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【発明の名称】 手動換気バッグ
【発明者】 【氏名】ペール エムテル

【要約】 【課題】手動換気を必要とするあらゆる状況において単純かつ容易に使用することができる柔軟な手動換気バッグを提供する。

【解決手段】第1の開口20Aと、第2の開口22Aと、第1の開口20Aに接続された第1の柔軟なバッグ20と、第2の開口22Aに接続された第2の柔軟なバッグ22とが設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 柔軟な手動換気バッグにおいて、第1の開口(20A;49;58;70)と、第2の開口(22A;51;64;72)と、前記第1の開口(20A;49;58;70)に接続された第1の柔軟なバッグ(20;48;56;74)と、前記第2の開口(22A;51;64;72)に接続された第2の柔軟なバッグ(22;50;62;76)とが設けられていることを特徴とする、柔軟な手動換気バッグ。
【請求項2】 前記第1の開口(58)と第2の開口(64)とが、互いに同軸的に配置されている、請求項1記載の手動換気バッグ。
【請求項3】 前記第1の柔軟なバッグ(56)が、第2の柔軟なバッグ(62)の内部に配置されている、請求項2記載の手動換気バッグ。
【請求項4】 柔軟なカバー(18A;46)が設けられており、該カバー内に第1の柔軟なバッグ(20;48)と第2の柔軟なバッグ(22;50)とが配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の手動換気バッグ。
【請求項5】 患者に呼吸ガスを供給するために患者に接続されるように構成された呼吸装置において、請求項1から4までのいずれか1項記載の手動換気バッグが設けられていることを特徴とする、呼吸装置。
【請求項6】 前記呼吸装置が、吸気ライン(12A;60)と呼気ライン(12C;66)とを備えたベンチレータ(2)から成っており、前記第1の開口(20A;58)が吸気ライン(12A;60)に接続されており、前記第2の開口(22A;64)が呼気ライン(12C;66)に接続されている、請求項5記載の呼吸装置。
【請求項7】 前記呼吸装置が、呼吸ガスを患者へ及び患者から循環させるための呼吸サークル(38A,38B,38C,44)と、新鮮な呼吸ガスを呼吸サークル(38A,38B,38C,44)に供給するための新鮮ガスライン(38A)とを備えた麻酔装置(30,36)から成っており、前記第1の開口が新鮮ガスライン(38A)に接続されており、第2の開口が呼吸サークル(38A,38B,38C,44)に接続されている、請求項5記載の呼吸装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手動換気バッグに関する。
【0002】本発明は、請求項5の上位概念部による呼吸装置にも関する。
【0003】
【従来の技術】手動換気バッグは、患者の呼吸を調節又は支持するために医師によって慣用的に使用されている。医師は、ガスを患者に向かって押し出すためにバッグを押し潰し、呼出を可能にするためにバッグを開放する。バッグには2つの基本的な形式があり、これらは極めて異なる特性を有する。一方は、硬いバッグであり、押し潰されるたびに再膨張するように形成されている。他方は柔軟なバッグであり、オペレータによって提供される系内の流量及び圧力に適応する。本発明は、柔軟な種類の換気バッグに関する。
【0004】医師が柔軟な手動換気バッグを操作する場合、医師は患者の肺(抵抗及びコンプライアンス)を感じることができる。このことは、硬いバッグと比較して顕著な利点である。(柔軟なバッグに関する)この作業の1つの欠点は、吐出されたガスがバッグに進入し、ある程度まで、次の吸気の時に患者の肺へ戻されることである。
【0005】したがって、柔軟なバッグを用いた手動換気は、通常、患者に通じたホース内を流れる新鮮なガスの一定流量を提供する呼吸装置と共に用いられる。新鮮なガスの流れは、吐出されたガスと混合され、バッグを充填する。このことは、再呼吸を低減するが、多くの用途においては不十分である。
【0006】手動換気バッグ内のガスの周期的な交換は、再呼吸をさらに低減するための1つの方法であるが、このことは、患者の処置の短時間の中断を生ぜしめる。
【0007】硬い、自己膨張バッグはこの問題を有していない。硬い、自己膨張バッグは、各端部に弁を有しており、弁を介して新鮮な呼吸ガス(通常空気)が充填される。別の方法は、米国特許第3291121号明細書に示されたような同軸的接続を使用することであることができる。しかしながら、前記のように、全ての硬いバッグの1つの共通した主要な欠点は、医師が肺を感じる能力が失われるということである。別の欠点は、硬いバッグの動作のためにより多数の弁が必要とされるということである。これらの弁は流れを妨げる。
【0008】柔軟なバッグを用いて再呼吸を回避するための1つの公知の方法は、吐出されたガスと同様に新鮮な呼吸ガスがバッグを充填すると同時に、患者の呼気中に吐き出されたガスをバッグから排出させることである。この方法では、医師は依然として肺を感じることができ、同時に新鮮な呼吸ガスのみがバッグを充填する。この方法は、優れた効果を発揮するが、流量又は圧力センサの使用を必要とし、吐出されたガスを排出しかつ新鮮な呼吸ガスを流入させるために呼吸装置の弁の比較的迅速な制御を必要とする。
【0009】あらゆる状況において、電気(電池)が利用できない場合でさえもより簡単に使用することができる、後者の方法と同じ機能を備えた柔軟な手動換気バッグが必要とされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の課題は、手動換気を必要とするあらゆる状況において単純かつ容易に使用することができる柔軟な手動換気バッグを提供することである。
【0011】本発明の別の課題は、手動換気能力を備えた呼吸装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の課題は、本発明によれば、手動換気バッグが請求項1から明らかなように構成されている場合に達成された。
【0013】2つの開口を備えた1つの手動換気バッグを形成するように組み合わされた2つの別個の柔軟なバッグにより、オペレータが肺を感じるようにしたまま、患者へ流れる又は患者から流れるガスを簡単に分離することができる。柔軟なバッグが接続される開口は、並列に、同軸的に又は別のあらゆる適切な配列で配置することができる。
【0014】開口が同軸的に配置されている場合、一方の柔軟なバッグが他方の柔軟なバッグの内部に適切に配置されている。柔軟なバッグは柔軟なカバーによって保護することができる。柔軟カバーは透明であると有利である(他方の柔軟なバッグが同軸的な配列になっていてよい)。
【0015】第2の課題は、本発明によれば、呼吸装置が請求項5の特徴部から明らかなように構成されている場合に達成された。
【0016】有利な改良及び実施例は、請求項5の従属請求項から明らかである。
【0017】呼吸装置は、2つの別個の柔軟バッグを備えた手動換気バッグを備えていることから、複数の利点を得る。
【0018】呼吸装置は、例えば、吸気ライン及び呼気ラインを備えたベンチレータから成ることができる。吸気ラインは、柔軟なバッグのうちの一方に接続されており、呼気ラインは、他方の柔軟なバッグに接続されている。手動換気バッグを使用する医師に対して、吸気及び呼気は、原則的に、手動単一バッグ換気バッグの場合と同様に感じられる。しかしながら、吸気のために新鮮なガスが常時供給されるので、患者に対しては大きな違いが生じる。
【0019】本発明による手動換気バッグ及び呼吸装置の詳細な実施例を以下に説明する。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、慣用のベンチレータ2を示しており、このベンチレータはServo Ventilator 300 又はServo Ventilator 900(スウェーデン ソルナ所在 シーメンス−エレマAB社)であることができる。ベンチレータ2の詳細は本当に不要であるが、呼吸ガスを構成するガス(例えば空気及び酸素)のためのガス接続部4A,4Bと、接続されたガスを特定の流量の呼吸ガスに割合調節し、混合しかつ調節するガスミキサ6と、吐出された呼吸ガスのための出口8及び弁10とが、概略的に示されている。
【0021】呼気ライン12Aは、ベンチレータ2から患者ライン12Bにまで呼吸ガスを搬送する。患者ライン12Bは、慣用の患者接続部、例えば気管チューブ、フェースマスク又は気管切開チューブから成ることができる。
【0022】吐出されたガスは、患者ライン12B内を患者から、ベンチレータ2に接続された呼気ライン12Cにまで搬送される。
【0023】第1の逆止め弁14を吸気ライン12Aに配置することができ、第2の逆止め弁16を呼気ライン12Cに配置することができる。逆止め弁14,16は、呼吸ガスが吸気ライン12A及び呼気ライン12C内を一方向にのみ流れることを保証する。逆止め弁14,16は必須ではなく、省略することができる。
【0024】本発明による手動換気バッグ18も図示されている。手動換気バッグ18は柔軟なカバー18Aから成っており、このカバー内には第1の柔軟なバッグ18と第2の柔軟なバッグ22とが配置されている。第1の柔軟なバッグ20は、第1の開口20Aと第1のライン24とを介して、第1の逆止め弁14の上流において吸気ライン12Aに接続されている。第2の柔軟なバッグ22は、第2の開口22Aと第2のライン26とを介して、第2の逆止め弁16の下流において呼気ライン12Cに接続されている。
【0025】手動換気では、ベンチレータ2は通常吸気ライン12A内に呼吸ガスの一定の流れを供給する。この呼吸ガスの一定の流れは、患者ライン12Bを流過し、呼気ライン12Cを通って出口8にまで流れる。
【0026】医師が柔軟なカバー18Aを押し潰すと、ガスが第1の柔軟なバッグ20から第1のライン24を通って吸気ライン12A内へ押し出される。このガスの噴射は吸気ライン12A内の圧力を増大させ、ガスの流れが、患者ライン12Bを通って患者にまで生ぜしめられる。この流れは、主として医師がカバー18Aをどのように押し潰すかによって支配される。すなわち、医師は患者の吸気に対する完全な制御を有する。
【0027】同時に、第2の柔軟なバッグ22内のガスは、呼気ライン12C内へ押し出され、弁10を介して出口8へ排出される。したがって、第2の柔軟なバッグ22も吸気相中に空にされる。
【0028】呼気が開始すべきであると医師が決定した場合、医師はカバー18Aに対する圧力を弛緩させる。これは、医師がどのように呼気を行わせたいかに応じて、緩慢に又は急速に行うことができる。
【0029】医師が、カバー18Aに対する圧力を解放することによって、新鮮な呼吸ガスが第1の柔軟なバッグ20に流入することができる。同時に第2の柔軟なバッグ22は、患者からの吐出された呼吸ガスで充填される。新鮮な呼吸ガスの流量は一定であるので、原則的に、呼気中に患者の肺を感じる医師の能力は影響されない。過剰なガスは出口8から流出する。次いで新たな吸気が続くことができる。
【0030】柔軟なバッグ20,22とカバー18Aとが、医師が各柔軟なバッグ20,22を個々に押し潰しかつ解放することができるように構成されているならば、前記方法の効果を向上させ、医師の感じ方を改善することができる。つまり、医師は、例えば、吸気の最終段階において第2の柔軟なバッグ22を空にさせ、呼気の終末まで第1の柔軟なバッグ20を充填するために待機することができる。
【0031】手動換気バッグ18を、バイパス弁28を用いてライン12A,12Cから分離することができる。
【0032】第2実施例が図2に示されている。麻酔剤のための慣用の新鮮ガスシステム30は、ガス入口32A,32Bからの進入ガスを混合及び調整する。この実施例では、新鮮ガスシステム30内の呼吸ガスにさらに麻酔剤が付加される。このことを示す必要はない。なぜならば、このことはよく知られており、新鮮ガスの準備は本発明に無関係であるからである。麻酔剤を提供するためのあらゆる手段は、本発明による手動換気バッグと組み合わせることができ、麻酔剤を直接に柔軟なバッグのうちの一方に供給しさえする。
【0033】出口34は弁36、例えば圧力解放弁を介して余分なガスを排出するが、弁は、電子弁又は別の種類の弁から成ることもできる。
【0034】吸気ライン38Aは、呼吸ガスを患者ライン38Bに搬送する。患者ライン38B自体は呼気ライン38Cに接続されている。第1の逆止め弁40を吸気ライン38Aに配置することができ、第2の逆止め弁42を呼気ライン38Cに配置することができ、これにより、ガスは、一方向にのみ流れる。
【0035】吐出された呼吸ガスは、二酸化炭素がガスループ44において除去された後に再利用される。
【0036】原則的に、ガスループ44の上流における吸気ライン38Aの部分は、通常、原則的に、新鮮ガスラインと呼ばれる。ガスループ44の下流の吸気ライン38Aの部分と、患者ライン38Bと、呼気ライン38Cと、ガスループ44とは、通常、呼吸サークルと呼ばれる。
【0037】手動換気バッグは、吸気ライン38Aと呼気ライン38Cとに接続されている。
【0038】前記のように、手動換気バッグは、柔軟なカバー46から成っており、このカバー内には第1の柔軟なバッグ48と第2の柔軟なバッグ50とが配置されている。第1の柔軟なバッグ48は、第1の開口49と第1のライン52とを介して吸気ライン38Aに接続されており、第2の柔軟なバッグ50は、第2の開口51と第2のライン54とを介して呼気ライン38Cに接続されている。
【0039】医師が吸気のために手動換気バッグを押し潰すと、ガスは第1の柔軟なバッグ48から吸気ライン38Aへ、さらに、患者ライン38Bを介して患者にまで流れる。同時に、ガスは、第2の柔軟なバッグ50から呼気ライン38Cへ、ガスループ44を介して吸気ライン38Aへ、さらに患者ライン38Bを介して患者へ流れる。
【0040】医師が呼気の間に手動換気バッグへの圧力を解放すると、新鮮な呼吸ガスが吸気ライン38Aから第1の柔軟なバッグ48へ流入する。同時に、吐出された呼吸ガスは第2の柔軟なバッグ50へ流入する。呼気の最終段階において、第2の柔軟バッグ50は充填され、過剰なガスが圧力解放弁36を介して出口34へ流出する。
【0041】前の実施例のように、手動換気バッグは、医師が各柔軟なバッグ48,50を所望のように押圧及び解放することができるように構成することができる。これにより、医師は、吐出されたガスがどの程度再利用されるかに対して直接の影響を与えることができる。
【0042】柔軟なバッグの間の流れに対する種々異なる抵抗及び、柔軟なバッグと患者ラインとの間の流れに対する種々異なる抵抗により、ガスの流れは所要の形式で影響されることができる(例えば吐出されたガスではなく新鮮なガスに、吸気ラインにおいて柔軟バッグを充填させる)。抵抗は、既存の逆止め弁、(例えばライン52とガスループ44との間において吸気ライン28Aに設けられた)付加的な逆止め弁又はチョークを用いて組み込まれることができる。
【0043】図3には手動換気バッグの第3実施例が示されている。第1の柔軟なバッグ56が第1の開口58に接続されている。第1の開口58は、呼吸装置と共に使用される場合に吸気ライン60に接続することができる。第2の柔軟なバッグ62は第1の柔軟なバッグ56の周囲に配置されており、この第2の柔軟なバッグは、第1の開口58に対して同軸的な第2の開口64に接続されている。第2の開口は、使用時に呼気ライン66に接続することができる。
【0044】第1の柔軟なバッグ56は、第2の柔軟なバッグ62内に配置されているので、別個のカバーは必要とされない。第2の柔軟なバッグ62は、第1の柔軟なバッグ56が容易に見えるように、透明であると有利である。
【0045】硬いバッグと同様の配列とは際立って対照的に、2つの柔軟なバッグ56,62は、より容易に制御することができかつ使用者によって別個に圧縮することさえできる。特に、第1の柔軟なバッグ56は、第2の柔軟なバッグ62の内側に部分的に取り付けることができる。
【0046】図4には、本発明による手動換気バッグの第4実施例が示されている。ホルダ68には、第1の開口70及び第2の開口72が配置されており、これらの開口は管(図示せず)を介して呼吸装置に接続可能である。第1の柔軟なバッグは、ホルダ68に設けられた第1の開口70に接続されており、第2の柔軟バッグは、ホルダ68に設けられた第2の開口72に接続されている。
【0047】呼吸装置と手動換気バッグとの組合せは記載の実施例に限定されない。本発明による手動換気バッグを、全ての公知の呼吸装置と組み合わせることができ、この呼吸装置を用いて手動換気がオプションである。呼吸装置は、本来、これらの装置と共に使用するのに適した全ての公知の付属装置、例えばバクテリアフィルタ、熱−湿気交換機、加湿器、除湿器、水だめ等を有することができる。
【出願人】 【識別番号】593051272
【氏名又は名称】シーメンス−エレマ アクチボラゲット
【出願日】 平成14年1月10日(2002.1.10)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外3名)
【公開番号】 特開2002−248172(P2002−248172A)
【公開日】 平成14年9月3日(2002.9.3)
【出願番号】 特願2002−3701(P2002−3701)