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【発明の名称】 内視鏡用チューブ状処置具
【発明者】 【氏名】大内 輝雄

【要約】 【課題】手元側からの操作によって先端の向きを任意に変えて、胆管や気管支の深部等にある目標とする分岐管へ挿入することができる内視鏡用チューブ状処置具を提供すること。

【解決手段】可撓性チューブ1の先端近傍部分に、可撓性チューブ1を径方向に横断する切削溝3を形成すると共に、可撓性チューブ1内に軸線方向に進退自在に操作ワイヤ2を挿通配置し、その操作ワイヤ2の先端を切削溝3より先側において可撓性チューブ1に対して固定した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】全体として可撓性のチューブ状をなす内視鏡用チューブ状処置具において、上記可撓性チューブの先端近傍部分に、上記可撓性チューブを径方向に横断する切削溝を形成すると共に、上記可撓性チューブ内に軸線方向に進退自在に操作ワイヤを挿通配置し、その操作ワイヤの先端を上記切削溝より先側において上記可撓性チューブに対して固定したことを特徴とする内視鏡用チューブ状処置具。
【請求項2】上記切削溝の断面形状が略V字状である請求項1記載の内視鏡用チューブ状処置具。
【請求項3】上記可撓性チューブの先端に組織採取部材が取り付けられている請求項1又は2記載の内視鏡用チューブ状処置具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通して使用される内視鏡用チューブ状処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡用チューブ状処置具の代表的なものとして、造影剤を注入するための造影チューブがあるが、従来の内視鏡用造影チューブは、全体として一本の四フッ化エチレン樹脂等の可撓性チューブによって形成されていて、その手元側に注入口金が取り付けられている。また、可撓性チューブの先端に先端チップ等が取り付けられたものや、腰折れ防止のために芯金が挿通配置されたもの等もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】内視鏡用チューブ状処置具は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通して使用されるが、内視鏡から突出された先端部分の向きを自由にコントロールすることができない。
【0004】そこで従来は、可撓性チューブの先端部分に予め所望の曲がり癖を形成するようなことをしていたが、例えば胆管や気管支の深部等にある目標とする分岐管にチューブ状処置具の先端を挿入するのは非常に困難であった。
【0005】そこで本発明は、手元側からの操作によって先端の向きを任意に変えて、胆管や気管支の深部等にある目標とする分岐管へ挿入することができる内視鏡用チューブ状処置具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用チューブ状処置具は、全体として可撓性のチューブ状をなす内視鏡用チューブ状処置具において、可撓性チューブの先端近傍部分に、可撓性チューブを径方向に横断する切削溝を形成すると共に、可撓性チューブ内に軸線方向に進退自在に操作ワイヤを挿通配置し、その操作ワイヤの先端を切削溝より先側において可撓性チューブに対して固定したものである。
【0007】なお、切削溝の断面形状が略V字状であると、可撓性チューブがスムーズに屈曲する。また、可撓性チューブの先端に組織採取部材が取り付けられていてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は、本発明の第1の実施例の内視鏡用チューブ状処置具を示している。
【0009】1は、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される可撓性チューブであり、外径が1.5〜2.5mm程度で長さが1〜2m程度の四フッ化エチレン樹脂チューブ又はポリエチレン樹脂チューブ等が用いられる。
【0010】可撓性チューブ1の先端近傍部分には、可撓性チューブ1を径方向に横断する略V字状の断面形状の切削溝3が形成されている。また、可撓性チューブ1内には、例えばステンレス鋼製撚り線によって形成された操作ワイヤ2が、軸線方向に進退自在に全長にわたって挿通配置されている。
【0011】可撓性チューブ1の先端には、軸線方向に貫通孔を有する金属製の先端チップ4が固定されている。そして、操作ワイヤ2の先端が先端チップ4の内周面に銀ロー付け等によって固着され、それによって操作ワイヤ2の先端が可撓性チューブ1の先端部分に対して固定された状態になっている。
【0012】可撓性チューブ1の基端(手元側端部)に連結された操作部10においては、可撓性チューブ1の基端が接続固定された本体筒11の側部に接続筒12が突出形成されていて、図示されていない注射器等を接続筒12に接続することにより、可撓性チューブ1を介して造影剤やその他の液体を送出することができ、或いは可撓性チューブ1を通して吸引をすることができる。
【0013】操作ワイヤ2は、本体筒11内を真っ直ぐに後方に通過してその突端に指掛け14が連結されており、本体筒11から指掛け14に至る部分においては、操作ワイヤ2に腰折れ防止のためのステンレス鋼管製の補強パイプ15が被覆されている。
【0014】したがって、本体筒11に対して指掛け14を進退操作することにより、操作ワイヤ2が可撓性チューブ1内で軸線方向に進退する。13は、本体筒11内と指掛け14側の空間との間をシールするために、補強パイプ15の外周面に密接する状態に配置されたOリングである。
【0015】このように構成された実施例の内視鏡用チューブ状処置具においては、指掛け14により操作ワイヤ2を牽引する操作を行うと、図2に示されるように、可撓性チューブ1の先端部分が切削溝3において切削溝3側に屈曲する。その最大屈曲角度は、切削溝3の形状によって任意に設定することができる。
【0016】そして、操作ワイヤ2を手元側から押し込む操作を行うと、可撓性チューブ1の先端部分が元の真っ直ぐな状態に戻り、その状態からさらに操作ワイヤ2を押し込めば、図3に示されるように、可撓性チューブ1の先端部分が切削溝3において切削溝3の裏側方向に屈曲する。
【0017】したがって、この実施例の内視鏡用チューブ状処置具を用いることにより、図4に例示されるように、内視鏡50の処置具挿通チャンネル51から突出させた可撓性チューブ1の先端(先端チップ4)を屈曲させて、胆管や気管支の深部等にある目標とする分岐管に挿入することが可能である。その際には、内視鏡50による観察はできないので、可撓性チューブ1を通じて造影剤を送り出しながらX線透視下に行えばよい。
【0018】なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば操作ワイヤ2の先端固定には各種の実施態様があり、図5に示されるように、ハート形状に形成された先端チップ4′の外面凹部に操作ワイヤ2の先端を固着して、先端チップ4′を可撓性チューブ1の先端内に圧入固定するようにしてもよい。
【0019】また、切削溝3の形状にも各種の実施態様があり、例えば図6に示されるように、V字状の突端部分に幅をもたせれば屈曲が容易になり、図7に示されるように、V字状の先端寄り側の斜面を大きく傾斜させれば、処置具挿通チャンネル51内に可撓性チューブ1を引き込む動作の際に、処置具挿通チャンネル51の出口開口部に切削溝3が引っ掛かり難くなる。
【0020】また、例えば図8及び図9に示されるように、先端チップ4部分に、鋭匙4A又はブラシ4B等のような組織採取部材を取り付けることにより、胆管や気管支の深部等にある目標とする分岐管等から経内視鏡的に組織採取を行うことができる。
【0021】この場合にも、接続筒12から造影剤を注入しながら可撓性チューブ1を誘導することにより、内視鏡で直接観察不能な位置の深部管路に対してX線透視像を見ながら挿入することができる。
【0022】そして、組織採取を行うための内視鏡用処置具は一般に直線保持性の強い金属製のコイルをシースとしているが、このようにシースとして可撓性チューブ1を用いることにより胆管や気管支等のカーブに沿って挿入し易くなり、さらに本発明の適用により深部への選択的挿入が容易となる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、操作ワイヤを手元側から進退操作することによって、可撓性チューブの先端を所定の方向に屈曲させることができるので、チューブ状処置具の先端を胆管や気管支の深部等にある目標とする分岐管の奥まで挿入することができる。
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】旭光学工業株式会社
【出願日】 平成13年2月27日(2001.2.27)
【代理人】 【識別番号】100091317
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 和彦
【公開番号】 特開2002−248173(P2002−248173A)
【公開日】 平成14年9月3日(2002.9.3)
【出願番号】 特願2001−51580(P2001−51580)