採取装置1は、血液を複数の血液成分に分離するとともに分離された血液成分(特に、血小板)を採取するための装置であり、内部に貯血空間146を有するローター142と、貯血空間146に連通する流入口143および排出口144とを有し、ローター142の回転により流入口143より導入された血液を貯血空間146内で遠心分離する遠心分離器20と、採血針29と遠心分離器20の流入口143とを接続する第1のライン21と、遠心分離器20の排出口144に接続された第2のライン22と、第1のライン21に接続された第3のライン23と、第1のライン21に接続された第1チューブ25aおよび第2のライン22と接続された第2チューブ25bを有する血漿採取バッグ25と、第2のライン22に接続された第3チューブ26aを有する血小板採取バッグ26と、第2のライン22に接続された第4チューブ27aを有するバフィーコート採取バッグ27とを有する血液成分採取回路2を備えている。
【0021】さらに、血液成分採取装置1は、遠心分離器20のローター142を回転させるための遠心分離器駆動装置10と、第1のライン21のための第1の送液ポンプ11と、第3のライン23のための第2の送液ポンプ12と、血液成分採取回路2の流路の途中を開閉し得る複数の流路開閉手段81、82、83、84、85、86、87と、遠心分離器駆動装置10、第1の送液ポンプ11、第2の送液ポンプ12および複数の流路開閉手段81〜87を制御するための制御部(制御手段)13と、濁度センサ14と、光学式センサ15と、重量センサ16とを備えている。
【0022】そこで、最初に、血液成分採取回路2について説明する。この血液成分採取回路2は、血液を採取する採血針(採血手段)29と遠心分離器20の流入口143とを接続し、第1のポンプチューブ21gを備える第1のライン(採血および返血ライン)21と、遠心分離器20の排出口144と第1のライン21とを接続するための第2のライン22と、第1のライン21の採血針29の近くに接続され、第2のポンプチューブ23aを備える第3のライン(抗凝固剤注入ライン)23と、第1のライン21のポンプチューブ21gより採血針29側に接続された第1チューブ25aおよび第2のライン22と接続された第2チューブ25bとを有する血漿採取バッグ25と、第2のライン22に接続された第3チューブ26aを備える血小板採取バッグ26と、第2のライン22に接続された第4チューブ27aを備えるバフィーコート採取バッグ27とを備えている。
【0023】なお、採血手段としては、採血針29に限られず、例えば、血液バッグなどの血液プールに接続するための接続部(例えば、金属もしくは合成樹脂針等)でもよい。この採血針29としては、例えば、公知の金属針が使用される。
【0024】第1のライン21は、採血針29が接続された採血針側第1ライン21aと、遠心分離器20の流入口143とを接続された遠心分離器側第1ライン21bとを有している。
【0025】採血針側第1ライン21aは、軟質樹脂製チューブが複数接続されて形成されている。この採血針側第1ライン21aは、採血針29側より、第3のライン23との接続用分岐コネクター21cと、気泡およびマイクロアグリゲート除去のためのチャンバー21dと、第2のライン22との接続用分岐コネクター21eと、血漿採取バッグ25の第1チューブ25aとの接続用分岐コネクター21fとを備えている。
【0026】また、チャンバー21dには、通気性かつ菌不透過性のフィルター21iが接続されている。
【0027】一方、遠心分離器側第1ライン21bは、第1チューブ25aとの接続用分岐コネクター21fに接続されており、その付近に形成された第1のポンプチューブ21gを有している。
【0028】遠心分離器20の排出口144と第1のライン21とを接続する第2のライン22は、一端が遠心分離器20の排出口144に接続され、他端が第1のライン21の接続用分岐コネクター21eに接続されている。
【0029】この第2のライン22は、遠心分離器20側から、血漿採取バッグ25の第2チューブ25bならびに血小板採取バッグ26の第3チューブ26aとの接続用分岐コネクター22aと、気泡除去用フィルター22fを備えるチューブとの接続用分岐コネクター22cと、バフィーコート採取バッグ27の第4チューブ27aとの接続用分岐コネクター22dとを備えている。
【0030】第3のライン23は、一端が第1のライン21に設けられた接続用分岐コネクター21cに接続されている。
【0031】この第3のライン23は、コネクター21c側より、第2のポンプチューブ23aと、異物除去用フィルター23bと、気泡除去用チャンバー23cと、抗凝固剤容器接続用針23dとを備えている。
【0032】血漿採取バッグ(第3の容器)25は、血漿(第2の血液成分)を採取(貯留)するための容器であり、第1のライン21のポンプチューブ21gより採血針29側に位置する分岐コネクター21fに接続された第1チューブ25aと、第2のライン22の分岐コネクター22aに接続された第2チューブ25bとを有している。すなわち、血漿採取バッグ25および第2チューブ25bにより、血漿を採取する血漿採取用分岐ラインが構成されている。
【0033】血小板採取バッグ(第2の容器)26は、後述する白血球除去フィルター261を通過した後の血小板を含む血漿(第1の血液成分)を採取(貯留)するための容器であり、第2のライン22の分岐コネクター22aに接続された第3チューブ26aを備えている。なお、以下の説明では、血小板を含む血漿(第1の血液成分)を、「濃厚血小板血漿」と言い、血小板採取バッグ26内に採取(貯留)された濃厚血小板血漿を、「血小板製剤」と言う。
【0034】また、第3チューブ26aの途中には、濃厚血小板血漿(第1の血液成分)を一時的に貯留する一時貯留バッグ(第1の容器)26’、および、濃厚血小板血漿中から白血球(所定の細胞)を分離除去する白血球除去フィルター(細胞分離フィルター)261が設置されている。
【0035】換言すれば、第3チューブ26aは、3つのチューブ261a、262aおよび263aで構成されており、チューブ261aは、分岐コネクター22aと一時貯留バッグ26’とを接続し、チューブ262aは、一時貯留バッグ26’と白血球除去フィルター261とを接続し、また、チューブ263aは、白血球除去フィルター261と血小板(血小板製剤)採取バッグ26とを接続している。
【0036】チューブ262aは、一時貯留バッグ26’から白血球除去フィルターに濃厚血小板血漿を供給する供給用チューブを構成し、また、チューブ263aは、白血球除去フィルター261から白血球を分離除去した後の濃厚血小板血漿を排出する(血小板採取バッグ26に供給する)排出用チューブを構成する。
【0037】すなわち、第3チューブ26a(チューブ261a、262a、263a)、一時貯留バッグ26’、白血球除去フィルター261および血小板採取バッグ26により、血小板(血小板製剤)を採取する血小板採取用分岐ラインが構成されている。
【0038】また、これらの一時貯留バッグ26’、白血球除去フィルター261および血小板採取バッグ26は、血液成分採取装置1を組み立てた状態で、白血球除去フィルター261が一時貯留バッグ26’より低い位置に、さらに、血小板採取バッグ26が白血球除去フィルター261より低い位置にセットされる。
【0039】また、白血球除去フィルター261としては、例えば、両端に流入口および排出口を有するケーシング内に、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド等の合成樹脂よりなる織布、不織布、メッシュ、発泡体等の多孔質体を1層または2層以上積層した濾過部材を挿入して構成したもの等を用いることができる。
【0040】バフィーコート採取バッグ27は、バフィーコートを採取するための容器であり、第2のライン22の分岐コネクター22dに接続された第4チューブ27aを備えている。すなわち、バフィーコート採取バッグ27および第4チューブ27aにより、バフィーコートを採取するバフィーコート採取用分岐ラインが構成されている。
【0041】上述した第1〜第3のライン21〜23の形成に使用される各チューブ、各ポンプチューブ21g、23a、さらに、各バッグ25〜27に接続されている各チューブ25a、25b、26a(261a、262a、263a)、27aの構成材料としては、ポリ塩化ビニルが好ましい。
【0042】これらのチューブがポリ塩化ビニル製であれば、十分な可撓性、柔軟性が得られるので取り扱いがし易く、また、クレンメ等による閉塞にも適するからである。
【0043】また、上述した各分岐コネクター21c、21e、21f、22a、22c、22dの構成材料についても、それぞれ、前記チューブで挙げた構成材料と同様のものを用いることができる。
【0044】なお、各ポンプチューブ21g、23aとしては、後述する各送液ポンプ(例えば、ローラーポンプ等)11、12により押圧されても損傷を受けない程度の強度を備えるものが使用されている。
【0045】血漿採取バッグ25、血小板採取バッグ26、一時貯留バッグ26’、バフィーコート採取バッグ27は、それぞれ、樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁部を融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)または接着剤により接着等して袋状にしたものが使用される。
【0046】各バッグ25〜27、26’に使用される材料としては、それぞれ、例えば、軟質ポリ塩化ビニルが好適に使用される。
【0047】なお、血小板採取バッグ26に使用されるシート材としては、血小板保存性を向上するためにガス透過性に優れるものを用いることがより好ましい。
【0048】このようなシート材としては、例えば、ポリオレフィンやDnDP可塑化ポリ塩化ビニル等を用いること、また、このような素材を用いることなく、上述したような材料のシート材を用い、厚さを比較的薄く(例えば、0.1〜0.5mm程度、特に、0.1〜0.3mm程度)したものが好適である。
【0049】また、血小板採取バッグ26の内部には、例えば、GAC、PAS、PSM−1のような血小板保存液が予め入れられていてもよい。
【0050】このような血液成分採取回路2の主要部分は、図1に示すように、カセット式となっている。すなわち、血液成分採取回路2は、各ライン(第1のライン21、第2のライン22、第3のライン23)および各チューブ(第1チューブ25a、第2チューブ25b、第3チューブ26a、第4チューブ27a)を部分的に収納し、かつ部分的にそれらを保持し、言い換えれば、部分的にそれらが固定されたカセットハウジング28を備えている。
【0051】カセットハウジング28には、第1のポンプチューブ21gの両端および第2のポンプチューブ23aの両端が固定され、これらのポンプチューブ21g、23aは、それぞれ、カセットハウジング28より、各送液ポンプ(例えば、ローラーポンプ等)11、12の形状に対応したループ状に突出している。このため、第1および第2のポンプチューブ21g、23aは、それぞれ、各送液ポンプ11、12への装着が容易である。
【0052】さらに、カセットハウジング28は、カセットハウジング28内に位置する複数の開口部91〜96を備えている。
【0053】血液成分採取回路2に設けられている遠心分離器20は、通常、遠心ボウルと呼ばれており、遠心力により血液を複数の血液成分に分離する。
【0054】遠心分離器20は、図2に示すように、上端に流入口143が形成された鉛直方向に伸びる管体141と、管体141の回りで回転し、上部145に対し液密にシールされた中空のローター142とを有している。
【0055】ローター142には、その周壁内面に沿って環状の貯血空間146が形成されている。この貯血空間146は、図3中下部から上部に向けてその内外径が漸減するような形状(テーパ状)をなしており、その下部は、ローター142の底部に沿って形成されたほぼ円盤状の流路を介して管体141の下端開口に連通し、その上部は、排出口144に連通している。また、ローター142において、貯血空間146の容積は、例えば、100〜350mL程度とされ、ローター142の回転軸からの最大内径(最大半径)は、例えば、55〜65mm程度とされる。
【0056】このようなローター142は、血液成分採取装置1が備える遠心分離器駆動装置10によりあらかじめ設定された所定の遠心条件(回転速度および回転時間)で回転する。この遠心条件により、ローター142内の血液の分離パターン(例えば、分離する血液成分数)を設定することができる。
【0057】本実施形態では、図2に示すように、血液がローター142の貯血空間146内で内層より血漿層131、バフィーコート層132および赤血球層133に分離されるように遠心条件が設定される。
【0058】次に、図1に示す血液成分採取装置1の全体構成について説明する。血液成分採取装置1は、遠心分離器20のローター142を回転させるための遠心分離器駆動装置10と、第1のライン21の途中に設置された第1の送液ポンプ11と、第3のライン23の途中に設置された第2の送液ポンプ12と、血液成分採取回路2(第1のライン21、第2のライン22、第1チューブ25a、第2チューブ25b、および、第3チューブ26a)の流路の途中を開閉し得る複数の流路開閉手段81、82、83、84、85、86、87と、遠心分離器駆動装置10、第1の送液ポンプ11、第2の送液ポンプ12および複数の流路開閉手段81〜87を制御するための制御部(制御手段)13とを備えている。
【0059】さらに、血液成分採取装置1は、第2チューブ25bとの接続部22aより遠心分離器20側(上流側)の第2のライン22に装着(設置)された濁度センサ14と、遠心分離器20の近傍に設置された光学式センサ15と、血漿の重量を血漿採取バッグ25ごと重量測定するための重量センサ16とを備えている。
【0060】制御部13は、第1の送液ポンプ11および第2の送液ポンプ12のための2つのポンプコントローラ(図示せず)を備え、制御部13と第1の送液ポンプ11および第2の送液ポンプ12とはポンプコントローラを介して電気的に接続されている。
【0061】遠心分離器駆動装置10が備える駆動コントローラ(図示せず)は、制御部13と電気的に接続されている。
【0062】各流路開閉手段81〜87は、それぞれ、制御部13に電気的に接続されている。
【0063】また、濁度センサ14、光学式センサ15および重量センサ16は、それぞれ、制御部13と電気的に接続されている。
【0064】制御部13は、例えばマイクロコンピュータで構成されており、制御部13には、上述した濁度センサ14、光学式センサ15および重量センサ16からの検出信号が、それぞれ、随時入力される。
【0065】制御部13は、濁度センサ14、光学式センサ15および重量センサ16からの検出信号に基づき、予め設定されたプログラムに従って、血液成分採取装置1の各部の作動、すなわち、各送液ポンプ11、12の回転、停止、回転方向(正転/逆転)を制御するとともに、必要に応じ、各流路開閉手段81〜87の開閉および遠心分離器駆動装置10の作動を制御する。
【0066】第1の流路開閉手段81は、第1のポンプチューブ21gより採血針29側において第1のライン21を開閉するために設けられている。
【0067】第2の流路開閉手段82は、血漿採取バッグ25の第1チューブ25aを開閉するために設けられている。
【0068】第3の流路開閉手段83は、血漿採取バッグ25の第2チューブ25bを開閉するために設けられている。
【0069】第4の流路開閉手段84は、血小板採取バッグ26の第3チューブ26a(チューブ261a)を開閉するために設けられている。
【0070】第5の流路開閉手段85は、第2のライン22とバフィーコート採取バッグ27の第4チューブ27aとの接続部(分岐コネクター22d)より遠心分離器20側(上流側)の位置にて、第2のライン22を開閉するために設けられている。
【0071】第6の流路開閉手段86は、第1のライン21との接続部(分岐コネクター21e)と第4チューブ27aとの接続部(分岐コネクター22d)との間(第2のライン22と第4チューブ27aとの接続部より下流側)の位置にて、第2のライン22を開閉するために設けられている。
【0072】また、第7の流路開閉手段87は、第3チューブ26a(チューブ262a)を開閉するために設けられている。
【0073】各流路開閉手段81〜87は、それぞれ、第1のライン21、第2のライン22、第1チューブ25a、第2チューブ25b、第3チューブ26a(チューブ261a、262a)を挿入可能な挿入部を備え、該挿入部には、例えば、ソレノイド、電動モーター、シリンダ(油圧または空気圧)等の駆動源で作動するクランプを有している。具体的には、ソレノイドで作動する電磁クランプが好適である。
【0074】これらの流路開閉手段(クランプ)81〜87は、それぞれ、制御部13からの信号に基づいて作動する。
【0075】遠心分離器駆動装置10は、図2に示すように、遠心分離器20を収納するハウジング201と、脚部202と、駆動源であるモータ203と、遠心分離器20を保持する円盤状の固定台205とを有している。
【0076】ハウジング201は、脚部202の上部に載置、固定されている。また、ハウジング201の下面には、ボルト206によりスペーサー207を介してモータ203が固定されている。
【0077】モータ203の回転軸204の先端部には、固定台205が回転軸204と同軸でかつ一体的に回転するように嵌入されており、固定台205の上部には、ローター142の底部が嵌合する凹部が形成されている。
【0078】また、遠心分離器20の上部145は、図示しない固定部材によりハウジング201に固定されている。
【0079】このような遠心分離器駆動装置10では、モータ203を駆動すると、固定台205およびそれに固定されたローター142が、例えば、回転数3000〜6000rpm程度で回転する。
【0080】ハウジング201には、その側部(図2中、左側)に光学式センサ15が設置されている。
【0081】この光学式センサ15は、貯血空間146に向って投光するとともにその反射光を受光するように構成されている。
【0082】光学式センサ15は、投光部151から光(例えばレーザー光)を照射(投光)し、ローター142の反射面147で反射された反射光を受光部152で受光する。そして、受光部152においてその受光光量に応じた電気信号に変換される。
【0083】このとき、投光光および反射光は、それぞれ、貯血空間146内の血液成分を透過するが、血液成分の界面(本実施形態では、血漿層131とバフィーコート層132との界面B)の位置に応じて、投光光および反射光が透過する位置における各血液成分の存在比が異なるため、それらの透過率が変化する。これにより、受光部152での受光光量が変動(変化)し、この変動を受光部152からの出力電圧の変化として検出することができる。
【0084】すなわち、光学式センサ15は、受光部152での受光光量の変化に基づき、血液成分の界面の位置を検出することができる。
【0085】なお、光学式センサ15が検出する血液成分の界面としては、界面Bに限られず、例えば、バフィーコート層132と赤血球層133との界面であってもよい。
【0086】ここで、貯血空間146内の各層131〜133は、それぞれ、血液成分により液体の色が異なっており、特に、赤血球層133は、赤血球の色に伴い赤色を呈している。このため、光学式センサ15の精度向上の観点からは、投光光の波長に好適な範囲が存在し、この波長範囲としては、特に限定されないが、例えば、600〜900nm程度であるのが好ましく、750〜800nm程度であるのがより好ましい。
【0087】濁度センサ14は、第2のライン22中を流れる流体の濁度を検知するためのものであり、濁度に応じた電圧値を出力する。具体的には、濁度が高い時には低電圧値、濁度が低い時には高電圧値を出力する。
【0088】この濁度センサ14により、例えば、第2のライン22中を流れる流体の空気から血漿への置換、血漿中の血小板濃度の変化、血漿中への赤血球の混入等を検出することができる。
【0089】第1のポンプチューブ21gが装着される第1の送液ポンプ11、および、第2のポンプチューブ23aが装着される第2の送液ポンプ12としては、それぞれ、例えば、ローラーポンプなどの非血液接触型ポンプが好適に用いられる。
【0090】また、第1の送液ポンプ(血液ポンプ)11としては、いずれの方向にも血液を送ることができるものが使用される。具体的には、正回転と逆回転が可能なローラーポンプが用いられている。
【0091】次に、血液成分採取装置1を用いた血液成分採取操作について、血小板採取操作を行なう場合を一例として、図1、図3ないし図6に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0092】血液成分採取装置1は、制御部13の制御により、第1の血漿採取工程と、定速血漿循環工程と、第2の血漿採取工程と、加速血漿循環工程と、第3の血漿採取工程と、血小板採取工程と、返血工程とを有する血小板採取操作を行なうよう作動する。
【0093】また、本実施形態では、血小板採取操作を繰り返して3回(第1サイクル〜第3サイクル)行い、さらに、最終回(第3サイクル)以外の血小板採取工程の終了後であって、返血工程の開始前に、バフィーコート採取工程を行い、かつ、次回の血小板採取操作における第1の血漿採取工程の開始前にバフィーコート返還工程を行うようになっている。
【0094】さらに、本発明では、最終サイクルの血小板採取操作を行なうのに並行して、血液成分採取装置1は、制御部13の制御により、一時貯留バッグ26’内に一時的に採取(貯留)した濃厚血小板血漿を、白血球除去フィルター261に供給して、濃厚血小板血漿中の白血球を分離除去する濾過操作を行なうよう構成されている。なお、供血者(ドナー)の拘束時間を短縮する観点からは、この濾過操作を、最終サイクルの血小板採取操作と同時に(特に、血小板採取操作の早い段階の工程において)開始するのが好ましく、本実施形態の血液成分採取装置1では、濾過操作を最終サイクルの血小板採取操作における第2の血漿採取工程の開始とほぼ同時に開始するように構成されている。
【0095】[0] まず、最初に、第3のライン23と採血針29とを、抗凝固剤でプライミングし、その後、ドナー(供血者)の血管に採血針29を穿刺する。
【0096】[1] 第1サイクルの血小板採取操作(図3および図4参照)
[11] まず、血液成分採取装置1は、第1の血漿採取(第1のPPP採取)工程を行なう。第1の血漿採取工程では、ローター142の貯血空間146内に血液を導入し、血液を遠心分離することにより分離された血漿(PPP)を血漿採取バッグ25内に採取する。
【0097】第1の血漿採取工程では、まず、制御部13は、血漿(第2の血液成分)の採取を行なう(図3のステップS101)。
【0098】具体的には、制御部13の制御により、第1の流路開閉手段81および第4の流路開閉手段84を開放し、他の流路開閉手段を閉塞した状態で、第1の送液ポンプ11を所定の回転速度(好ましくは250mL/min以下程度、より好ましくは40〜150mL/min程度、例えば60mL/min)で作動(正転)して、ドナーから採血を開始する。
【0099】また、この採血と同時に、制御部13の制御により、第2の送液ポンプ12を作動して、第3のライン23を介して、例えばACD−A液のような抗凝固剤を供給し、この抗凝固剤を採血血液中に混入させる。
【0100】このとき、第2の送液ポンプ12の回転速度は、制御部13により、採血血液に対して抗凝固剤が所定比率(好ましくは1/20〜1/6程度、例えば1/10)で混合されるように制御される。
【0101】これにより、血液(抗凝固剤加血液)は、第1のライン21を介して移送され、遠心分離器20の流入口143より管体141を経てローター142の貯血空間146内に導入される。
【0102】このとき、遠心分離器20内の空気(滅菌空気)は、第2のライン22および第3チューブ26aを介して一時貯留バッグ26’内に送り込まれる。
【0103】また、前記採血と同時にまたはこれと前後して、制御部13は、遠心分離器駆動装置10を作動し、ローター142を所定の回転数で回転するよう制御する。
【0104】このローター142の回転により、貯血空間146内に導入された血液は、内側から血漿層(PPP層)131、バフィーコート層(BC層)132、赤血球層(CRC層)133の3層に分離される。
【0105】なお、ローター142の回転数としては、好ましくは3000〜6000rpm程度、より好ましくは4200〜5800rpm程度とされる。また、以下の工程において、特に記載しない限り、制御部13は、ローター142の回転数を変更させない。
【0106】さらに、前記採血および前記抗凝固剤の供給を継続し、貯血空間146の容量を越える血液(約270mL)が貯血空間146内に導入されると、貯血空間146内は完全に血液により満たされ、遠心分離器20の排出口144から血漿(PPP)がオーバーフローする。
【0107】このとき、第2のライン22に設置された濁度センサ14は、第2のライン22中を流れる流体が、空気から血漿に変わったことを検出し、制御部13は、この濁度センサ14の検出信号に基づき、第4の流路開閉手段84を閉塞し、かつ、第3の流路開閉手段83を開放するよう制御する。
【0108】これにより、第2のライン22および第2チューブ25bを介して血漿を血漿採取バッグ(第3の容器)25内に導入、採取する。
【0109】なお、血漿採取バッグ25は、その重量が重量センサ16により計測されており、計測された重量信号は制御部13に入力される。
【0110】次いで、制御部13は、重量センサ16からの情報(重量信号)に基づき、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取されたか否かを判断する(図3のステップS102)。
【0111】なお、この血漿の採取量(所定量)としては、好ましくは10〜150g程度、より好ましくは20〜40g程度とされる。
【0112】ステップS102において、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取されていない場合には、制御部13は、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を繰り返す。
【0113】また、ステップS102において、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取された場合には、制御部13は、本工程[11](第1の血漿採取工程)を終了して、定速血漿循環工程に移行する。
【0114】[12] 次に、血液成分採取装置1は、定速血漿循環(定速PPP循環)工程を行なう。定速血漿循環工程では、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空間146内に定速にて循環させる。
【0115】定速血漿循環工程では、まず、制御部13は、血漿の循環を行なう(図3のステップS103)。
【0116】具体的には、制御部13の制御により、第1の流路開閉手段81を閉塞し、第2の流路開閉手段82を開放するとともに、第2の送液ポンプ12を停止し、第1の送液ポンプ11を所定の回転速度(好ましくは60〜250mL/min程度、例えば200mL/min)で作動(正転)する。
【0117】これにより、採血を一時中断するとともに、血漿採取バッグ25内の血漿を第1チューブ25aおよび第1のライン21を介して貯血空間146内に一定速度で導入し、遠心分離器20の排出口144から流出してきた血漿を第2のライン22および第2チューブ25bを介して血漿採取バッグ25内に回収する。すなわち、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空間146内に定速にて循環させる。
【0118】次いで、制御部13は、定速PPP循環を開始してから所定時間(好ましくは10〜90秒程度、例えば30秒)が経過したか否かを判断する(図3のステップS104)。
【0119】ステップS104において、定速PPP循環を開始してから所定時間が経過していない場合には、制御部13は、ステップS103に戻り、再度、ステップS103以降を繰り返す。
【0120】また、ステップS104において、定速PPP循環を開始してから所定時間が経過した場合には、制御部13は、本工程[12](定速血漿循環工程)を終了して、第2の血漿採取工程に移行する。
【0121】[13] 次に、血液成分採取装置1は、第2の血漿採取(第2のPPP採取)工程を行なう。第2の血漿採取工程では、ローター142の貯血空間146内に血液を導入し、血液を遠心分離することにより分離された血漿を血漿採取バッグ25内に採取する。
【0122】なお、この第2の血漿採取工程では、重量センサ16により血漿の採取量を計測するのに代わり、血漿層131とバフィーコート層132との界面Bの位置を検出する以外、前記工程[11](第1の血漿採取工程)と同様の工程を行なう。
【0123】第2の血漿採取工程では、まず、制御部13は、血漿の採取を行なう(図3のステップS105)。
【0124】なお、このとき、制御部13は、第2の流路開閉手段82を閉塞し、第1の流路開閉手段81を開放するよう制御する。
【0125】これにより、貯血空間146内の赤血球量が増加、すなわち、赤血球層133の層厚が増大するのに伴い、界面Bも徐々に上昇(ローター142の回転軸方向へ移動)する。
【0126】次いで、制御部13は、光学式センサ15からの検出信号(界面位置検出情報)に基づき、界面Bが所定レベル(第1の位置)に到達したか否かを判断する(図3のステップS106)。
【0127】なお、この界面Bの第1の位置としては、第1の光学式センサ15からの検出信号(受光部152からの出力電圧)が、好ましくは1〜2V程度となった時点の位置とされる。
【0128】ステップS106において、界面Bが第1の位置に到達していない場合には、制御部13は、ステップS105に戻り、再度、ステップS105以降を繰り返す。
【0129】また、ステップS105において、界面Bが第1の位置に到達した場合には、制御部13は、本工程[13](第2の血漿採取工程)を終了して、加速血漿循環工程に移行する。
【0130】[14] 次に、血液成分採取装置1は、加速血漿循環(加速PPP循環)工程を行なう。加速血漿循環工程では、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空間146内に加速させながら循環させる。
【0131】加速血漿循環工程では、まず、制御部13は、血漿の循環を行なう(図3のステップS107)。
【0132】具体的には、制御部13の制御により、第1の流路開閉手段81を閉塞し、第2の流路開閉手段82を開放するとともに、第2の送液ポンプ12を停止し、かつ、第1の送液ポンプ11の回転速度が一定の加速度にて増加(増大)するように作動(正転)する。
【0133】これにより、採血を一時中断するとともに、血漿採取バッグ25内の血漿を第1チューブ25aおよび第1のライン21を介して貯血空間146内に加速させながら導入し、遠心分離器20の排出口144から流出してきた血漿を第2のライン22および第2チューブ25bを介して血漿採取バッグ25内に回収する。すなわち、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空間146内に加速させながら循環させる。
【0134】なお、このとき、制御部13は、第1の送液ポンプ11の回転速度を、前記定速PPP循環より遅い速度(初速:例えば60mL/min)から、一定の加速度にて増加(増大)するように制御する。
【0135】この加速条件(加速度)としては、好ましくは1〜10mL/min/sec程度、より好ましくは3〜6mL/min/sec程度とされる。また、加速度は、一定でなくてもよく、例えば、前記範囲内で段階的または連続的に変化するものであってもよい。
【0136】次いで、制御部13は、血漿の貯血空間146内への循環速度が最高速度に到達したか否か、すなわち、第1の送液ポンプ11の回転速度が最高速度(好ましくは130〜250mL/min程度、例えば170mL/min)に到達したか否かを判断する(図3のステップS108)。
【0137】このステップS108は、血漿の貯血空間146内への循環速度が最高速度に到達するまで継続される。
【0138】また、ステップS108において、血漿の貯血空間146内への循環速度が最高速度に到達した場合、制御部13は、本工程[14](加速血漿循環工程)を終了して、第3の血漿採取工程に移行する。
【0139】[15] 次に、血液成分採取装置1は、第3の血漿採取(第3のPPP採取)工程を行なう。第3の血漿採取工程では、ローター142の貯血空間146内に血液を導入し、血液を遠心分離することにより分離された血漿を血漿採取バッグ25内に採取する。
【0140】第3の血漿採取工程では、まず、制御部13は、血漿の採取を行なう(図3のステップS109)。
【0141】次いで、制御部13は、重量センサ16からの情報(重量信号)に基づき、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取されたか否かを判断する(図3のステップS110)。
【0142】なお、この血漿の採取量(所定量)としては、好ましくは2〜30g程度、より好ましくは5〜15g程度とされる。
【0143】また、ステップS110において、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取された場合には、制御部13は、本工程[15](第3の血漿採取工程)を終了して、血小板採取工程に移行する(図4の■に移行する)。
【0144】[16] 次に、血液成分採取装置1は、血小板採取(PC採取)工程を行なう。血小板採取工程では、血漿採取バッグ25内の血漿を、貯血空間146内に第1の加速度にて加速させながら循環させ、次いで、第1の加速度より大きい第2の加速度に変更して、この第2の加速度にて加速させながら循環させて、貯血空間146内より血小板を流出させ、濃厚血小板血漿を一時貯留バッグ26’内に採取(貯留)する。
【0145】血小板採取工程では、まず、制御部13は、第1の加速度による血漿循環(PPP循環)を行なう(図4のステップS111)。
【0146】具体的には、制御部13の制御により、第1の流路開閉手段81を閉塞し、第2の流路開閉手段82を開放するとともに、第2の送液ポンプ12を停止し、かつ、第1の送液ポンプ11の回転速度を第1の加速度にて増加(増大)するよう作動(正転)する。
【0147】これにより、採血を中断するとともに、血漿採取バッグ25内の血漿を第1チューブ25aおよび第1のライン21を介して貯血空間146内に第1の加速度にて加速させながら導入し、遠心分離器20の排出口144から流出してきた血漿を第2のライン22および第2チューブ25bを介して血漿採取バッグ25内に回収する。すなわち、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空間146内に第1の加速度にて加速させながら循環させる。
【0148】このとき、貯血空間146内に血漿を第1の加速度にて加速させながら循環すると、赤血球層133の拡散(層厚の増大)が生じて、界面Bも徐々に上昇(ローター142の回転軸方向へ移動)する。
【0149】この第1の加速度としては、好ましくは0.5〜10mL/min/sec程度、より好ましくは1.5〜2.5mL/min/sec程度とされる。なお、第1の加速度は、一定でなくてもよく、例えば、前記範囲内で段階的または連続的に変化するものであってもよい。
【0150】また、第1の加速度によるPPP循環での第1の送液ポンプ11の初速としては、好ましくは40〜150mL/min程度、より好ましくは50〜80mL/min程度とされる。
【0151】次いで、制御部13は、血漿の貯血空間146内への循環速度が所定速度に到達するまで、ステップS111を継続する(図4のステップS112)。
【0152】なお、この血漿の循環速度、すなわち、第1の送液ポンプ11の回転速度としては、好ましくは100〜180mL/min程度、より好ましくは140〜160mL/min程度とされる。
【0153】また、ステップS112において、血漿の貯血空間146内への循環速度が所定速度に到達した場合には、制御部13は、第2の加速度による血漿循環(PPP循環)を行なう(図4のステップS113)。
【0154】具体的には、制御部13の制御により、第1の送液ポンプ11の加速度を、第1の加速度から第2の加速度に変更して、第1の送液ポンプ11の回転速度を第2の加速度にて増加(増大)するよう作動(正転)する。これにより、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空間146内に第2の加速度にて加速させながら循環させる。
【0155】このとき、貯血空間146内に血漿を第2の加速度にて加速させながら循環すると、赤血球層133の拡散(層厚の増大)が生じて、界面Bも徐々に上昇(ローター142の回転軸方向へ移動)するとともに、バフィーコート層132中の血小板(PC)が遠心力に抗して浮上し(舞い上がり)、ローター142の排出口144へ向って移動する。
【0156】この第2の加速度としては、第1の加速度より大きくなるよう設定され、好ましくは3〜20mL/min/sec程度、より好ましくは5〜10mL/min/sec程度とされる。なお、第2の加速度は、一定でなくてもよく、例えば、前記範囲内で段階的または連続的に変化するものであってもよい。
【0157】次いで、制御部13は、血漿の貯血空間146内への循環速度が最高速度に到達したか否か、すなわち、第1の送液ポンプ11の回転速度が最高速度(好ましくは120〜300mL/min程度、例えば200mL/min)に到達したか否かを判断する(図4のステップS114)。
【0158】ステップS114において、血漿の貯血空間146内への循環速度が最高速度に到達していない場合には、制御部13は、ステップS113に戻り、再度、ステップS113以降を繰り返す。
【0159】また、ステップS114において、血漿の貯血空間146内への循環速度が最高速度に到達した場合には、制御部13は、血漿循環継続(PPP循環継続)を行なう(図4のステップS115)。
【0160】具体的には、制御部13は、第1の送液ポンプ11の回転速度を、前記ステップS115における最高速度で維持(保持)するよう制御する。これにより、血漿の貯血空間146内への循環速度を、好ましくは120〜300mL/min程度、例えば200mL/minとする。
【0161】次いで、制御部13は、PPP循環継続を開始してから所定時間(好ましくは5〜15秒程度、例えば10秒)が経過したか否かを判断する(図4のステップS116)。
【0162】ステップS116において、PPP循環継続を開始してから所定時間が経過していない場合には、次いで、制御部13は、濁度センサ14からの出力電圧(PC濃度電圧)が所定値(好ましくは2.5〜3.5V程度、例えば、3.0V)以下に低下したか否かを判断する(図4のステップS117)。
【0163】ステップS117において、濁度センサ14からの出力電圧が所定値以下に低下していない場合には、制御部13は、ステップS115に戻り、再度、ステップS115以降を繰り返す。
【0164】ステップS115〜S117を繰り返している間に、ステップS116において、PPP循環継続を開始してから所定時間が経過した場合には、制御部13は、本工程[16](血小板採取工程)を終了して、バフィーコート採取工程に移行する。
【0165】また、ステップS117において、濁度センサ14からの出力電圧が所定値以下に低下した場合には、すなわち、ローター142の排出口144から血小板が流出するのに伴い、第2のライン22中を流れる血漿中の血小板濃度が所定値以上に到達した場合には、制御部13は、血小板(PC)の採取を行なう(図4のステップS118)。
【0166】具体的には、制御部13は、濁度センサ14の検出信号に基づき、第3の流路開閉手段83を閉塞し、かつ、第4の流路開閉手段84を開放するよう制御する。
【0167】これにより、第2のライン22および第3チューブ26a(チューブ261a)を介して濃厚血小板血漿を一時貯留バッグ26’内へ導入し、採取(貯留)する。なお、このとき、第7の流路開閉手段87は、閉塞しているため、濃厚血小板血漿は、一時貯留バッグ26’内から流出しない。
【0168】また、制御部13は、濁度センサ14からの出力電圧(検出信号)に基づき、一時貯留バッグ26’内の血小板濃度(累積PC濃度)を算出する。なお、この血小板濃度は、PC採取を開始してから上昇を続け、一旦、最高濃度に到達した後、下降に転じる。
【0169】次いで、制御部13は、PC採取を開始してから所定時間(好ましくは10〜25秒程度、例えば15秒)が経過したか否かを判断する(図4のステップS119)。
【0170】ステップS119において、PC採取を開始してから所定時間が経過していない場合には、次いで、制御部13は、濁度センサ14の出力電圧(PC濃度電圧)が所定値以下に到達したか否かを判断する(図4のステップS120)。
【0171】この濁度センサ14の出力電圧の所定値としては、第2のライン22中を流れる血漿中に赤血球(CRC)の混入が生じる時点付近の値とされ、好ましくは0.5V以下程度とされる。
【0172】ステップS120において、濁度センサ14の出力電圧が所定値以下に到達していない場合には、次いで、制御部13は、一時貯留バッグ26’内の濃厚血小板血漿が所定量に到達したか否かを判断する(図4のステップS121)。
【0173】なお、この濃厚血小板血漿の採取量(所定量)としては、好ましくは20〜100mL程度、より好ましくは40〜70mL程度とされる。
【0174】ステップS121において、一時貯留バッグ26’内の濃厚血小板血漿が所定量に到達しない場合には、制御部13は、ステップS118に戻り、再度、ステップS118以降を繰り返す。
【0175】ステップS118〜S121を繰り返している間に、ステップS119において、PC採取を開始してから所定時間が経過した場合、または、ステップS120において、濁度センサ14の出力電圧が所定値以下に到達した場合には、制御部13は、本工程[16](血小板採取工程)を終了して、バフィーコート採取工程に移行する。
【0176】また、ステップS121において、一時貯留バッグ26’内の濃厚血小板血漿が所定量に到達した場合には、制御部13は、本工程[16](血小板採取工程)を終了して、バフィーコート採取工程に移行する。
【0177】[17] 次に、血液成分採取装置1は、バフィーコート採取(BC採取)工程を行なう。バフィーコート採取工程では、ローター142の貯血空間146内からバフィーコートを流出させ、採取する。
【0178】バフィーコート採取工程では、まず、制御部13は、バフィーコートの採取を行なう(図4のステップS122)。
【0179】具体的には、制御部13の制御により、第4の流路開閉手段84を閉塞し、第5の流路開閉手段85を開放するとともに、第1の送液ポンプ11を所定の回転速度(好ましくは、60〜300mL/min程度、例えば205mL/min)で作動(正転)する。
【0180】これにより、血漿採取バッグ25内の血漿を第1チューブ25aおよび第1のライン21を介して貯血空間146内に所定速度で導入し、ローター142の排出口144から流出してきたバフィーコートを第2のライン22および第4チューブ27aを介してバフィーコート採取バッグ27内に導入、採取する。
【0181】なお、このバフィーコート採取工程では、制御部13は、ローター142の回転数を変更する。
【0182】このローター142の回転数としては、前記工程[11]〜[16]におけるローター142の回転数より、例えば100〜300rpm程度低く設定され、具体的には、4500〜4600rpm程度であるのが好ましい。
【0183】次いで、制御部13は、バフィーコート採取バッグ27内に所定量のバフィーコートが採取されたか否かを判断する(図4のステップS123)。
【0184】具体的には、制御部13は、バフィーコートの採取量(所定量)を、採血量、ドナーのヘマトクリット値および前記血小板採取工程において採取した血小板の量から算出し、かかる算出した採取量から第1の送液ポンプ11を回転する回数を決定して、第1の送液ポンプ11が算出した採取量を採取するのに必要な回数、回転したか否かを判断する。
【0185】ステップS123において、バフィーコート採取バッグ27内に所定量のバフィーコートが採取されていない場合、すなわち、第1の送液ポンプ11が必要回数、回転していない場合には、制御部13は、ステップS122に戻り、再度、ステップS122以降を繰り返す。
【0186】また、前記ステップS123において、バフィーコート採取バッグ27内に所定量のバフィーコートが採取された場合、すなわち、第1の送液ポンプ11が必要回数、回転した場合には、制御部13は、全ての流路開閉手段81〜87を閉塞した状態とし、第1の送液ポンプ11を停止して、本工程[17](バフィーコート採取工程)を終了する。
【0187】[18] 次に、血液成分採取装置1は、遠心分離器20を停止する工程を行なう。
【0188】この工程では、まず、制御部13は、遠心分離器20の減速を行なう(図4のステップS124)。
【0189】具体的には、制御部13の制御により、遠心分離器駆動装置10の回転数を減少して、ローター142を減速する。
【0190】さらに、制御部13は、遠心分離器20の停止を行なう(図4のステップS125)。
【0191】具体的には、制御部13の制御により、遠心分離器駆動装置10の回転を停止して、ローター142を停止する。
【0192】[19] 次に、血液成分採取装置1は、返血工程を行なう。返血工程では、ローター142の貯血空間146内の血液成分を返血する。
【0193】返血工程では、制御部13は、返血を行なう(図4のステップS126)。具体的には、制御部13の制御により、第1の流路開閉手段81を開放するとともに、第1の送液ポンプ11を所定の回転速度(好ましくは20〜120mL/min程度、例えば90mL/min)で作動(逆転)する。
【0194】これにより、ローター142の貯血空間146内に残存する血液成分(主に、赤血球)は、遠心分離器20の排出口144から排出され、第1のライン21を介してドナーに返血(返還)される。
【0195】なお、血液成分の総量(返血量)は、採血量、血漿採取量および濃厚血小板血漿採取量から算出される。
【0196】そして、制御部13の制御により、かかる血液成分の総量(返血量)をドナーに返血するのに必要とする回数、第1の送液ポンプ11を回転した後、第1の流路開閉手段81を閉塞するとともに、第1の送液ポンプ11を停止して、本工程[19](返血工程)を終了する。これにより、第1サイクルの血小板採取操作を終了する。
【0197】[2] 第2サイクルの血小板採取操作(図5および図4参照)
続いて、第2サイクルの血小板採取操作を行なう。
【0198】第2サイクルの血小板採取操作では、第1の血漿採取工程の開始前に、バフィーコート返還工程を行なう以外は、前記第1サイクルの血小板採取操作と同様の工程を行なう。
【0199】[20] まず、血液成分採取装置1は、バフィーコート返還(BC返還)工程を行なう。バフィーコート返還工程では、採取されたバフィーコートをローター142の貯血空間146内に返還する。
【0200】バフィーコート返還工程では、まず、制御部13は、バフィーコートの返還を行なう(図5のステップS20X)。
【0201】具体的には、制御部13の制御により、第4の流路開閉手段84および第6の流路開閉手段86を開放し、他の流路開閉手段を閉塞した状態で、第1の送液ポンプ11を所定の回転速度(好ましくは60〜250mL/min程度、例えば100mL/min)で作動(正転)し、かつ、遠心分離器駆動装置10を所定の回転数(例えば、4800rpm)で作動する。
【0202】これにより、バフィーコート採取バッグ27内のバフィーコートが第4チューブ27aおよび第1のライン21を介して遠心分離器20の流入口143より管体141を経てローター142の貯血空間146内に導入される。このとき、遠心分離器20内の空気は、第2のライン22を介して一時貯留バッグ26’内に送り込まれる。
【0203】次いで、制御部13は、バフィーコート採取バッグ27内に、返還するバフィーコートが無くなったか否かを判断する(図5のステップS20Y)。
【0204】具体的には、制御部13は、バフィーコートの採取量から第1の送液ポンプ11を回転する回数を決定して、第1の送液ポンプ11がバフィーコートを返還するのに必要な回数、回転したか否かを判断する。
【0205】ステップS20Yにおいて、返還するバフィーコートが残存する場合、すなわち、第1の送液ポンプ11が必要回数、回転していない場合には、制御部13は、ステップS20Xに戻り、再度、ステップS20X以降を繰り返す。
【0206】また、ステップS20Yにおいて、返還するバフィーコートが無くなった場合、すなわち、第1の送液ポンプ11が必要回数、回転した場合には、制御部13は、本工程[20](バフィーコート返還工程)を終了して、第1の血漿採取工程に移行する。
【0207】[21]〜[29] 前記工程[11]〜[19]と同様の工程をそれぞれ行なう。これにより、第2サイクルの血小板採取操作を終了する。
【0208】[3] 第3サイクル(最終サイクル)の血小板採取操作(図5および図6参照)
続いて、第3サイクルの血小板採取操作を行なう。
【0209】第3サイクルの血小板採取操作では、バフィーコート採取工程を行わず、さらに、血小板採取用分岐ラインを血漿で洗浄するライン洗浄工程を行なう以外は、前記第2サイクルの血小板採取操作と同様の工程を行なう。
【0210】[30]〜[32] 前記工程[20]〜[22]と同様の工程をそれぞれ行なう。
【0211】[33] 前記工程[23]と同様の工程を行なう。また、本工程[33](第2の血漿採取工程)を行なうのとほぼ同時に、制御部13は、一時貯留バッグ26’内に一時的に採取(貯留)した濃厚血小板血漿を、白血球除去フィルター261に供給して、濃厚血小板血漿の濾過、すなわち、濃厚血小板血漿中の白血球の分離除去を行なう。
【0212】具体的には、制御部13の制御により、第7の流路開閉手段87を開放する。これにより、一時貯留バッグ26’内の濃厚血小板血漿を、落差(自重)により、チューブ262a、白血球除去フィルター261およびチューブ263aを経て、血小板採取バッグ26内に移送する。このとき、濃厚血小板血漿は、そのほとんどが、白血球除去フィルター261の濾過部材を通過するが、白血球は濾過部材に捕捉される。このため、血小板製剤中の白血球の除去率を極めて高いものとすることができる。
【0213】なお、濃厚血小板血漿の一時貯留バッグ26’内から血小板採取バッグ26への移送は、ポンプを用いて行なうようにしてもよい。
【0214】また、第7の流路開閉手段87は、制御部13の制御により作動するものに代わり、手動によりチューブ262aの流路の途中を開閉し得るクレンメ等であってもよい。
【0215】[34]〜[35] 前記工程[24]〜[25]と同様の工程をそれぞれ行なう。
【0216】[36] 前記工程[26]と同様の工程を行なう。なお、本工程[36]において、一時貯留バッグ26’内に採取された濃厚血小板血漿は、順次、白血球除去フィルター261に供給され、濾過される。
【0217】[3A] 次に、血液成分採取装置1は、ライン洗浄工程を行なう。ライン洗浄工程では、血漿採取バッグ25内から血漿を血小板採取用分岐ラインに供給し、血小板採取用分岐ラインを洗浄する。
【0218】ライン洗浄工程では、制御部13は、血小板採取用分岐ラインへの血漿供給(PPP供給)を行なう(図6のステップS327)。
【0219】具体的には、第2の流路開閉手段82および第4の流路開閉手段84の開放状態を維持しつつ、制御部13の制御により、第1の送液ポンプ11の回転速度およびローター142の回転数を変更する。
【0220】この第2の送液ポンプ11の回転速度としては、好ましくは250mL/min以下程度、より好ましくは40〜250mL/min程度とされる。
【0221】また、ローター142の回転数としては、前記工程[30]〜[36]におけるローター142の回転数より、例えば300〜800rpm程度高く設定され、具体的には、5000〜5500rpm程度であるのが好ましい。
【0222】これにより、血漿採取バッグ25内の血漿を、第1チューブ25a、第1のライン21、ローター142(遠心分離器20)、第2のライン22およびチューブ261aを介して、すなわち、一時貯留バッグ(第1の容器)26’の上流側から、一時貯留バッグ26’、チューブ262a、白血球除去フィルター261、チューブ263aを経て、血小板採取バッグ26内に導入(供給)する。
【0223】このとき、白血球除去フィルター261内およびチューブ263aの流路内に残存する血小板(白血球を分離除去した後の濃厚血小板血漿)は、血漿とともに血小板採取バッグ26内に回収されるので、血小板製剤中の血小板の収率を高くすることができる。
【0224】しかも、血漿を一時貯留バッグ26’の上流側から供給することにより、血漿は、一時貯留バッグ26’内およびチューブ262aの流路内に残存する濃厚血小板血漿(第1の血液成分)とともに、白血球除去フィルター261に供給されるので、血小板製剤中の血小板の収率をより向上することができる。
【0225】また、この血漿の供給量により、血小板製剤(血小板採取バッグ26内の血液成分)の総量を調整するようにするのが好ましい。これにより、別途、血小板製剤の総量を調整する操作を省略することができ、時間短縮に有利である。また、かかる調整を血液成分採取回路2内(クローズド状態)で行なうことができるため、無菌状態を維持することできるという利点もある。
【0226】このような血漿の供給量としては、好ましくは5〜200mL程度、より好ましくは12〜150mL程度とされる。
【0227】なお、この血漿の供給量は、重量センサ16により血漿採取バッグ25の重量の変化(減少)として検出されている。
【0228】そして、重量センサ16の検出信号に基づき、所定量の血漿を血小板採取用分岐ラインに供給した後、制御部13は、流路開閉手段81〜84、86を閉塞した状態とし、第1の送液ポンプ11を停止するよう制御して、本工程[3A](ライン洗浄工程)を終了する。
【0229】なお、本工程[3A]に先立って、制御部13は、ローター142の回転を維持しつつ、第1の送液ポンプ11を、一旦停止するように制御してもよい。これにより、前記工程[36](血小板採取工程)において、ローター142の貯血空間146内で拡散(層厚が増大)していたバフィーコート層132および赤血球層133を圧縮(層厚を減少)することができるので、本工程[3A](ライン洗浄工程)において、ローター142の排出口144から流出する血漿中にバフィーコートあるいは赤血球が混入するのをより確実に防止することができる。
【0230】また、本工程[3A]は、一時貯留バッグ26’内からの濃厚血小板血漿の排出が終了した後に、開始するようにしてもよい。これは、一時貯留バッグ26’付近のチューブ262aに、例えば、流路内の気泡の存在を検出することができる気泡センサ等を設置することにより実現することができる。
【0231】[38]〜[39] 前記工程[28]〜[29]と同様の工程を行なう。なお、前記工程[27]と同様の工程は、省略される。これにより、第3サイクルの血小板採取操作を終了する。
【0232】なお、血小板採取操作は、3回行なう場合に限定されず、必要に応じて、1または2回、あるいは、4回以上行なってもよい。
【0233】このような血液成分採取装置1では、血液より分離、採取された濃厚血小板血漿中から、白血球除去フィルター261により白血球を分離除去するため、白血球の混入が極めて低い血小板製剤を得ることができる。
【0234】しかも、白血球除去フィルター261内およびチューブ263aの流路内に残存する血小板を、血漿により洗い流して血小板採取バッグ26内に回収するため、血小板の収率が極めて高い血小板製剤を得ることができる。
【0235】また、血小板を、血漿(血液成分)を用いて回収する(洗い流す)ので、例えば、生理食塩水、抗凝固剤を用いる場合に比べて、より品質の高い血小板製剤を得ることができる。
【0236】また、血液成分採取装置1では、血液成分採取回路2の構成も、適宜設定可能であり、図示の構成に限定されない。
【0237】例えば、血漿採取バッグ25と血小板採取用分岐ラインとを接続するチューブ(ライン)を設けるようにしてもよい。この場合、血漿採取バッグ25内の血漿を血小板採取用分岐ラインへ供給(移送)する方法としては、落差によるもの、あるいは、ポンプによるもののいずれであってもよい。なお、この場合においても、血漿採取バッグ25は、一時貯留バッグ26’の上流側に接続されているのが好ましい。
【0238】また、例えば、血漿採取バッグ25と異なる第2の血漿採取バッグを設け、この第2の血漿採取バッグ内に、ライン洗浄工程において、血小板採取用分岐ラインに供給する血漿を貯留するようにすることもできる。
【0239】さらに、血液成分採取装置1では、血小板採取操作(血液成分採取操作)の各工程における条件も、適宜設定可能であり、また、必要に応じて、任意の工程を追加および/または省略することもできる。
【0240】以上、本発明の血液成分採取装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。血液成分採取装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0241】例えば、本発明では、光学式センサは、図示のものに限定されず、例えば、ラインセンサ等であってもよい。
【0242】なお、本発明の血液成分採取装置は、血小板製剤を得るのに適用する場合に限らず、例えば、血液中から血漿製剤、アルブミン製剤、赤血球製剤等を製造する場合に適用してもよく、また、細胞分離フィルターにより分離除去する細胞も、白血球(リンパ球)に限定されない。
【0243】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0244】(実施例)血液成分採取回路(テルモ株式会社製「テルモアフェレーシスセット(白血球除去フィルター付き)」)、および、血液成分採取装置(テルモ株式会社製「テルモアフェレーシス装置AC−550」)を改造して、図1に示す血液成分採取装置を組み立てた。この装置を用いて、前述した工程に従って血小板採取操作(4回)を行なった。
【0245】また、血小板採取操作における各工程での条件を以下に示す。検出する血液成分の界面は、血漿層とバフィーコート層との界面とした。
【0246】
[第1の血漿採取工程]
ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :60mL/min 工程終了条件 ; 採取量が30gとなったとき[定速血漿循環工程]
ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :200mL/min 工程終了条件 ; 30秒経過したとき[第2の血漿採取工程]
ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :60mL/min 工程終了条件 ; 第1の光学式センサの出力電圧が1.8Vとなったとき[加速血漿循環工程]
ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :60mL/min(初速)、 5.0mL/min/sec(加速度)
工程終了条件 ; 第1の送液ポンプの回転速度が170mL/minとなっ たとき[第3の血漿採取工程]
ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :60mL/min 工程終了条件 ; 採取量が10gとなったとき[血小板採取工程]
ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :60mL/min(初速)
2mL/min/sec(第1の加速度)
回転速度が150mL/minとなった時点 で加速度の変更 10mL/min/sec(第2の加速度)
200mL/min(最高速度)
工程終了条件 ; 濃厚血小板血漿の採取量が50mLとなったとき[バフィーコート採取工程]
ローター ; 回転数 :4600rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :205mL/min 工程終了条件 ; 算出されたバフィーコート量が採取されたとき[返血工程]
第1の送液ポンプ; 回転速度 :90mL/min 工程終了条件 ; 算出された返血量が返血されたとき[バフィーコート返還工程]
ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :100mL/min 工程終了条件 ; 算出されたバフィーコート量が返還されたとき[ライン洗浄工程]
ローター ; 回転数 :5200rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :60mL/min 工程終了条件 ; 15mLの血漿が供給されたとき【0247】(比較例)血液成分採取回路(テルモ株式会社製「テルモアフェレーシスセット(白血球除去フィルター付き)」)、および、血液成分採取装置(テルモ株式会社製「テルモアフェレーシス装置AC−550」)を改造して、図1に示す血液成分採取装置を組み立てた。ライン洗浄工程を省略した以外は、この装置を用いて、前記実施例と同様にして、血小板採取操作(4回)を行なった。
【0248】なお、比較例の血小板採取操作は、実施例と同一のドナーを用い、実施例の血小板採取操作を行なってから2週間後に行なった。
【0249】(評価)実施例および比較例で得られた一時貯留バッグ内の濃厚血小板血漿、および、血小板採取バッグ内の血小板製剤の採取量を測定した。
【0250】また、一時貯留バッグ内の濃厚血小板血漿、および、血小板採取バッグ内の血小板製剤をそれぞれサンプリングし、これらに含まれる血小板数および白血球数を、それぞれ測定した。この測定には、血球計数装置(Sysmex社製、Sysmex(R)SE−9000)を用いた。但し、Sysmex(R)SE−9000における白血球数の測定下限は、0.1×102cells/μLであるため、測定下限を下回ったサンプルは、白血球数をNageotte[1:9]法により測定した。その結果を、表1に示す。
【0251】
【表1】

【0252】上記表1に示すように、実施例では、ライン洗浄工程を行なったことにより、比較例に比べて、血小板採取用分岐ライン内での血小板のロス(損失)をより低減することができ、血小板製剤中への血小板の収率をより高くすることができた。
【0253】なお、実施例および比較例では、いずれも、血小板製剤中から白血球が十分に除去されていた。
【0254】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の血液成分採取装置によれば、細胞分離フィルターにより、所定の細胞を分離除去するため、例えば血小板製剤のような血液製剤を得るのに際し、その血小板製剤(血液製剤)中の白血球(特に、リンパ球)の除去率が高くなり、発熱、同種抗原感作、ウィルス感染等の確率を低下することができ、安全性が高い。
【0255】また、本発明の血液成分採取装置によれば、例えば血小板製剤のような血液製剤を得るのに際し、細胞分離フィルターに残存する血小板を、例えば血漿(血液成分)を媒介として回収するため、血小板製剤中の血小板の収率が高くなり、しかも、血小板を血液成分を用いて回収するので、血小板の損傷(ダメージ)が少なく、品質の高い血小板製剤(血液製剤)を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
【出願日】 平成13年3月28日(2001.3.28)
【代理人】 【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
【公開番号】 特開2002−291872(P2002−291872A)
【公開日】 平成14年10月8日(2002.10.8)
【出願番号】 特願2001−94102(P2001−94102)