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【発明の名称】 洗浄剤組成物
【発明者】 【氏名】松本 千賀子

【氏名】長谷部 恵子

【氏名】園原 浩史

【要約】 【課題】良好なパール様光沢を有する洗浄剤組成物を、良好なハンドリング性のもと製造することが可能で、製品保存時のパール化剤の分散、安定化に優れた洗浄剤組成物を提供する。

【解決手段】(A)パール化剤、(B)ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤、並びに(C)特定のアミドアルコールを、それぞれ特定比率で含有する、パール様光沢を有する洗浄剤組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)パール化剤0.3重量%以上10重量%未満、(B)ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤10〜50重量%、並びに(C)下記一般式(1)で表されるアミドアルコール0.1〜10重量%を含有する、パール様光沢を有する洗浄剤組成物。
【化1】

〔式中、R1CO−は炭素数6〜24の水酸基を有していてもよい飽和又は不飽和のアシル基、R2は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R3は炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基あるいは炭素数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルケニレン基を示す。〕
【請求項2】 (A)が、グリコールと脂肪酸のエステルである請求項1記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】 (C)が、一般式(1)中のR1COとしてデカン酸、ドデカン酸、ヤシ脂肪酸、パーム油脂肪酸又はパーム核油脂肪酸から誘導されるアシル基を有するアミドアルコールである請求項1又は2記載の洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パール化剤と、ノニオン性、両性及び/又はアニオン性界面活性剤と、特定構造のアミドアルコールとを含有する、分散安定性に優れ、分離、沈殿を生じない、パール様光沢を有する洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、皮膚や毛髪に適用後、洗い流すシャンプー、ボディーシャンプー、洗顔剤等の洗浄剤の美観を高める目的で、外観に乳濁又はパール様の光沢を付与するための乳濁剤又はパール化剤(以下、パール化剤等という)が用いられている。パール化剤等としては、入手が容易なグリコール類の脂肪酸エステル、例えばエチレングリコールジステアレートが汎用されている。エチレングリコールジステアレートは融点が60〜65℃であるため、シャンプー、ボディーシャンプー、洗顔剤等の製造工程で、界面活性剤と共に前記融点以上に加温し、溶融する。その後、冷却工程により、晶析し始め、製品はパール様光沢を有する。
【0003】界面活性剤の種類によっては晶析工程が安定せず、均一な結晶が得られない場合や、保存時分離沈降等の外観不良の原因となる場合がある。そこで、一般に、モノエタノールアミドがパール化助剤として使われている。
【0004】しかしながら、モノエタノールアミドは常温で固体であるため、製造時のハンドリング性に問題があり、パール化助剤として充分なものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、良好なパール様光沢を有する洗浄剤組成物を、良好なハンドリング性のもと製造することが可能で、製品保存時のパール化剤等の分散、安定化に優れた洗浄剤組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、パール化剤等が界面活性剤存在下において製造される際、特定構造を有するアミドアルコールが製造時のパール化剤の晶析助剤として有効であり、且つパール化剤等の分散、安定化剤としても有効であることを見出した。
【0007】本発明は、(A)パール化剤〔以下、(A)成分という〕0.3重量%以上10重量%未満、(B)ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤〔以下、(B)成分という〕10〜50重量%、並びに(C)下記一般式(1)で表されるアミドアルコール〔以下、(C)成分という〕0.1〜10重量%を含有する、パール様光沢を有する洗浄剤組成物に関する。
【0008】
【化2】

【0009】〔式中、R1CO−は炭素数6〜24の水酸基を有していてもよい飽和又は不飽和のアシル基、R2は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R3は炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基あるいは炭素数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルケニレン基を示す。〕
【0010】
【発明の実施の形態】(A)成分のパール化剤とは、組成物の外観にパール様光沢を付与し得る成分であり、本発明では、グリコールと脂肪酸のエステル(例えばモノエステルやジエステル)、長鎖ジアルキルエーテル等の乳濁剤又はパール化剤として公知の化合物を使用できる。具体的には、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ジエチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジパルミテート、ジステアリルエーテル等の有機化合物が挙げられるが、コストと入手性の点から、グリコールと脂肪酸のエステルが好適であり、中でもエチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、特にエチレングリコールジステアレートが好ましい。
【0011】(A)成分は、組成物中に、0.3重量%以上10重量%未満含有され、1.0〜5.0重量%、更に1.0〜4.0重量%含有されるのが、外観上の点から好ましい。
【0012】(B)成分のノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤は、一般に化粧品用等として用いられているものから選ばれる。
【0013】このうち、ノニオン性界面活性剤としては、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレン(好ましくはエチレン)アルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド及び(C)成分以外の脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
【0014】ノニオン性界面活性剤の中、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレン(好ましくはエチレン)アルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステルから選ばれるものが好ましい。
【0015】特に好ましいノニオン性界面活性剤として、アルキルポリグリコシド、例えばアルキル基の炭素数8〜14で糖(グルコース)の縮合度1〜2のもの;ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、例えばアルキル基又はアルケニル基の炭素数8〜18でエチレンオキサイドの平均付加モル数4〜25、好ましくは4〜15のもの;ソルビタン脂肪酸エステル、例えば炭素数8〜20の脂肪酸のモノエステル等が挙げられる。
【0016】また、両性界面活性剤としては、アルキルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、及びアミドアミノ酸(イミダゾリン系ベタイン)等が挙げられる。
【0017】また、アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、アシルグルタミン酸塩、アシロイル−β−アラニン塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルスルホコハク硫酸塩、脂肪酸塩等が挙げられる。
【0018】アニオン性界面活性剤の中、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、アシルグルタミン酸塩が好ましく、毛髪用としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アシルグルタミン酸塩が特に好ましく、身体用としてはアルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アシルグルタミン酸塩が特に好ましい。
【0019】(B)成分は、いずれかを単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0020】(B)成分は、組成物中に、10〜50重量%含有され、更に10〜30重量%含有されるのが、洗浄性の点から好ましい。なお、本発明の組成物は、(B)成分以外に、カチオン性界面活性剤を含有することもできる。
【0021】(C)成分の一般式(1)において、R1CO−は炭素数8から18の飽和又は不飽和アシル基が好ましい。R1CO−は、例えば、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸、リノール酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヤシ脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、等から誘導されるアシル基が好ましい。特に好ましくは、デカン酸、ドデカン酸、ヤシ脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸から誘導されるアシル基である。また、R2はメチル基が好ましく、R3はエチレン基が好ましい。
【0022】(C)成分は、組成物調製時の(A)成分の晶析、及び組成物中での(A)成分の分散、安定化の点から、本発明の洗浄剤組成物中に0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%含有される。
【0023】本発明の洗浄剤組成物は、外観にパール様光沢を有するものであり、例えば、(A)成分、(B)成分及び(C)成分並びに水の混合物を、(A)成分の融点以上まで攪拌しながら加熱融解し、均一状態になった後、適時任意成分を添加し、攪拌しながら冷却し、(A)成分を晶析させることにより製造することができる。また、(B)成分、(C)成分及び水の混合物を(A)成分の融点以上に撹拌加熱した後、(A)成分を添加し、均一溶解した後、適時任意成分を添加し、攪拌しながら冷却し、(A)成分を晶析させることにより製造することができる。
【0024】上記のようにして得た、本発明の洗浄剤組成物は、(A)成分の分散安定性が良好で、分離、沈殿を生じず、毛髪用洗浄剤、身体洗浄剤、洗顔剤、手指洗浄剤等に最適である。
【0025】本発明の洗浄剤組成物には、高級アルコール、ラノリン、シリコーン等の油剤;カチオン化セルロース、カチオン化グアガム、マーコート550(メルク社)等のカチオン化ポリマー;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、多糖類(キサンタンガム)等の水溶性高分子;グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール;エタノール等の溶解助剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ホスホン酸塩類等のキレート剤;パラベン類、安息香酸等の防腐剤;グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン等の消炎剤;塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、トリクロカルバン、オクトロピックス、ジンクピリチオン等の殺菌剤や抗フケ剤;ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;その他紫外線吸収剤;pH調整剤;色素;香料;植物エキス等を適宜配合することができる。
【0026】また、本発明の洗浄剤組成物は、液体、ペースト状等、いずれの剤型にすることもできる。
【0027】
【実施例】
実施例1 シャンプー (重量部)
ポリオキシエチレン(EOp*=2)ラウリル エーテル硫酸エステルナトリウム 17.55 アルキルポリグリコシド 4.0 〔花王(株)製マイドール10(有効分40重量%品)〕
N−エタノール−N−メチルドデカン酸アミド 2.5 カチオン化セルロース〔花王(株)製ポイズC−80M〕 0.4 エチレングリコールジステアレート 2.0 エチレングリコールモノステアレート 0.5 EDTA・2Na 0.3 pH調整剤** 適量 防腐剤 0.5 精製水 バランス──────────────────────────────── 計 100.0*EOp:エチレンオキサイド平均付加モル数(以下同様)
**pH調整剤:当該シャンプーの5重量%水溶液(20倍希釈液)のpH(25℃)が6.5となるように用いた。
【0028】
実施例2 身体洗浄料 (重量部)
プライオリーB−300D 60.0 〔花王(株)製、MAPのKOH中和品、有効分30重量%〕
ポリオキシエチレン(EOp=5)ラウリルエーテル 5.0 N−エタノール−N−メチルパーム核油脂肪酸アミド 2.0 グリセリン 1.0 カチオン化セルロース〔花王(株)製ポイズC−80M〕 0.1 エチレングリコールジステアレート 3.0 EDTA・2Na 0.3 pH調整剤* 適量 防腐剤 0.5 精製水 バランス───────────────────────────────── 計 100.0*pH調整剤:当該身体洗浄料の5重量%水溶液(20倍希釈液)のpH(25℃)が6.5となるように用いた。
【0029】
実施例3 手指洗浄料 (重量部)
アルキルポリグリコシド 30.0 〔花王(株)製マイドール10(有効分40重量%品)〕
N−エタノール−N−メチルドデカン酸アミド 2.5 グリセリン 3.0 エチレングリコールジステアレート 2.0 EDTA・2Na 0.3 ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 0.5 〔花王(株)製レオドールTW−IS399C〕
pH調整剤* 適量 防腐剤 0.5 精製水 バランス──────────────────────────────── 計 100.0*pH調整剤:当該手指洗浄料の5重量%水溶液(20倍希釈液)のpH(25℃)が6.5となるように用いた。
【0030】
実施例4 全身洗浄料 (重量部)
ラウロイル−β−アラニン 15.0 トリエタノールアミン(有効分89重量%) 13.0 N−エタノール−N−メチルパーム核油脂肪酸アミド 2.0 アルキルポリグリコシド 5.0 〔花王(株)製マイドール10(有効分40重量%品)〕
プロピレングリコール 1.5 エチレングリコールジステアレート 2.0 カルボキシビニルポリマー 0.3 〔ユニオンカーバイド(株)製カーボポールETD2020〕
EDTA・2Na 0.3 pH調整剤* 適量 防腐剤 0.5 精製水 バランス───────────────────────────────── 計 100.0*pH調整剤:当該全身洗浄料の5重量%水溶液(20倍希釈液)のpH(25℃)が6.5となるように用いた。
【0031】
実施例5 洗顔料 (重量部)
ヤシ油脂肪酸カリウム 50.0 ヤシ油脂肪酸 8.0 ラウリン酸アミドプロピルベタイン 2.5 N−エタノール−N−メチルドデカン酸アミド 5.0 グリセリン 1.0 エチレングリコールジステアレート 1.5 カルボキシビニルポリマー 0.4 〔ユニオンカーバイド(株)製カーボポールETD2020〕
EDTA・2Na 0.3 メチルパラベン 0.2 香料 0.2 精製水 バランス───────────────────────────────── 計 100.0なお、該洗顔料の5重量%水溶液(20倍希釈液)のpH(25℃)は9.5であった。
【0032】上記実施例1〜5の洗浄剤組成物は、何れも、通常のパール様光沢を有する組成物の製法と同様の方法で製造した。得られた洗浄剤組成物は、何れも良好なパール様光沢を有し、5℃、室温(25℃)、40℃の温度で、20日保存した時、外観上の変化が無く安定性に優れたものであった。
【0033】
【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、(C)成分が製造時の(A)成分の優れたパール化助剤として機能し、保存時の安定性も優れたものとなる。そのため、外観にパール様光沢を有する洗浄剤組成物として、毛髪用、手指用、洗顔用等の身体洗浄剤又は食品食器用洗浄剤、具体的には、シャンプー、ボディーシャンプー、洗顔剤等として好適である。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成13年5月24日(2001.5.24)
【代理人】 【識別番号】100063897
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 馨 (外4名)
【公開番号】 特開2002−348219(P2002−348219A)
【公開日】 平成14年12月4日(2002.12.4)
【出願番号】 特願2001−155013(P2001−155013)