| 【発明の名称】 |
うつ病又は不安障害の予防・治療用組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】武田 弘志
【氏名】辻 稔
【氏名】松宮 輝彦
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| 【要約】 |
【課題】優れた効果を示すうつ病や不安障害の治療に用いる、抗うつ及び抗不安作用を有する医薬品を提供する。
【解決手段】式【化3】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】式【化1】
(式中、R1は水素原子又は炭素原子数1−3のアルキル基を示し、R2は水素原子又は水酸基を示す。)で表される化合物を有効成分として含有するうつ病又は不安障害の予防・治療用組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、脳内セロトニン(5-HT)受容体等に作用する化合物を有効成分として含有するうつ病又は不安障害の予防・治療用組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】抗不安薬とは、不安、緊張、恐れ、焦燥感、手指振戦の増加、パニック障害、脅迫性障害などの精神症状を鎮め、これに伴う身体症状を軽減する作用を有する薬物の総称であり、緩和精神安定薬とも呼ばれている。従来、抗不安薬の開発は、ベンゾジアゼピン(BZP)系化合物を中心にして行われてきたが、近年、固有活性として抗不安作用を有する薬物、いわゆる選択的抗不安薬の開発に目が向けられている。また、不安の病態生理学的研究においても、BZP受容体とともに5-HT受容体の役割と重要性に関心がもたれ、新たな展開が見え始めてきている。 【0003】過去に電気ショックを受けたラットは、再び電気ショックを受けた場所に置かれると再び電気ショックを受けなくてもその場にじっとすくんでしまうことが知られている。この動物のすくみ行動は、動物が過去に電気ショックを受けた環境がストレッサーとなって生じる条件情動反応のひとつで、恐怖条件付けストレス(conditioned fear stress:CFS)反応と呼ばれている。ヒトの不安や恐怖などの情動の変化は、条件付けや習得によって生じる学習性のものが多いことから、このCFS反応はヒトの精神的なストレス状態を反映した動物モデルと考えられる。CFS反応である自発運動量の低下は、代表的なベンゾジアゼピン系の抗不安薬であるジアゼパム及びクロルジアゼポキシドにより緩解されにくい。これらのことから、CFS反応は従来の抗不安薬や抗うつ薬が効かないストレス疾患の動物モデルと考えられ、5-HT神経の関与が高いものと思われる。 【0004】うつ病は感情障害、活動性の低下、自律神経系機能の異常等多彩な症状を同時に呈し、その各種症状が抗うつ薬の連続投与により緩徐に消失していくという特徴がある。しかし、うつ病の場合、その症状に類似した動物の行動指標が確立されていないことや、その治療薬である抗うつ薬は動物行動への影響が明確に認識し難いという問題が、抗うつ薬のスクリーニングテストの確立を困難なものにしてきた。強制水泳試験は多くの研究者による膨大な追試を経て吟味された抗うつ薬のスクリーニングテストである。水泳中の明確な行動静止を指標としている点において、うつ病の動物モデルに一歩近づいたものとして評価できるものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、臨床上うつ病や不安障害の治療に用いる、抗うつ及び抗不安作用を有する医薬品を提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、脳内セロトニン(5-HT)受容体作用等の抗うつ及び抗不安作用を有する化合物の探索を行った結果、式【0007】 【化2】
【0008】(式中、R1は水素原子又は炭素原子数1−3のアルキル基を示し、R2は水素原子又は水酸基を示す。)で表される化合物がうつ病又は不安障害の予防・治療に有用であることを見出し、本発明を完成した。 【0009】上記一般式で表される化合物は、カフェー酸、クマリン酸及びそれらの誘導体として公知の化合物であるが、抗うつ及び抗不安の予防及び治療に有効であることは未だ知られていない。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明で炭素原子数1−3のアルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基を示す。本発明のうつ病又は不安障害の予防・治療用組成物は、経口投与製剤に調製する。経口投与製剤としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、チュウアブル錠、シロップ剤、ドリンク剤などであり、慣用的な方法で製造される。その際、必要に応じて賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、界面活性剤、溶解補助剤、緩衝剤、保存剤、香料、色素、甘味剤、矯味剤、清涼化剤等を使用することができる。 【0011】本発明のうつ病又は不安障害の予防・治療用組成物には、上記一般式で表される化合物の一日有効量は、5-2500mg、好ましくは100-300mgであり、一日一回から三回投与する。 【0012】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0013】実施例1カフェー酸 1mgを1%Tween20溶液10mLに溶解調製した。 【0014】実施例2カフェー酸 2mgを1%Tween20溶液10mLに溶解調製した。 【0015】実施例3カフェー酸 4mgを1%Tween20溶液10mLに溶解調製した。 【0016】比較例11%Tween20溶液をコントロール群とした。 【0017】試験例1<マウスを用いた強制水泳試験の実験方法>直径19cm、高さ25cmの円筒形透明アクリルケースに水を入れ、水深15cm、水温24±1℃の条件下で、検体1−3としてそれぞれ実施例1−3、コントロールとして比較例1を投与し、各群8匹のマウスを15分間予備水泳させた。水泳終了後、検体を10mL/kg腹腔内投与し、30分後に再度、強制水泳を5分間行わせ、その間のマウスの無動の時間を行動量自動測定装置(室町機械製)で測定し、5分間の累積時間を無動時間として表した。 【0018】(試験結果1)強制水泳試験において、コントロール群の無動時間に比較して実施例1−3投与群では用量依存的に無動時間の減少がみられ、特に実施例3投与群では有意に減少した。 【0019】試験例2<マウスを用いた恐怖条件付けストレス試験の実験方法>実験装置には、ステンレス製グリッドフロアーのついた木製箱(30×30×25cm)を用いた。検体1−3としてそれぞれ実施例1−3、コントロールとして比較例1を投与し、各群8匹のマウスを用いた。初めにマウスを装置内に入れ、電気刺激装置を用いて電撃フットショック刺激(1.2mAを10秒毎に1秒負荷)を6分間負荷した後、飼育ケージに戻した。24時間後に検体を10mL/kg腹腔内投与し、30分後に再び実験装置に入れ行動量自動測定装置(室町機械製)により装置内のマウスの自発運動量を6分間測定した。その間の無動の時間を測定し、累積時間を不動時間として表した。 【0020】(試験結果2)恐怖条件付けストレス試験において、コントロール群の無動時間に比較して実施例1−3投与群では用量依存的に無動時間の減少がみられ、特に実施例3投与群で有意な減少が認められた。 【0021】 【発明の効果】カフェー酸、クマリン酸及びそれらの誘導体を含有する本発明の組成物は、抗うつ及び抗不安作用を示し、その予防薬ならびに治療薬として有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002819 【氏名又は名称】大正製薬株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年9月4日(2001.9.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074114 【弁理士】 【氏名又は名称】北川 富造
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| 【公開番号】 |
特開2002−332230(P2002−332230A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月22日(2002.11.22) |
| 【出願番号】 |
特願2001−267171(P2001−267171) |
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