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【発明の名称】 育毛剤組成物
【発明者】 【氏名】上門 潤一郎

【氏名】藤井 一樹

【氏名】金山 勝美

【要約】 【課題】育毛作用が優れ、しかも頭皮に対して好ましくない刺激を与えることがない安全性の高い育毛剤組成物を提供する。

【解決手段】褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタを含有させて育毛剤組成物を調製する。上記褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタの含有量としては、その固形分として0.005〜15重量%が好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタを含有することを特徴とする育毛剤組成物。
【請求項2】 上記褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタの含有量が、その固形分として0.005〜15重量%である請求項1記載の育毛剤組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、育毛剤組成物に関し、さらに詳しくは、優れた育毛作用を有し、しかも頭皮に対して好ましくない刺激を与えることがない安全性の高い育毛剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から頭髪用化粧品や医薬品、医薬部外品などの分野で、多数の育毛剤組成物が提案されており、その育毛剤組成物には、一般に、毛根に浸透して血管を拡張し、血行を促進したり、毛乳頭を刺激して、毛髪の生成を促進する育毛成分や、清涼感を与える成分、殺菌作用を有する成分、フケやカユミを防止する成分などが配合されている。そして、その育毛成分としては、例えば、女性ホルモン、ビタミンE、パントテン酸、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、センブリエキス、セファランチンなどが配合されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような従来の育毛成分が配合された育毛剤組成物では、充分な育毛作用が得られず、しかも、頭皮に対して好ましくない刺激を与えるという問題も有していた。
【0004】したがって、本発明は、優れた育毛作用を有し、しかも頭皮に対して好ましくない刺激を与えることがない安全性の高い育毛剤組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、褐藻類(Phaeophyta)に属するコンブ属のラミナリアアンガスタ(Laminaria angusta)を育毛成分として含有させて育毛剤組成物を調製するときは、優れた育毛作用を有し、しかも頭皮に対して好ましくない刺激を与えることがない安全性の高い育毛剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において用いる褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタは、海藻の一種であって、その代表的な棲息地は北海道の太平洋側の日高地方の海中である。
【0007】本発明においては、上記褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタの全部位が使用可能であり、全草を使用してもよいし、その茎部、根部などを単独で使用してもよく、また、それらを混合して用いてもよいが、特に葉茎部が好ましい。
【0008】また、本発明において、上記褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタの使用形態は、特に限定されず、乾燥粉末などをそのまま用いてもよいし、また、抽出エキスを用いてもよい。もとより、乾燥粉末と抽出エキスを混合して用いることもできる。
【0009】抽出エキスを用いる場合、その抽出にあたって使用する抽出溶媒としては、特に限定されず、水のほか、無水または含水有機溶媒が用いられる。そのような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブタノール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−オクタノールなどの炭素数1〜8の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメタルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの炭素数2〜6の多価アルコールまたはその誘導体、アセトン、メチルアセトン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、メチル−n−プロピルケトンなどの炭素数3〜6のケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどの炭素数4〜5のエステル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテルなどの炭素数4〜8のエーテルや石油エーテル、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタンなどの炭素数4〜8の脂肪族炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエチレンなどの炭素数1〜2の脂肪族炭化水素のハロゲン化物、ベンゼン、トルエンなどの炭素数6〜7の芳香族炭化水素などの無水または含水有機溶媒が挙げられる。
【0010】そして、上記抽出溶媒により得られた抽出液から溶媒を留去して得られた抽出エキスを育毛成分として用いて育毛剤組成物を調製することができる。なお、抽出溶媒として水を用いた場合には、水は皮膚に対する安全性が高いため、抽出液から溶媒を留去することなく、そのまま育毛成分として用いて育毛剤組成物を調製することができる。このようにして得られた褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタの抽出エキスは、後述する実施例からも明らかなように優れた育毛作用を有しており、また、天然物由来であることから、頭皮に対して好ましくない刺激を与えることなく、安全性においても優れている。上記褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタの抽出エキスとしては、例えば、株式会社テクノーブルからM−034の商品名で市販されていて、本発明において好適に用いられる。
【0011】本発明の育毛剤組成物は、上記した褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタを必須成分として含有するが、その褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタの含有量としては、特に限定されることはないものの、褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタの固形分(抽出エキスの場合には、抽出に用いた褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタの乾燥固形分)として、全育毛剤組成物中0.005重量%以上とするのが好ましく、0.005重量%より少ない場合は褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタの効果を充分に発現できないおそれがあり、0.005〜15重量%とすることがより好ましい。
【0012】本発明の育毛剤組成物には、上記褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタ以外に、必要に応じて、例えば、エチニルエストラジオール、オキセンドロン、エストラジオール、エストロン、プレグナンジオールなどの女性ホルモン剤、ビタミンEまたはその誘導体、センブリエキス、ニンニクエキス、セファランチン、塩化カルプロニウム、アセチルコリンなどの血行促進剤、トウガラシチンキ、カンタリスチンキ、ショウキョウチンキ、ノニル酸バニルアミドなどの局所刺激剤、サリチル酸、レゾルシン、乳酸などの角質溶解剤、プラセンタエキス、ペンタデカン酸グリセリド、パントテニールエチルエーテル、ビチオン、ヒノキチオール、アラントインなどの代謝賦活剤、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸などの消炎剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ジンクピリジオン、ヒノキチオールなどの殺菌剤、メントール、カンフルなどの清涼剤などを適宜配合することができる。
【0013】さらに、アルコール、多価アルコール、水溶性高分子、酸化防止剤、pH調整剤、紫外線防止剤、金属イオン封鎖剤、増粘剤、界面活性剤、精製水、香料、防腐剤、抗菌剤、油剤、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、保湿剤、色素などの通常の化粧品成分、あるいはホルモン類、ビタミン類、アミノ酸類、収れん剤、胎盤抽出エキス、エラスチン、コラーゲン、ムコ多糖、アロエ抽出エキス、ヘチマ水、ローヤルゼリー、バーチ、ニンジンエキス、カモミラエキス、甘草エキス、サルビアエキス、アルテアエキス、セイヨウノコギリソウエキスなどの生薬成分をはじめとする動植物抽出成分などの特殊配合成分を必要に応じて適宜配合してもよい。
【0014】なお、本発明の育毛剤組成物は、化粧品、医薬部外品あるいは医薬品として用いることができ、例えば、化粧品においては、通常に育毛剤として呼ばれているもの以外にも、例えば、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアトリートメントとしての状態で育毛剤組成物を調製してもよい。
【0015】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例などにおいて、濃度を表す際の%は、特にその基準を付記しないかぎり、重量%である。
【0016】実施例1褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタの水抽出エキスであるM−034(商品名、株式会社テクノーブル製)を該ラミナリアアンガスタの乾燥固形分として2.5%含有するエタノール溶液を実施例1の検体とした。
【0017】比較例11,3−ブチレングリコールを2.5%含有するエタノール溶液を比較例1の検体とした。
【0018】上記実施例1および比較例1の検体について次に示す試験方法でその育毛作用を比較した。
【0019】試験方法C3H/Hez Crjマウス(8適齢、体重21〜26g)を1週間以上馴化飼育した後、異常のなかったものについて、背部被毛を電気バリカンで約2cm×4cmの広さに毛刈りし、さらに電気シェーバーにて除毛し、検体の投与部位とした。除毛してから3日後、10匹のマウスを1群とし、実施例1および比較例1の各検体をそれぞれの群のマウスに連続19日間、100μlずつ、1日1回午前中に塗布した。試験期間中、マウスは温度22±2℃、相対湿度55±15%、換気回数20回/時、照射時間を午前6時から午後6時に設定した飼育室で、プラスチックケージ(14.5cm×26cm×12.5cm)を用いて5匹ずつ飼育した。
【0020】検体塗布後1日目、5日目、以後2日間隔で19日目まで、検体塗布部位の状態を観察し、以下の評価基準に従ってスコアを付け、10匹の平均値を算出した。その結果を表1に示す。
【0021】評価基準:皮膚がピンク色を呈する ・・・0点皮膚が灰色に変化(100%未満)・・・1点皮膚が灰色に変化(100%) ・・・2点発毛が茶色に変化(100%未満)・・・3点発毛が茶色に変化(100%) ・・・4点発毛が黒色に変化 ・・・5点【0022】
【表1】

【0023】表1に示す結果から明らかなように、実施例1の検体を塗布したマウスの群は、塗布後7日目から、比較例1の検体を塗布したマウスの群に比べて、点数が大きくなり、褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタが優れた育毛作用を有していることが明らかであった。
【0024】実施例2下記の処方で実施例2の育毛剤組成物を調製した。
褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタ 2.5%の抽出エキス(ただし、乾燥固形分として)
政府所定変性アルコール 40.0%D−パントテニルアルコール 0.3%パントテニールエチルエーテル 0.3%β−グリチルレチン酸 0.1%タマサキツツラフジアルカロイド 0.002%1−メントール 0.15%乳酸ナトリウム液(50%) 0.4%ニンジンエキス 1.5%セイヨウハッカエキス 0.1%センブリエキス 0.03%1,3−ブチレングリコール 0.27%香料 0.11%精製水 計100.0%とする【0025】上記実施例2の育毛剤組成物を脱毛症の被験者に使用して、その育毛効果を調べた。その試験方法、育毛効果の評価基準および育毛効果の評価結果は次に示す通りである。
【0026】試験方法:被験者として、女性円形脱毛症9人、男性円形脱毛症1人、女性びまん性脱毛症3人、男性全頭脱毛症1人、女性全頭脱毛症1人の計15人を選び、それらの被験者に対して、1日2回朝晩、3カ月間にわたって実施例2の育毛剤組成物を1mlづつ頭皮に塗布し、その塗布後、軽くマッサージして、その育毛効果を調べた。
【0027】育毛効果の評価基準:育毛効果の評価は、抜け毛が少なくなったと本人が自覚した場合、または抜け毛が客観的に少なくなった場合、円形脱毛症の場合その脱毛部の大きさの拡大が止まった場合、毛根から新生毛が観察できた場合を有効とし、それ以外を無効と評価した。
【0028】育毛効果の評価結果:男性全頭脱毛症1人、女性全頭脱毛症1人については有効性が確認されなかったが、男性円形脱毛症1人、女性円形脱毛症9人、女性びまん性脱毛症3人に対しては約1カ月の使用で脱毛が減るなどの実施例2の育毛剤組成物の有効性が確認された。
【0029】実施例3下記の処方で実施例3の育毛剤組成物を調製した。
褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタ 5.0%の粉砕物D−パントテニルアルコール 0.3%パントテニールエチルエーテル 0.3%ヒノキチオール 0.05%香料 0.1%エタノール 40.0%精製水 計100.0%とする【0030】この実施例3の育毛剤組成物についても、前記実施例2の育毛剤組成物の場合と同様に、その育毛効果を調べたところ、実施例2の育毛剤組成物の場合と同様の育毛効果が認められた。
【0031】実施例4下記の処方で実施例4のエアゾール式育毛剤組成物を調製した。
原液: 褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタ 5.0% の抽出エキス(ただし、固形分として)
セファランチン 0.002% グリチルリチン酸ジカリウム 0.1% シソエキス 1.0% 香料 0.05% エタノール 65.0% 精製水 計100.0%とする【0032】
噴射剤: LPG(20℃ 1.5kg/cm2 ) 86.2% 窒素 13.8%【0033】
エアゾール式育毛剤組成物の組成: 原液 97.11% 噴射剤 2.89%【0034】この実施例4の育毛剤組成物についても、前記実施例2の育毛剤組成物の場合と同様に、その育毛効果を調べたところ、実施例2の育毛剤組成物の場合と同様の育毛効果が認められた。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、育毛作用が優れ、しかも頭皮に対して好ましくない刺激を与えることがない安全性の高い育毛剤組成物を提供することができた。すなわち、本発明の育毛剤組成物に用いた褐藻類に属するコンブ属のラミナリアアンガスタは、優れた育毛作用を有し、また、天然物由来であるから安全性が優れており、したがって、本発明の育毛剤組成物は、育毛作用が優れ、しかも頭皮に対して好ましくない刺激を与えることがなく、安全性が優れていた。
【出願人】 【識別番号】592255176
【氏名又は名称】株式会社ミルボン
【出願日】 平成13年5月9日(2001.5.9)
【代理人】 【識別番号】100078064
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 鐵雄
【公開番号】 特開2002−332240(P2002−332240A)
【公開日】 平成14年11月22日(2002.11.22)
【出願番号】 特願2001−138117(P2001−138117)