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【発明の名称】 排便方法及びその器具
【発明者】 【氏名】高根 重信

【要約】 【課題】容易な操作で多くの量の便を一度に排出できる排便方法及びその装置を提供する。

【解決手段】直腸内の便を包囲できる大きさのシート4の対向する両辺を細長い第1挿入棒2及び第2挿入棒3にそれぞれ固着し、第2挿入棒3にシート4を巻き取った状態の排便器具1を用意し、第1挿入棒2及び第2挿入棒3を近接させた状態で肛門から直腸内に挿入し、第1挿入棒2を略円弧を描くように動かしてシート4を展開しながら直腸内の便を包囲し、第2挿入棒3を自転させてシート4を巻き取りながら包囲した便を緊締し、その後第1挿入棒2及び第2挿入棒3を直腸内から抜き出して便をシート4で保持した状態で体外へ排出できるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直腸内の便を包囲できる大きさのシートの対向する両辺を細長い第1挿入棒及び第2挿入棒にそれぞれ固着し、シートを折り込んだ状態又は第1挿入棒及び第2挿入棒のいずれか又は双方にシートを巻き取った状態の排便器具を用意し、第1挿入棒及び第2挿入棒を近接させた状態で肛門から直腸内に挿入し、第1挿入棒及び第2挿入棒のいずれか又は双方を略円弧を描くように動かしてシートを展開しながら直腸内の便を包囲し、第1挿入棒及び第2挿入棒のいずれか又は双方を自転させてシートを巻き取りながら包囲した便を緊締し、その後第1挿入棒及び第2挿入棒を直腸内から抜き出すと便が一緒に体外へ排出できるようにした排便方法。
【請求項2】 直腸内の便を包囲できる大きさのシートの対向する両辺を細長い第1挿入棒及び第2挿入棒にそれぞれ固着し、第1挿入棒のシートを固着した部分から後方の基端部の途中を折曲し、その折曲箇所から基端までを軸線から離れた位置で軸線と平行となるように形成し、シートを折り込んだ状態又は第2挿入棒にシートを巻き取った状態の排便器具を用意し、第1挿入棒及び第2挿入棒を近接させた状態で肛門から直腸内に挿入し、第1挿入棒を略円弧を描くように動かしてシートを展開しながら直腸内の便を包囲し、第1挿入棒を固定した状態で第2挿入棒を自転させてシートを巻き取りながら包囲した便を緊締し、その後第1挿入棒及び第2挿入棒を直腸内から抜き出すと便が一緒に体外に排出できるようにした排便方法。
【請求項3】 先端を略円錐形状に形成した円筒形の筒体に長手方向に沿って貫通するスリットを形成し、同筒体を第2挿入棒に被せてシートの一辺を前記スリットから外部に引き出すようにした請求項2記載の排便方法。
【請求項4】 筒体の先端に注出口を形成し、第2挿入棒の内部に先端から基端まで貫通する通路を形成して筒体の注出口と連通させ、第2挿入棒の基端に潤滑液を注入してキャップの注出口から注出できるようにした請求項3記載の排便方法。
【請求項5】 シートの前端及び後端の辺部分に前端及び後端に沿って摺動できる線材をそれぞれ設け、シートで便を包囲した状態の前後端の開口を線材を後方に引くことで緊縛できるようにした請求項1〜4いずれか記載の排便方法。
【請求項6】 第1挿入棒及び第2挿入棒の先端をそれぞれ拡径して丸味を有する形状にし、直腸の内壁を傷つけないようにした請求項1〜5いずれか記載の排便方法。
【請求項7】 第1挿入棒及び第2挿入棒の先端が軟質である請求項6記載の排便方法。
【請求項8】 直腸内の水分で溶ける略円錐形状の可溶性被覆部材を第1挿入棒及び第2挿入棒の先端に被せるように取り付けた状態で肛門から直腸内に挿入し、可溶性被覆部材を直腸内の水分で溶解させるようにした請求項1〜7いずれか記載の排便方法。
【請求項9】 直腸内の便を包囲できる大きさのシートの対向する両辺を細長い第1挿入棒及び第2挿入棒にそれぞれ固着し、シートを折り込んだ状態又は第1挿入棒及び第2挿入棒のいずれか又は双方にシートを巻き取った状態の排便器具。
【請求項10】 直腸内の便を包囲できる大きさのシートの対向する両辺を細長い第1挿入棒及び第2挿入棒にそれぞれ固着し、第1挿入棒のシートを固着した部分から後方の基端部の途中を折曲し、その折曲箇所から基端までを軸線から離れた位置で軸線と平行となるように形成し、シートを折り込んだ状態又は第2挿入棒にシートを巻き取った状態の排便器具。
【請求項11】 先端を略円錐形状に形成した円筒形の筒体に長手方向に沿って貫通するスリットを形成し、同筒体を第2挿入棒に被せてシートの一辺を前記スリットから外部に引き出すようにした請求項10記載の排便器具。
【請求項12】 筒体の先端に注出口を形成し、第2挿入棒の内部に先端から基端まで貫通する通路を形成して筒体の注出口と連通させ、第2挿入棒の基端に潤滑液を注入してキャップの注出口から注出できるようにした請求項11記載の排便器具。
【請求項13】 シートの前端及び後端の辺部分に前端及び後端に沿って摺動できる線材をそれぞれ設け、シートで便を包囲した状態の前後端の開口を線材を後方に引くことで緊縛できるようにした請求項9〜12いずれか記載の排便器具。
【請求項14】 第1挿入棒及び第2挿入棒の先端をそれぞれ拡径して丸味を有する形状にし、直腸の内壁を傷つけないようにした請求項9〜13いずれか記載の排便器具。
【請求項15】 第1挿入棒及び第2挿入棒の先端が軟質である請求項14記載の排便器具。
【請求項16】 直腸内の水分で溶ける略円錐形状の可溶性被覆部材を第1挿入棒及び第2挿入棒の先端に被せるように取り付けた請求項9〜15いずれか記載の排便器具。
【請求項17】 請求項9〜16いずれか記載の排便器具の第1挿入棒及び第2挿入棒の基端にモータで駆動する回転機構を設け、第1挿入棒及び第2挿入棒を電動で操作できるようにした排便装置。
【請求項18】 回転機構が、モータの出力軸と第1挿入棒の基端とをクラッチを介して駆動力を断続自在に伝達できるように連結し、モータの出力軸及び第2挿入棒の基端にそれぞれギヤを設けて第2挿入棒に駆動力を伝達できるようにし、第1挿入棒の略一回転でクラッチを切断することにより第1挿入棒の回転を停止させる駆動力遮断手段を設けて構成されたものである請求項17記載の排便装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排便できない人の便を強制的に体外へ排出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、直腸内から便を強制的に排出するには処置する人が便を指で掻き出していた。人の指で処置することは処置される人にとって不快であり、処置に時間を要する問題もあった。そこで、本発明人は破砕刃によって便を徐々に破砕して排出させる排便器具を発明し、実用に供している。人の指で処置を行う方法と比較して効率良く排出できるようになったが、さらに効率良く多くの量の便を排出できる技術が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、容易な操作で多くの量の便を一度に排出できる排便方法及びその器具を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本発明の構成は、1) 直腸内の便を包囲できる大きさのシートの対向する両辺を細長い第1挿入棒及び第2挿入棒にそれぞれ固着し、シートを折り込んだ状態又は第1挿入棒及び第2挿入棒のいずれか又は双方にシートを巻き取った状態の排便器具を用意し、第1挿入棒及び第2挿入棒を近接させた状態で肛門から直腸内に挿入し、第1挿入棒及び第2挿入棒のいずれか又は双方を略円弧を描くように動かしてシートを展開しながら直腸内の便を包囲し、第1挿入棒及び第2挿入棒のいずれか又は双方を自転させてシートを巻き取りながら包囲した便を緊締し、その後第1挿入棒及び第2挿入棒を直腸内から抜き出すと便が一緒に体外へ排出できるようにした排便方法2) 直腸内の便を包囲できる大きさのシートの対向する両辺を細長い第1挿入棒及び第2挿入棒にそれぞれ固着し、第1挿入棒のシートを固着した部分から後方の基端部の途中を折曲し、その折曲箇所から基端までを軸線から離れた位置で軸線と平行となるように形成し、シートを折り込んだ状態又は第2挿入棒にシートを巻き取った状態の排便器具を用意し、第1挿入棒及び第2挿入棒を近接させた状態で肛門から直腸内に挿入し、第1挿入棒を略円弧を描くように動かしてシートを展開しながら直腸内の便を包囲し、第1挿入棒を固定した状態で第2挿入棒を自転させてシートを巻き取りながら包囲した便を緊締し、その後第1挿入棒及び第2挿入棒を直腸内から抜き出すと便が一緒に体外に排出できるようにした排便方法3) 先端を略円錐形状に形成した円筒形の筒体に長手方向に沿って貫通するスリットを形成し、同筒体を第2挿入棒に被せてシートの一辺を前記スリットから外部に引き出すようにした前記2)記載の排便方法4) 筒体の先端に注出口を形成し、第2挿入棒の内部に先端から基端まで貫通する通路を形成して筒体の注出口と連通させ、第2挿入棒の基端に潤滑液を注入してキャップの注出口から注出できるようにした前記3)記載の排便方法5) シートの前端及び後端の辺部分に前端及び後端に沿って摺動できる線材をそれぞれ設け、シートで便を包囲した状態の前後端の開口を線材を後方に引くことで緊縛できるようにした前記1)〜4)いずれか記載の排便方法6) 第1挿入棒及び第2挿入棒の先端をそれぞれ拡径して丸味を有する形状にし、直腸の内壁を傷つけないようにした前記1)〜5)いずれか記載の排便方法7) 第1挿入棒及び第2挿入棒の先端が軟質である前記6)記載の排便方法8) 直腸内の水分で溶ける略円錐形状の可溶性被覆部材を第1挿入棒及び第2挿入棒の先端に被せるように取り付けた状態で肛門から直腸内に挿入し、可溶性被覆部材を直腸内の水分で溶解させるようにした前記1)〜7)いずれか記載の排便方法9) 直腸内の便を包囲できる大きさのシートの対向する両辺を細長い第1挿入棒及び第2挿入棒にそれぞれ固着し、シートを折り込んだ状態又は第1挿入棒及び第2挿入棒のいずれか又は双方にシートを巻き取った状態の排便器具10) 直腸内の便を包囲できる大きさのシートの対向する両辺を細長い第1挿入棒及び第2挿入棒にそれぞれ固着し、第1挿入棒のシートを固着した部分から後方の基端部の途中を折曲し、その折曲箇所から基端までを軸線から離れた位置で軸線と平行となるように形成し、シートを折り込んだ状態又は第2挿入棒にシートを巻き取った状態の排便器具11) 先端を略円錐形状に形成した円筒形の筒体に長手方向に沿って貫通するスリットを形成し、同筒体を第2挿入棒に被せてシートの一辺を前記スリットから外部に引き出すようにした前記10)記載の排便器具12) 筒体の先端に注出口を形成し、第2挿入棒の内部に先端から基端まで貫通する通路を形成して筒体の注出口と連通させ、第2挿入棒の基端に潤滑液を注入してキャップの注出口から注出できるようにした前記11)記載の排便器具13) シートの前端及び後端の辺部分に前端及び後端に沿って摺動できる線材をそれぞれ設け、シートで便を包囲した状態の前後端の開口を線材を後方に引くことで緊縛できるようにした前記9)〜12)いずれか記載の排便器具14) 第1挿入棒及び第2挿入棒の先端をそれぞれ拡径して丸味を有する形状にし、直腸の内壁を傷つけないようにした前記9)〜13)いずれか記載の排便器具15) 第1挿入棒及び第2挿入棒の先端が軟質である前記14)記載の排便器具16) 直腸内の水分で溶ける略円錐形状の可溶性被覆部材を第1挿入棒及び第2挿入棒の先端に被せるように取り付けた前記9)〜15)いずれか記載の排便器具17) 前記9)〜16)いずれか記載の排便器具の第1挿入棒及び第2挿入棒の基端にモータで駆動する回転機構を設け、第1挿入棒及び第2挿入棒を電動で操作できるようにした排便装置18) 回転機構が、モータの出力軸と第1挿入棒の基端とをクラッチを介して駆動力を断続自在に伝達できるように連結し、モータの出力軸及び第2挿入棒の基端にそれぞれギヤを設けて第2挿入棒に駆動力を伝達できるようにし、第1挿入棒の略一回転でクラッチを切断することにより第1挿入棒の回転を停止させる駆動力遮断手段を設けて構成されたものである前記17)記載の排便装置にある。
【0005】
【作用】本発明の請求項1及び9記載の構成では、第1挿入棒及び第2挿入棒を近接させた状態で肛門から直腸内に挿入し、第1挿入棒及び第2挿入棒のいずれか又は双方を円弧を描くように動かしてシートを展開しながら直腸内の便を包囲し、第1挿入棒及び第2挿入棒のいずれか又は双方を自転させてシートを巻き取りながら包囲した便を緊締し、第1挿入棒及び第2挿入棒を直腸内から抜き出すと便が一緒に体外に排出される。本発明の請求項2及び10記載の構成では、第1挿入棒及び第2挿入棒を近接させた状態で肛門から直腸内に挿入し、第1挿入棒を円弧を描くように動かしてシートを展開しながら直腸内の便を包囲し、第1挿入棒を固定した状態で第2挿入棒を自転させてシートを巻き取りながら包囲した便を緊締し、第1挿入棒及び第2挿入棒を直腸内から抜き出すと便が一緒に体外に排出される。本発明の請求項3及び11記載の構成では、展開前のシートが筒体で被覆されることにより、直腸内に円滑に挿入されるとともにシートの前端で直腸の内壁を傷つけないようにする。本発明の請求項4及び12記載の構成では、先端から潤滑液を注出しながら円滑に直腸内に挿入され、肛門及び直腸との摩擦による痛みを軽減できるようにする。本発明の請求項5及び13記載の構成では、線材でシートの前後端を緊縛するようにしたから、便をより強くシートで保持して体外に確実に排出できるようにする。本発明の請求項6及び14記載の構成では、第1挿入棒及び第2挿入棒を動かす際にその先端が直腸の内壁と接触しても傷つけないようにする。本発明の請求項7及び15記載の構成では、先端を軟質とすることにより、直腸の内壁をより傷つけないようにする。本発明の請求項8及び16記載の構成では、第1挿入棒及び第2挿入棒の先端が円滑に直腸内に挿入され、肛門の痛みが軽減されるとともに挿入後は腸液で溶解する。本発明の請求項17及び18記載の構成では、第1挿入棒及び第2挿入棒を電動で操作することにより、処置を行う人の負担が軽減される。
【0006】
【発明の実施の形態】直腸内に挿入される第1挿入棒及び第2挿入棒の先端は、直腸の内壁を傷つけることがないように拡径して丸味をもたせた滑らかな形状にするのが望ましい。便を包囲するシートは、下水に廃棄できるように可溶性のものを用いたり、後処理が容易な生物分解性のものを用いたり、さらに薬品類で容易に溶解して処理し易くできるものを用いるのが良い。シートの内面は包囲した便を直腸内から排出する時に滑らないように突起物を設けたり面を粗くしてもよい。可溶性被覆部材としては、直腸内の水分で溶けるゼラチン等の材質のものからなり、形状は略円錐形状として円滑に挿入できるようにして処置される人の痛みなどの負担を伴わないようにするのが望ましい。
【0007】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【0008】実施例1(図1〜3参照)
図1〜3に示す実施例1は、直腸内の便を包囲できる大きさのシートの対向する両辺を第1挿入棒及び第2挿入棒にそれぞれ固着し、第2挿入棒にシートを巻き取り、先端に可溶性被覆部材を被せるように取り付けた器具を用いた排便方法の例である。図1は、実施例1の排便器具の外観図である。図2は、実施例1の排便器具の使用状態を示す説明図である。図3は、実施例1の排便器具の使用状態を示す説明図である。
【0009】図中、1は排便器具である。2,3はそれぞれ第1挿入棒,第2挿入棒であって、長さ15cmのプラスチック製からなり、第1挿入棒2の基端部の途中を略コ字状に折曲し、第2挿入棒3と25mmの間隔をおいて支持体1aに回転自在に取り付けている。先端の2a,3aは軟質ビニルからなる拡径した球状の弾性部である。4はシートであって、水に溶ける可溶性フィルムからなり、その対向する両辺に第1挿入棒2及び第2挿入棒3をそれぞれ取り付けている。寸法は長さ16cm、幅10cmとし、ほぼ便を包囲できる大きさとしている。10はゼラチンからなる略円錐形状の可溶性被覆部材である。Bは便、hは人である。
【0010】本実施例では、まず第2挿入棒3にシート4を巻き取ってコンパクトにした状態で図2(a)に示すように第1挿入棒2及び第2挿入棒3を肛門から直腸内に挿入する。可溶性被覆部材5は腸液で溶解する。次に、図2(b)及び図3(a),(b)に示すように第1挿入棒2の基端を持って略円弧を描くように動かして第2挿入棒3からシート4を展開させながら便Bを包囲し始め、図2(c)及び図3(c)に示すように第1挿入棒2がおよそ一周してシート4により便Bの周囲を包囲する。次に、図3(d)に示すように第2挿入棒3を自転させてシート4を巻き取りながら包囲した便Bを周囲から緊締して密着するようにする。そして、図2(d)に示すようにシート4で便Bを保持した状態で第1挿入棒2及び第2挿入棒3を直腸内から抜き出すことにより便Bを強制的に体外へ排出し、必要に応じて再度処置を行うなどし、後処理を行って処置を終了する。
【0011】このように、本実施例では簡単な操作で一度に多量の便を体外に強制的に排出することができ、処置を行う人や処置される人の負担を軽減できる。
【0012】図4に示すのは、シートの長さを実施例1のおよそ1.5倍の24cmにし、便を一周して包囲した後に更に半周程オーバーラップさせ、より確実に便を保持して排出できるようにした実施例1の他の例である。図4は、実施例1の排便器具の他の例の使用状態を示す説明図である。
【0013】実施例1の他の例では、図4(a)〜(c)に示すように第1挿入棒2を回転させて第2挿入棒3からシート4を展開しながら便Bを周囲から包囲する。次に、図4(d)に示すように第1挿入棒2をシート4の内側に入り込ませて更に回転させてシート4が半周程オーバーラップするようにする。そして、図4(e)に示すように第1挿入棒2を固定した状態で第2挿入棒3を回転させ、シート4を巻き取りながら包囲した便Bを緊締して密着し、直腸内から抜き出して排出する。このように、実施例1の他の例ではシート4の長さをより長くして便Bを半周程オーバーラップするようにしたから、便Bをより強く保持することができ、直腸内から抜き出す際もシート4が便Bから滑ることなく確実に排出させることができる。その他、符号、構成、作用は実施例1の排便器具と同じである。
【0014】実施例2(図5〜8参照)
図5〜8に示す実施例2は、長手方向にスリットを形成した筒体の内部にシートの一辺を固着して巻きつけた第2挿入棒を挿入し、シートの対向する他辺を筒体のスリットより外部に出して第1挿入棒に固着し、シートの前後端に形成した袋部に絞り紐をそれぞれ挿通してその端部をリングに固着した器具を用いた排便方法の例である。図5は、実施例2の排便器具の外観図である。図6は、実施例2の排便器具の使用状態を示す説明図である。図7は、実施例2の排便器具の使用状態を示す説明図である。図8は、実施例2の排便器具の使用状態を示す説明図である。
【0015】図中、5は筒体であって、長手方向にスリット5aを形成し、支持体1aに第2挿入棒3を覆うように取り付けている。6はキャップであって先端部に注出口6aを形成し、筒体5の先端に取り付けている。第2挿入棒3の内部には通路3bを形成してキャップ6の注出口6aと連通させている。7は第2挿入棒3を回転自在に支持する栓であって、絞り紐8を挿通させる貫通孔7aを形成し、支持体1a内に埋設するように取り付けている。そして、第2挿入棒3の基端から潤滑液を注入し、キャップ6の注出口6aより注出することにより第1挿入棒2及び筒体5を円滑に直腸内に挿入できるようにしている。8は絞り紐であって、シート4の前後端にそれぞれ形成された袋部4a内に挿通し、支持体1aより後方に引き廻してリング8aに固着している。
【0016】本実施例では、図8(a)に示すように第2挿入棒3の基端より潤滑液を注入してキャップ6の先端から注出しながら第1挿入棒2及び筒体5を肛門から直腸内に挿入する。第1挿入棒2及び筒体5は潤滑液により円滑に直腸内に挿入される。次に、図7(a)に示すように第1挿入棒2の基端を持って略円弧を描くように動かして第2挿入棒3からシート4を展開させて筒体5のスリット5aから引き出しながら便Bを包囲し始め、図7(b)に示すように第1挿入棒2がおよそ一周してシート4により便Bの周囲を包囲する。次に、第2挿入棒3を自転させてシート4を巻き取りながら包囲した便Bを周囲から緊締して密着するようにする。次に、図7(c)及び図8(b)に示すようにリング8aを後方に引くと絞り紐8が引っ張られ、シート4の前後端が緊縛されて便Bを包むように全体が袋状となる。そして、図8(c)に示すように第1挿入棒2及び筒体5を直腸内から抜き出すことにより便Bが一緒に体外に排出され、必要に応じて再度処置を行うなどし、後処理を行って処置を終了する。
【0017】このように、本実施例ではキャップから潤滑液を出すようにしたので、器具を直腸内に円滑に挿入され処置される人の痛みをより軽減できる。また、絞り紐でシートの前後を緊縛するようにしたので、便をより強くシートで保持して直腸内から体外に確実に排出できる。その他、符号は実施例1と同じである。
【0018】実施例3(図9〜11参照)
図9〜11に示す実施例3は、第1挿入棒及び第2挿入棒の基端にモータで駆動する回転機構を設けて電動で操作できるようにした排便装置の例である。図9は、実施例3の排便装置の外観図である。図10は、実施例3の回転機構の内部の説明図である。図11は、実施例3の回転機構の作動を示す説明図である。
【0019】図中、11は回転機構であって、減速器13を具備したモータ12の出力軸12aに第1ギヤ14を設け、中継ギヤ16を介して第2挿入棒3の基端に設けた第2ギヤ15に駆動力を伝達し、第2挿入棒3を常時回転できるようにしている。また、第1ギヤ14が1回転すると第2ギヤ15が10回転するギヤ比としている。17はクラッチであって、それぞれが嵌合できる形状の第1クラッチ体17a及び第2クラッチ体17bから構成され、第1クラッチ体17aを第1挿入棒2の基端にスプリング18を介して取り付け、第2クラッチ体17bをモータ12の出力軸12aに取り付け、平時はスプリング18の押圧により第1クラッチ体17a及び第2クラッチ体17bが嵌合し、モータ12の出力軸12aと連動して第1挿入棒2を回転できるようにしている。第1クラッチ体17aには外側に向って伸びるバー19を設け、一端にフック部20aを設けた支点20bを中心に回転するフック体20に周回毎に接触するようにしている。フック体20はスプリング21により常に駆体25に引張られるように取り付けている。第1挿入棒2の基端部の途中は縮径され、押圧体22及びリセットレバー23を駆体25との間に挟持している。押圧体22には窓部22aを有しており、平時はフック体20のフック部20aに押圧されて駆体25と平行に保持され、その端部はスプリング24により駆体25に引張られるようにしている。26は握り部であって、スイッチ26aでモータ12のON・OFFを制御する図示しない制御部が内蔵され、第1挿入棒2及び第2挿入棒3を操作できるようにしている。また、26bはモータ12の回転方向を変更できるようにした逆転スイッチである。
【0020】本実施例では、第1挿入棒2及び第2挿入棒3を直腸内に挿入後、図11(a)に示すようにスイッチ26aを押すとモータ12が作動し、減速器13により所定の回転数に減速され第1ギヤ14を回転させる。第1挿入棒2はクラッチ17の接続によりモータ12の出力軸12aと連動して回転するとともに第2挿入棒3も中継ギヤ16により第2ギヤ15に駆動力が伝達されて回転し、シート4が展開されて便Bを包囲し始める。シート4で便Bを包囲して第1挿入棒2がおよそ1回転すると、図11(b)に示すようにバー19がフック体20と接触し、フック体20が支点20bを中心に回転してフック部20aが押圧体22の窓部22aに入る。押圧体20はスプリング24により駆体25側に引張られるとともにリセットレバー23を中心にして反対側が起き上がり、第1挿入棒2の拡径部を後方から押圧する。第1挿入棒2が前方に動くことにより第1クラッチ体17a及び第2クラッチ体17bがそれぞれ離れてモータ12の駆動力が遮断され、第1挿入棒2の回転が停止する。第2挿入棒3はそのまま回転を持続し、再びシート4を第2挿入棒3に巻き付けながら包囲した便Bを緊締する。そして、スイッチ26aを離すとモータ12への通電がOFFになって第2挿入棒3が停止し、第1挿入棒2及び第2挿入棒3を直腸内から抜き出すと便Bが一緒に体外に排出されることとなる。再度使用するときは、図11(c)に示すようにリセットレバー23を梃子のように動かすことにより押圧体22を持ち上げ、フック体20を元の位置に戻して押圧体22をフック部20aで支持するとともに、第1挿入棒2が後方に動いて第1クラッチ体17a及び第2クラッチ体17bが嵌合してモータ12の駆動力が伝達できる状態に復帰する。なお、便Bが大きくて取り出せない場合は、逆転スイッチ26bを押すことにより逆転動作で便Bを離し、第1挿入棒2及び第2挿入棒3のみを取り出せる状態に戻すことができる。このように、本実施例では第1挿入棒及び第2挿入棒を電動で操作できるようにしたから、処置を行う人の負担を軽減することができる。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、簡単な操作で一度に多量の便を強制的に体外に排出でき、処置を行う人や処置される人の負担を軽減できる。また、シートで便を包囲した後、シートで緊締するから直腸内から抜き出す際にシートが便から滑ることなく確実に排出できる。
【出願人】 【識別番号】390020709
【氏名又は名称】高根 重信
【出願日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【代理人】 【識別番号】100081824
【弁理士】
【氏名又は名称】戸島 省四郎
【公開番号】 特開2002−291871(P2002−291871A)
【公開日】 平成14年10月8日(2002.10.8)
【出願番号】 特願2001−98433(P2001−98433)