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【発明の名称】 錠剤の製造方法
【発明者】 【氏名】森 恒雄

【要約】 【課題】活性炭及びシリカゲルを含有する錠剤を乾式製法によって製造する方法を提供すること。

【解決手段】活性炭及びシリカゲルからなる主剤、結晶セルロース及び滑沢剤をそれぞれ10〜59.99重量%、40〜89.99重量%及び0.01〜5.0重量%含有する混合物を、直接粉末圧縮法にて圧縮成型して、主剤として活性炭とシリカゲルを含む錠剤を得る錠剤の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 活性炭及びシリカゲルからなる主剤、結晶セルロース及び滑沢剤をそれぞれ10〜59.99重量%、40〜89.99重量%及び0.01〜5.0重量%含有する混合物を、直接粉末圧縮法により圧縮成型して、主剤として活性炭とシリカゲルを含む錠剤を得る錠剤の製造方法。
【請求項2】 混合物中の主剤、結晶セルロース及び滑沢剤の含有量がそれぞれ25〜54.95重量%、45〜74.95重量%及び0.05〜2.0重量%である請求項1記載の製造方法。
【請求項3】 混合物中の主剤、結晶セルロース及び滑沢剤の含有量がそれぞれ40〜52.4重量%、47.5〜59.9重量%及び0.1〜1.0重量%である請求項1記載の製造方法。
【請求項4】 活性炭及びシリカゲルからなる主剤、結晶セルロース、滑沢剤並びに他の結合剤、賦形剤、着色剤、崩壊剤及び脱酸素剤からなる群より選ばれる1種以上の添加剤をそれぞれ10〜59.98重量%、40〜89.98重量%、0.01〜5.0重量%及び0.01〜5.0重量%含有する混合物を、直接粉末圧縮法により圧縮成型して、主剤として活性炭とシリカゲルを含む錠剤を得る錠剤の製造方法。
【請求項5】 混合物中の主剤、結晶セルロース、滑沢剤並びに添加剤の含有量がそれぞれ25〜54.9重量%、45〜74.9重量%、0.05〜2.0重量%及び0.05〜2.0重量%である請求項4記載の製造方法。
【請求項6】 混合物中の主剤、結晶セルロース、滑沢剤並びに添加剤の含有量がそれぞれ40〜52.3重量%、47.5〜59.8重量%、0.1〜1.0重量%及び0.1〜1.0重量%である請求項4記載の製造方法。
【請求項7】 活性炭とシリカゲルの混合比が、活性炭1重量部に対してシリカゲルが0.1〜10.0重量部である請求項1〜請求項6いずれか1項に記載の製造方法。
【請求項8】 得られる錠剤が、直径5〜80mm、高さ3〜20mmの円柱状である請求項1〜請求項7いずれか1項に記載の製造方法。
【請求項9】 請求項1〜請求項8いずれか1項に記載の製造方法により得られる、主剤として活性炭とシリカゲルを含有する錠剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性炭及びシリカゲルを含有する錠剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、脱臭を目的として活性炭が、吸湿を目的としてシリカゲルが広く使われてきた。そこで、活性炭とシリカゲルの両者を含有する錠剤を製造できれば、脱臭と吸湿という二つの機能を併せ持つ製品を提供できるため、好ましい。
【0003】錠剤の製造方法としては、製造時に溶媒を用いる湿式製法と溶媒を用いない乾式製法とがある。湿式製法による活性炭の錠剤化は従来より検討されている(例えば、特開平5−169056号公報)。しかしながら、湿式製法には1)結合剤、糊剤等の添加剤及び溶媒を用いる必要があること、2)造粒工程、整粒工程等の工程を経る必要があること、などの効率的・経済的なデメリットがある。さらに、活性炭及びシリカゲルを含有する錠剤を湿式製法により得ようとすれば、吸湿性のシリカゲルを一旦湿らせて得た造粒物を再び乾燥させねばならず、時間とエネルギーを消費する工程を避けることができない。一方、乾式製法によれば、1)用いる添加剤の種類が少なくてすむこと、2)工程数が少ないこと、などの効率的・経済的なメリットがあるものの、多孔性の成分、特に活性炭を錠剤化することは困難であると考えられていた。そのため、乾式製法による、活性炭及びシリカゲル含有錠剤の製造は検討されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的は、活性炭及びシリカゲルを含有する錠剤を乾式製法によって製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の骨子は、(1)活性炭及びシリカゲルからなる主剤、結晶セルロース及び滑沢剤をそれぞれ10〜59.99重量%、40〜89.99重量%及び0.01〜5.0重量%含有する混合物を、直接粉末圧縮法により圧縮成型して、主剤として活性炭とシリカゲルを含む錠剤を得る錠剤の製造方法、(2)混合物中の主剤、結晶セルロース及び滑沢剤の含有量がそれぞれ25〜54.95重量%、45〜74.95重量%及び0.05〜2.0重量%である前記(1)記載の製造方法、(3)混合物中の主剤、結晶セルロース及び滑沢剤の含有量がそれぞれ40〜52.4重量%、47.5〜59.9重量%及び0.1〜1.0重量%である前記(1)記載の製造方法、(4)活性炭及びシリカゲルからなる主剤、結晶セルロース、滑沢剤並びに他の結合剤、賦形剤、着色剤、崩壊剤及び脱酸素剤からなる群より選ばれる1種以上の添加剤をそれぞれ10〜59.98重量%、40〜89.98重量%、0.01〜5.0重量%及び0.01〜5.0重量%含有する混合物を、直接粉末圧縮法により圧縮成型して、主剤として活性炭とシリカゲルを含む錠剤を得る錠剤の製造方法、(5)混合物中の主剤、結晶セルロース、滑沢剤並びに添加剤の含有量がそれぞれ25〜54.9重量%、45〜74.9重量%、0.05〜2.0重量%及び0.05〜2.0重量%である前記(4)記載の製造方法、(6)混合物中の主剤、結晶セルロース、滑沢剤並びに添加剤の含有量がそれぞれ40〜52.3重量%、47.5〜59.8重量%、0.1〜1.0重量%及び0.1〜1.0重量%である前記(4)記載の製造方法、(7)活性炭とシリカゲルの混合比が、活性炭1重量部に対してシリカゲルが0.1〜10.0重量部である前記(1)〜前記(6)いずれか1項に記載の製造方法、(8)得られる錠剤が、直径5〜80mm、高さ3〜20mmの円柱状である前記(1)〜前記(7)いずれか1項に記載の製造方法、並びに(9)前記(1)〜前記(8)いずれか1項に記載の製造方法により得られる、主剤として活性炭とシリカゲルを含有する錠剤、に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の方法で使用できる活性炭としては、ウバメガシ、カシ、ケヤキ等の木炭、タケ、ヤシの実殻、おがくず、リグニン、牛の骨、カッ炭、デイ炭、石炭等に由来する活性炭が使用できる。各種のガスに対する活性炭の強力な吸着能を生かす観点からは、ウバメガシ、カシ由来の白炭、いわゆる備長炭が好ましく用いられる。
【0007】本発明の方法で使用できるシリカゲルとしては特に制限されることなく、市販のシリカゲルが使用できる。シリカゲルのタイプについては、A型、B型のいずれでも良い。A型は、一次粒子径が小さい密の網目状である、細孔容積が小さい、内部表面積が大きいという特徴を有し、B型は、一次粒子径が大きい粗の網目状である、細孔容積が大きい、内部表面積が小さいという特徴を有する。このことから、A型は一般的な乾燥剤向きのシリカゲルであり、低湿度での吸着力が優れている。B型は毛細管現象により高湿度で多量の水分を吸着し、相対湿度が下がると高湿度下で吸着した水分を徐々に放出するという吸着と脱着とを繰り返す性質がある。
【0008】本発明の方法により得られる錠剤の主剤は活性炭及びシリカゲルである。主剤の配合量は吸湿性・脱臭性を確保する観点から、通常、全成分の少なくとも10重量%である。また、成型された錠剤を得る観点から、通常、主剤の配合量は全成分の59.99重量%以下である。
【0009】活性炭とシリカゲルの混合比は特に限定されないが、例えば活性炭1重量部に対してシリカゲルが0.1〜10.0重量部が好ましく、0.5〜2.0重量部がより好ましく、0.8〜1.2重量部が特に好ましい。得られる錠剤の吸湿性を確保する観点から、シリカゲルは活性炭1重量部に対して0.1重量部以上が好ましく、得られる錠剤の脱臭性を確保する観点から、シリカゲルは活性炭1重量部に対して10.0重量部以下が好ましい。
【0010】結晶セルロースの配合量は成型された錠剤を得る観点から、通常、全成分の少なくとも40重量%である。また、吸湿性・脱臭性を確保する観点から、通常、結晶セルロースの配合量は全成分の89.99重量%以下である。さらに、打錠機の杵や臼への錠剤成分の付着(スティッキング)の低減の観点から、該配合量は45.0重量%以上が好ましい。
【0011】本発明において使用できる滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、精製タルク、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル等の公知の滑沢剤が挙げられる。滑沢剤の配合量は通常、全成分の0.01〜5.0重量%であり、0.05〜2.0重量%が好ましく、0.1〜1.0重量%がより好ましい。スティッキングを防ぐ観点から、該配合量は0.01重量%以上が好ましく、得られる錠剤の硬度の低下を防ぐ観点から、該配合量は5.0重量%以下が好ましい。
【0012】したがって、本発明の製造方法における主剤、結晶セルロース及び滑沢剤を含有する混合物の一つの態様としては、主剤、結晶セルロース及び滑沢剤の含有量がそれぞれ10〜59.99重量%、40〜89.99重量%及び0.01〜5.0重量%のものである。より好ましい態様としては、各成分の含有量がそれぞれ25〜54.95重量%、45〜74.95重量%及び0.05〜2.0重量%のものであり、特に好ましい態様としては、各成分の含有量がそれぞれ40〜52.4重量%、47.5〜59.9重量%及び0.1〜1.0重量%のものである。
【0013】本発明においては、上記の混合物にさらに他の結合剤、賦形剤、着色剤、崩壊剤及び脱酸素剤からなる群より選ばれる1種以上の添加剤が含有されていても良い。本発明で使用できる他の結合剤としては、例えば低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、アルファー化デンプン、カゼインナトリウム、軽質無水ケイ酸、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、プルラン、マクロゴール、合成ケイ酸アルミニウム、ゼラチン、ポビドン、デキストリン等の公知の結合剤が挙げられる。本発明で使用できる賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルスターチ、デンプン及びリン酸水素カルシウム等の公知の賦形剤が挙げられる。また、市販の加工済みの造粒された賦形剤、例えば、合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース:フロイント産業社製のパーフィラ−101等を使用することもできる。本発明で使用できる着色剤としては、インジゴカルミン、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、褐色酸化鉄、カーボンブラック、カラメル、金箔、酸化亜鉛、酸化チタン、タルク、緑茶末、銅クロロフィル、フェノールレッド、食用青色1号、食用黄色4号等が挙げられる。本発明で使用できる崩壊剤としては、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム等が挙げられる。本発明で使用できる脱酸素剤としては、三菱ガス化学製エージレスZ−20等の市販の脱酸素剤が挙げられる。かかる添加剤の配合量は、全成分の0.01〜5.0重量%が好ましく、0.05〜2.0重量%がより好ましく、0.1〜1.0重量%が特に好ましい。
【0014】したがって、本発明の製造方法における主剤、結晶セルロース、滑沢剤及び添加剤を含有する混合物の一つの態様としては、主剤、結晶セルロース、滑沢剤及び添加剤の含有量がそれぞれ10〜59.98重量%、40〜89.98重量%、0.01〜5.0重量%及び0.01〜5.0重量%のものである。より好ましい態様としては、各成分の含有量がそれぞれ25〜54.9重量%、45〜74.9重量%、0.05〜2.0重量%及び0.05〜2.0重量%のものであり、特に好ましい態様としては、各成分の含有量がそれぞれ40〜52.3重量%、47.5〜59.8重量%、0.1〜1.0重量%及び0.1〜1.0重量%のものである。
【0015】本発明に使用する各粉末成分の粒径分布は、得られる錠剤の硬度の均一の観点から10〜80メッシュの範囲に80重量%以上含まれるものが好ましく、20〜60メッシュの範囲に80重量%以上含まれるものがより好ましい。したがって、各成分を必要に応じて粉砕した後、篩い分けして所望の程度の粒径分布の粉末を得、次いで混合物を調製することが好ましい。
【0016】本発明の製造方法は、上記各成分の未加工の混合物を直接粉末圧縮法にて圧縮成型して錠剤を得る。ここでいう直接粉末圧縮法とは、各成分を混合し造粒等の製剤加工をせずに混合物をそのまま直接、打錠機で錠剤に圧縮成型する方法をいう。
【0017】本発明の製造方法においては、従来より公知の打錠機を制限なく使用することができる。例えば、ロータリー式打錠機等が挙げられる。ロータリー式打錠機を用いる場合の条件としては、一般的な条件で構わない。例えば、ローラー通過速度としては8〜20m/分、打錠圧としては500〜3000kg/cm2 が好ましい。750〜2000kg/cm2 がより好ましく、800〜1500kg/cm2 が特に好ましい。他の製造条件としては、例えば打錠室内温度は30℃以下が好ましく、26℃以下がより好ましい。打錠室内湿度は相対湿度として50%以下が好ましい。
【0018】本発明の製造方法によれば、従来より乾式製法では製造が困難であった活性炭・シリカゲル含有錠剤を、製造時のスティッキングを低減させることにより、低コストの乾式製法である直接粉末圧縮法を用いて製造することができる。
【0019】本発明の製造方法により得られる錠剤の形状には、特に制限はなく、円柱状、楕円柱状、三角柱状、四角柱状、五角柱状、6角柱状、星型柱状などが選択されうるが、使用時の扱いやすさの観点から円柱状が特に好ましく、そしてその大きさも使用時の扱いやすさの観点から、直径5〜80mm、高さ3〜20mmの円柱状のものが好ましく、直径7〜70mm、高さ4〜18mmの円柱状のものがより好ましく、直径8〜60mm、高さ4〜15mmの円柱状のものが特に好ましい。本発明の製造方法により得られる錠剤は、錠剤の形状安定性を確保する観点から硬度が3kg/cm2 以上のものが好ましく、5〜40kg/cm2 のものがより好ましく、7〜33kg/cm2 のものが特に好ましい。
【0020】さらに本発明は、上記の本発明の製造方法によって得られる、主剤として活性炭とシリカゲルを含有する錠剤も包含する。
【0021】本発明によって得られる錠剤は、吸湿性、脱臭性が共に優れているから、例えばブーツ等の靴類の吸湿・脱臭や冷蔵庫内の吸湿・脱臭、ゴミ箱内の消臭、トイレの脱臭、フトン内の吸湿・脱臭、掃除機の紙パックの脱臭、医薬品・食品等の保存容器(ガラス瓶、ポリ袋、アルミ袋、プラスチック製容器等)における乾燥・脱臭等に広く応用することが可能である。また、使用後の錠剤を天日干しすることによって、その効力を再び取り戻すことができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例及び試験例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はかかる実施例等に何ら限定されるものではない。
【0023】実施例1:錠剤の作製(1)錠剤の作製表1及び表2に記載の配合率(重量%)にて各成分を混合し、混合物を得た。次に、得られた混合物をロータリー式打錠機を用いて圧縮成型し、錠剤を作製した。
【0024】
【表1】

【0025】
【表2】

【0026】用いた各成分の性状を以下に示す。活性炭としては杜の木産業製の紀州備長炭を粉末化したものを用いた。ここでは32メッシュパスのもの、即ち粒径約0.5mm以下のものを使用した。シリカゲルとしては、富士シリシア化学株式会社製のフジシリカゲルA型を用いた。ここでは10〜40メッシュのものを使用した。結晶セルロースとしては、旭化成工業社製のアビセルPH102を用いた。ここでは32メッシュパスのものを用いた。乳糖としては32メッシュパスのものを用い、乳糖粒としては16メッシュパスのものを使用した。コーンスターチとしては32メッシュパスのものを用い、コーンスターチ粒としては16メッシュパスのものを使用した。加工済みの造粒された賦形剤としてはフロイント産業社製のパーフィラ−101を用いた。ここでは16メッシュパスのものを用いた。
【0027】圧縮成型時の打錠条件を以下に示す。
打錠速度:ローラー通過速度として15m/分打錠圧:1500kg/cm2打錠室内温度:24℃打錠室内相対湿度:45%錠剤重量:約3.4g錠剤サイズ:直径20mm、高さ10mmの円柱状【0028】(2)結果の検討得られた錠剤について、錠剤として形成できるかどうか(打錠性)、打錠機へのスティッキングの有無及び形成された錠剤の硬度を検討した。また、これらの検討項目に基づいて、錠剤の製造方法の総合評価を行った。評価のまとめを表3に示す。なお、テスト番号:3〜9の錠剤を室温で60日間放置しても、錠剤のひび割れ(キャッピング)は見られなかった。また、テスト番号:5、8及び9の錠剤は黒色が勝っているため好ましい色調であると言える。
【0029】
【表3】

【0030】打錠性については以下のように判定した。
A:錠剤の成形加工が容易に行え、かつ得られた錠剤に傷や変形が全くない。
B:錠剤の成形加工が行え、得られた錠剤に傷や変形は殆ど認められない。
C:錠剤の成形加工に問題がないものの、得られた錠剤にキャッピング等が認められる。
D:錠剤の成型そのものができない。
【0031】スティッキングの有無については以下のように判定した。
強×強:活性炭又はシリカゲルの付着が、杵表面全面に常に強く認められる。
強:杵表面への活性炭又はシリカゲルの付着が常に認められる。
傾向有り:杵表面への活性炭又はシリカゲルの付着が、僅かではあるが認められる杵と、認められない杵とが混在している。
無し:杵及び臼への付着は見られない。
【0032】錠剤の硬度はモンサント硬度計を用いて測定した。そして、硬度評価については以下のように判定した。
A:硬度が26.7kg/cm2 を超える錠剤。
B:硬度が16.7〜26.7kg/cm2 の範囲の錠剤。
【0033】総合評価については以下のように判定した。
A:スティッキングが見られず、かつ高硬度の錠剤を得ることができる、優れた製造方法である。
B:スティッキングが見られず、かつ錠剤を得ることができる、良好な製造方法である。
C:スティッキングは見られるものの、錠剤を得ることができる、実施可能な製造方法である。
D:錠剤自体を得ることができない、劣悪な製造方法である。
【0034】テスト番号:13〜17の結果から、結晶セルロースに代えて他の賦形剤や結合剤を用いた場合、活性炭・シリカゲル含有成分を錠剤化できないことが分かった。
テスト番号:1〜12の結果から、活性炭・シリカゲル含有成分を錠剤化するためには、結晶セルロースの配合量が全成分中の40重量%以上必要なことが分かった。
テスト番号:1〜9の結果から、結晶セルロースの配合量が全成分中の49.9重量%以上であれば、スティッキングを完全に抑えられることが分かった。特に、テスト番号:5の条件によれば、色調が良好で高硬度の錠剤を得ることができた。
【0035】実施例2:打錠性の検討種々の活性炭、シリカゲルを用いて、打錠性を検討した。
(1)混合物組成1ケヤキ由来の黒炭末、シリカゲル(フジシリシア化学株式会社製)末及びアビセルPH102を、それぞれ25重量%、25重量%及び50重量%の配合量にて混合した。得られた混合物を、HATA社製HT-AP24SS-O/K 型打錠機を用いて9mmφのサイズに打錠した。その結果、硬度6〜7kg/cm2 の錠剤を得ることができた。
(2)混合物組成2ケヤキ由来の黒炭末、粉砕シリカA(水沢化学社製)及びアビセルPH102を、それぞれ25重量%、25重量%及び50重量%の配合量にて混合した。得られた混合物を、組成1と同様の条件で打錠した。その結果、硬度6〜7kg/cm2 の錠剤を得ることができた。
(3)混合物組成3タケ由来の黒炭末、シリカゲル(フジシリシア化学株式会社製)末及びアビセルPH102を、それぞれ25重量%、25重量%及び50重量%の配合量にて混合した。得られた混合物を、組成1と同様の条件で打錠した。その結果、硬度5〜6kg/cm2 の錠剤を得ることができた。
(4)混合物組成4活性炭素、粉末(和光純薬製、和光特級)、シリカゲル(フジシリシア化学株式会社製)末及びアビセルPH102を、それぞれ25重量%、25重量%及び50重量%の配合量にて混合した。得られた混合物を、組成1と同様の条件で打錠した。その結果、硬度5kg/cm2 の錠剤を得ることができた。
(5)組成5本発明の混合物の代わりに、ケヤキ由来の黒炭末のみを組成1と同様の条件で打錠したものの、錠剤自体が形成できなかった。
(6)組成6本発明の混合物の代わりに、タケ由来の黒炭末のみを組成1と同様の条件で打錠したものの、錠剤自体が形成できなかった。
(7)組成7本発明の混合物の代わりに、活性炭素、粉末(和光純薬製、和光特級)のみを組成1と同様の条件で打錠したものの、錠剤自体が形成できなかった。
(8)組成8本発明の混合物の代わりに、シリカゲル(フジシリシア化学株式会社製)末のみを組成1と同様の条件で打錠したものの、錠剤自体が形成できなかった。
(9)組成9本発明の混合物の代わりに、粉砕シリカA(水沢化学社製)のみを組成1と同様の条件で打錠したものの、錠剤自体が形成できなかった。
【0036】試験例1:吸湿効果試験テスト番号:5の錠剤を、室温かつ相対湿度22.2%、32.7%、42.8%、52.7%、60%、75%、84%又は96.6%の条件下で放置した。そして、室温放置0、1、2、3、4、6、8、9及び15日後に、それぞれの相対湿度のケースについて吸湿(%)を測定した。吸湿(%)を下式により求めた。
【0037】
【数1】

【0038】結果を図1に示す。図1のデータは同条件で測定した3例の平均値である。図1より、本発明の製造方法によって得られた錠剤は、1〜2日目までに急速に吸湿効果を発揮することが分かった。
【0039】試験例2:脱臭効果試験テスト番号:5の錠剤1錠をテドラーバッグに入れて密封し、空気を3L注入した。次に、トリメチルアミンをテドラーバッグ内に添加し、室温放置0.5、1、3、6、8及び24時間後に、テドラーバッグ内のトリメチルアミン濃度を検知管を用いて測定した。また、錠剤を入れないテドラーバッグにトリメチルアミンを添加し、同様に経時的にトリメチルアミン濃度を測定し、空試験とした。なお、硫化水素及びイソ吉草酸についても、同様に試験した。結果を図2、図3及び図4に示す。図2〜図4より、本発明の製造方法によって得られた錠剤は、いずれの成分についてもその濃度をすみやかに低減できる効果を有することが分かった。
【0040】上記の吸湿効果試験及び脱臭効果試験の結果から、本発明の製造方法によって得られた錠剤は優れた吸湿効果及び脱臭効果を有することが分かった。
【0041】試験例3:マウス経口急性毒性試験本発明の製造方法によって得られた錠剤は食用に供するものではないが、誤飲等の事故における急性毒性の有無について念のため確認した。ddy系雄性マウス(4w,SPF)を用いて、本発明の製造方法によって得られた錠剤の経口急性毒性試験を行った。マウスの入荷後、5日間予備飼育した。次いで、マウスを二群に分け、対照群のマウスにはカルボキシメチルセルロースのみを、試験群のマウスにはテスト番号:5の錠剤の磨砕物に、終濃度が2重量%となるようにカルボキシメチルセルロースを添加し、よく練合したものを、それぞれマウス1匹当たり10g/25mL/kg/日の投与量で強制的に経口投与した。各群のマウスの体重を経時的に測定した。結果を表4に示す。
【0042】
【表4】

【0043】Aspin-Welch 検定にて、対照群と試験群との違いを検定した結果、両者に有意の差は見られなかった。この結果から、本発明の製造方法によって得られた錠剤の急性毒性は極めて小さいと判断した。
【0044】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、優れた吸湿効果及び脱臭効果を有する活性炭・シリカゲル含有錠剤を低コストの直接粉末圧縮法によって容易に製造することができる。
【出願人】 【識別番号】592198471
【氏名又は名称】ユニオンパック株式会社
【識別番号】501086231
【氏名又は名称】森 恒雄
【出願日】 平成13年3月2日(2001.3.2)
【代理人】 【識別番号】100107685
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 健
【公開番号】 特開2002−253649(P2002−253649A)
【公開日】 平成14年9月10日(2002.9.10)
【出願番号】 特願2001−57710(P2001−57710)