| 【発明の名称】 |
うつ病を処置するおよび認識機能衰退を防止する方法およびキット |
| 【発明者】 |
【氏名】ウェズリー・ウォーレン・デイ
【氏名】アンドリュー・ジョージ・リー
【氏名】デーヴィッド・デュアン・トンプソン
【氏名】チャールズ・デーヴィッド・ペトリー
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| 【要約】 |
【課題】うつ病の処置および認識機能衰退の防止の方法およびキットを提供する。
【解決手段】本発明は、うつ病、閉経周辺期うつ病、精神分裂病、不安、パニック発作、過食、社会的恐怖症を処置するまたは認識機能衰退を防止するための医薬組成物であって、これを必要としている患者に治療的有効量の式I【化1】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 うつ病または閉経周辺期うつ病を処置するための医薬組成物であって、それを必要としている患者に、治療的有効量の式I【化1】
[式中、Aは、CH2およびNRより選択され;B、DおよびEは、独立して、CHおよびNより選択され;Yは、(a)フェニルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (b)ナフチルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (c)C3−C8シクロアルキルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (d)C3−C8シクロアルケニルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (e)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する5員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (f)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する6員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの;若しくは(g)フェニル環に縮合した5員または6員複素環式環から成る二環式環系であって、該複素環式環は−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり; Z1は、(a)−(CH2)pW(CH2)q−; (b)−O(CH2)pCR5R6−; (c)−O(CH2)pW(CH2)q−; (d)−OCHR2CHR3−;若しくは(e)−SCHR2CHR3−であり; Gは、(a)−NR7R8; (b) 【化2】
(式中、nは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;Z2は、−NH−、−O−、−S−若しくは−CH2−である)であって、隣接する炭素原子上において1個または2個のフェニル環と縮合していてよいし、炭素上に独立して1〜3個の置換基でおよび窒素上に独立してR4より選択される化学的に適当な置換基で置換されていてよいもの;若しくは(c)5〜12個の炭素原子を含有する二環式アミンであって、架橋しているか若しくは縮合していて、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;またはZ1およびGは、組合せて、【化3】
であってよく;Wは、(a)−CH2−; (b)−CH=CH−; (c)−O−; (d)−NR2−; (e)−S(O)n−; (f) 【化4】
; (g)−CR2(OH)−; (h)−CONR2−; (i)−NR2CO−; (j) 【化5】
;若しくは(k)−C≡C−であり; Rは、水素若しくはC1−C6アルキルであり;R2およびR3は、独立して、(a)水素;若しくは(b)C1−C4アルキルであり; R4は、(a)水素; (b)ハロゲン; (c)C1−C6アルキル; (d)C1−C4アルコキシ; (e)C1−C4アシルオキシ; (f)C1−C4アルキルチオ; (g)C1−C4アルキルスルフィニル; (h)C1−C4アルキルスルホニル; (i)ヒドロキシ(C1−C4)アルキル; (j)アリール(C1−C4)アルキル; (k)−CO2H; (l)−CN; (m)−CONHOR; (n)−SO2NHR; (o)−NH2; (p)C1−C4アルキルアミノ; (q)C1−C4ジアルキルアミノ; (r)−NHSO2R; (s)−NO2; (t)−アリール;若しくは(u)−OHであり; R5およびR6は、独立して、C1−C8アルキルであり、若しくは一緒になって、C3−C10炭素環式環を形成し;R7およびR8は、独立して、(a)フェニル; (b)飽和若しくは不飽和のC3−C10炭素環式環; (c)−O−、−N−および−S−より選択される2個までのヘテロ原子を含有するC3−C10複素環式環; (d)H; (e)C1−C6アルキル;若しくは(f)R5若しくはR6を含む3〜8員窒素含有環であり; R7およびR8は、直鎖状か若しくは環の形で、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシおよびカルボキシより独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく;R7およびR8によって形成される環は、フェニル環に縮合していてもよく;eは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;nは、0、1若しくは2であり;pは、0、1、2若しくは3であり;qは、0、1、2若しくは3である]を有するエストロゲンアゴニスト/アンタゴニスト;またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグを投与することを含む、前記医薬組成物。 【請求項2】 エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストが、式(IA) 【化6】
(式中、Gは、【化7】
であり;R4は、H、OH、FまたはClであり;そしてBおよびEは、独立して、CHおよびNより選択される)を有する化合物、またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項1に記載の医薬組成物。 【請求項3】 エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストが、(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールまたはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項1に記載の医薬組成物。 【請求項4】 エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストが、D−酒石酸塩の形である、請求項3に記載の医薬組成物。 【請求項5】 精神分裂病、不安、パニック発作、過食または社会的恐怖症を処置するための医薬組成物であって、それを必要としている患者に、治療的有効量の式I【化8】
[式中、Aは、CH2およびNRより選択され;B、DおよびEは、独立して、CHおよびNより選択され;Yは、(a)フェニルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (b)ナフチルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (c)C3−C8シクロアルキルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (d)C3−C8シクロアルケニルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (e)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する5員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (f)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する6員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの;若しくは(g)フェニル環に縮合した5員または6員複素環式環から成る二環式環系であって、該複素環式環は−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;Z1は、(a)−(CH2)pW(CH2)q−; (b)−O(CH2)pCR5R6−; (c)−O(CH2)pW(CH2)q−; (d)−OCHR2CHR3−;若しくは(e)−SCHR2CHR3−であり; Gは、(a)−NR7R8; (b) 【化9】
(式中、nは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;Z2は、−NH−、−O−、−S−若しくは−CH2−である)であって、隣接する炭素原子上において1個若しくは2個のフェニル環と縮合していてよいし、炭素上に独立して1〜3個の置換基でおよび窒素上に独立してR4より選択される化学的に適当な置換基で置換されていてよいもの;若しくは(c)5〜12個の炭素原子を含有する二環式アミンであって、架橋しているか若しくは縮合していて、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;またはZ1およびGは、組合せて、【化10】
であってよく;Wは、(a)−CH2−; (b)−CH=CH−; (c)−O−; (d)−NR2−; (e)−S(O)n−; (f) 【化11】
; (g)−CR2(OH)−; (h)−CONR2−; (i)−NR2CO−; (j) 【化12】
;若しくは(k)−C≡C−であり;Rは、水素またはC1−C6アルキルであり;R2およびR3は、独立して、(a)水素;若しくは(b)C1−C4アルキルであり; R4は、(a)水素; (b)ハロゲン; (c)C1−C6アルキル; (d)C1−C4アルコキシ; (e)C1−C4アシルオキシ; (f)C1−C4アルキルチオ; (g)C1−C4アルキルスルフィニル; (h)C1−C4アルキルスルホニル; (i)ヒドロキシ(C1−C4)アルキル; (j)アリール(C1−C4)アルキル; (k)−CO2H; (l)−CN; (m)−CONHOR; (n)−SO2NHR; (o)−NH2; (p)C1−C4アルキルアミノ; (q)C1−C4ジアルキルアミノ; (r)−NHSO2R; (s)−NO2; (t)−アリール;若しくは(u)−OHであり; R5およびR6は、独立して、C1−C8アルキルであり、若しくは一緒になって、C3−C10炭素環式環を形成し;R7およびR8は、独立して、(a)フェニル; (b)飽和若しくは不飽和のC3−C10炭素環式環; (c)−O−、−N−および−S−より選択される2個までのヘテロ原子を含有するC3−C10複素環式環; (d)H; (e)C1−C6アルキル;若しくは(f)R5若しくはR6を含む3〜8員窒素含有環であり; R7およびR8は、直鎖状か若しくは環の形で、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシおよびカルボキシより独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく;R7およびR8によって形成される環は、フェニル環に縮合していてもよく;eは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;nは、0、1若しくは2であり;pは、0、1、2若しくは3であり;qは、0、1、2若しくは3である]を有するエストロゲンアゴニスト/アンタゴニスト;またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグを投与することを含む、前記医薬組成物。 【請求項6】 エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストが、式(IA) 【化13】
(式中、Gは、【化14】
であり;R4は、H、OH、F若しくはClであり;そしてBおよびEは、独立して、CHおよびNより選択される)を有する化合物、またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項5に記載の医薬組成物。 【請求項7】 エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストが、(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールまたはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩またはプロドラッグである、請求項5に記載の医薬組成物。 【請求項8】 エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストが、D−酒石酸塩の形である、請求項7に記載の医薬組成物。 【請求項9】 認識機能衰退を防止するための医薬組成物であって、それを必要としている患者に、治療的有効量の式I【化15】
[式中、Aは、CH2およびNRより選択され;B、DおよびEは、独立して、CHおよびNより選択され;Yは、(a)フェニルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (b)ナフチルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (c)C3−C8シクロアルキルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (d)C3−C8シクロアルケニルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (e)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する5員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (f)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する6員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの;若しくは(g)フェニル環に縮合した5員または6員複素環式環から成る二環式環系であって、該複素環式環は−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;Z1は、(a)−(CH2)pW(CH2)q−; (b)−O(CH2)pCR5R6−; (c)−O(CH2)pW(CH2)q−; (d)−OCHR2CHR3−;若しくは(e)−SCHR2CHR3−であり; Gは、(a)−NR7R8; (b) 【化16】
(式中、nは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;Z2は、−NH−、−O−、−S−若しくは−CH2−である)であって、隣接する炭素原子上において1個若しくは2個のフェニル環と縮合していてよいし、炭素上に独立して1〜3個の置換基でおよび窒素上に独立してR4より選択される化学的に適当な置換基で置換されていてよいもの;若しくは(c)5〜12個の炭素原子を含有する二環式アミンであって、架橋しているか若しくは縮合していて、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;またはZ1およびGは、組合せて、【化17】
であってよく;Wは、(a)−CH2−; (b)−CH=CH−; (c)−O−; (d)−NR2−; (e)−S(O)n−; (f) 【化18】
; (g)−CR2(OH)−; (h)−CONR2−; (i)−NR2CO−; (j) 【化19】
;若しくは(k)−C≡C−であり; Rは、水素若しくはC1−C6アルキルであり;R2およびR3は、独立して、(a)水素;若しくは(b)C1−C4アルキルであり; R4は、(a)水素; (b)ハロゲン; (c)C1−C6アルキル; (d)C1−C4アルコキシ; (e)C1−C4アシルオキシ; (f)C1−C4アルキルチオ; (g)C1−C4アルキルスルフィニル; (h)C1−C4アルキルスルホニル; (i)ヒドロキシ(C1−C4)アルキル; (j)アリール(C1−C4)アルキル; (k)−CO2H; (l)−CN; (m)−CONHOR; (n)−SO2NHR; (o)−NH2; (p)C1−C4アルキルアミノ; (q)C1−C4ジアルキルアミノ; (r)−NHSO2R; (s)−NO2; (t)−アリール;若しくは(u)−OHであり; R5およびR6は、独立して、C1−C8アルキルであり、若しくは一緒になって、C3−C10炭素環式環を形成し;R7およびR8は、独立して、(a)フェニル; (b)飽和若しくは不飽和のC3−C10炭素環式環; (c)−O−、−N−および−S−より選択される2個までのヘテロ原子を含有するC3−C10複素環式環; (d)H; (e)C1−C6アルキル;若しくは(f)R5若しくはR6を含む3〜8員窒素含有環であり; R7およびR8は、直鎖状か若しくは環の形で、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシおよびカルボキシより独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく;R7およびR8によって形成される環は、フェニル環に縮合していてもよく;eは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;nは、0、1若しくは2であり;pは、0、1、2若しくは3であり;qは、0、1、2若しくは3である]を有するエストロゲンアゴニスト/アンタゴニスト;またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグを投与することを含む、前記医薬組成物。 【請求項10】 エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストが、式(IA) 【化20】
(式中、Gは、【化21】
であり;R4は、H、OH、F若しくはClであり;そしてBおよびEは、独立して、CHおよびNより選択される)を有する化合物、またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項9に記載の医薬組成物。 【請求項11】 エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストが、(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールまたはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩またはプロドラッグである、請求項9に記載の医薬組成物。 【請求項12】 エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストが、D−酒石酸塩の形である、請求項11に記載の医薬組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、うつ病、閉経周辺期うつ病、精神分裂病、不安、パニック発作、過食、社会的恐怖症を処置するまたは認識機能衰退を防止するためのエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストの使用に関する。 【0002】 【従来の技術】エストロゲンは、情動障害に関連している。うつ病は、患者が、普通の悲しみとは臨床的に区別されうるような一定の範囲および/または期間の悲しみを感じる情動障害である。抑うつ患者は、圧倒的なむなしさの感覚を有することがありうるし、しかも無気力に感じ、ことによると、自殺したい衝動に駆られることがありうる。死または凶報のような原因による普通のうつ病とは異なり、臨床的抑うつの患者は、経時的に原因に順応することができないし、長期間抑うつ状態のままでありうる。他の種類の情動障害は、患者の生涯の特定の時期に起こりうる。例えば、閉経周辺期うつ病は、閉経期に近づいた女性で起こりうる。 【0003】エストロゲンが関連している他の障害は、精神医学的障害である。精神医学的障害の例は、精神分裂病、不安、パニック発作、過食および社会的恐怖症である。 【0004】エストロゲンは、学習能力、長期および短期記憶、言語および視覚記憶、想起、および視覚再現のような認識機能にも関連している。更に、エストロゲンは、アルツハイマー病および老人性痴呆のような記憶喪失に関連している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】情動障害、精神医学的障害を処置することまたは認識機能の衰退を防止することは、最近の医学的研究の目的となっている。本発明は、うつ病、閉経周辺期うつ病、精神分裂病、不安、パニック発作、過食、社会的恐怖症を処置するまたは認識機能衰退を防止するための、これを必要としている患者に治療的有効量のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストを投与することによる方法およびキットを提供する。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、うつ病または閉経周辺期うつ病を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療的有効量の式I【0007】 【化22】
【0008】[式中、Aは、CH2およびNRより選択され;B、DおよびEは、独立して、CHおよびNより選択され;Yは、(a)フェニルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (b)ナフチルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (c)C3−C8シクロアルキルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (d)C3−C8シクロアルケニルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (e)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する5員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (f)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する6員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの;若しくは(g)フェニル環に縮合した5員または6員複素環式環から成る二環式環系であって、該複素環式環は−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;Z1は、(a)−(CH2)pW(CH2)q−; (b)−O(CH2)pCR5R6−; (c)−O(CH2)pW(CH2)q−; (d)−OCHR2CHR3−;若しくは(e)−SCHR2CHR3−であり; Gは、(a)−NR7R8; (b) 【0009】 【化23】
【0010】(式中、nは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;Z2は、−NH−、−O−、−S−若しくは−CH2−である)であって、隣接する炭素原子上において1個または2個のフェニル環と縮合していてよいし、炭素上に独立して1〜3個の置換基でおよび窒素上に独立してR4より選択される化学的に適当な置換基で置換されていてよいもの;若しくは(c)5〜12個の炭素原子を含有する二環式アミンであって、架橋しているかまたは縮合していて、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;若しくはZ1およびGは、組合せて、【0011】 【化24】
【0012】であってよく;Wは、(a)−CH2−; (b)−CH=CH−; (c)−O−; (d)−NR2−; (e)−S(O)n−; (f) 【0013】 【化25】
【0014】; (g)−CR2(OH)−; (h)−CONR2−; (i)−NR2CO−; (j) 【0015】 【化26】
【0016】;若しくは(k)−C≡C−であり; Rは、水素若しくはC1−C6アルキルであり;R2およびR3は、独立して、(a)水素;若しくは(b)C1−C4アルキルであり; R4は、(a)水素; (b)ハロゲン; (c)C1−C6アルキル; (d)C1−C4アルコキシ; (e)C1−C4アシルオキシ; (f)C1−C4アルキルチオ; (g)C1−C4アルキルスルフィニル; (h)C1−C4アルキルスルホニル; (i)ヒドロキシ(C1−C4)アルキル; (j)アリール(C1−C4)アルキル; (k)−CO2H; (l)−CN; (m)−CONHOR; (n)−SO2NHR; (o)−NH2; (p)C1−C4アルキルアミノ; (q)C1−C4ジアルキルアミノ; (r)−NHSO2R; (s)−NO2; (t)−アリール;若しくは(u)−OHであり; R5およびR6は、独立して、C1−C8アルキルであり、若しくは一緒になって、C3−C10炭素環式環を形成し;R7およびR8は、独立して、(a)フェニル; (b)飽和若しくは不飽和のC3−C10炭素環式環; (c)−O−、−N−および−S−より選択される2個までのヘテロ原子を含有するC3−C10複素環式環; (d)H; (e)C1−C6アルキル;若しくは(f)R5若しくはR6を含む3〜8員窒素含有環であり; R7およびR8は、直鎖状か若しくは環の形で、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシおよびカルボキシより独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく;R7およびR8によって形成される環は、フェニル環に縮合していてもよく;eは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;nは、0、1若しくは2であり;pは、0、1、2若しくは3であり;qは、0、1、2若しくは3である]を有するエストロゲンアゴニスト/アンタゴニスト;またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグを投与することを含む方法を提供する。 【0017】これら方法の好ましい態様において、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、式(IA) 【0018】 【化27】
【0019】(式中、Gは、【0020】 【化28】
【0021】であり;R4は、H、OH、F若しくはClであり;そしてBおよびEは、独立して、CHおよびNより選択される)を有する化合物、またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグである。 【0022】これら方法のもう一つの好ましい態様において、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールまたはその光学異性体若しくは幾何異性体;その薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグである。 【0023】これら方法のもう一つの好ましい態様において、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、D−酒石酸塩の形である。これら方法のもう一つの好ましい態様において、うつ病または閉経周辺期うつ病を処置するのに有用である追加の化合物を患者に投与する。 【0024】追加の化合物を用いたこれら方法のもう一つの好ましい態様において、追加の化合物は、選択的セロトニン再吸収阻害剤である。追加の化合物が選択的セロトニン再吸収阻害剤であるこれら方法のもう一つの好ましい態様において、選択的セロトニン再吸収阻害剤は、セルトラリン(Zoloft(登録商標))、パロキセチン(Paxil(登録商標))、フルオキセチン(Prozac(登録商標))若しくはシタロプラム(Celexa(登録商標))、またはその薬学的に許容しうる塩若しくはプロドラッグ、または選択的セロトニン再吸収阻害剤のプロドラッグの塩である。 【0025】本発明によって更に提供されるのは、精神分裂病、不安、パニック発作、過食または社会的恐怖症を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療的有効量の式I【0026】 【化29】
【0027】[式中、Aは、CH2およびNRより選択され;B、DおよびEは、独立して、CHおよびNより選択され;Yは、(a)フェニルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (b)ナフチルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (c)C3−C8シクロアルキルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (d)C3−C8シクロアルケニルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (e)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する5員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (f)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する6員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの;若しくは(g)フェニル環に縮合した5員または6員複素環式環から成る二環式環系であって、該複素環式環は−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;Z1は、(a)−(CH2)pW(CH2)q−; (b)−O(CH2)pCR5R6−; (c)−O(CH2)pW(CH2)q−; (d)−OCHR2CHR3−;若しくは(e)−SCHR2CHR3−であり; Gは、(a)−NR7R8; (b) 【0028】 【化30】
【0029】(式中、nは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;Z2は、−NH−、−O−、−S−若しくは−CH2−である)であって、隣接する炭素原子上において1個または2個のフェニル環と縮合していてよいし、炭素上に独立して1〜3個の置換基でおよび窒素上に独立してR4より選択される化学的に適当な置換基で置換されていてよいもの;若しくは(c)5〜12個の炭素原子を含有する二環式アミンであって、架橋しているか若しくは縮合していて、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;またはZ1およびGは、組合せて、【0030】 【化31】
【0031】であってよく;Wは、(a)−CH2−; (b)−CH=CH−; (c)−O−; (d)−NR2−; (e)−S(O)n−; (f) 【0032】 【化32】
【0033】; (g)−CR2(OH)−; (h)−CONR2−; (i)−NR2CO−; (j) 【0034】 【化33】
【0035】;若しくは(k)−C≡C−であり; Rは、水素またはC1−C6アルキルであり;R2およびR3は、独立して、(a)水素;若しくは(b)C1−C4アルキルであり; R4は、(a)水素; (b)ハロゲン; (c)C1−C6アルキル; (d)C1−C4アルコキシ; (e)C1−C4アシルオキシ; (f)C1−C4アルキルチオ; (g)C1−C4アルキルスルフィニル; (h)C1−C4アルキルスルホニル; (i)ヒドロキシ(C1−C4)アルキル; (j)アリール(C1−C4)アルキル; (k)−CO2H; (l)−CN; (m)−CONHOR; (n)−SO2NHR; (o)−NH2; (p)C1−C4アルキルアミノ; (q)C1−C4ジアルキルアミノ; (r)−NHSO2R; (s)−NO2; (t)−アリール;若しくは(u)−OHであり; R5およびR6は、独立して、C1−C8アルキルであり、若しくは一緒になって、C3−C10炭素環式環を形成し;R7およびR8は、独立して、(a)フェニル; (b)飽和若しくは不飽和のC3−C10炭素環式環; (c)−O−、−N−および−S−より選択される2個までのヘテロ原子を含有するC3−C10複素環式環; (d)H; (e)C1−C6アルキル;若しくは(f)R5若しくはR6を含む3〜8員窒素含有環であり; R7およびR8は、直鎖状か若しくは環の形で、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシおよびカルボキシより独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく;R7およびR8によって形成される環は、フェニル環に縮合していてもよく;eは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;nは、0、1若しくは2であり;pは、0、1、2若しくは3であり;qは、0、1、2若しくは3である]を有するエストロゲンアゴニスト/アンタゴニスト;またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグを投与することを含む方法である。 【0036】これら方法の好ましい態様において、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、式(IA) 【0037】 【化34】
【0038】(式中、Gは、【0039】 【化35】
【0040】であり;R4は、H、OH、F若しくはClであり;そしてBおよびEは、独立して、CHおよびNより選択される)を有する化合物、またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグである。 【0041】これら方法のもう一つ好ましい態様において、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールまたはその光学異性体若しくは幾何異性体;その薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグである。 【0042】これら方法のもう一つ好ましい態様において、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、D−酒石酸塩の形である。これら方法のもう一つ好ましい態様において、精神分裂病、不安、パニック発作、過食または社会的恐怖症を処置するのに有用である追加の化合物を患者に投与する。 【0043】本発明によって更に提供されるのは、認識機能衰退を防止する方法であって、それを必要としている患者に、治療的有効量の式I【0044】 【化36】
【0045】[式中、Aは、CH2およびNRより選択され;B、DおよびEは、独立して、CHおよびNより選択され;Yは、(a)フェニルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (b)ナフチルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (c)C3−C8シクロアルキルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (d)C3−C8シクロアルケニルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (e)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する5員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (f)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する6員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの;若しくは(g)フェニル環に縮合した5員または6員複素環式環から成る二環式環系であって、該複素環式環は−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;Z1は、(a)−(CH2)pW(CH2)q−; (b)−O(CH2)pCR5R6−; (c)−O(CH2)pW(CH2)q−; (d)−OCHR2CHR3−;若しくは(e)−SCHR2CHR3−であり; Gは、(a)−NR7R8; (b) 【0046】 【化37】
【0047】(式中、nは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;Z2は、−NH−、−O−、−S−若しくは−CH2−である)であって、隣接する炭素原子上において1個または2個のフェニル環と縮合していてよいし、炭素上に独立して1〜3個の置換基でおよび窒素上に独立してR4より選択される化学的に適当な置換基で置換されていてよいもの;若しくは(c)5〜12個の炭素原子を含有する二環式アミンであって、架橋しているか若しくは縮合していて、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;またはZ1およびGは、組合せて、【0048】 【化38】
【0049】であってよく;Wは、(a)−CH2−; (b)−CH=CH−; (c)−O−; (d)−NR2−; (e)−S(O)n−; (f) 【0050】 【化39】
【0051】; (g)−CR2(OH)−; (h)−CONR2−; (i)−NR2CO−; (j) 【0052】 【化40】
【0053】;若しくは(k)−C≡C−であり;Rは、水素若しくはC1−C6アルキルであり;R2およびR3は、独立して、(a)水素;若しくは(b)C1−C4アルキルであり; R4は、(a)水素; (b)ハロゲン; (c)C1−C6アルキル; (d)C1−C4アルコキシ; (e)C1−C4アシルオキシ; (f)C1−C4アルキルチオ; (g)C1−C4アルキルスルフィニル; (h)C1−C4アルキルスルホニル; (i)ヒドロキシ(C1−C4)アルキル; (j)アリール(C1−C4)アルキル; (k)−CO2H; (l)−CN; (m)−CONHOR; (n)−SO2NHR; (o)−NH2; (p)C1−C4アルキルアミノ; (q)C1−C4ジアルキルアミノ; (r)−NHSO2R; (s)−NO2; (t)−アリール;若しくは(u)−OHであり; R5およびR6は、独立して、C1−C8アルキルであり、若しくは一緒になって、C3−C10炭素環式環を形成し;R7およびR8は、独立して、(a)フェニル; (b)飽和若しくは不飽和のC3−C10炭素環式環; (c)−O−、−N−および−S−より選択される2個までのヘテロ原子を含有するC3−C10複素環式環; (d)H; (e)C1−C6アルキル;若しくは(f)R5若しくはR6を含む3〜8員窒素含有環であり; R7およびR8は、直鎖状か若しくは環の形で、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシおよびカルボキシより独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく;R7およびR8によって形成される環は、フェニル環に縮合していてもよく;eは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;nは、0、1若しくは2であり;pは、0、1、2若しくは3であり;qは、0、1、2若しくは3である]を有するエストロゲンアゴニスト/アンタゴニスト;またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグを投与することを含む方法である。 【0054】これら方法の好ましい態様において、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、式(IA) 【0055】 【化41】
【0056】(式中、Gは、【0057】 【化42】
【0058】であり;R4は、H、OH、F若しくはClであり;そしてBおよびEは、独立して、CHおよびNより選択される)を有する化合物、またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグである。 【0059】これら方法のもう一つ好ましい態様において、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールまたはその光学異性体若しくは幾何異性体;その薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグである。 【0060】これら方法のもう一つ好ましい態様において、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、D−酒石酸塩の形である。これら方法のもう一つ好ましい態様において、認識機能衰退を防止するのに有用である追加の化合物を患者に投与する。 【0061】本発明によって更に提供されるのは、うつ病、閉経周辺期うつ病、精神分裂病、不安、パニック発作、過食、社会的恐怖症を処置するまたは認識機能衰退を防止するのに用いるためのキットであって、(A)式I【0062】 【化43】
【0063】[式中、Aは、CH2およびNRより選択され;B、DおよびEは、独立して、CHおよびNより選択され;Yは、(a)フェニルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (b)ナフチルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (c)C3−C8シクロアルキルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (d)C3−C8シクロアルケニルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (e)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する5員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (f)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する6員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの;若しくは(g)フェニル環に縮合した5員または6員複素環式環から成る二環式環系であって、該複素環式環は−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;Z1は、(a)−(CH2)pW(CH2)q−; (b)−O(CH2)pCR5R6−; (c)−O(CH2)pW(CH2)q−; (d)−OCHR2CHR3−;若しくは(e)−SCHR2CHR3−であり; Gは、(a)−NR7R8; (b) 【0064】 【化44】
【0065】(式中、nは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;Z2は、−NH−、−O−、−S−若しくは−CH2−である)であって、隣接する炭素原子上において1個または2個のフェニル環と縮合していてよいし、炭素上に独立して1〜3個の置換基でおよび窒素上に独立してR4より選択される化学的に適当な置換基で置換されていてよいもの;若しくは(c)5〜12個の炭素原子を含有する二環式アミンであって、架橋しているか若しくは縮合していて、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;またはZ1およびGは、組合せて、【0066】 【化45】
【0067】であってよく;Wは、(a)−CH2−; (b)−CH=CH−; (c)−O−; (d)−NR2−; (e)−S(O)n−; (f) 【0068】 【化46】
【0069】; (g)−CR2(OH)−; (h)−CONR2−; (i)−NR2CO−; (j) 【0070】 【化47】
【0071】;若しくは(k)−C≡C−であり; Rは、水素若しくはC1−C6アルキルであり;R2およびR3は、独立して、(a)水素;若しくは(b)C1−C4アルキルであり; R4は、(a)水素; (b)ハロゲン; (c)C1−C6アルキル; (d)C1−C4アルコキシ; (e)C1−C4アシルオキシ; (f)C1−C4アルキルチオ; (g)C1−C4アルキルスルフィニル; (h)C1−C4アルキルスルホニル; (i)ヒドロキシ(C1−C4)アルキル; (j)アリール(C1−C4)アルキル; (k)−CO2H; (l)−CN; (m)−CONHOR; (n)−SO2NHR; (o)−NH2; (p)C1−C4アルキルアミノ; (q)C1−C4ジアルキルアミノ; (r)−NHSO2R; (s)−NO2; (t)−アリール;若しくは(u)−OHであり; R5およびR6は、独立して、C1−C8アルキルであり、若しくは一緒になって、C3−C10炭素環式環を形成し;R7およびR8は、独立して、(a)フェニル; (b)飽和若しくは不飽和のC3−C10炭素環式環; (c)−O−、−N−および−S−より選択される2個までのヘテロ原子を含有するC3−C10複素環式環; (d)H; (e)C1−C6アルキル;若しくは(f)R5若しくはR6を含む3〜8員窒素含有環であり; R7およびR8は、直鎖状か若しくは環の形で、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシおよびカルボキシより独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく;R7およびR8によって形成される環は、フェニル環に縮合していてもよく;eは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;nは、0、1若しくは2であり;pは、0、1、2若しくは3であり;qは、0、1、2若しくは3である]を有するエストロゲンアゴニスト/アンタゴニスト;またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグを含む医薬組成物;および(B)この医薬組成物を用いて、うつ病、閉経周辺期うつ病、精神分裂病、不安、パニック発作、過食、社会的恐怖症を処置するまたは認識機能衰退を防止する方法を記載している取扱説明書を含むキットである。 【0072】これらキットの好ましい態様において、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、式(IA) 【0073】 【化48】
【0074】(式中、Gは、【0075】 【化49】
【0076】であり;R4は、H、OH、FまたはClであり;そしてBおよびEは、独立して、CHおよびNより選択される)を有する化合物、またはその光学異性体若しくは幾何異性体;またはその薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグである。 【0077】これらキットのもう一つの好ましい態様において、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールまたはその光学異性体若しくは幾何異性体;その薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩若しくはプロドラッグである。 【0078】これらキットのもう一つの好ましい態様において、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、D−酒石酸塩の形である。もう一つの好ましい態様において、キットには、うつ病、閉経周辺期うつ病、精神分裂病、不安、パニック発作、過食、社会的恐怖症を処置するまたは認識機能衰退を防止するのに有用である追加の化合物が含まれる。 【0079】更に提供されるのは、式Iの化合物、およびセルトラリン、ドネペジル(donepezil)、タクリンまたはジプラシドン(ziprasidone)より選択される一つまたはそれ以上の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩またはプロドラッグ、またはプロドラッグの塩を含む医薬組成物である。 【0080】これら医薬組成物の好ましい態様において、式Iの化合物は、(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールまたはその光学異性体または幾何異性体;薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩またはプロドラッグである。 【0081】発明の詳細な記述本発明は、うつ病、閉経周辺期うつ病、精神分裂病、不安、パニック発作、過食、社会的恐怖症を処置するまたは認識機能衰退を防止するための、これを必要としている患者に治療的有効量のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストを投与することによる方法およびキットを提供する。 【0082】“処置する”、“処置”および“処置すること”という用語には、防止的(例えば、予防的)および待期的処置、または防止的若しくは待期的処置を与える作用が含まれる。 【0083】“患者”という用語は、動物、特に、哺乳動物を意味する。好ましい患者はヒトである。特に好ましい患者は、閉経後の女性である。“閉経後の女性”という用語には、閉経期を過ぎた高齢の女性のみならず、子宮摘出された女性、またはコルチコステロイドの長期間投与を受けている、クッシング症候群に罹患しているまたは性器発育異常を有するなどのある他の理由でエストロゲン産生が抑制されている女性も含まれる。 【0084】“エストロゲンアゴニスト/アンタゴニスト”は、エストロゲンの場合と同様の受容体のいくつかに影響を与える化合物であるが、全てではなく、ある場合には、それはエストロゲンに拮抗するまたはエストロゲンをブロックする。それは、“選択的エストロゲン受容体モジュレーター”(SERM)としても知られる。エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、抗エストロゲンと称されることもありうるが、それらは、いくつかのエストロゲン受容体において若干のエストロゲン活性を有する。エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、したがって、“純粋な抗エストロゲン”と一般的に称されるものではない。アゴニストとしても作用しうる抗エストロゲンは、I型抗エストロゲンと称される。I型抗エストロゲンは、エストロゲン受容体を活性化して、核内に長期間密着結合させるが、減少した受容体補充を伴う(Clark, et al., Steroids 1973;22:707, Caponyet al., Mol Cell Endocrinol, 1975;3:233)。 【0085】認識機能の一つの面は、学習および記憶に関する。学習能力は、特定の技能または一連の情報を獲得し、保持しまたは総括する患者の能力に関する。患者の学習能力は、注意力、記憶、知覚または推理力の欠如によって影響されることがありうる。 【0086】学習の一つの側面は記憶である。二つの主な種類の記憶、すなわち、長期および短期の記憶が定義されている。記憶の他の態様には、想起および認知が含まれる。記憶に関する障害には、長期記憶、短期記憶、および言語および視覚記憶についての問題が含まれる。 【0087】記憶に加えて、認識機能には、理論的推理力のような推理力;知覚;および空間見当識も含まれる。“認識機能衰退を防止すること”という句には、次の認識ドメイン、すなわち、見当識、注意力および集中、精神運動性速度および機能、言語および呼称、言語記憶(即時および遅延想起)、範疇流暢(category fluency)、理論的推理力および応用(運動完成および複雑な学習行動の実行制御)の一つまたはそれ以上の衰退の防止が含まれる。認識機能衰退の防止には、認識機能の衰退をまだ示していない患者、好ましくは、認識機能の衰退を示している患者における防止が含まれうる。 【0088】不安は、全般性不安障害、医学的状態に関連した不安、急性ストレス性障害、外傷後ストレス性障害、社会的不安障害、特異的不安障害等を含めたいくつかの種類に分類することができる。様々な種類の不安は、当業者に周知であり、本発明によって処置することができる。様々な種類の不安は、DSM IVとしても知られる、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition, American Psychiatric Association, Washington, D.C., 1994, に詳細に記載されている。 【0089】本発明のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、全身または局所に投与することができる。全身性使用には、本明細書中のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、慣用法にしたがって、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内、鼻腔内または経皮)または経腸(例えば、経口または直腸)供給用に製剤化される。静脈内投与は、一連の注射または長時間にわたる連続注入によることができる。注射による投与または他の不連続に間隔を置いた投与経路は、週1回〜1日1回〜2回またはそれ以上の間隔で行うことができる。 【0090】本発明の好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストには、米国特許第5,552,412号に記載の化合物が含まれる。これら化合物は、本明細書中において下記の式(I) 【0091】 【化50】
【0092】[式中、Aは、CH2およびNRより選択され;B、DおよびEは、独立して、CHおよびNより選択され;Yは、(a)フェニルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (b)ナフチルであって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (c)C3−C8シクロアルキルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (d)C3−C8シクロアルケニルであって、R4より独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてよいもの; (e)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する5員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (f)−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する6員複素環であって、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの;若しくは(g)フェニル環に縮合した5員または6員複素環式環から成る二環式環系であって、該複素環式環は−O−、−NR2−および−S(O)n−から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;Z1は、(a)−(CH2)pW(CH2)q−; (b)−O(CH2)pCR5R6−; (c)−O(CH2)pW(CH2)q−; (d)−OCHR2CHR3−;若しくは(e)−SCHR2CHR3−であり; Gは、(a)−NR7R8; (b) 【0093】 【化51】
【0094】(式中、nは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;Z2は、−NH−、−O−、−S−若しくは−CH2−である)であって、隣接する炭素原子上において1個若しくは2個のフェニル環と縮合していてよいし、炭素上に独立して1〜3個の置換基でおよび窒素上に独立してR4より選択される化学的に適当な置換基で置換されていてよいもの;若しくは(c)5〜12個の炭素原子を含有する二環式アミンであって、架橋しているかまたは縮合していて、R4より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものであり;またはZ1およびGは、組合せて、【0095】 【化52】
【0096】であってよく;Wは、(a)−CH2−; (b)−CH=CH−; (c)−O−; (d)−NR2−; (e)−S(O)n−; (f) 【0097】 【化53】
【0098】; (g)−CR2(OH)−; (h)−CONR2−; (i)−NR2CO−; (j) 【0099】 【化54】
【0100】;若しくは(k)−C≡C−であり; Rは、水素若しくはC1−C6アルキルであり;R2およびR3は、独立して、(a)水素;若しくは(b)C1−C4アルキルであり; R4は、(a)水素; (b)ハロゲン; (c)C1−C6アルキル; (d)C1−C4アルコキシ; (e)C1−C4アシルオキシ; (f)C1−C4アルキルチオ; (g)C1−C4アルキルスルフィニル; (h)C1−C4アルキルスルホニル; (i)ヒドロキシ(C1−C4)アルキル; (j)アリール(C1−C4)アルキル; (k)−CO2H; (l)−CN; (m)−CONHOR; (n)−SO2NHR; (o)−NH2; (p)C1−C4アルキルアミノ; (q)C1−C4ジアルキルアミノ; (r)−NHSO2R; (s)−NO2; (t)−アリール;若しくは(u)−OHであり; R5およびR6は、独立して、C1−C8アルキルであり、若しくは一緒になって、C3−C10炭素環式環を形成し;R7およびR8は、独立して、(a)フェニル; (b)飽和若しくは不飽和のC3−C10炭素環式環; (c)−O−、−N−および−S−より選択される2個までのヘテロ原子を含有するC3−C10複素環式環; (d)H; (e)C1−C6アルキル;若しくは(f)R5若しくはR6を含む3〜8員窒素含有環であり; R7およびR8は、直鎖状か若しくは環の形で、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシおよびカルボキシより独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく;R7およびR8によって形成される環は、フェニル環に縮合していてもよく;eは、0、1若しくは2であり;mは、1、2若しくは3であり;nは、0、1若しくは2であり;pは、0、1、2若しくは3であり;qは、0、1、2若しくは3である]として示される式、およびそれらの光学異性体および幾何異性体;およびそれらの薬学的に許容しうる酸付加塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩およびプロドラッグによって記載される。 【0101】米国特許第5,552,412号に更に開示される追加の好ましい化合物は、本明細書中において式(IA) 【0102】 【化55】
【0103】(式中、Gは、【0104】 【化56】
【0105】であり;R4は、H、OH、F若しくはClであり;そしてBおよびEは、独立して、CHおよびNより選択される)として示される式、およびそれらの光学異性体および幾何異性体;およびそれらの薬学的に許容しうる酸付加塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩およびプロドラッグによって記載される。 【0106】本発明の方法およびキットに特に好ましい化合物は、シス−6−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;シス−1−[6’−ピロリジノエトキシ−3’−ピリジル]−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン;1−(4’−ピロリジノエトキシフェニル)−2−(4”−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;シス−6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;1−(4’−ピロリジノエトキシフェニル)−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;およびそれらの薬学的に許容しうる塩である。(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールの特に好ましい塩は、D−酒石酸塩である。 【0107】他の好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、米国特許第5,047,431号に開示されている。これら化合物は、本明細書中において下の式(II) 【0108】 【化57】
【0109】(式中、R1AおよびR2Aは、同じであってよいしまたは異なっていてよく、H、メチル、エチルかまたはベンジル基である)として示される式;およびそれらの光学異性体または幾何異性体;および薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩およびプロドラッグによって記載される。式IIの好ましい化合物は、ドロロキシフェン(droloxifen)である。 【0110】本明細書中に記載の方法およびキットで用いることができる更に別のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、タモキシフェン:(エタナミン,2−[−4−(1,2−ジフェニル−1−ブテニル)フェノキシ]−N,N−ジメチル,(Z)−2−,2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸塩(1:1))および米国特許第4,536,516号に開示の他の化合物;4−ヒドロキシタモキシフェン(すなわち、2−フェニル残基が4位にヒドロキシ基を有するタモキシフェン)および米国特許第4,623,660号に開示の他の化合物;ラロキシフェン(raloxifene):(メタノン,[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−,塩酸塩)および米国特許第4,418,068号;同第5,393,763号;同第5,457,117号;同第5,478,847号および同第5,641,790号に開示の他の化合物;トレミフェン(toremifene):(エタナミン,2−[4−(4−クロロ−1,2−ジフェニル−1−ブテニル)フェノキシ]−N,N−ジメチル−,(Z)−,2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸塩(1:1)および米国特許第4,696,949号および同第4,996,225号に開示の他の化合物;セントクロマン(centchroman):1−[2−[[4−(−メトキシ−2,2,ジメチル−3−フェニルクロマン−4−イル)−フェノキシ]−エチル]−ピロリジンおよび米国特許第3,822,287号に開示の他の化合物;イドキシフェン(idoxifene):ピロリジン,1−[−[4−[[1−(4−ヨードフェニル)−2−フェニル−1−ブテニル]フェノキシ]エチル]および米国特許第4,839,155号に開示の他の化合物;6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−ナフタレン−2−オールおよび米国特許第5,484,795号に開示の他の化合物;および{4−[2−(2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−エトキシ]−フェニル}−[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル]−メタノンおよび公開国際特許出願WO95/10513号に開示の他の化合物である。他の好ましい化合物には、GW5638およびGW7604が含まれる。GW5638およびGW7604の合成は、Willsonet al., J.Med.Chem., 1994;37:1550-1552 に記載されている。 【0111】更に好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストには、EM−652(本明細書中に式(III)と称される式で示される)およびEM−800(本明細書中に式(IV)と称される式で示される)が含まれる。EM−652およびEM−800の合成および種々の鏡像異性体の活性は、Gauthier et al., J.Med.Chem., 1997;40:2117-2122 に記載されている。 【0112】 【化58】
【0113】更に好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストには、TSE−424、および米国特許第5,998,402号、米国特許第5,985,910号、米国特許第5,780,497号、米国特許第5,880,137号および欧州特許出願EP0802183A1号に開示の他の化合物が含まれ、本明細書中において下の式VおよびVI【0114】 【化59】
【0115】[式中、R1Bは、H、OHまたはC1−C12エステル(直鎖または分岐状)またはそれらのC1−C12(直鎖または分岐状または環状)アルキルエーテル、またはハロゲン;またはトリフルオロメチルエーテルおよびトリクロロメチルエーテルを含めたC1−C4ハロゲン化エーテルより選択され;R2B、R3B、R4B、R5BおよびR6Bは、独立して、H、OH若しくはC1−C12エステル(直鎖または分岐状)若しくはそれらのC1−C12アルキルエーテル(直鎖または分岐状または環状)、ハロゲン、若しくはトリフルオロメチルエーテルおよびトリクロロメチルエーテルを含めたC1−C4ハロゲン化エーテル、シアノ、C1−C6アルキル(直鎖または分岐状)、若しくはトリフルオロメチルより選択され;XAは、H、C1−C6アルキル、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチルおよびハロゲンより選択され;sは、2または3であり;YAは、(a)残基【0116】 【化60】
【0117】(式中、R7BおよびR8Bは、独立して、H、C1−C6アルキル、またはフェニルであって、CN、C1−C6アルキル(直鎖または分岐状)、C1−C6アルコキシ(直鎖または分岐状)、ハロゲン、−OH、−CF3または−OCF3によって置換されていてよいものより選択される); (b)−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=および−S(O)u−(式中、uは、0〜2の整数である)から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する飽和、不飽和または部分不飽和の5員複素環であって、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONHR1B、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO2R1B、−NHCOR1B、−NO2、および1〜3個の(C1−C4)アルキルで置換されていてよいフェニルから成る群より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (c)−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=および−S(O)u−(式中、uは、0〜2の整数である)から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する飽和、不飽和若しくは部分不飽和の6員複素環であって、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONHR1B、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO2R1B、−NHCOR1B、−NO2、および1〜3個の(C1−C4)アルキルで置換されていてよいフェニルから成る群より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの; (d)−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=および−S(O)u−(式中、uは、0〜2の整数である)から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する飽和、不飽和または部分不飽和の7員複素環であって、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONHR1B、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO2R1B、−NHCOR1B、−NO2、および1〜3個の(C1−C4)アルキルで置換されていてよいフェニルから成る群より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいもの;若しくは(e)架橋しているか若しくは縮合している6〜12個の炭素原子を含有する且つ−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−および−S(O)u−(式中、uは、0〜2の整数である)から成る群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する二環式複素環であって、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONHR1B、−NH2、−N=、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO2R1B、−NHCOR1B、−NO2、および1〜3個の(C1−C4)アルキルで置換されていてよいフェニルから成る群より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいものより選択される]として示される式によって記載される化合物;およびそれらの光学異性体および幾何異性体;およびそれらの無毒性の薬学的に許容しうる酸付加塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩およびプロドラッグが含まれる。 【0118】好ましい化合物は、上の一般的な構造VまたはVI(式中、R1Bは、H、OH若しくはC1−C12エステル若しくはそれらのアルキルエーテル、およびハロゲンより選択され;R2B、R3B、R4B、R5BおよびR6Bは、独立して、H、OH若しくはC1−C12エステルまたはそれらのアルキルエーテル、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、トリハロメチル、好ましくは、トリフルオロメチルより選択され、但し、R1BがHである場合、R2BはOHではないという条件付きであり;XAは、H、C1−C6アルキル、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチルおよびハロゲンより選択され;YAは、残基【0119】 【化61】
【0120】であり、R7BおよびR8Bは、H、C1−C6アルキルより独立して選択され、または環を形成するように−(CH2)w−(式中、wは、2〜6の整数である)によって組み合わされ、この環は、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONH(C1−C4アルキル)、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、C1−C4ジアルキルアミノ、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−CO(C1−C4アルキル)および−NO2の群より独立して選択される3個までの置換基によって置換されていてよい)を有するもの;およびそれらの光学異性体および幾何異性体;およびそれらの薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩およびプロドラッグである。 【0121】上述の連結したR7BおよびR8Bによって形成される環には、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ヘキサメチレンアミン環またはヘプタメチレンアミン環が含まれうる。 【0122】上の構造式VおよびVIの好ましい化合物は、R1BがOHであり;R2B〜R6Bが上に定義の通りであり;XAが、Cl、NO2、CN、CF3またはCH3の群より選択され;YAが残基【0123】 【化62】
【0124】であり、そしてR7BおよびR8Bが、−(CH2)t−(式中、tは、4〜6の整数である)のように互いに連結して、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONH(C1−C4)アルキル、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO2(C1−C4)アルキル、−NHCO(C1−C4)アルキルおよび−NO2の群より独立して選択される3個までの置換基によって置換されていてよい環を形成しているもの;およびそれらの光学異性体および幾何異性体;およびそれらの薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、エステル、第四アンモニウム塩およびプロドラッグである。 【0125】もう一つ好ましい化合物は、本明細書中において下の式(Va) 【0126】 【化63】
【0127】として示される式によって記載されるTSE−424である。“薬学的に許容しうる塩”という表現には、薬学的に許容しうる酸付加塩および薬学的に許容しうる陽イオン塩両方が含まれる。“薬学的に許容しうる陽イオン塩”という表現は、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)、アルミニウム塩、アンモニウム塩、およびベンザチン(N,N’−ジベンジルエチレンジアミン)、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ジエチルアミン、ピペラジン、トロメタミン(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)およびプロカインなどの有機アミンとの塩のような塩を含む意味であるが、これに制限されるわけではない。“薬学的に許容しうる酸付加塩”という表現は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、酢酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩(メシラート)およびp−トルエンスルホン酸塩(トシラート)のような塩を含む意味であるが、これに制限されるわけではない。 【0128】本発明のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストの薬学的に許容しうる酸付加塩は、その化合物自体から、またはそのエステルのいずれかから形成されうるが、これには、薬化学においてしばしば用いられる薬学的に許容しうる塩が含まれる。例えば、塩は、塩酸、酒石酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸およびトルエンスルホン酸のような物質を含めたスルホン酸、硫酸、硝酸、リン酸、酒石酸、ピロ硫酸、メタリン酸、コハク酸、ギ酸、フタル酸、乳酸等のような無機酸または有機酸を用いて、最も好ましくは、塩酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、酢酸またはプロピオン酸を用いて形成されうる。 【0129】塩基性化合物の塩は、その化合物を適当な酸と反応させることによって形成されうる。これら塩は、典型的には、中温において高収率で形成され、そしてしばしば、合成の最終工程として適当な酸性洗液から化合物を単離することによって製造される。塩形成性酸を、適当な有機溶媒、またはアルカノール、ケトンまたはエステルのような水性有機溶媒中に溶解させる。もう一方において、本発明の化合物が遊離塩基の形で望まれる場合、それは、塩基性最終洗浄工程から単離することができる。塩酸塩を製造するのに好ましい技法は、その遊離塩基を適当な溶媒中に溶解させ、そしてモレキュラーシーブ上などでその溶液を充分に乾燥させた後、それに塩化水素ガスを通気する。(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールの好ましい塩は、D−(−)−酒石酸塩である(米国特許第5,948,809号を参照されたい)。エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストの非晶形を投与することも可能であるということは理解されるであろう。 【0130】当業者は、本発明の若干のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストが、特定の立体化学的、互変異性または幾何学的立体配置であってよい1個またはそれ以上の原子を含有して、立体異性体、互変異性体および立体配置異性体を生じるであろう。このような互変異性体および異性体およびそれらの混合物は全て、本発明に包含される。本発明の化合物の水和物および溶媒和化合物も包含される。 【0131】本発明には、同位体標識されたエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストも含まれるが、これらは、一つまたはそれ以上の原子が、天然に通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられているということを除いて、上に開示されたものと構造的に一致する。本発明の化合物中に包含されうる同位体の例には、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clそれぞれのような、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体が含まれる。前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物、それらのプロドラッグ、およびこれら化合物およびプロドラッグの薬学的に許容しうる塩は、本発明の範囲内である。本発明の若干の同位体標識された化合物、例えば、3Hおよび14Cのような放射性同位体が包含されているものは、薬物および/または基質組織分布検定において有用である。トリチウム化された、すなわち、3H同位体および炭素−14、すなわち、14C同位体は、それらの製造および検出可能性の容易さに関して特に好適である。更に、重水素、すなわち、2Hのようなより重い同位体を用いた置換は、より大きい代謝安定性によって生じる若干の治療的利点、例えば、増加した in vivo 半減期または減少した投薬必要条件を与えることがあり、したがって、ある場合には好適でありうる。本発明の同位体標識された化合物およびそれらのプロドラッグは、概して、既知のまたは参考文献に記載の手順を実施することによっておよび容易に入手可能な同位体標識された試薬を非同位体標識試薬の代わりに置き換えることによって製造することができる。 【0132】当業者は、接近可能なヒドロキシ基を有する生理学的に活性な化合物を、薬学的に許容しうるエステルの形で投与することができるということを理解するであろう。本発明の化合物は、ヒドロキシ基上で形成されるエステルとして有効に投与することができる。化合物の作用の速度または期間を調整することは、エステル基の適当な選択によって可能である。 【0133】若干のエステル基は、本発明の化合物がエステルを含有する場合に好適である。式I、IA、II、III、IV、V、VaまたはVIの化合物を含めたエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、本明細書中において上に定義のように、いろいろな位置にエステル基を含有しうるが、これら基が−COOR9として表される場合、R9は、C1−C14アルキル、C1−C3クロロアルキル、C1−C3フルオロアルキル、C1−C3シクロアルキル、フェニル、またはフェニルであって、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、クロロ、フルオロまたはトリ(クロロまたはフルオロ)メチルで独立して一または二置換されているものである。 【0134】本明細書中で用いられる“有効量”という用語は、示される状態を処置することができる化合物の量を意味する。本発明によって投与される化合物の具体的な用量は、当然ながら、例えば、投与される化合物、投与経路および処置される状態の重症度を含めた、症例を取り囲む具体的な状況によって決定されるであろう。 【0135】被験者に投与される本発明の化合物の用量は、かなり広範囲に変更可能であり、担当医師の判断にしたがう。化合物を、ラウリン酸塩のような、その塩形成部分がかなりの分子量を有する塩の形で投与する場合、その用量を調整する必要がありうるということは留意されるはずである。 【0136】次の投薬量は、約65kg〜約70kgの体重を有する平均的なヒト被験者に関する。医療の実務家は、体重が65kg〜70kgの範囲外にある被験者に必要な投薬量を、その被験者の医療履歴に基づいて容易に決定することができるであろう。本明細書中およびクレイム中に示される用量はいずれも、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストの遊離塩基型の1日用量である。塩または水和物のような遊離塩基型の他の形についての投薬量の計算は、含まれる種類の分子量に相対する簡単な比率を実行することによって容易に行われる。 【0137】エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストの有効な投与量の一般的な範囲は、約0.001mg/日〜約200mg/日である。好ましい用量範囲は、約0.010mg/日〜約100mg/日である。当然ながら、化合物の1日用量を当日中のいろいろな時間に一度に投与するのが実用的であることが多い。しかしながら、いずれの場合にも、投与される化合物の量は、具体的なエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストの力価、化合物の溶解度、用いられる製剤および投与経路のような因子に依るであろう。 【0138】製剤化の方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、Remington: TheScience and Practice of Pharmacy, Alphonso R. Genaro, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 19th Edition (1995) に開示されている。本発明の範囲内で用いるための医薬組成物は、滅菌発熱物質不含液状水剤または懸濁剤、コーティングカプセル剤、坐剤、凍結乾燥粉末剤、経皮パッチの形または当該技術分野において知られている他の形でありうる。 【0139】カプセル剤は、化合物を適当な希釈剤と混合し、その混合物の適当な量をカプセル中に充填することによって製造される。通常の希釈剤には、多数の異なった種類のデンプン、粉末セルロース、特に、結晶性および微結晶性セルロース、フルクトース、マンニトールおよびスクロースのような糖類、穀物粉および類似の食用粉末などの不活性粉末物質が含まれる。 【0140】錠剤は、直接打錠、湿式造粒または乾式造粒によって製造される。それら製剤は、通常は、希釈剤、結合剤、滑沢剤および崩壊剤を化合物に加えて包含する。典型的な希釈剤には、例えば、いろいろな種類のデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウムまたは硫酸カルシウム、塩化ナトリウムのような無機塩類、および粉末糖が含まれる。粉末セルロース誘導体も有用である。典型的な錠剤結合剤は、デンプン、ゼラチン、およびラクトース、フルクトース、グルコース等のような糖類などの物質である。アラビアゴム、アルギン酸塩、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等を含めた天然および合成のガムも好都合である。ポリエチレングリコール、エチルセルロースおよびロウも、結合剤として役立ちうる。 【0141】滑沢剤は、錠剤成形において錠剤およびパンチがダイ中で粘着するのを防止するのに必要でありうる。滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびカルシウム、ステアリン酸および水素化植物油のような滑りやすい固体より選択される。 【0142】錠剤崩壊剤は、錠剤が湿潤した状態になった時に化合物を放出するように錠剤の崩壊を容易にする物質である。それらには、デンプン、クレー、セルロース、アルギンおよびガムが含まれるが、より具体的には、例えば、トウモロコシおよびバレイショデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、木材セルロース、粉末天然スポンジ、陽イオン交換樹脂、アルギン酸、グアールガム、シトラスパルプおよびカルボキシメチルセルロース、更には、ラウリル硫酸ナトリウムを用いることができる。 【0143】錠剤は、しばしば、着香剤およびシーラントとして糖を用いて、または錠剤の溶解性を変更するように薄膜形成性保護剤を用いてコーティングされる。これら化合物は、当該技術分野において現在充分に確立されているように、製剤中にマンニトールのような多量の好味物質を用いることにより、咀嚼錠として製剤化することもできる。 【0144】化合物を坐剤として投与することが望まれる場合、典型的な基剤を用いることができる。カカオ脂は、伝統的な坐剤基剤であるが、これは、ロウの添加によって、その融点を僅かに上昇させるように改質されうる。特に、いろいろな分子量のポリエチレングリコールを含む水混和性坐剤基剤は、広範囲に用いられる。 【0145】化合物の作用は、適当な製剤によって遅延または延長させることができる。例えば、化合物の緩速溶解性ペレットを製造し且つ錠剤またはカプセル剤中に包含させることができる。その技法には、いくつか異なった溶解速度のペレットを製造し且つそれらペレットの混合物をカプセルに充填することも含まれうる。錠剤またはカプセル剤は、予想可能な一定時間溶解に耐える薄膜を用いてコーティングされうる。典型的な製剤は、化合物の遅延および/または持続性経皮吸収を生じるように設計されうる。非経口製剤でも、化合物を血清中に徐々に分散させる油状または乳化ビヒクル中に化合物を溶解させるまたは懸濁させることによって、長時間作用型にすることができる。 【0146】“プロドラッグ”という用語は、in vivo で変換されて本発明の化合物を生じる化合物を意味する。この変換は、血液中での加水分解によるなどのいろいろな機構によって起こりうる。プロドラッグの使用についての考察は、T.Higuchi and W.Stella,“Pro-drugs as Novel Delivery Systems,”Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series によって、および Bioreversible Carriers in Drug Design,ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987 に与えられている。 【0147】例えば、本発明の化合物がカルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、(C1−C8)アルキル、(C2−C12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C1−C2)アルキルアミノ(C2−C3)アルキル(□−ジメチルアミノエチルなど)、カルバモイル−(C1−C2)アルキル、N,N−ジ(C1−C2)アルキルカルバモイル−(C1−C2)アルキル、およびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C2−C3)アルキルのような基を用いた、酸基の水素原子の置換によって形成されるエステルを含むことができる。 【0148】同様に、本発明の化合物がアルコール官能基を含む場合、プロドラッグは、(C1−C6)アルカノイルオキシメチル、1−((C1−C6)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C1−C6)アルカノイルオキシ)エチル、(C1−C6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C1−C6)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C1−C6)アルカノイル、α−アミノ(C1−C4)アルカノイル、アリールアシルおよびα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシルのような基を用いた、アルコール基の水素原子の置換によって形成されうるが、この場合、α−アミノアシル基は、それぞれ独立して、天然に存在するL−アミノ酸、P(O)(OH)2、−P(O)(O(C1−C6)アルキル)2またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール型のヒドロキシル基の除去によって生じるラジカル)より選択される。 【0149】本発明の化合物がアミン官能基を含む場合、プロドラッグは、RX−カルボニル、RXO−カルボニル、NRXRX'−カルボニル[但し、RXおよびRX'は、それぞれ独立して、(C1−C10)アルキル、(C3−C7)シクロアルキル、ベンジルであり、またはRX−カルボニルは、天然α−アミノアシルまたは天然α−アミノアシル−天然α−アミノアシルである]、−C(OH)C(O)OYX[式中、YXは、H、(C1−C6)アルキルまたはベンジルである]、−C(OYX0)YX1[式中、YX0は(C1−C4)アルキルであり、YX1は、(C1−C6)アルキル、カルボキシ(C1−C6)アルキル、アミノ(C1−C6)アルキルまたはモノ−N−またはジ−N,N−(C1−C6)アルキルアミノアルキルである]、−C(YX2)YX3[式中、YX2は、Hまたはメチルであり、YX3は、モノ−N−またはジ−N,N−(C1−C6)アルキルアミノ、モルホリノ、ピペリジン−1−イルまたはピロリジン−1−イルである]のような基を用いた、アミン基の水素原子の置換によって形成されうる。 【0150】好都合には、本発明は、うつ病、閉経周辺期うつ病、精神分裂病、不安、パニック発作、過食、社会的恐怖症を処置するまたは認識機能衰退を防止するのに用いるためのキットも提供する。これらキットは、(a)本明細書中に規定のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストを含む医薬組成物;および(b)この医薬組成物を用いて、うつ病、閉経周辺期うつ病、精神分裂病、不安、パニック発作、過食、社会的恐怖症を処置するまたは認識機能衰退を防止する方法を記載している取扱説明書を含む。 【0151】本出願において用いられる“キット”には、医薬組成物を含有する容器が含まれ、分割ボトルまたは分割フォイルパケットなどの分割容器も含まれうる。容器は、薬学的に許容しうる材料、例えば、紙器またはボール箱、ガラスまたはプラスチック製ボトルまたはジャー、再封可能バッグ(例えば、別の容器中に入れるための錠剤の“補充品”を入れる)、または治療計画にしたがってパックから押し出される個々の用量を含むブリスターパックから製造される当該技術分野において知られている任意の慣用的な形状または形態でありうる。用いられる容器は、含まれる正確な剤形に依ることがあり、例えば、慣用的なボール箱は、概して、液状懸濁剤を入れるのには用いられないと考えられる。1種類より多い容器を、単一剤形を市販する一つの包装中で一緒に用いうるということは可能である。例えば、錠剤は、ボトル中に入れることができ、順次、これを箱の中に入れる。 【0152】このようなキットの一例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは、包装業界において周知であり、医薬単位剤形(錠剤、カプセル剤等)の包装に広く用いられている。ブリスターパックは、概して、好ましくは透明なプラスチック材料のホイルで被覆された比較的堅い材料のシートから成る。包装工程中に、プラスチックホイルに凹部を形成させる。それら凹部は、包装される個々の錠剤またはカプセル剤のサイズおよび形状を有するかまたは包装される多数の錠剤および/またはカプセル剤に適合するサイズおよび形状を有してよい。次に、錠剤またはカプセル剤をそれによって凹部に入れ、比較的堅い材料のシートを、そのプラスチックホイルに対して、凹部が形成された側とは反対のホイル表面で密封する。結果として、錠剤またはカプセル剤は、プラスチックホイルとシートとの間の凹部中に、所望のように個々にまたは集合して密封される。好ましくは、シートの強さは、凹部に指圧を加えることによってシートの凹部の所に穴が形成されることにより、ブリスターパックから錠剤またはカプセル剤を取り出すことができるようにある。次に、錠剤またはカプセル剤をその穴から取り出すことができる。 【0153】記憶を助けるものを与えるのが望ましいことがありうるが、この場合、記憶を助けるものは、医師、薬剤師または被験者のための情報および/または取扱説明書を含む種類のもの、例えば、錠剤またはカプセル剤の隣の番号が、そのように明記される錠剤またはカプセル剤を摂取すべき治療計画の日付に該当する番号の形で、または同様の種類の情報が含まれるカードである。このような記憶を助けるもののもう一つの例は、例えば、“第1週、月曜、火曜”、・・・等・・・“第2週、月曜、火曜、”等のようにカードに印刷されたカレンダーである。記憶を助けるものの他の変形は、容易に理解されるであろう。“1日用量”は、ある一日に摂取すべき一つの錠剤若しくはカプセル剤または複数の錠剤若しくはカプセル剤でありうる。 【0154】キットのもう一つ具体的な態様は、1日用量を一度に1回投薬するように設計されるディスペンサーである。好ましくは、ディスペンサーは、投薬計画についてのコンプライアンスを更に容易にするように、記憶を助けるものを備えている。このような記憶を助けるものの一例は、投薬された1日用量の回数を示す機械的計数装置である。このような記憶を助けるもののもう一つの例は、例えば、最後の1日用量が摂取された日付を読み取るおよび/または次回の用量を摂取すべき日付を気付かせる液晶表示器または可聴注意シグナルと連結した電池式マイクロチップメモリーである。 【0155】本発明のキットおよび方法には、本明細書中に規定のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストに加えて、うつ病、閉経周辺期うつ病、精神分裂病、不安、パニック発作、過食、社会的恐怖症を処置するまたは認識機能衰退を防止するのに用いることができる1種類またはそれ以上の追加の薬学的に活性な化合物も含まれる。好ましくは、いずれの追加の化合物も、うつ病、閉経周辺期うつ病、精神分裂病、不安、パニック発作、過食、社会的恐怖症を処置するまたは認識機能衰退を防止するのに有用であるエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストまたは別の化合物である。 【0156】うつ病を処置するのに用いられていて、本方法およびキットにおいてエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストと組み合わせて用いることができる化合物には、シタロプラム(Celexa(登録商標))、パロキセチン(Paxil(登録商標))、フルオキセチン(Prozac(登録商標))およびセルトラリン塩酸塩(Zoloft(登録商標))のような選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI);アミトリプチン(Elvanil(登録商標))、パーフェナジン(Etrafon(登録商標))、クロルジアゼポキシドおよびアミトリプチリン(Limbitrol(登録商標))、デシプラミン(Norpramin(登録商標))、ドキセピン(Sinequan(登録商標))、トリミプラミン(Surmontil(登録商標))およびプロトリプチリン(Vivactil(登録商標))のような三環式化合物;フェネルジン(Nardil(登録商標))およびトラニルシプロミン(Parnate(登録商標))のようなモノアミンオキシダーゼ阻害剤;およびベンラファキシン(venlafaxine)(Effexor(登録商標))、ミルタザピン(mirtazapine)(Remeron(登録商標))、ネファゾドン(nefazodone)(Serzone(登録商標))およびビュープロピオン(Wellbutrin(登録商標))のようなうつ病を処置するのに用いられる他の化合物が含まれる。 【0157】不安を処置するのに用いられていて、本方法およびキットのエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストと組み合わせて用いることができる化合物には、ロラゼパム(Ativan(登録商標))、クロルジアゼポキシド(Librium(登録商標))、クロルジアゼポキシドおよびアミトリプチリン(Limbitrol(登録商標))、クロラゼペート(Tranxene(登録商標))、ジアゼパム(Valium(登録商標))およびアルプラゾラム(Xanax(登録商標))のようなベゾジアゼピン(bezodiazepines)が含まれる。組み合わせて用いることができる他の抗不安薬には、ヒドロキシジン(Atarax(登録商標))、ブスピロン(BuSpar(登録商標))、ベンラファキシン(Effexor(登録商標))、メフォバルビタール(Mebaral(登録商標))、Miltown(登録商標)、パロキセチン(Paxil(登録商標))、ドキセピン(Sinequan(登録商標))、パーフェナジンおよびアミトリプチリン(Triavil(登録商標))およびヒドロキシジン(Vistaril(登録商標))が含まれる。本発明のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストと組み合わせて用いるのに更に包含されるのは、パゴクロン(pagoclone)、N−{[3−フルオロ−4−(2−プロピルアミノエトキシ)]フェニル}−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−3−カルボキサミドまたは他のγアミノ酪酸(GABA)リガンド、特に、GABAaアゴニストである。 【0158】パニック発作を処置するのに用いられていて、本方法およびキットにおいてエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストと組み合わせて用いることができる化合物には、クロナゼパム(Klonopin(登録商標))、パロキセチン(Paxil(登録商標))、アルプラゾラム(Xanax(登録商標))およびセルトラリン塩酸塩(Zoloft(登録商標))が含まれる。 【0159】本エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストと組み合わせて用いることもできる化合物には、ドネペジル塩酸塩(Aricept(登録商標))およびタクリン塩酸塩(Cognex(登録商標))のような、アルツハイマー病を処置するのに用いられる化合物が含まれる。 【0160】本エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストと組み合わせて用いることもできる化合物には、ジプラシドン(Geodon(登録商標))およびオランザピン(olanzapine)(Zyprexa(登録商標))のような、精神分裂病を処置するのに用いられる化合物が含まれる。 【0161】上記の市販製品は、活性化合物の具体的な塩またはプロドラッグであってよい。例えば、Zoloft(登録商標)は、活性化合物セルトラリンの塩酸塩である。本発明は、活性化合物の塩およびプロドラッグを含むものである。したがって、商品名(例えば、セルトラリン)または商標(例えば、Zoloft(登録商標))が用いられる場合、それは、その活性化合物またはその薬学的に許容しうる塩またはプロドラッグを意味するものである。 【0162】本発明の方法およびキットの組合せ態様において、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストおよび任意の追加の化合物は、同一剤形でまたは別々の剤形で投与することができる。その剤形は、同じである(例えば、両方とも錠剤)かまたは異なることがありうる。同様に、これら化合物は、同時にまたは異なった時間に投与することができる。変更は全て、本方法およびキットに包含されるものである。 【0163】下に示される実験は、本発明の具体的な態様を詳しく説明するためのものであり、いずれにせよ、クレイムを含めた明細書を制限するためのものではない。特許および特許出願を含めた本明細書中に引用される論文は全て、本明細書中に援用される。 【0164】実験うつ病、閉経周辺期うつ病、精神分裂病、不安、パニック発作、過食、社会的恐怖症または認識機能衰退を有するまたは有する危険のある患者の診断および評価は、当該技術分野において周知である。下に論及され且つ要約されるのは、これら状態の進行を診断する、評価するおよび測定するのに一般的に用いられる若干のプロトコールである。 【0165】認識機能認識機能を測定するために、非臨床的集団の標準値を用いて標準化された神経心理学的評価を用いた客観的検査を、ベースラインにおいておよび12ヶ月および24ヶ月に行うことができる。用いることができる認識評価測定には、Modified Mini-Mental State Exam(3MS)、Logical Memory および Trail makingTest(TMT)が含まれる。 【0166】うつ病および閉経周辺期うつ病うつ病は、Center For Epidemiologic Studies Depression Scale, Short Form(CESD−10)を用いて評価することができる。 【0167】測定【0168】 【表1】
【0169】CESD−10これは、老人の抑うつ気分の症状についての10項目スクリーニング質問表である。それは、Center For Epidemiologic Studies Depression Scale, Short Form(CES−D)の標準(20項目)型に由来する。CESDと同様に、CESD−10は、比較的充分に年長の成人において充分な信頼性および妥当性を示し、そして標準20項目型と比較した場合、充分な予想精度を示す(κ=0.97)。評点は、CESD−10において0〜30でありうる。一つの大規模スクリーニング試料(N−1542)において、平均評点は4.7であった(95%CI:4.5〜5.0)。10またはそれ以上のカットオフ評点は、偽陽性を最小限にし、一つの偽陰性だけを含んでいた(Andresen, et al., 1994)。 【0170】Mini-Mental Status Exam(MMSE)これは、認識状態の11項目(30ポイント)簡易スクリーニングスケールである。24未満の評点は、概して、有意の認識障害を反映していると認められる(Folstein, et al., 1975)。この試験は、認識能力の微小の変化に感受性ではないが、認識機能全体の有用なベンチマークを与え、被験者が新規な医学的または神経精神医学的状態を生じたことを示す可能性がある認識能力の劇的変化を識別することができる。26以上のMMSE評点は、特異性を最大限にする保存的包括基準(すなわち、ベースラインにおいて認識障害のない被験者の包括)である。 【0171】Modified Mini-Mental State Examination(3MS)これは、MMSEを改訂したものであり、広範囲の認識能力をサンプリングする4つの追加項目(生年月日および出生地、言語流暢、類似点、および言葉の遅延想起)、被験者間のより微細な区別を与える30〜100の膨大な範囲の評点、および標準化された検査および評点法を含む(Teng and Chui, 1987)。これら変更は、MMSEの信頼性および妥当性を向上させる目的で行われたが、最近の公報は、この3MSが、精神測定学的にMMSEより優れているということを支持している(Teng, et al., 1990; Lamarre & Patten, 1991; Grace, et al.,1996; Bravo & Hebert, 1997a; McDowell, et al., 1997)。65〜69歳の年齢の非痴呆初老集団(N=2098)の場合、平均評点および標準偏差(sd)は、90.9(7.6)であった(Bravo & Hebert, 1997b)。 【0172】前方視的疫学研究からの経験的データは、臨床的に有意と見なされうる非痴呆集団における3MS評点の変化の大きさを示している。Cardiovascular HealthStudy における3年間にわたる3MS評点の5ポイントまたはそれ以上の低下は、臨床的に有意の変化を示していると考えられた(Kuller, et al., 1998)。Canadian Study of Health and Aging の場合、5年間の経過にわたる10ポイントの低下(試料3MS評点の約1sd)は、臨床的に有意義と考えられ、痴呆の示差速度および施設収容と相関していた(Maxwell, et al., 1999)。 【0173】Logical Memory IおよびII(Wechsler Memory Scale-Revised)LMIおよびLMIIは、二つの口述される話の要点を想起する能力を調べる標準化された言語記憶試験である(Wechsler, 1987)。LMIは、即時想起の評価である。LMIIは、遅延想起についての能力を測定する。WMS−Rについての標準化試料に基づいて、LMIおよびLMIIの年齢群による平均評点(およびsd)基準は、55〜64歳:LMI=22.5(6.3),LMII=18.1(6.0);65〜69歳:LMI=22.0(7.4),LMII=16.8(8.1);70〜74歳:LMI=20.9(7.3),LMII=14.7(9.2)である(Wechsler, 1987)。79歳の平均年齢のコミュニティーに居住している認識障害のない集団(N=234)の場合、LMIの平均評点(sd)は21.3(6.1)であり、LMIIについては15.3(7.6)であった。軽症の認識障害のある集団(MCI;N=76)について、LMIの平均評点は12.7(5.2)であり、LMIIについては4.2(5.2)であった(Petersen, et al., 1999)。 【0174】Trail Making Test Parts A&Bこの試験は、精神運動性速度および機能、更には、注意力、集中、順序および精神的柔軟性の評価である。評点は、達成に必要な時間(最大=30秒)によって決定される。60〜69歳の年齢の非痴呆集団(N=61)の場合、Trail Aの平均(sd)は35.8秒(11.9)であり、Trail Bについては81.2秒(38.5)であった(Spreen & Strauss, 1998)。 【0175】参考文献Andresen, et al., (1994). Screening for depression in well older adults: evaluation of a short form of the CES-D. American Journal of Preventive Medicine, 10:77-84.Bravo,G & Hebert,R. (1997a). Reliability of the Modified Mini Mental State Examination in the context of a two-Phase community prevalence study. Neuroepidemiology, 16:141-148.Bravo,G & Hebert,R. (1997b). Age- and education-specific reference values for the Mini-mental and Modified Mini-mental State Examinations derived from a nondemented elderly population. International Journal of Geriatric Psychiatry, 12:1008-1018.Folstein,M., et al., (1975).“Mini-Mental State:”a practical method for grading the cognitive state of patients for the clinician. Journal ofPsychiatric Research, 12:189-198.Grace,J., Nadler,J., White,D., et al. (1966). Folstein vs. Modified Mini-Mental State Examination in geriatric stroke: stability, validity, and screening utility. Archives of Neurology, 52:477-484.Kuller,L., Shemanski,L., Manolio,T., et al., (1998). Relationship between ApoE, MRI findings, and cognitive function in the Cardiovascular Health Study. Stroke, 29:388-398.Lamarre,C. and Patten,S. (1991). Evaluation of the Modified Mini Mental State Examination in a general psychiatric population. Canadian Journal of Psychiatry, 36:507-511.Maxwell,C., Hogan,D. and Ebly,E. (1999). Calcium-channel blockers andcognitive function in elderly people: results from the Canadian Study ofHealth and Aging. Canadian Medical Association Journal, 161:501-506.McDowell,I., Kristjansson,B., Hill,G., and Hebert,R. (1997). Communityscreening for dementia: The Mini Mental State Exam (MMSE) and the Modified Mini Mental State Exam (3MS) compared. Journal of Clinical Epidemiology, 50:377-383.Mitrushina,M. & Satz,P. (1991). Reliability and validity of the MMSE in neurologically intact elderly. Journal of Clinical Psychology, 47:537-543.Petersen,R., et al., (1999). Mild cognitive impairment: clinical characterization and outcome. Archives of Neurology, 56:303-308.Spreen,R. & Strauss,E. (1998). A compendium of neuropsychological tests (2nd Ed.), pp.533-547. New York: Oxford University Press.Teng,E. & Chui,H. (1987). The modified mini-mental state (3MS) examination. Journal of Clinical Psychiatry, 48:314-318.Teng,E., Chui,H., and Gong,H. (1990). Comparisons between the Mini Mental State Exam (MMSE) and its modified version-the 3MS test. In K.Hasegawa and A.Homma (Eds.): Psychogeriatrics: Biomedical and Social Advances.Selected Proceedings of the Fourth International Psychogeriatric Association, September 5-8, 1989, Tokyo, Excerpta Medica, Amsterdam, 1990: pp.189-192.Wechsler,D. (1987). Wechsler Memory Scale-Revised. San Antonio, TX: The Psychological Corporation. |
| 【出願人】 |
【識別番号】397067152 【氏名又は名称】ファイザー・プロダクツ・インク
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| 【出願日】 |
平成14年4月25日(2002.4.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089705 【弁理士】 【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−332232(P2002−332232A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月22日(2002.11.22) |
| 【出願番号】 |
特願2002−123544(P2002−123544) |
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