| 【発明の名称】 |
アルギン酸含有組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】福井 勝
【氏名】瀬戸 忠史
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| 【要約】 |
【課題】広範囲なpH域で安定に高粘度化しうる液状組成物を提供する。
【解決手段】アルギン酸誘導体とホウ酸又はその塩とを含有する液状組成物、及びホウ酸緩衝液を用いてアルギン酸含有液状組成物の高粘度化を増強する方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルギン酸誘導体とホウ酸及び/又はその塩とを含有する液状の組成物。 【請求項2】 ホウ酸又はその塩の濃度が、0.5−300mMである、請求項1に記載の組成物。 【請求項3】 pHが4-9である、請求項1又は請求項2に記載の組成物。 【請求項4】 粘度が8000mPa・s以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項5】 アルギン酸誘導体の濃度が0.001-5W/V%である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項6】 アルギン酸誘導体のM/Gの比が4.0以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項7】 医薬品、医薬部外品及び化粧品から選択されるものである請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項8】 点眼剤、点鼻剤、口腔用剤、膣用剤、座剤及び外用剤から選択される、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項9】 充血除去薬、筋調節薬、抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、局所麻酔薬、抗菌薬、縮瞳薬、散瞳薬、緑内障治療薬、白内障治療薬、ビタミン類、アミノ酸類、多糖類、清涼化剤から選択される1種以上の成分を含有する、請求項7又は請求項8に記載の組成物。 【請求項10】 ホウ酸又はその塩により、アルギン酸誘導体が生体由来の流体と接触したときの高粘度化を増強する方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アルギン酸誘導体、及びホウ酸及び/又はホウ酸の塩を含有する組成物に関し、さらに詳しくは、液状の組成物に関する。また、本発明は、ホウ酸又はその塩により、アルギン酸誘導体が生体由来の流体と接触したときに、高粘度化を増強する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】アルギン酸は、Ca2+イオンのような2価以上の陽イオンによって部分的にイオン架橋され、ゲル化(高粘度化)することが広く知られている(例えば、FRAGRANCE JOURNAL 1999-4, 76−84)。涙液、汗、生体局所の分泌液等の生体由来の流体には、Caイオンが平均約0.1〜3mM含有されていることから、涙液と接触したときゲル化しうるアルギン酸ナトリウム含有の持続性眼科製剤が提案されている(journal of controlled release 44(1997) 201-208)。しかし、酢酸緩衝液を使用するこの例では、次のような問題等が起り得る。 ■酢酸緩衝液の場合、高粘度化を抑制するため、所望の高粘度化を達成するには、アルギン酸濃度を高くしておく必要があり、必然的に製剤の粘度が高くなるので患部へ適用し難い。また、製剤が、高粘度となるために製造工程上、取り扱い難い。 ■ 酢酸緩衝液は局所刺激性や刺激臭があるので、適用時の不快感が強い。 ■ 酢酸緩衝液は、緩衝能のあるpH域が狭い(酸性側)ので、安定化や可溶化のために、pHが制限される薬物を組成物に配合できない(配合できる薬物が限定される)。 【0003】また、アルギン酸とリン酸緩衝液を含有した液に、カルテオロールを配合したゲル点眼剤も開示されている(international journal of pharmaceutics 207 (2000) 109-116)。ここでは、カルテオロールとアルギン酸とのインターラクションにより、カルテオロールが徐放化されることが示唆されている。しかし、後述する理由から、点眼したとき安定的にゲル化する点眼剤を得ることは困難である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】アルギン酸は2種類のウロン酸、即ち、D−マンヌロン酸(M)とL−グルロン酸(G)、から構成される直鎖状多糖類であり、マンヌロン酸のホモポリマー画分(MM画分)、グルロン酸のホモポリマー画分(GG画分)、及びマンヌロン酸とグルロン酸がランダムに配列した画分(MG画分)が任意に結合した複雑なブロック共重合体である。アルギン酸のゲル化能力やゲル強度は、MとGの量的比率及び配列の仕方で大きく影響され、G比率が高い場合にはゲル強度が高くなることが知られている(FRAGRANCE JOURNAL 1999-4, 76−84)。また、分子量の影響に関しては、M/G比、濃度、G含量が同じ場合、分子量が大きくなるにつれてゲル化能力やゲル強度が高くなることも知られている。 【0005】従って、アルギン酸含有製剤では、ゲル化に関する性質がpHや塩濃度等の外的要因のみならず、アルギン酸のM、Gの構成比率、ブロックコポリマーの組成、分子量等、アルギン酸自身の性質とも関係しており、生体に適用したときの高粘度化の有無や程度が不確実であった。即ち、従来は、アルギン酸の特性に基いて、充分な滞留性を有し及び/又は生体の適用部位で目的の粘度まで安定的に高粘度化される、安定な品質のアルギン酸を含有する液状の組成物を得ることは困難であった。 【0006】本発明は、アルギン酸が有する優れた特性を有効に利用した汎用性に富む、生体に適用するための組成物を提供することを目的とするものである。具体的には、アルギン酸誘導体を含有し、広範囲のpHで調製又は製剤化が可能な液状の組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、適用部位で高粘度化し、長時間滞留できる液状の組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、適用部位に滞留し該部位での有効成分の放出を持続化し該有効成分の生物学的利用能を増大させる持続性の液状組成物を提供することを目的とする。さらには、製剤としては粘度が低く、生体の目的部位への適用が容易である一方、投与後、生体の分泌液と接触した場合には、速やかに高粘度化して投与部位に滞留し、該部位での有効成分の滞留性を向上させ、有効成分の生物学的利用能を増大させると共に、長時間にわたって有効成分の効果が持続する液状組成物を提供することをも目的とする。 【0007】また、テルペノイド等の清涼化剤を含有する液状組成物である場合には、投与部位において、長時間にわたって、清涼化効果が持続する液状組成物を提供することをも目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ホウ酸又はその塩が液体中でのアルギン酸誘導体の特性を利用するのに好適であること、必要に応じて高粘度化を増強すること、それが広範囲なpHで認められること、また、含有する薬物等の有効成分の持続性を高めることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明はアルギン酸誘導体とホウ酸又はその塩とを含有する液状組成物を提供するものである。本発明はまた、ホウ酸又はその塩により、アルギン酸誘導体が生体由来の流体と接触したときの高粘度化を増強する方法をも提供する。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の液状組成物は、水性、アルコール性等、液性にはこだわらないが、水性液剤であることが好ましい。本発明の液状組成物の用途としては、生体由来の流体と接触するものであればよく、医薬品、医薬部外品、化粧品などに用いることができる。本発明の液状組成物は、広範囲のpHで調製可能であることから、安定化や可溶化のために製剤のpHが制限される配合成分の場合でも、容易に製剤化することができ、また物性の異なる成分同士を安定的に配合することができる。また、本発明の液状組成物は、生体に適用され生体の分泌液と接触すると、その部位で滞留し、持続的に有効成分の作用を発揮するので、投与量の減少、副作用の軽減などが可能となる。 【0010】本明細書中、本発明の液状組成物が「滞留」するとは、生体に適用されたとき、適用部位により長時間とどまることを意味する。その結果、有効成分の作用はより長時間にわたって持続される。また、本発明の液状組成物の「高粘度化」とは、生体由来の流体と接触したとき、接触前の粘度よりも高い粘度に達することを意味し、増粘度化をも包含する。本明細書中、「ゲル化」なる用語は「高粘度化」と相互変換可能に用いられている。ここで、「生体由来の流体」とは、生体が分泌あるいは産生する液状物質を指し、各種の腺から分泌される粘液や漿液等の分泌液を含み、例えば、涙、鼻汁、膣液、直腸粘膜液、耳漏、唾液、汗、漿液等、生体局所の分泌液、血液等が挙げられるが、これらに限定されない。 【0011】本発明の好ましい態様では、ホウ酸又はその塩により生体由来の流体との接触に際する高粘度化が増強されているので、低濃度のアルギン酸であっても所望の粘度に達成することから、適用前の物性が低粘度の組成物を提供することができる。このような低粘度の組成物は、適用時に不快なべたつき感がなく、官能性が改善されており、また、ろ過、分注等の製造工程での取り扱いも容易であるという特徴を有する。 【0012】また、本発明の組成物においては、ホウ酸又はその塩により分泌液等の接触による粘度の上昇を確実かつ容易に行うことができるので、アルギン酸の量(濃度)や組成(M/G比)に起因する高粘度化の程度に左右され難く、生体由来の流体との接触時に、安定的な高粘度化組成物を提供できる。その結果、広範なM/G比のアルギン酸を用いることができ、汎用性が高く、また、製剤設計の幅も広くなるという特徴をも有する。 【0013】本発明の組成物には、生体に適用したとき、生体由来の流体と接触して高粘度化した後、又は適度な粘度を維持して適用部位に長時間滞留することを条件として任意のアルギン酸誘導体を用いることができる。「アルギン酸誘導体」とはアルギン酸またはその誘導体を言い、アルギン酸の塩、エステル、エーテル等が包含される。本発明の液状組成物に用いることができるアルギン酸誘導体としてはアルギン酸、アルギン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノール塩、アンモニウム塩等のアルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸エステル等が挙げられるが、これらに限定されない。アルギン酸塩は水溶性のものが好ましく、特に、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムは水溶性でもあり、市販されており入手が容易であるため、好ましい。例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム塩及びアルギン酸カリウム塩は、紀文フードケミファ(株)、君津化学工業(株)、富士化学工業(株)、Kelco社(UK)、Sigma社(US)、PRONOVA biopolymer社(ノルウェー)より市販されている。 【0014】例えば、アルギン酸(M/G比=0.5)の0.2%水溶液のゲル化に必要なCaイオン濃度は、約0.2mM以上であるが、涙液、汗、生体局所の分泌液等の生体由来の流体は、Caイオンを平均約0.1〜3mM含有しているので、Caイオンを補充しなくても、これらの流体とアルギン酸を接触させればゲル化する。しかしながら、アルギン酸のゲル化能力や生成したゲルの性質は、マンヌロン酸とグルロン酸の比(M/G比)や、ブロック共重合体を構成しているMM画分、GG画分、MG画分の割合に依存して変化するものであり、目的の高粘度化や滞留性を安定的に達成するには、単に接触させるだけでは不十分である。 【0015】本発明の液状組成物は、アルギン酸誘導体にホウ酸及び/又はホウ酸の塩を併用することにより、安定な高粘度化が達成されているので、任意のアルギン酸誘導体を用いることができる。即ち、アルギン酸のマンヌロン酸/グルロン酸比(M/G比)は原則として任意であり、Mリッチなものから、Gリッチなものまで広範なアルギン酸誘導体が使用可能である。アルギン酸のM/G比は、使用目的に応じて適宜選択することができるが、M/G比が小さいほど、高粘度化が起こりやすく、一般に、4.0以下であることが好ましく、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.0以下、特に好ましくは1.0以下である。各画分の含量は、後述の加水分解法により測定できる。 【0016】アルギン酸のGG画分の比率としては、0.3〜1が好ましく、0.4〜0.8がより好ましく、0.5-0.7が特に好ましい。GG画分の比率が0.3以上のアルギン酸は、高粘度化が開始しやすく、短時間で高粘度化が達成されるため、有効成分の滞留性が高くなり好ましい。なお、G含量が100%のとき、数値は1であり、0%のとき0である。 【0017】アルギン酸のMM画分の比率としては、0.4以下であることが好ましく、0.3以下のもの、特に0.2以下のものが好ましい。MM画分の比率が0.4以下のアルギン酸の場合、高粘度化が開始しやすく、短時間で高粘度化が達成されるため、有効成分の滞留性が高くなり、好ましい。なお、M含量が100%のとき数値は1であり、0%のとき0である。 【0018】本発明の組成物中のアルギン酸誘導体の含有量は、その種類および配合する成分の種類により適宜決定されるが、通常0.001-5 W/V%、好ましくは0.005-5W/V%、より好ましくは0.005-1W/V%、更に好ましくは、0.01-0.5W/V%である。M/G比等の他の条件が同一である場合、配合量が少ないと一般的に高粘度化が起りにくく、有効成分の消失速度が速くなる。また、配合量が多いと、溶媒への分散が悪く製造が困難になり、また、適用時の官能性が悪い上、ゲル化時間が早くなりすぎて投与部位への有効成分の分散が悪くなると共に、ゲル内の有効成分の分散が悪くなる。 【0019】本発明の液状組成物に使用されるホウ酸又はその塩は、ホウ酸イオンを形成できるものであればよく、局所投与用の液剤の製造に通常使用されているものから適宜選択することができ、ホウ酸、ホウ砂などを使用することができる。有効成分や他の添加剤の配合量にもよるが、本発明の液状組成物中のホウ酸又はその塩の濃度は、アルギン酸の高粘度化を促進し、かつ、生体局所に刺激を生じない濃度であることを条件として、任意である。通常、約0.5-300mMが適当であり、1〜200mMであることが好ましく、50〜150mMであることが特に好ましい。 【0020】本発明の液状組成物のpHは、生体局所に刺激を生じないpHであることを条件として任意であるが、通常、約4-9の範囲であり、好ましくは5-8.5、特に好ましくは、5-8の範囲とする。pHの調節にはホウ酸又はホウ酸塩の緩衝能を利用するが、必要に応じて、当該技術分野で用いられる適当なpH調節剤、他の緩衝剤などを使用してもよい。 【0021】本発明の液状組成物は、生体に投与したとき、適用部位にそのまま滞留する、あるいは生体由来の流体とアルギン酸誘導体が接触することによって高粘度化して滞留する製剤である。投与の簡便性、投与時の官能性、製造の容易性、並びに製造過程から使用に際する取り扱いの容易性などの要因を考慮して、組成物は低粘度であることが好ましい。通常、35℃で測定した場合の粘度が8000mPa・s以下、好ましくは1000mPa・s 以下であることが望ましい。特に点眼剤又は点鼻剤の場合は、50mPa・s以下が適当であり、0.5-20mPa・sが好ましく、0.8-10mPa・sがより好ましく、1-5mPa・sが特に好ましい。外用剤の場合には、粘度を8000mPa・s以下、好ましくは1000mPa・s以下、より好ましくは500mPa・s以下に調整する。なお、本発明の組成物が眼粘膜以外の局所及び皮膚に適用される製品であれば、高粘度化の程度が大きいことが望ましい。また、高粘度化により保水性も向上する。 【0022】なお、本発明の液状組成物中のアルギン酸誘導体の平均分子量(表示粘度)、M/G比、GG画分の比率、MM画分の比率、濃度、さらにはホウ酸及び/又はホウ酸の塩の量を適宜選択することにより、投与局所での滞留時間、即ち有効成分の作用時間を任意に調整しうる。高粘度化の程度は使用する部位や目的によって決定され、適用前の組成物と同程度の粘度から、数千倍の粘度まで、広範囲に及ぶ。 【0023】本発明組成物は、生体由来の流体との接触後、その高粘度化が、ホウ酸又はその塩により増強されること、特に2倍以上増強されることが好ましい。 【0024】さらに、本発明は、アルギン酸誘導体含有組成物の、生体由来の流体との接触後の高粘度化を、ホウ酸またはその塩により増強する方法を提供する。また、本発明は、アルギン酸誘導体含有組成物の生体由来の流体との接触による増粘作用を、ホウ酸又はその塩により増強する方法をも提供する。 【0025】これらの粘度値は、既知の円すい−円板回転粘度形を用いる粘度測定方法(第十三改正日本薬局法に記載の、一般試験法、36.粘度測定法、第2法回転粘度計法、「(3)円すい−平板形回転粘度計」の項に記載の方法)による測定値を基準としている。このような低粘度の液状組成物を、投与時に所望の程度までゲル化させるのに必要なアルギン酸誘導体と、ホウ酸又は塩の種類や配合量は、本明細書の記載に従い、当業者が決定することができる。 【0026】本発明の液状組成物に配合される有効成分としては、効果の持続が期待されている成分であればよく、水溶性物質のみならず難溶性物質も用いることができる。以下、主として本発明の液状組成物が医薬組成物である場合に関して説明するが、当業者ならば、医薬部外品や化粧品である場合も、以下の説明に従って実施可能であることを理解するであろう。 【0027】液状組成物が医薬組成物である場合、含有させることができる有効成分として、一般的に局所製剤あるいは外用剤に使用される薬物や清涼化剤などが挙げられる。例えば、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、dl−塩酸メチルエフェドリン、塩酸オキシメタゾリン等の充血除去薬、メチル硫酸ネオスチグミン等の筋調節薬、イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸ニカリウム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化リゾチーム、フルオロメトロン、デキサメタゾン、コーチゾン、プレドニゾロン等の抗炎症薬、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン薬、クロモグリク酸ナトリウム、フマル酸ケトチフェン、アンレキサノクス、ペミロラストカリウム、トラニラスト、フマル酸エメダスチン、メキタジン等の抗アレルギー薬、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等の局所麻酔薬、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール、スルフイソミジンナトリウム、セファロスポリン、エリスロマイシン、セフメノキシム、クロラムフェニコール、ゲンタマイシン、カナマイシン等の抗菌薬、塩酸ピロカルピン、臭化ジスチグミン、硫酸フィゾスチグミン等の縮瞳薬、硫酸アトロピン、塩酸フェニレフリン等の散瞳薬、マレイン酸チモロール、塩酸カルテオロール、塩酸プロプラノロール等の緑内障治療薬、ピレノキシン、グルタチオン等の白内障治療薬、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロール、リボフラビン等のビタミン類、L-アスパラギン酸カリウム、L-アスパラギン酸マグネシウム、L-アスパラギン酸マグネシウム・カリウム(等量混合物)、アミノエチルスルホン酸等のアミノ酸類、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸等の多糖類、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネトール、アネトール、リモネン、オイゲノールの清涼化剤などを挙げることができる。これらの有効成分のうち、難溶性成分は、当該技術分野で既知の溶解補助剤、例えば、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、を用いて可溶化してから使用しても良く、あるいは懸濁させて使用することもできる。これらの有効成分は、組成物中に0.0001〜10%配合できる。また、アルギン酸誘導体は、保湿作用などを有するため、有効成分にもなりうる。 【0028】本発明の液状組成物には、必要に応じて、リン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液等の緩衝剤を加えてもよい。これらの緩衝剤は、製剤の安定化や刺激性の低下に有用な場合がある。 【0029】さらに本発明の組成物には、本発明の目的に反しないかぎり、通常、当該技術分野で用いられる他の成分を、必要に応じて含有させることができる。そのような成分として、通常、液体、特に水性の組成物に用いられる添加剤、例えば、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸カリウム、塩酸クロロヘキシジン等の保存剤、エデト酸Na等の安定化剤、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の増粘剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン、ショ糖、ブドウ糖等の等張化剤、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン等の等張剤、塩酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤が挙げられる。 【0030】本発明の液状組成物は、滞留性が向上されており、また、生体由来の流体(局所で分泌される分泌液を含む)、たとえば、涙液、鼻汁、膣液、直腸粘膜液、耳漏、汗、漿液、血液等により、詳しくは、それらに含有されるカルシウムイオンとの相互作用によって高粘度化されるので、そのような作用を妨げない限り任意の剤形であってよい。従って、本発明の組成物は医薬品、医薬部外品、化粧品など、広範な用途を有する。本発明の液状組成物が医薬品である場合、それは、点眼剤、点鼻剤、口腔用剤、膣用剤、座剤、外用剤等の形をとりうる。本発明の組成物は、適用部位で涙液、鼻粘膜液、唾液、膣液、直腸粘液、汗、漿液等の分泌液や血液と接触してゲル化し、該部位で有効成分を持続的に作用させるものであることから、分泌液や血液が存在している部位で用いられる製剤に適している。 【0031】特に好ましい適用部位は局所の粘膜(眼粘膜、角膜、鼻粘膜、口腔粘膜、直腸粘膜、膣粘膜など)又は皮膚である。特に、局所の粘膜に適用することが好ましい。好ましい製剤は局所粘膜適用製剤であり、この一例は点眼薬や洗眼薬等の点眼剤及び点鼻剤、及び口腔粘膜適用製剤である。点鼻剤は、スプレー剤として使用しても良い。特に点眼剤の場合、滞留性が向上しているので、涙液中の薬物の濃度が維持され、薬理効果が持続することから、抗菌薬、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、充血除去薬などが配合された点眼剤が好ましく、特に抗菌点眼薬、アレルギー用点眼薬、抗炎症用点眼薬が好ましい。また、高粘度化により、眼表面の保護効果が得られると共に、眼表面の水分保持量が高くなるため、人工涙液型点眼薬も好ましい。また、高粘度化により、効果の持続性が発揮されるため、組成物中の有効成分を減量化でき、有効成分による刺激や副作用を軽減することができる。 【0032】さらに、l-メントール、d-メントール、dl-メントール、α-カンフル、dl-カンフル、d-ボルネオール、ベルガモント油、クールミント、ウイキョウ油、ハッカ油、ユーカリ油、ゲラニオール等の清涼化剤を配合したとき、その清涼化効果が持続し、官能性が向上されるので、添加量を少なくしても所望の効果が発揮されるので、清涼化剤を含有する組成物としても好ましい。点眼剤、点鼻剤、外用剤が好ましく、これらの清涼化剤の配合量は、通常、組成物中に0.0001〜1%、好ましくは0.0001〜0.5%の範囲であり、点眼剤の場合は、0.0001〜0.1%、好ましくは、0.0001〜0.05%、点鼻剤の場合は、0.0001〜0.1%、好ましくは、0.0001〜0.05%、外用剤の場合は、0.001〜1%、好ましくは、0.001〜0.5%である。 【0033】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。 【実施例】以下の実施例及び試験例における粘度の測定及びアルギン酸の調製は次の方法で行った。 (1)粘度の測定粘度は、WO97/28827に記載の円すい一平板形回転粘度計を用いる方法で測定した。この方法は、第十三改正日本薬局法に記載の、一般試験法、36.粘度測定法、第2法回転粘度計法、「(3)円すい−平板形回転粘度計」の項に記載の方法と同様である。粘度の測定は、市販の円すい−平板形回転粘度計と適宜選択されたロータとを用いて測定することができ、例えば、そのような粘度計の例には、E型粘度計[トキメック(TOKIMEC)製、東機産業(日本)から販売]、シンクローレクトリックPC 型(ブルックフィールド、米)、フェランティシャーリー(フェランティ、英)、ロートビスコR (ハーケ、独)、IGK ハイシャーレオメーター(石田技研、日本)、島津レオメーターR (島津製作所、日本)、ワイセンベルグレオゴニオメーター(サンガモ、英)、メカニカルスペクトロメーター(レオメトリックス、米)等がある。これらの市販の粘度計とローターを適宜選択し、披検試料測定毎にJIS Z8809により規定されている石油系の炭化水素油(ニュートン流体)を校正用標準液として適宜調整することにより、35℃における粘度を測定した。 【0034】円すい一平板形回転粘度計による測定基本的には、図1に示すように、円すい1と平円板2との間の角度αの隙間に試料を入れ、円すい1又は平円板2を一定の角速度ω若しくはトルクTで回転させ、定常状態に達したときの平円板2又は円すい1が受けるトルク若しくは角速度を測定し、試料の粘度ηを次式により算出する。 η =100×(3α/2πR3)・(T /ω) η :試料の粘度(mPa ・s)(Pa ・s =103 mPa・s ) α :平円板2と円すい1がなす角度(rad) π :円周率R :円すい1の半径(cm) T :平円板2又は円すい1面に作用するトルク(10-7N・m) ω :角速度(rad/s) 【0035】実施例に記載の各組成物の粘度は、E型粘度計の1種であるTVE−20L形粘度計コーンプレートタイプ[トキメック(TOKIMEC)製、東機産業(日本)から販売]を用いて業者の指示に従い、WO97/28827に記載の方法と同様に測定した。 測定条件:TVE−20L形粘度計コーンプレートタイプに付属の標準コーンロータ(図1における円すい1に相当)(α=1°34'、半径(R)=2.4cm)をフルスケール・トルク67.37×10-6 Nm のスプリングを介してモータで回転させる。測定時、粘度計は回転軸が水平面に対して垂直になるように設置する。被検試料1mlをコーンロータの所定の位置(プレート、図1における平円板2に相当)に載置し、温度が35.0℃になるまで放置する。次いで、装置を被検試料の粘度に応じた回転数で回転させ、6分後に、表示された粘度を読み取る。高精度の測定結果を得るために、被検試料測定前に、JIS Z 8809 により規定されている石油系の炭化水素油(ニュートン流体)を校正用標準液として用い、測定値が標準液の粘度に一致するように調整する。この標準液は、20℃、30℃、40℃における粘度が±0.1%の精度で保証されている。なお、TVE-20L形粘度計コーンプレートタイプ以外の市販の機種を用い、上記と同様にコーンロータを選択して実施し、適宜校正することにより、同等の結果を得ることもできる。 【0036】被検試料に、塩化カルシウム溶液を添加して測定する場合には、添加前に上記の方法で粘度を測定した後、塩化カルシウム溶液を添加し、添加後の粘度に応じて装置の回転数を減少させ、同じく6分後に表示された粘度を読み取る。 【0037】(2)M/G比の測定アルギン酸ナトリウムのM/G比は既知の方法(Carbohydrate Research, 32(1974), 217-225)に記載の方法に準じて測定した。即ち、アルギン酸は、MM画分、GG画分、MG画分で加水分解に対する抵抗性と酸に対する溶解性が異なる。そこで、弱塩酸を用いて、MM画分、GG画分、MG画分と切断されるような条件で分解したのち、各画分を常法に従って分画する。次いで、各画分の糖量をフェノール硫酸法で測定し、下記の式にてM/G比を算出する。M/G=(MM画分の糖量+(MG画分の糖量/2))/(GG画分の糖量+(MG画分の糖量/2))【0038】試験例1 アルギン酸ナトリウム溶液のCaイオンによる高粘度化に対する緩衝液の影響実験には、M/Gの異なる3種類のアルギン酸ナトリウム(バイオリアクター用ダックアルギン150G,150及び150M、紀文フードケミファ供給)を用いた。これらアルギン酸ナトリウムの性質は下記の通りである。
各アルギン酸ナトリウム(M/G比=0.5、0.8、1.0)0.2gを、所定のpHに調製された、10mM〜150mMホウ酸緩衝液、50mM酢酸緩衝液、25mMクエン酸緩衝液の各溶液100mlに溶解して調製し、各溶液の粘度をTVE-20L形粘度計コーンプレートタイプを用い、前述の方法に従って測定した。次いで、各溶液1mlに、100mM塩化カルシウム水溶液20μlを添加して混合後直ちに、TV-20形粘度計コーンプレートタイプを用い、前述の測定方法に従い測定した。最終的なカルシウムイオン濃度は1.96mMであり、生理的な濃度(平均約0.1〜3mM)の範囲である。 粘度測定条件:使用ローター:標準ローター(1°34′、R=24mm) 測定条件 :Caイオン添加前の回転数20rpm、Caイオン添加後の回転数0.3rpm試料量 :1mL測定温度 :35℃時間:6分間後の測定値を粘度とした。結果を表1に示す。 【0039】表1 Caイオン添加前後における各緩衝液中、0.2%アルギン酸ナトリウムの粘度【表1】
【0040】表1から、緩衝液非添加溶液(水溶液)の場合に比較して、ホウ酸緩衝液中では、pH約5〜9という広範なpH域で、カルシウムによるアルギン酸の高粘度化が顕著に増強されていることが分かる。一方、酢酸緩衝液やクエン酸緩衝液の場合、それぞれが緩衝能を発揮するpHで緩衝液非添加溶液に比較してむしろ粘度が低下している。さらに、表1から、ホウ酸緩衝液中での高粘度化増強作用はアルギン酸のM/G比に関係なく表れることが分かる。以上の結果は、ホウ酸イオンの使用により、pHやアルギン酸のM/G比にかかわらず、生理的なカルシウムイオン濃度で、組成物の安定的な高粘度化が達成されることを示すものである。 【0041】実施例(1)抗菌性点眼薬の調製抗菌性点眼薬(実施例1〜実施例4)を表2の処方に従って調製した。次いで、得られた点眼剤の塩化カルシウム添加前、及び添加後の粘度を、試験例1に記載の方法に準じて測定した。 調製方法:■表2に従いアルギン酸ナトリウム以外の処方成分を秤取し、約60mLの精製水を加え加熱溶解(約60℃)した。 ■アルギン酸ナトリウムは他の成分を加熱溶解した後、徐々に加えて溶解した。 ■室温に戻した後、0.1N塩酸又は0.1N水酸化ナトリウムを加えて所定のpHに調整し、精製水を加えて100mLにメスアップした。 ■平均孔径0.22μmのセルロースアセテート(CA)メンブランでろ過後、点眼ビンに充填した。 同様の方法で、表2に記載の処方に従って、緩衝液不含の点眼剤(比較例1)及びアルギン酸の代わりに粘稠化剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する点眼剤(比較例2)を調製した。 【0042】表2 処方表(w/v%) 【表2】
*)測定条件:Caイオン添加前の回転数20rpm、Caイオン添加後の回転数0.3rpm1)M/G比=0.5、バイオリアクター用ダックアルギン150G(前掲) 2)Caイオン添加後の回転数を20rpmとして測定した場合の粘度:2.95【0043】(2)人工涙液型点眼薬の調製人工涙液型点眼薬(実施例5〜実施例7)を表3の処方に従って調製した。次いで、得られた点眼剤の塩化カルシウム添加前、及び添加後の粘度を、試験例1に記載の方法に準じて測定した。 調製方法:■表3に従いアルギン酸ナトリウム以外の配合成分を秤取し、約60mLの精製水を加え加熱溶解(約60℃)した。 ■アルギン酸ナトリウムは他の成分を加熱溶解した後、徐々に加えて溶解した。 ■冷後、0.1N塩酸又は0.1N水酸化ナトリウムを加えて所定のpHに調整し、精製水を加えて100mlにメスアップした。 ■平均孔径0.22μmのCAメンブランでろ過後、点眼ビンに充填した。 同様の方法で、表3に記載の処方に従い、アルギン酸ナトリウム不含(の点眼剤(比較例3(ヒドロキシエチルセルロースは含有)及び比較例4)、及びホウ酸緩衝液不含の点眼剤(比較例5)を調製した。 【0044】表3 処方表(w/v%) 【表3】
*)測定条件:Caイオン添加前の回転数20rpm、Caイオン添加後の回転数20rpm1)M/G比=0.5、バイオリアクター用ダックアルギン150G(前掲) 2)測定条件:Caイオン添加前の回転数100rpm、Caイオン添加後の回転数100rpm【0045】(3)点眼薬表4の処方に従って点眼薬(実施例8〜実施例13)を調製した。これらの点眼剤に上記と同様、塩化カルシウム水溶液を添加したところ、ホウ酸又はホウ砂を含有しない処方の組成物に比較して、2倍以上の粘度上昇を示した。 調製方法:■表4に従いアルギン酸ナトリウム以外の配合成分を秤取し、約60mLの精製水を加え加熱溶解(約60℃)した。 ■アルギン酸ナトリウムは他の成分を加熱溶解した後、徐々に加えて溶解した。 ■冷後、0.1N塩酸又は0.1N水酸化ナトリウムを加えて所定のpHに調整し、精製水を加えて100mLにメスアップした。 ■平均孔径0.22μmのCAメンブランでろ過後、点眼ビンに充填した。 【0046】表4 処方表(w/v%) 【表4】
1)実施例8-10、比較例7は、M/G=0.5、実施例11-13は、M/G=1.1の前記アルギン酸ナトリウムを使用。 【0047】(4)点眼薬、点鼻薬上記(2)及び(3)に記載の方法に従い、表5の処方並びに表6の処方により点眼薬(実施例14−25)を調製した。同様に、上記(2)及び(3)に記載の方法に準じて、表6の処方により点鼻薬(実施例26−27)を調製し、点鼻用容器に充填した。 【0048】表5 処方表(W/V%) 【表5】
1)実施例14-15、実施例19は、M/G=0.5、実施例16-18、実施例20は、M/G=1.1のアルギン酸ナトリウム(前掲)を使用【0049】表6 処方表(w/v%) 【表6】
1)実施例21-22、実施例26は、M/G=0.5、実施例23-24、実施例27は、M/G=1.1のアルギン酸ナトリウム(前掲)を使用2)実施例25は、M/G=0.5のアルギン酸(前掲)を使用【0050】試験例2 点眼剤の前眼部滞留性試験家兎(雄、日本白色種2〜3Kg)3羽を用いて試験を行った。家兎は瞬膜を除去し、1週間以上訓化したものを用いた。各試験液の投与は兎の同一眼を用い、1週間の間隔をあけて各溶液の投与を行った。 試験1:実施例1、比較例1、比較例2の各組成物及び生理食塩水に、フルオレセイン濃度が0.001%となる様に添加し、良く混合して調製し、滞留試験を行った。 試験2:実施例5、比較例3の各組成物び生理食塩水に、フルオレセイン濃度が0.001%となる様に添加し、よく混合して調製し、滞留試験を行った。 方法:予め保てい器に固定したおいた家兎5羽に試験液30μLをマイクロピペットにて点眼した。点眼後直ちに眼に光を照射し、強制瞬目を10回行い、試験0時間とした。アンテリアフルオロメーター(FL-500,興和)により涙液メニスカスの蛍光強度を適当な時間間隔を置いて測定し、蛍光強度の減少から涙液中の薬物の消失速度を評価した。なお、各測定時毎、光照射による強制瞬目を5回行った。試験1の結果を図2に、試験2の結果を図3に示す。図2及び図3から、初期第1相の速い薬物消失速度は、実施例1及び実施例5のいずれの場合も、比較例や生理食塩水よりも遅いことが分かる。また、第1相から第2相への移行時間は、実施例の場合、点眼後約20分以上、比較例の場合、10〜20分、生理食塩水の場合、5〜15分であり、実施例の製剤の場合に、より滞留性の延長が認められた。 【0051】試験例3 点眼剤の前眼部滞留性試験被験者10人に対して、実施例9及び比較例7の点眼剤を用いて、清涼感の持続性を基準として、前眼部への滞留性試験を行った。まず、被験者は、任意の片眼に、各試験液2滴を点眼し、点眼後、清涼感が消失するまでの時間を測定し、滞留(持続)時間とした。試験中、被験者は自由にまばたきを行った。2時間以上間隔をあけて、同側の目に別の試験液2滴を点眼し、清涼感の持続時間を測定した。被験者全てから得た持続時間の均値を求めた。結果を下記の表に示す。 【表7】
【0052】 【発明の効果】本発明の液状組成物においては、ホウ酸またはその塩の存在により、広範囲のpHで製剤化が可能であることから、薬物の安定性に優れた組成物を提供できる。更に、本発明の液状組成物においては、生体の適用部位での滞留性が向上しているので、薬物等の有効成分が局所に滞留して持続的に作用するという特徴を有する。また、生体由来の流体との接触によるアルギン酸の高粘度化が増強されているので、粘度の低い製剤として提供することができ、投与時のネバネバ感も少なく使用感が優れている。即ち、投与前には粘度が低く、流動性がよいので適用する部位に一定量を投与するまたは塗布することが容易であり、しかも、投与後速やかに高粘度化するので、有効成分が投与部位全体にわたって滞留し、長時間持続的に効果を発揮する。また、保水効果も大いに期待できる。従って、本発明の組成物は医薬品、医薬部外品などに用いることができ、特に点眼剤、点鼻剤、口腔用剤、膣用剤、座剤、外用剤などに有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000115991 【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年3月7日(2002.3.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062144 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−332249(P2002−332249A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月22日(2002.11.22) |
| 【出願番号】 |
特願2002−61761(P2002−61761) |
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