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【発明の名称】 抗糖尿病剤
【発明者】 【氏名】河原 有三

【氏名】下田 博司

【氏名】高田 美紀

【氏名】西田 典永

【氏名】吉川 雅之

【要約】 【課題】日常の食生活において容易に入手および摂取でき、それにより食後の過血糖状態を抑制して、糖尿病の発症予防や症状の緩和に有効な、副作用の少ない天然物起源の有効成分を含む抗糖尿病剤を提供すること。

【解決手段】マメ科植物ファネラ・リングア(Phanera lingua)の根および幹からの溶媒抽出物を有効成分として含有する抗糖尿病剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マメ科植物ファネラ・リングア(Phanera lingua)の根および幹からの溶媒抽出物を有効成分として含有する抗糖尿病剤。
【請求項2】 溶媒抽出物が、炭素数1〜8までのアルコール類、水、水と前記アルコール類との混合溶媒、酢酸エチルおよびアセトンから成る群より選択される抽出溶媒を用いて調製される請求項1記載の抗糖尿病剤。
【請求項3】 請求項1記載の抗糖尿病剤を含有する食品。
【請求項4】 請求項1記載の抗糖尿病剤を含有する医薬組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然物由来の有効成分を含有する抗糖尿病剤に関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は、我が国において最も患者数が多い生活習慣病の一つである。糖尿病の特徴は、食事により摂取された炭水化物由来の糖分が消化管から吸収されて血糖となったときに、血糖値が高すぎたり(高血糖または過血糖)、高血糖状態が持続することである。糖尿病はしばしば、肥満を伴い、「糖尿病予備群」と称される軽微な血糖の上昇期を経て発症し得る。糖尿病の中でも、インシュリン非依存性のII型糖尿病が近年増加している。II型糖尿病は、運動不足や不規則な食生活などに起因して発症することが多い。治療には、インシュリンの分泌を促すスルフォニウムウレア系製剤、食後の過血糖を抑制するα-グルコシダーゼ阻害剤、あるいは最近ではインシュリン抵抗性を改善するチアゾリジン系製剤が用いられるが、これら医療用合成製剤は、処方箋を必要とするため、簡易には入手できないばかりか、製剤の投与または服用により種々の副作用を伴うことがある。従って、II型糖尿病の治療に使用される抗糖尿病剤には、特に食後の血糖値上昇を抑制するために消化管から糖分を吸収し難くする作用(例えば、α-グルコシダーゼ阻害作用)を有するものであり、入手が容易でかつ副作用ができるだけ少ないものが求められている。
【0003】入手が容易で副作用の少ないものとしては、有効成分に天然物起源の機能性物質を使用した、いわゆる健康食品が挙げられる。このような健康食品の例としては、小腸からの吸収糖質量を減少させる作用を有する難消化性デキストリンを天然物起源の機能性物質として配合させた食品があり、これは「特定保健用食品」としての承認を得ている。また、α-グルコシダーゼ阻害作用を有する植物・サラキア・レティキュラータ(Salacia reticulata)を有効成分として含む食品も存在する。このような天然物起源物質を配合した食品は、処方箋を必要とせずに必要時に容易に入手できることから、規則的な食事と組み合わせて摂取でき、II型糖尿病の早期治療に有効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、日常の食生活において容易に入手および摂取でき、それにより食後の過血糖状態を抑制して、糖尿病の発症予防や症状の緩和に有効な、副作用の少ない天然物起源の有効成分を含む抗糖尿病剤を提供することであって、その有効な作用(特に食後の血糖値上昇抑制作用を示すこと)が現在まで知られていなかった植物を有効成分として使用する、新規な抗糖尿病剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成するために、種々の未知の植物を探索し、そしてそれらについて各種評価を行なった結果、マメ科(Caesalpiniaceae)の植物ファネラ・リングア(Phanera lingua)を見出した。ファネラ・リングアは、バウヒニア・リングアとも呼ばれ、インドネシアの極限られた熱帯雨林地域に自生する植物である。この植物は、現地では従来、その幹の内部に大量に蓄積された水を飲用したり、解熱作用を得る目的でも使用されているが、この植物に関する科学的研究は過去に全く行われておらず、含有成分や生物活性に関する報告は皆無であった。本発明者らは、ファネラ・リングアの根や幹から得られる溶媒抽出物が、非常に強いα-グルコシダーゼ阻害活性およびα-アミラーゼ阻害活性を示し、さらにはin vivoで実施したラットの糖または澱粉負荷試験においても、強い血糖値上昇抑制作用を示すことを確認し、本発明を完成するに至った。従って、本発明は、マメ科植物ファネラ・リングアの根および幹からの溶媒抽出物を有効成分として含有する抗糖尿病剤を提供するものである。本発明では、別態様として、前記抗糖尿病剤を含有する食品または医薬組成物も提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の第1態様である抗糖尿病剤は、有効成分として、ファネラ・リングアの溶媒抽出物、特にファネラ・リングアの根および幹からの溶媒抽出物を有効成分として含有する。前記有効成分は、一般に以下の方法で調製される。先ず、原材料であるファネラ・リングアの根または幹を、一般的な粉砕手段を用いて粉砕物とする。ここで、粉砕は、特に微粉化するまで行なう必要はなく、前記植物の各部位から有効な成分が十分に溶出し得る程度(例えば、約10mm以下の寸法)まで行なえばよい。この粉砕物を、適した溶媒に加え、加温して抽出する。抽出溶媒としては、メタノール、エタノールなどの炭素数1〜8までのアルコール類、水、水と前記アルコール類との混合溶媒、酢酸エチル、そしてアセトンが挙げられる。特に抽出溶媒として、アルコール系溶媒を使用することが好ましく、最も好ましくは、メタノールおよびエタノールを使用する。抽出温度および抽出時間は、使用される抽出溶媒によって変化してよく、例えば、抽出溶媒としてメタノールを使用する場合、約80℃の温度で約3時間加熱抽出する。抽出後、抽出溶媒を減圧下(例えば、約750mmHg以下)で蒸発させて残渣を濃縮固化することにより、有効成分としての溶媒抽出エキスが得られる。
【0007】こうして調製される溶媒抽出エキスは、このまま使用することで高いα-グルコシダーゼ阻害活性やα-アミラーゼ阻害活性、そして強い血糖値上昇抑制作用を発揮し得るが、必要に応じて、更に精製することにより、これら活性および作用をより高めることも可能である。例えば、上記手順により得られる幹からのアルコール系溶媒(例えば、メタノール)抽出エキスを、酢酸エチル/水(体積比=1/1)混合液を用いて酢酸エチル層と水層に分離し、その酢酸エチル層を40℃以下の温度において減圧下(例えば、約750mmHg以下)で溶媒を蒸発させて除去することにより、酢酸エチル分画を得る。残りの水層中の水可溶分についても、更にn-ブタノール等を用いて分離し、蒸発・固化することで、n-ブタノール分画と残渣である水分画に分けることができる。
【0008】本発明において、抗糖尿病剤は、有効成分として、上記方法で得られるファネラ・リングアの根および幹からの溶媒抽出物またはそれから得られる分画少なくとも1を、例えば成人の1回の服用量につき10〜400mg、好ましくは50〜100mgの量で含有する。換言すれば、本発明の抗糖尿病剤は、その全重量に対し、ファネラ・リングアの根および幹からの溶媒抽出物またはそれから得られる分画少なくとも1を、固形分含量として1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%含有する。
【0009】本発明の第2態様は、前記抗糖尿病剤を含有する食品である。このような食品としては、例えばタブレット、ドリンク、ガム、キャンディー、チュアブル、グミ、ゼリー等が挙げられる。本発明の食品は、抗糖尿病剤の有効成分であるファネラ・リングアの根および幹からの溶媒抽出物またはそれから得られる分画少なくとも1を、例えば成人の1回の服用量につき10〜200mg、好ましくは10〜100mgの量で含有する。換言すれば、本発明の食品は、その全重量に対し、ファネラ・リングアの根および幹からの溶媒抽出物またはそれから得られる分画少なくとも1を、固形分含量として0.2〜15重量%、好ましくは1〜10重量%含有する。
【0010】さらに本発明は、第3態様として、前記抗糖尿病剤を含有する医薬組成物を提供する。詳しくは、本発明の医薬組成物は、抗糖尿病剤の有効成分であるファネラ・リングアの根および幹からの溶媒抽出物またはそれから得られる分画少なくとも1を、例えば成人の1回の服用量につき10〜400mg、好ましくは50〜100mgの量で含有する。換言すれば、本発明の医薬組成物は、その全重量に対し、ファネラ・リングアの根および幹からの溶媒抽出物またはそれから得られる分画少なくとも1を、固形分含量として1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%含有する。
【0011】前記医薬組成物は、抗糖尿病剤中の前記有効成分以外に、医薬分野において常用される既知の他の化合物、および経口投与に適した形態に成型するのに必要な化合物、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、カオリン、タルク、炭酸カルシウムなどを含有してよい。また、前記医薬組成物は、経口投与に適した形状(例えば、粉末、固形剤、液剤)に成型されてよい。
【0012】本発明において、前記医薬組成物は、食事の際に1日3回程度服用するのが好ましい。
【0013】本発明において、抗糖尿病剤、食品または医薬組成物中の前記有効成分(すなわち、ファネラ・リングアの根および幹からの溶媒抽出物またはそれから得られる分画)の含有量および適正な投与量はいずれも、適用対象の年齢や体重等によって適宜変化してよい。
【0014】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 ファネラ・リングアの根および幹のメタノール抽出物および溶媒分画の調製ファネラ・リングアの根の粗砕物(3.7kg)にメタノール(52L)を加えて、80℃で3時間加熱抽出を行った。濾紙で濾過後、濾液を減圧下(約750mmHg以下)において40℃以下で濃縮乾固し、ファネラ・リングアの根からのメタノール抽出物(438.7g、収率:11.86%)を得た。
【0015】一方、ファネラ・リングアの幹の粗砕物(3.2kg)についても、メタノール(40L)を用いて上記と同様の手順で抽出・濃縮を行い、ファネラ・リングアの幹からのメタノール抽出物(309.4g、収率:9.67%)を得た。ここで、ファネラ・リングアの幹からのメタノール抽出物については、以下の精製手順により、別途溶媒を用いて更に液−液分配を行ない、分画を進めた。前記ファネラ・リングアの幹からのメタノール抽出物(10g)を水(100mL)に懸濁し、酢酸エチル(100mL)を加えて分液漏斗にて分配を行った。この操作をさらに2回繰り返した。得られた酢酸エチル可溶部を減圧下(約750mmHg以下)において40℃以下で減圧濃縮して酢酸エチル分画(6.66g、収率:66.6%)を得た。他方、水可溶部にn-ブタノール(100mL)を加えて、2回分配した後、得られたn-ブタノール可溶分を前記酢酸エチル分画と同様の手順で濃縮して、n-ブタノール分画(1.60g、16.0%)を得た。分配後の水可溶部についても、減圧下(約750mmHg以下)、40℃以下で溶媒を留去することによって、水分画(1.48g、14.8%)を得た。
【0016】こうして調製されたファネラ・リングアの根および幹からのメタノール抽出物、および前記幹由来のメタノール抽出物から得られた各分画(酢酸エチル分画、n-ブタノール分画および水分画)について、α-グルコシダーゼ阻害活性およびα-アミラーゼ阻害活性、およびさらには血糖値上昇抑制作用を評価するために、以降の実施例2〜4に記載の各試験に付した。
【0017】実施例2:ラット小腸由来α-グルコシダーゼ(スクラーゼ、マルターゼおよびイソマルターゼ)阻害活性試験Wistar系雄性ラット(体重120〜150g)をエーテル麻酔により安楽死させて開腹し、空腸部をトライツ靭帯から下方へ20 cmにわたって摘出した。切開した空腸内部を氷冷した生理食塩水で洗浄後、粘膜をスライドガラスのエッジを用いてこそぎとり、50mMマンニトール含有2mMトリス・塩酸緩衝液(pH 7.1)を加えて、氷冷しながらテフロン(登録商標)ホモジナイザーを用いて微細化した。これに塩化カルシウムを10mMになるように添加し、4℃で15分放置後に遠心分離(3,000xg、4℃、15分)を行った。得られた上清を、さらに遠心分離(27,000xg、4℃、30分)し、沈殿部(刷子縁膜分画)を得た。これを0.1 Mマレイン酸緩衝液(pH 6.0)に懸濁し、Lowly法でタンパク量を測定した後、試験に供するまで−20℃で保存した。
【0018】実施例1で調製したファネラ・リングアの根および幹からのメタノール抽出物およびファネラ・リングアの幹からのメタノール抽出物から得られた各分画をそれぞれ0.1Mマレイン酸緩衝液(pH 6.0)で段階希釈して、サンプル溶液(各50μL)とした。サンプル溶液と基質(スクロースおよびマルトース:74mM、イソマルトース:7.4mM)100μLを試験管内でそれぞれ混合し、プレインキュベート(37℃、3分)を行った。ここで、ファネラ・リングアの根および幹からのメタノール抽出物を含むサンプル溶液にはそれぞれ、スクロース、マルトースおよびイソマルトースを添加したが、ファネラ・リングアの幹由来のメタノール抽出物からの各分画サンプル溶液については、スクロースについてのみ評価を行なった。これらに、緩衝液で希釈(対照群のグルコース生成量が、スクロース:5mg/dL、マルトース、イソマルトース:10mg/dLになるように調製)した粗α-グルコシダーゼ画分(50μL)をそれぞれ添加し、30分間反応させた後、精製水(800μL)を加えた。沸騰水浴中に試験管をそれぞれ2分間浸漬し、冷却後、各サンプルについて、生成した各種基質由来のグルコース量をムタロターゼ・グルコースオキシダーゼ法(グルコースCIIテストワコー、和光純薬工業)を用いて測定した。測定結果(IC50)をそれぞれ表1に示す。
【0019】
【表1】

【0020】表1の結果より、根および幹のメタノール抽出物が、強いα-グルコシダーゼ阻害活性を示すことがわかる。ここで、最も強い活性が認められた幹由来のメタノール抽出物について、それからの各分画(酢酸エチル分画、n-ブタノール分画および水分画)のスクラーゼ阻害活性をさらに詳しく検討したところ、下記表2に示すように、酢酸エチル分画およびn-ブタノール分画の活性が特に強いことが判明した。
【0021】
【表2】

【0022】実施例3 α-アミラーゼ阻害試験0.25M リン酸緩衝液(pH7.0)で希釈したファネラ・リングアの幹由来のメタノール抽出物(25μL)と可溶性デンプン(20mg/mL、キシダ化学製)50μLを混合し、プレインキュベート(37℃、5分)を行った。これに緩衝液で希釈したブタ膵臓由来アミラーゼ(4 unit/mL、シグマ製)25μLを添加して30分間反応後、0.1N 塩酸(1mL)を添加して反応を停止した。反応液(100μL)を採取して0.01M ヨウ素試液(2mL)と混合し、660nmにおける吸光度を測定した。結果を表3に示す。ここで、表3には、α-アミラーゼによる分解能を50%阻害するのに要するサンプル液の濃度(IC50)と、サンプル液の濃度が300μg/mLの場合の阻害率をそれぞれ示している。
【0023】
【表3】

【0024】実施例4 ラット各種糖質負荷試験20〜24時間絶食したWistarラット(体重120〜150g)に、5%(w/v)アラビアゴムとともに懸濁したファネラ・リングアの幹由来のサンプルを経口投与(5mL/kg)し、その30分後に各種糖質[スクロース:1g/kg、マルトースおよびグルコース:0.5g/kg、寒梅粉(デンプン):1.0g/kg]を経口投与した。さらにその30分後に、エーテル軽麻酔下で眼窩静脈嚢より採血を行って血清を分離し、グルコース濃度(血糖値)をムタロターゼ・グルコースオキシダーゼ法(グルコースCIIテストワコー、和光純薬工業社)を用いて測定した。結果を表4、5、6および7に示す。
【0025】
【表4】

アスタリスク**は、コントロールとの有意差p<0.01を表す【0026】
【表5】

アスタリスク**は、コントロールとの有意差p<0.01を表す【0027】
【表6】

アスタリスク**およびは、コントロールとの有意差p<0.01またはp<0.05をそれぞれ表す。
【0028】
【表7】

アスタリスク**は、コントロールとの有意差p<0.01を表す。
【0029】表4〜7の結果から、ファネラ・リングアの幹由来のメタノール抽出物やそれから得られた分画がいずれも、各種糖質によって惹起された血糖値の上昇を抑制することが分かる。とりわけ、ファネラ・リングアの幹由来のメタノール抽出物を使用した場合に、スクロース負荷時における血糖値上昇抑制作用が特に強いことが分かる。
【0030】以下の実施例5には、抽出溶媒としてメタノールの代わりにエタノールを使用したこと以外は前記実施例1と同様の手順で調製した本発明の抗糖尿病剤有効成分(ファネラ・リングアの根または幹からのエタノール抽出エキス)を配合するチュアブル錠の製剤処方例を、および実施例6には、実施例5と同様の抗糖尿病剤有効成分を含むドリンク剤の製造例をそれぞれ示しているが、これらは例示であって、本発明は特にこれらに制限されるものではない。
実施例5:チュアブル錠の製造【表8】〔処方〕

【0031】〔製法〕上記組成において、香料、ハッカ、タイム、ショ糖脂肪酸エステルを除いた材料を、ミルでよく混合した後、蒸留水を加えて成型可能な適当な粘度まで練合する。ここに、ハッカ、タイム、ショ糖脂肪酸エステルを加えてさらに練合した後、最後に香料を加えて、押し出し造粒にて顆粒を作製する。顆粒を40℃で乾燥後、打錠機を用いて成形し、本発明の抗糖尿病剤含有チュアブル錠を得た。
【0032】実施例5:ドリンク剤の製造【表9】〔処方〕

【0033】〔製法〕前記組成を全て蒸留水800mLに溶解し、さらに蒸留水を加えて全量1000mLとした後、0.22μmの除菌フィルターで滅菌し、100mLずつ褐色びんに無菌充填することにより、実施例1で調製した本発明の抗糖尿病剤有効成分を1剤あたり200mg含有するドリンク剤を製造した。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、マメ科植物ファネラ・リングアの根および幹からの溶媒抽出物は、ラット小腸刷子縁膜から調製した粗酵素分画であるスクラーゼやα-グルコシダーゼの糖加水分解活性とブタ膵臓由来のアミラーゼによる澱粉分解活性を有効に阻害し、更にはin vivoで実施したラットのスクロース、マルトースおよびデンプン負荷試験においても、強い血糖値上昇抑制作用を示すことから、有効な抗糖尿病剤であることが分かる。特に、ファネラ・リングアの幹からの溶媒抽出物から得られる更なる分画は、スクラーゼ阻害活性に優れている。これらの知見に加えて、本発明によれば、ファネラ・リングアの根および幹からの溶媒抽出物が、単糖であるグルコース負荷試験においても有意な血糖値上昇抑制作用を示すため、これら溶媒抽出物を有効成分として含むことで、α-グルコシダーゼ阻害作用の他にグルコース吸収抑制作用をも併せ持つ、新しいタイプの抗糖尿病剤が提供される。
【0035】本発明の抗糖尿病剤は、医薬組成物のみならず日常摂取される食品にも含有できることから、抗糖尿病剤の入手および摂取(投与)が何人にも容易となり、それによって糖尿病の発症を有効に予防でき、発症後の症状の緩和にも非常に役立つ。
【出願人】 【識別番号】000191755
【氏名又は名称】森下仁丹株式会社
【出願日】 平成13年5月9日(2001.5.9)
【代理人】 【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開2002−332239(P2002−332239A)
【公開日】 平成14年11月22日(2002.11.22)
【出願番号】 特願2001−138533(P2001−138533)