| 【発明の名称】 |
消臭方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】手島 洋
【氏名】伊藤 建三
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| 【要約】 |
【課題】廃水中や廃水を処理する際に発生する活性汚泥、余剰汚泥、消化汚泥、凝集汚泥等、または洗浄装置の洗浄水やそれらの混合物より発生する臭気を排気ダクト中で迅速に少ない薬液量で除去し、固形化した消臭剤で効果を持続できる方法を提供する。
【解決手段】硫化水素、メルカプタン類のうち少なくとも一種を含有する臭気を含む排気を4級アンモニウム塩系の化合物やグアニジン化合物系の化合物に代表されるカチオン系化合物による液体消臭工程と金属酸化物および又は金属炭酸塩(金属酸化物および又は金属炭酸塩としては鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、鉛、クロム、マンガン、銅の酸化物及び又はニッケル、亜鉛、鉛、カリウム、カルシウム、銅、バリウム、マグネシウム、マンガンの炭酸塩が上げられる。これらの金属酸化物及び又は金属炭酸塩に必要に応じて活性白土、天然黄土、天然ゼオライト等の多孔質天然吸着剤や酸化シリカやデキストランなどの賦形物を適宜配合してなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 硫化水素、メルカプタン類のうち少なくとも一種を含有する臭気を含む排気をグアニジン系もしくは4級アンモニウム化合物と、金属酸化物および/または金属炭酸塩で処理することを特徴とする消臭方法。 【請求項2】 請求項1記載の方法において、硫化水素、メルカプタン類のうち少なくとも一種を含有する臭気を含む排気をグアニジン系もしくは4級アンモニウム化合物で処理する以前もしくは同時に中和剤にて中和する工程を含むことを特徴とする消臭方法。 【請求項3】 請求項1記載の方法において、金属酸化物が亜鉛酸化物、ケイ素酸化物、銅酸化物、アルミニウム酸化物、マンガン酸化物、鉄酸化物、チタン酸化物、ニッケル酸化物、カルシウム酸化物、銀酸化物、パラジウム酸化物、白金酸化物、バナジウム酸化物およびマグネシウム酸化物から選ばれる1種または2種以上の金属酸化物からなることを特徴とする消臭方法。 【請求項4】 請求項1記載の方法において、金属炭酸塩が亜鉛、鉛、ナトリウム、カリウム、カルシウム、銅、バリウム、マグネシウム、マンガンの炭酸塩から選ばれる1種または2種以上の金属炭酸塩からなることを特徴とする消臭方法。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載の方法において、処理した排気をさらにデキストリン、シクロデキストリン、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、セラミック、セルロース、活性白土、天然黄土、含水ケイ酸マグネシウム質粘土鉱物、ゼオライトおよびEVA樹脂から選ばれる1種または2種以上の物質により包接または吸着処理を施すことからなることを特徴とする消臭方法。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか記載の方法において、処理する臭気を含む排気が、廃水、汚泥、洗浄装置または土壌掘削中の排出土より発生する排気であることを特徴とする消臭方法。 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載の方法において、グアニジン系化合物が、下記一般式(I)または一般式(II)に示される化合物およびその酸との塩であることを特徴とする消臭方法。 【化1】
(ただし、XはHN=、下記一般式(1)または一般式(2)を表し、YはH−、NC−、H2N−、HO−、下記一般式(3)または一般式(4)を表す) 【化2】
【化3】
【化4】
(式中、Rは炭素数20以下のアルキレン基であり、nは20以下の正の数を意味する) 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか記載の方法において、4級アンモニウム化合物が、下記一般式(III)〜(V)に示されるいずれかの化合物であることを特徴とする消臭方法。 【化5】
(R1、R2、R3及びR4は、炭素原子数20以下の直鎖若しくは分枝のアルキル基を表し、同一または異なっていてもよい) 【化6】
(R1及びR2は、炭素原子数20以下の直鎖若しくは分枝のアルキル基を表し、同一または異なっていてもよい) 【化7】
(R1及びR2は、炭素原子数20以下の直鎖若しくは分枝のアルキル基を表し、同一または異なっていてもよい)
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は消臭方法、とくに硫化水素、メルカプタン類のうち少なくとも一種を含有する臭気を含む排気の消臭方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年の都市及び近郊への人口の密集に伴い、家庭からの一般廃水量は急激に増大している。そのため下水道の整備は急務となっておりその処理量も年々増加の一途をたどっている。これらの廃水には多量の有機、無機物が含まれ下水処理場において処理される。これら排水処理設備、例えば下水処理設備では、下水処理設備に流入する下水(以下、流入下水という)中の固形分を沈降させる初沈槽、下水中の有機性基質を微生物で好気処理する曝気槽(曝気工程)、曝気工程で生じた汚泥を分離する最終沈殿池を備え、流入下水を処理している。最終沈殿池より分離した汚泥の一部は、返送汚泥として曝気槽へ戻し、残りは余剰汚泥として初沈槽へ送られ初沈槽引抜き汚泥として処理することが行われている。これらの工程の中で独特の臭気を発生しまた、活性汚泥、余剰汚泥、消化汚泥等を産出する。 【0003】また、工場等の事業所も河川、海洋等の深刻な環境汚染に伴い排水規制が強化され所定の水質まで処理することが義務づけられているが、この事業所での凝集沈殿処理や活性汚泥処理等でも同様に臭気の発生と大量の汚泥が産出する。 【0004】上記のように一般家庭廃水、事業所からの廃水および廃水を処理した過程で臭気は発生し、産出された汚泥は、さまざまな有機、無機物質を含んでいる。また洗浄装置等の洗浄水にもさまざまな有機、無機物質が含まれている。また、このような下水処理設備においては、汚泥の処理工程においても、汚泥内の微生物の働きで、硫化水素やメルカプタン等の硫黄系の臭気物質が発生し、悪臭問題や設備の腐食問題が発生している。 【0005】このさまざまな有機、無機物質の中には、硫黄化合物が含まれている。そしてこれらの腐敗の過程で硫酸塩が生成される。汚泥中には通常硫酸還元菌が存在し汚泥中の硫酸塩を硫化水素に還元して生産活動を行っている。そして硫化水素を生成することにより汚泥は更に嫌気化し、硫酸還元菌は増殖し硫化水素の生成量は更に増大する。そして生成された硫化水素は気相へ放散される。硫化水素は、毒性のある不快な臭気を持つ物質で、作業者に対して危険であるばかりか、周辺住民への悪臭問題の原因となっている。また、硫化水素は、コンクリート施設中に付着する硫黄酸化菌や空気により酸化を受け、ミスト中に溶け込み硫酸を生成する。こうして生成した硫酸はコンクリートや金属を腐蝕し建築物の構造に致命的な欠陥をもたらす原因となっている。 【0006】一方、近年都市近郊においてはコンクリートやアスファルトによって長期に被覆された土壌を掘削する場合同様の臭気の発生が問題になっており、掘削時に消臭および脱臭を同時に実施している。 【0007】これら臭気の発生や構造物の腐蝕を防止する手段としては、活性炭に硫化水素を吸着させる活性炭処理があるが、吸着量が飽和に達すると、新しい活性炭に交換するか再生処理する必要があり、交換作業の煩雑さと再生費用が高いなど経済性にも問題があった。 【0008】他の方法として担体に保持した生物の充填相を通過させ消臭する方法がある。しかしこの方法は装置が大きくなり、また、生物の維持管理が難しいといった問題がある。 【0009】また薬剤による方法として、過酸化水素を単独に噴霧混合する方法があり硫化水素、メルカプタン類の除去が短時間ででき効果的ではあるが、除去効果を持続させるためには、継続的に薬剤を噴霧混合しなければならず、また、噴霧混合量が少量であると硫酸還元菌の殺菌を充分に行うことができず、汚泥を長時間放置しておく場合などは酸化された硫黄もしくは硫酸イオンが、硫酸還元菌により再び硫化水素を生成してしまうという問題がある。 【0010】硫化水素を金属塩として固定化してしまう方法としてアルカリ金属を含む塩(粉末)を噴霧混合する方法があるが、この方法は硫化水素と金属イオンが反応し、硫化金属としてスラッジを大量に生成するという欠点があった。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】従来技術は、硫化水素、メルカプタン類の除去が不充分であったり、維持管理が煩雑であり、経済的にも問題があった。本発明は、臭気を含む排気中の硫化水素、メルカプタン類を温和な条件で効率良く消臭除去し、悪臭の拡散及び施設の腐蝕を防止する方法の提供を目的とするものである。 【0012】 【課題を解決するための手段】発明者等は、臭気を含む排気中の臭気の除去方法を解決すべく鋭意研究した結果、硫化水素、メルカプタン類を含む臭気を含む排気に、4級アンモニウム塩やグアニジン化合物などのカチオン性の化合物を気液混合の手法により混合し、さらに後、エリミネーターなどにより気相中の水分を除去し、金属酸化物による粉末消臭剤の層を通過させることにより臭気を含む排気中の硫化水素、メルカプタン類が効率的に除去でき、なおかつその除去に持続性が付与できることを見いだし、本発明を完成した。 【0013】すなわち、本発明の消臭方法は、硫化水素、メルカプタン類のうち少なくとも一種を含有する臭気を含む排気をグアニジン系もしくは4級アンモニウム化合物と、金属酸化物および/または金属炭酸塩で処理することを特徴とする。本発明の消臭方法においては、硫化水素、メルカプタン類のうち少なくとも一種を含有する臭気を含む排気をグアニジン系もしくは4級アンモニウム化合物で処理する以前もしくは同時に中和剤にて中和する工程を含むことが好適である。また、本発明の消臭方法においては、金属酸化物が亜鉛酸化物、ケイ素酸化物、銅酸化物、アルミニウム酸化物、マンガン酸化物、鉄酸化物、チタン酸化物、ニッケル酸化物、カルシウム酸化物、銀酸化物、パラジウム酸化物、白金酸化物、バナジウム酸化物およびマグネシウム酸化物から選ばれる1種または2種以上の金属酸化物からなることが好適である。また、本発明の消臭方法においては、金属炭酸塩が亜鉛、鉛、カリウム、ナトリウム、カルシウム、銅、バリウム、マグネシウム、マンガンの炭酸塩から選ばれる1種または2種以上の金属炭酸塩からなることが好適である。また、本発明の消臭方法においては、処理した排気をさらにデキストリン、シクロデキストリン、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、セラミック、セルロース、活性白土、天然黄土、含水ケイ酸マグネシウム質粘土鉱物、ゼオライトおよびEVA樹脂から選ばれる1種または2種以上の物質により包接または吸着処理を施すことからなることが好適である。また、本発明の消臭方法においては、処理する臭気を含む排気が、廃水、汚泥、洗浄装置または土壌掘削中の排出土より発生する排気であることが好適である。また、本発明の消臭方法においては、グアニジン系化合物が、下記一般式(I)または一般式(II)に示される化合物およびその酸との塩であることが好適である。 【化8】
(ただし、XはHN=、下記一般式(1)または一般式(2)を表し、YはH−、NC−、H2N−、HO−、下記一般式(3)または一般式(4)を表す) 【化9】
【化10】
【化11】
(式中、Rは炭素数20以下のアルキレン基であり、nは20以下の正の数を意味する) また、本発明の消臭方法においては、4級アンモニウム化合物が、下記一般式(III)〜(V)に示されるいずれかの化合物であることが好適である。 【化12】
(R1、R2、R3及びR4は、炭素原子数20以下の直鎖若しくは分枝のアルキル基を表し、同一または異なっていてもよい) 【化13】
(R1及びR2は、炭素原子数20以下の直鎖若しくは分枝のアルキル基を表し、同一または異なっていてもよい) 【化14】
(R1及びR2は、炭素原子数20以下の直鎖若しくは分枝のアルキル基を表し、同一または異なっていてもよい) 【0014】 【発明の実施の形態】つぎに本発明の方法を具体的に説明する。本発明の臭気を含む排気は、家庭からの一般廃水または工場等の廃水、また洗浄装置等に含まれる洗浄水等から発生するものが含まれる。さらに臭気を発生させる汚泥として下水、し尿または工場廃水を処理する際に発生する生汚泥、余剰汚泥、消化汚泥、凝集汚泥等やそれらの混合物および土壌掘削中の排出土から発生する臭気が含まれる。本発明は、これらの臭気を含む排気を、(1)気液混合により4級アンモニウム塩化合物やグアニジン化合物に代表されるカチオン性化合物により処理する工程と(2)水分除去の後に金属酸化物の粉末消臭剤により処理する消臭・防臭方法である。また、(1)の工程に先んじてまたは同時に中和する工程を入れてもよい。さらに、(1)(2)工程のいずれかにデキストリン、シクロデキストリン、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、セラミック、セルロース、活性白土、天然黄土、ゼオライトおよびEVA樹脂で処理することによりさらに悪臭を低減させる処理を施してもよい。 【0015】中和剤本発明による方法では、排気中の臭気を中和剤にて中和してもよいが、本発明による方法で使用される中和剤については対象悪臭が酸性の場合は、アンモニア、トリエタノールアミン、苛性カリ水溶液、苛性ソーダ水溶液などのアルカリ性の物質で処理する。一方、対象臭気がアルカリ性の場合は、過酸化水素、過酢酸、過硫酸塩、過炭酸塩、過ホウ素酸塩、その他無機、有機の過酸化物や有機酸で処理するのが好ましい。中和剤の使用量は、処理後の臭気のpHが4.5から9.5更に好ましくは5.5〜8.5になるように調整し使用する。 【0016】4級アンモニウム塩化合物もしくはグアニジン化合物本発明による方法では、排気中の臭気成分は4級アンモニウム塩化合物もしくはグアニジン化合物などのカチオン性化合物で処理する。本発明による方法で使用されるカチオン性消臭剤については、グアニジン化合物の例は一般式(I)に示すもの及びその酸との塩であり、4級アンモニウム塩化合物は、一般式(III)〜(V)のもの及びその塩である。 【0017】 【化15】
(ただし、XはHN=、下記一般式(1)または一般式(2)を表し、YはH−、NC−、H2N−、HO−、下記一般式(3)または一般式(4)を表す) 【化16】
【化17】
【0018】例えば、上述の塩は炭酸、硝酸、硫酸、塩酸、ケイ酸、リン酸、ギ酸及び/又は酢酸の塩であってよい。また、下記一般式(II)で示されるビグアニジンポリマーであってもよい。 【化18】
(式中、Rは炭素数20以下のアルキレン基であり、nは20以下の正の数を意味する) 【0019】また、本発明の消臭方法においては、4級アンモニウム化合物が、下記一般式(III)〜(V)に示されるいずれかの化合物であることが好適である。 【化19】
(R1、R2、R3及びR4は、炭素原子数20以下の直鎖若しくは分枝のアルキル基を表し、同一または異なっていてもよい) 【0020】 【化20】
(R1及びR2は、炭素原子数20以下の直鎖若しくは分枝のアルキル基を表し、同一または異なっていてもよい) 【化21】
(R1及びR2は、炭素原子数20以下の直鎖若しくは分枝のアルキル基を表し、同一または異なっていてもよい) 【0021】金属酸化物金属酸化物による粉末消臭剤の使用は、4級アンモニウム塩化合物やグアニジン化合物による消臭効果の持続と金属酸化物による粉末消臭剤の消臭効果によるより高度な消臭効果の実現にある。本発明者らが粉末消臭剤について検討を行ったところ、金属酸化物粉末において消臭効果とともに消臭効果の持続が認められることを見出した。 【0022】中和工程中和工程を用い、処理する場合は中和剤とカチオン性消臭剤は別々に気液混合しても良いし、同時に混合しても構わない。また予め混合したものを気液混合しても良い。予め混合する場合は安定剤としてエチレンジアミン系、有機カルボン系等のキレート剤を噴霧混合することができる。また、順次噴霧混合してもよく、その噴霧混合順序については特に制約は無いが中和剤を先に混合するのが好ましい。 【0023】中和剤及び液状消臭剤と排気の混合方法本発明による方法を効率的に行うために、カチオン性消臭剤および中和剤を気液混合する際、臭気を含む排気との混合において効率よく臭気全体に消臭剤が混合されることが好ましいが、その際用いられる混合方法としては、ミストを生成するノズルまたはチップを用い、排気の流れを渦流、乱流にしてミストとぶつけたり、チャンバー室などを設け流速を低下させ消臭効率をあげたり、ノズル等の消臭剤の供給点を増やす等の方法がある。また、エリミネーターのように液相を連続的に気相と接触させる方法もある。臭気を含んだ排気と中和剤、カチオン性消臭剤が混合できる方法であればいずれの方法でも良い。 【0024】薬剤の混合を噴霧方法で行う場合としては、ダイヤフラム式、プランジャー式の定量ポンプ等薬品を正確に供給できる方式であればいずれの方法でも良い。 【0025】本発明による方法を効率的に行うために、薬剤の気液混合を行う場所については排気直後が大気放出までの反応時間の点で好ましいが、効果が認められればいずれの工程で気液混合しても良い。 【0026】金属酸化物の粉末消臭剤本発明の金属酸化物による粉末消臭剤は、必要に応じて、成形し、成形体として用いられる。成形する手段としては、押出成形、打錠成形、転動造粒、圧縮成形などが好ましい。成形体の形状は使用目的、使用方法に応じて決める。成形体の形状としては、円柱状、破砕状、球状、ハニカム状、凹凸状、波板状などがあげられる。特に、ファン等により悪臭ガスを脱臭組成物に積極的に接触させて吸着除去する場合には、網目状、波板状などの成形物を適時組合わせたフィルター又はハニカム状フィルターとして用いることや顆粒状に成型しある程度の圧力の損失で十分な消臭効果が得られる形状が好ましい。 【0027】包接または吸着処理用物質本発明の消臭方法は臭気のさらなる低減を目的として接触面積の拡大(接触面積の拡大)を意図して各種物質層を通過せしめ悪臭を包接または吸着処理することが望ましい。本工程は消臭工程の最終部分にいれるのが好ましいと考えられるが、工程の他の部分に挿入することもできる。本発明の包接処理に用いる包接体としてはデキストリン、シクロデキストリン、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、セラミック、セルロースおよびEVA樹脂があげられ、これら物質の1種または2種以上に先に記述したカチオン消臭剤を包接し悪臭と反応することも可能である。 【0028】シクロデキストリンは、d-グルコースがα-1,4結合により環状に結合したものであり、6個結合したものがα-シクロデキストリン、7個のものがβ-シクロデキストリン、8個のものがγ-シクロデキストリンである。本発明では、α型、β型、γ型-シクロデキストリンのいずれをも使用することができる。ただし、経済性を考慮した場合はβ-シクロデキストリンが好ましいが、β-シクロデキストリンの誘導体でも構わない。シクロデキストリンの誘導体としては、例えば、ヒドロキシメチルシクロデキストリン、ヒドロキシエチルシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、ヒドロキシブチルシクロデキストリン、ジメチルシクロデキストリン、トリメチルシクロデキストリン、ジエチルシクロデキストリン、トリエチルシクロデキストリン、カルボキシメチルシクロデキストリン、グルコシルシクロデキストリン、マルトシルシクロデキストリン、ジマルトシルシクロデキストリン、シクロデキストリンエピクロルヒドリンポリマー等が挙げられるが、中でもヒドロキシアルキルシクロデキストリンに属するものが好ましい。 【0029】同様の目的で本発明の排気の吸着処理に含水ケイ酸マグネシウム質粘土鉱物(以下、粘土鉱物という)を用いることもできる。粘土鉱物は、含水ケイ酸マグネシウムを主成分とし、その表面に反応性に富む水酸基を有する。また、上記粘土鉱物は直径が0.005〜0.6μm程度の繊維からなり、該繊維方向に約6〜10オングストローム程度の長方形の断面を持つ細孔(チャンネル)が存在する。上記粘土鉱物は、マグネシウムあるいはケイ素の一部がアルミニウム、鉄、ニッケル、ナトリウム等により置換されている場合もある。例えば、粘土鉱物の一種であるパリゴルスカイトは、アルミニウムを若干含んでいる。 【0030】具体的には、粘土鉱物としては、合成のケイ酸アルミニウムマグネシウムや理想組成式、Al0.66Si8O20(OH)4 Na0.66で示されるコロイド性含水ケイ酸アルミニウム、理想組成式、Mg3.54Si8O20(OH)4 Li0.66Na0.66で示されるヘクトライト、理想組成式、Mg8Si12O30 (OH)4 (OH2)4 (H2O)8 で示されるセピオライト(Sepiolite)、Mg5Si8O20(OH)2 (OH2)4 (H2O)4 で示されるパリゴルスカイト(Palygorskite)、Mg3Si2O5(OH)4で示されるクリソタイル等があり、これらの一種または二種以上の混合物を用いる。また、これらの混合物を、150〜750℃の温度範囲で仮焼したものを用いてもよい。 【0031】また、通称でマウンテンコルク(Mountain cork)、マウンテンウッド(Mountain wood)、マウンテンレザー(Mountain leather)、海泡石(Meerschaum)、アタパルジャイト(Attapulgite)等と呼ばれる鉱物は、上記粘土鉱物に相当する。粘土鉱物は、粉末状のものでもよく、また水や有機溶媒に分散させた分散液またはペースト状のものを用いてもよい。 【0032】また本発明の吸着処理に用いられる多孔質物質としてシリカゲル、ケイ酸カルシウム、セラミック、セルロース、ゼオライト、EVA樹脂を上げることができる。これらの物質の一種または二種以上の混合物を用いてもよい。また、それぞれが賦形されているものでよい。 【0033】 【実施例】次に本発明の方法を実施例により更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中の%は、特に指定がない限り、質量%とする。 【0034】実施例に先だって、消臭試験に用いた装置について説明する。概略図を図1に示す。曝気槽10より汚泥の臭気を含む排気が発生し、これに加圧ポンプ16により中和剤12がノズル30を通してエリミネーター20内に噴霧され、臭気を含む排気と混合されながら循環処理され気相pHが調整される。つぎに加圧ポンプ18により液状消臭剤14がノズル32を通して噴霧され、臭気を含む排気に気液混合される。そして、排気ダクト22からエリミネーター24に送り込まれた排気は余剰の水分が除去された後、排気ファンにより排出される。つぎに排気は真空ポンプ26により金属酸化物のカートリッジ28に送り込まれ、消臭済みの排気として排出される。後述の試験例2〜10に関しては、この後、さらに包接または吸着処理層を通過させた。また、ブランクのサンプルは金属酸化物のカートリッジ28を通す前に、ブランク用排気取り出し口34より排出される。本発明においてはこのような概略の装置を用いて消臭効果の評価を行った。 【0035】実施例に先だって、消臭評価試験の官能評価基準を下記に示す。 <消臭評価試験:官能評価>各消臭効果試験で得られた消臭済みの排気について、官能評価専門パネル(n=8)を用いて官能評価を行った。官能評価については、5Lの無臭バックにダクトより排気を導き判定を行った。判定は下記表1の判定表に従った。センサーもこのバッグより測定した。 【0036】 【表1】 悪臭強度 評価基準 5 強烈な臭い 4 強い臭い 3 楽に感知認識ができる 2 明らかに感じる(何の臭いかわかる) 1 微かに感じる(臭いがあるのがわかる;閾値濃度) 0 感じない(無臭) 【0037】本発明者らは、従来消臭効果が認められている金属酸化物を用いた硫化水素による臭気の消臭方法を検討した。以下、その過程で得られた試験結果を示す。 (実施例1)硫化水素200ppmを含有する曝気槽より排気ダクト(600mm×600mm 風速5m/s、気相pH1.7)に、排気量100リットルに対し20質量%のビグアニジン水溶液を15ml、ジデシルジメチルアンモニウムクロライドを5mlになるように予め混合した液状消臭剤を毎分100mlとなる量、ノズルにより噴霧混合した。余剰の水分はエリミネーターにより排気中より留去した。エリミネーター通過後酸化亜鉛により処理し、官能値および双葉エレクトロニクス社製においセンサーの経時変化を測定した。実施例1は金属酸化物としてハニカム状に成形した酸化亜鉛を、実施例2は波板状に成形した酸化亜鉛を用いた。それ以外は金属酸化物として、24メッシュパス、35メッシュオンの顆粒状の酸化亜鉛を使用した。なお、ブランクは未処理の排気を同様に測定した。表2に薬剤の量と金属酸化物の種類を示し、官能値とセンサー指示値の変化について調べた結果を表3に示す。 【0038】 【表2】
【0039】 【表3】
ブランク センサー指示値: >4000 官能値 : 5.9【0040】表3の結果から明らかなように、いずれもブランクと比較したとき消臭効果が認められた。グアニジン系化合物や4級アンモニウム化合物で処理した実施例1〜5の消臭方法は、いずれも酸化亜鉛のみで処理をした比較例1より、消臭効果が認められた。また実施例3〜5の結果より、グアニジン系化合物と4級アンモニウム化合物を組み合わせることにより、相乗的に消臭効果が向上することがわかる。また酸化亜鉛をハニカム状(実施例1)にしたり、波板状(実施例2)に成形することにより、かなり消臭効果が向上することがわかる。 【0041】つぎに、本発明者らはさらに消臭効果を改善するため中和処理工程の導入を検討した。以下、その過程で得られた試験結果を示す。 (実施例6)硫化水素200ppmを含有する曝気槽より排気ダクト(600mm×600mm 風速5m/s)に、中和剤としてトリエタノールアミン水溶液をエリミネーター処理にて循環処理し気相pHを5.5とした後、排気量100リットルに対し、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(4級アンモニウム塩化合物)5ml、20質量%のビグアニジン水溶液15mlをあらかじめ混合した液状消臭剤を毎分100mlとなる量、ノズルにより排気と噴霧混合した。余剰の水分はエリミネーターにより排気中より留去した。エリミネーター通過後の官能値および双葉エレクトロニクス社製においセンサーの経時変化を測定した。薬剤添加量については表4に示し、pH、センサー指示値、官能値の結果を表5に示す。 【0042】 【表4】
【0043】 【表5】
ブランク センサー指示値: >4000 官能値 : 5.9【0044】表5の結果より、グアニジン系化合物や4級アンモニウム化合物と各種酸化金属で処理した実施例6〜12の消臭方法は、消臭効果に優れていることがわかる。これに対して、金属酸化物処理を行わない比較例2の消臭方法は、ブランクと比較すると消臭効果はあるものの、本発明と比較すると官能評価が悪かった。また、比較例4のように、カチオン性の液状消臭薬剤をなにも気液混合しないで金属酸化物と反応させた場合、実施例との比較においてセンサー指示値および官能判定においても効果がやや上がらない傾向があった、これは、金属酸化物の悪臭と反応して処理できうる量が単位時間において限られるため実験に使用した活性汚泥よりの排気に存在する悪臭量が多すぎるためと考えられた。また比較例4では、1時間後の消臭効果が直後の消臭効果より低下している。このことから、液状消臭剤を用いない場合は、消臭効果の持続性に問題があると考えられる。 【0045】また、表3と表5の結果を比較してわかるように、中和剤を用いないで使用した場合においては、消臭効果はあるものの中和剤を用いた系ほどではないことがわかる。これは各消臭剤の反応性が酸性域よりも中性域でよりよくなる傾向にあったとものと考えられる。 【0046】つぎに本発明者らは、中和剤と液状消臭剤を予め混合したものを用いた消臭方法を検討した。 (実施例13)硫化水素200ppmを含有する曝気槽より排気ダクト(600mm×600mm 風速5m/s、気相pH1.7)に、排気量100リットルに対しグアニジン化合物が20質量%のビグアニジン水溶液を100mlになる量を予め混合した中和剤含有の液状消臭剤を毎分100mlとなる量、ノズルにより噴霧混合した。余剰の水分はエリミネーターにより排気中より留去した。エリミネーター通過後金属酸化物により処理し、官能値および双葉エレクトロニクス社製においセンサーの経時変化を測定した。薬剤添加量については表6に示し、pH、センサー指示値、官能値の結果を表7に示す。 【0047】 【表6】
【0048】 【表7】
【0049】表7の結果より、中和剤とグアニジン化合物を予め製剤化し、同時に噴霧した場合にも、優れた消臭効果が得られることがわかる。 【0050】つぎに、本発明者らは前記実施例7を用いて、液状消臭剤と中和剤を別々に噴霧した場合と、別々に噴霧せず製剤化して同時に噴霧した場合とで、消臭効果に相違がでるか検討を行った。結果を表8に示す。実施例7は別噴霧による消臭方法、実施例14は製剤化噴霧による消臭方法である。pH、センサー指示値、官能値の結果を表8に示す。 【0051】 【表8】
【0052】表8の結果より、製剤化した場合も各薬剤を別個に噴霧した場合も同様に添加直後に悪臭が除去され、その後の効果の持続も同様に確認できることがわかる。 【0053】つぎに、経時での消臭効果の変化について調べた。結果を表9に示す。 【0054】 【表9】
【0055】表9の結果より、本発明の実施例13および3は、1ヶ月後も消臭効果が維持されていることがわかる。また、1ヵ月後データを比較すると金属酸化物単独の比較例1においては消臭効果が時間の経過の中で低下していったことがうかがわれた。これは、実験に使用した粉末消臭剤の量の問題もあると思われるが、実施例3において効果を維持したことから粉末消臭剤のみの系は、効果に持続時間がカチオン性消臭剤と併用する本発明と比較して短いものと思われる。 【0056】つぎに本発明者らは、従来包接や吸着処理に用いられる各種物質により排気の後処理を行い、さらに消臭効果を改善することを試みた。処理方法を表9に、結果を表10に示す。なお、後処理として5リットル/minの排気を500g以下の対象物質で処理した。比較のため後処理をしないものを試験例1とした。薬剤、金属酸化物、後処理に用いた物質について表10に示し、pH、官能値、センサー指示値については表11に示す。 【0057】 【表10】
【0058】 【表11】
【0059】表11の結果より、排気処理後、さらにHP−β−シクロデキストリン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、コロイド状含水ケイ酸アルミニウム、ヘクトライト、セピオライト、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、ゼオライトまたはセルロースにより包接または吸着処理をした試験例2〜10は、この処理を行わない試験例1より消臭効果に優れていることが明らかである。 【0060】試験例1のように、カチオン性の液状消臭薬剤+金属酸化物処理後、後処理をしない場合、実施例との比較においてセンサー指示値および官能判定においても効果がやや上がらない傾向があった。これは、悪臭と反応して処理できうる量が後処理を行うことで増加するためと考えられた。 【0061】つぎに、経時での消臭効果の変化について調べた。pH、官能値、センサー指示値の結果を表12に示す。 【0062】 【表12】
【0063】表12の結果より、後処理をさらに行う消臭方法によれば、この優れた消臭効果が1ヶ月後においても維持できることがわかる。これは後処理により消臭効果が上がり、経時によって消臭効果が落ちると予測される金属酸化物の効果を補い、消臭効果を上げたと考えられる。 【0064】 【発明の効果】本発明の消臭方法は、硫化水素、メルカプタン類のうち少なくとも一種を含有する臭気を含む排気をグアニジン系もしくは4級アンモニウム化合物を気液混合し処理した後に金属酸化物による粉末消臭剤で処理することにより、排気中の悪臭成分である硫化水素を除去し、さらに硫化水素に対する消臭効果の持続をはかることができる。また、排気を中和剤により中和した後もしくは同時に液状消臭剤処理することにより消臭効果を向上させることができる。さらに後処理として、悪臭成分の包接・吸着を目的としてデキストリン、シクロデキストリン、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、セラミック、セルロース、活性白土、天然黄土、ゼオライトおよびEVA樹脂から選ばれる1種または2種以上の物質の層を通過させることにより、さらに高い消臭効果を発揮すること可能である。本発明の消臭方法によれば、排気中の硫化水素を速やかに消臭し、かつ、継続的に防臭することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001959 【氏名又は名称】株式会社資生堂
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| 【出願日】 |
平成13年3月29日(2001.3.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092901 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 祐司
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| 【公開番号】 |
特開2002−291857(P2002−291857A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月8日(2002.10.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−96405(P2001−96405) |
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