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【発明の名称】 毛髪保護剤
【発明者】 【氏名】金子 巧

【氏名】藤井 一樹

【氏名】金山 勝美

【要約】 【課題】毛髪に柔軟性を付与することができるとともに、毛髪に周囲の水分変化に対する抵抗力を付与し、毛髪の水分変化による広がりを抑制することができる毛髪保護剤を提供する。

【解決手段】臭化タイプのカチオン性界面活性剤と、ショ糖脂肪酸エステルと、ノニオン性界面活性剤と、アミノ変性シリコーンとを配合して毛髪保護剤を調製する。上記臭化タイプのカチオン性界面活性剤の配合量としては0.1〜10重量%が好ましく、ショ糖脂肪酸エステルの配合量としては0.1〜5重量%が好ましく、ノニオン性界面活性剤の配合量としては0.1〜5重量%が好ましく、アミノ変性シリコーンの配合量としては0.1〜5重量%が好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 臭化タイプのカチオン性界面活性剤と、ショ糖脂肪酸エステルと、ノニオン性界面活性剤と、アミノ変性シリコーンとを配合したことを特徴とする毛髪保護剤。
【請求項2】 臭化タイプのカチオン性界面活性剤の配合量が0.1〜10重量%で、ショ糖脂肪酸エステルの配合量が0.1〜5重量%で、ノニオン性界面活性剤の配合量が0.1〜5重量%で、アミノ変性シリコーンの配合量が0.1〜5重量%である請求項1記載の毛髪保護剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪保護剤に関し、さらに詳しくは、毛髪に柔軟性を付与することができるとともに、毛髪に周囲の水分変化に対する抵抗力を付与し、毛髪の水分変化による広がりを抑制することができる毛髪保護剤に関する。
【0002】
【従来の技術】毛髪の洗髪にあたっては、通常、シャンプーが使用されるが、このシャンプーは界面活性剤の有する界面活性作用により頭皮や頭髪に付着した分泌物やフケ、外部から付着した汚れ、ならびに使用した整髪料などを洗い流す作用を有している。そして、上記のようなシャンプーによる洗髪処理に伴って生じる毛髪の損傷を修復するために、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアーコンディショナーなどの毛髪保護剤が使用され、その使用によって、毛髪に柔軟性を付与するとともに、毛髪に周囲の水分変化に対する抵抗力や広がりに対する抑制力を付与することが期待されている。
【0003】しかしながら、これまで市場に提供されてきた毛髪保護剤は、毛髪に周囲の水分変化に対する抵抗力を充分に付与することができるものが少なく、そのため、毛髪に周囲の水分変化に対する抵抗力を付与して、毛髪の広がりを抑制することができるとともに、毛髪に柔軟性を付与することができる毛髪保護剤の出現が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は、毛髪に柔軟性を付与することができるとともに、毛髪に周囲の水分変化に対する抵抗力を付与し、毛髪の水分変化による広がりを抑制することができる毛髪保護剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、臭化タイプのカチオン性界面活性剤と、ショ糖脂肪酸エステルと、ノニオン性界面活性剤と、アミノ変性シリコーンとを配合して毛髪保護剤を調製するときは、毛髪に柔軟性を付与することができるとともに、毛髪に周囲の水分変化に対する抵抗力を付与し、毛髪の水分変化による広がりを抑制して、毛髪のスタイルを適正に保つことができる毛髪保護剤が得られることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0006】すなわち、上記構成からなる本発明の毛髪保護剤でシャンプー後の毛髪を処理すると、上記毛髪保護剤が毛髪の表面に耐湿性皮膜を形成し、毛髪の内部および外部から毛髪に水分が出入りするのを抑制して、毛髪中の水分を平衡に保ち得るので、毛髪に周囲の水分変化に対する抵抗力を付与することができ、それによって、毛髪の水分変化による広がりを抑制し、毛髪を所望のスタイルに保つことができる。また、本発明の毛髪保護剤は、従来の毛髪保護剤と同様に、毛髪に充分な柔軟性を付与することができる。
【0007】特に、本発明の毛髪保護剤は、毛髪に水分を導入できるタイプのシャンプーと組み合わせて使用すると、シャンプー処理により毛髪に導入された水分を毛髪保護剤が形成する耐湿性皮膜で毛髪内部に留めておくことができるので、例えば、太くて硬くクセのある毛髪に対しても、柔軟性を付与することができるとともに、周囲の水分変化に対する抵抗力を付与し、毛髪の水分変化による広がりを抑制して、毛髪のスタイルの崩れを防止し、所望のスタイルに保つことができ、その効果をより適正に発現する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の毛髪保護剤は、前記のように、臭化タイプのカチオン性界面活性剤と、ショ糖脂肪酸エステルと、ノニオン性界面活性剤と、アミノ変性シリコーンとを配合することによって調製されるが、本発明において、この臭化タイプのカチオン性界面活性剤は、主として、毛髪に柔軟性を付与するとともに、シャンプー処理により毛髪の表面に残存したアニオン性界面活性剤とコンプレックスを形成して柔軟性を有する薄い耐湿性の優れた皮膜を形成する作用をするが、この臭化タイプのカチオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0009】本発明において、ショ糖脂肪酸エステルは、主として、毛髪保護剤の安定性を高めて、毛髪保護剤の使用時に毛髪保護剤の毛髪上での残存性を高め、かつ毛髪上に耐湿性の優れた薄い皮膜を形成する作用をするが、このショ糖脂肪酸エステルの具体例としては、例えば、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルチミン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステルなどが挙げられる。これらショ糖脂肪酸エステルのうち、特にショ糖ステアリン酸エステルが好ましい。なお、このショ糖脂肪酸エステルの皮膜は、上記臭化タイプのカチオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤とのコンプレックスの皮膜と層状に形成される場合だけでなく、両者が混在した状態での皮膜も形成される。
【0010】また、本発明において、ノニオン性界面活性剤は、固体への吸着性が優れており、主として、上記のような臭化タイプのカチオン性界面活性剤のアニオン性界面活性剤とのコンプレックスの形成を阻害することなく、同じノニオン性であるショ糖脂肪酸エステルが毛髪に残存しやすい素地を形成する作用をするが、このノニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビットモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビットモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビットペンタオレエート、ポリオキシエチレンソルビットモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレングリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレングリセリントリイソステアレートなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコールなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン2−オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、プルロニックなどのプルロニック類、テトロニックなどのテトラポリオキシエチレン・テトラポリオキシプロピレンエチレンジアミン縮合物類、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸などのポリオキシエチレンヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビットミツロウなどのポリオキシエチレンミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミドなどのアルカノールアミド、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸などが挙げられ、特にポリオキシエチレンラウリルエーテルが好ましい。
【0011】そして、本発明において、アミノ変性シリコーンは、優れた撥水性を有していて、主として、上記のような耐湿性の優れた皮膜の形成に寄与するとともに、毛髪に潤滑性および柔軟な風合いを付与する作用をするが、このアミノ変性シリコーンの具体例としては、例えば、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体などが挙げられるが、特にアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体が好ましい。
【0012】上記各成分の毛髪保護剤への配合量としては、臭化タイプのカチオン性界面活性剤は0.1〜10重量%、特に0.5〜10重量%が好ましく、ショ糖脂肪酸エステルは0.1〜5重量%、特に0.5〜5重量%が好ましく、ノニオン性界面活性剤は0.1〜5重量%、特に0.5〜2重量%が好ましく、アミノ変性シリコーンは0.1〜5重量%、特に0.5〜2重量%が好ましい。
【0013】すなわち、臭化タイプのカチオン性界面活性剤の毛髪保護剤への配合量が0.1重量%より少ない場合は、アニオン性界面活性剤とのコンプレックスの形成量が少なくなり、耐湿性皮膜の形成が充分に行われなくなって、耐湿力が低下するとともに、柔軟性に欠ける傾向があり、また、臭化タイプのカチオン性界面活性剤の毛髪保護剤への配合量が10重量%より多い場合は、毛髪の表面に過度に残存して、べたつく傾向がある。ショ糖脂肪酸エステルの毛髪保護剤への配合量が0.1重量%より少ない場合は、耐湿性皮膜の形成が少なくなって、毛髪の耐湿力が低下する傾向があり、ショ糖脂肪酸エステルの配合量が5重量%より多い場合は、粘稠性が高くなり、操作性に問題を生じる傾向がある。ノニオン性界面活性剤の毛髪保護剤への配合量が0.1重量%より少ない場合は、他の有効成分の毛髪表面への吸着用素地の形成が充分に行われず、耐湿性やその他の効果の発現が充分に行われなくなる傾向があり、ノニオン性界面活性剤の毛髪保護剤への配合量が5重量%より多い場合は、粘稠性が高くなり、操作性に問題を生じる傾向がある。そして、アミノ変性シリコーンの毛髪保護剤への配合量が0.1重量%より少ない場合は、撥水性が低下して、毛髪の耐湿性が低下する傾向があり、アミノ変性シリコーンの毛髪保護剤への配合量が5重量%より多い場合は、毛髪の表面に対して過度に残存して、べたつく傾向がある。
【0014】本発明の毛髪保護剤は、臭化タイプのカチオン性界面活性剤とショ糖脂肪酸エステルとノニオン性界面活性剤とアミノ変性シリコーンとを必須成分として配合することにより調製されるが、その調製は従来の毛髪保護剤の調製方法とほぼ同様の方法によって行うことができる。
【0015】すなわち、本発明の毛髪保護剤は、臭化タイプのカチオン性界面活性剤とショ糖脂肪酸エステルとノニオン性界面活性剤とアミノ変性シリコーンとを水または水を主成分とする適宜な溶剤中に溶解または分散することによって調製することができる。そして、上記の必須成分以外にもそれらの効果を損なわない範囲で他の成分を適宜添加することができる。
【0016】そのような添加成分としては、例えば、臭化タイプ以外のカチオン性界面活性剤、油性成分、湿潤剤、防腐剤、キレート剤、香料、着色剤などが挙げられる。これらの任意成分に関しては特に限定されることはないが、上記カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルトリメチルアンモニウムなどのアルキル4級アンモニウム塩、あるいはアルキルピリジウム塩などが好適に用いられ、油性成分としては、例えば、油脂、炭化水素、エステル類、シリコーン、高級アルコールなどが好適に用いられ、湿潤剤としては、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ピロリドンカルボン酸などが好適に用いられ、防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノールなどが好適に用いられる。
【0017】本発明の毛髪保護剤には、例えば、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアーコンディショナーなどが含まれ、この本発明の毛髪保護剤は、通常、シャンプーで洗髪後の毛髪に対して使用され、シャンプーに関しては特に制限はないが、特に毛髪に水分を導入できるタイプのシャンプーと組み合わせて使用すると、その効果が特に顕著に発現する。
【0018】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例などにおいて溶液や分散液などの濃度を示す%や配合量を示す%は特にその基準を付記しないかぎり重量%であり、また、配合にあたって溶液状や分散液状で用いたものも、その純分で配合量を示している。
【0019】実施例1下記の組成で実施例1の毛髪保護剤を調製した。なお、この実施例1では、臭化タイプのカチオン性界面活性剤として臭化セチルトリメチルアンモニウムを用い、ショ糖脂肪酸エステルとしてショ糖ステアリン酸エステルを用い、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテルを用い、アミノ変性シリコーンとしてアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体を用いた。そして、調製した毛髪保護剤は、いわゆるヘアトリートメントと呼ばれるクリームタイプのものである。
【0020】
毛髪保護剤の組成: 臭化セチルトリメチルアンモニウム 3.5% ショ糖ステアリン酸エステル 0.5% ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.08% アミノエチルアミノプロピルメチルシロ 0.5% キサン・ジメチルシロキサン共重合体 香料 0.3% 精製水 計100%とする【0021】比較例1アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体を配合せず、そのぶん精製水を増量した以外は、実施例1と同様に毛髪保護剤を調製した。
【0022】上記実施例1および比較例1の毛髪保護剤を用いて、シャンプー処理後の毛髪にいわゆるトリートメント処理を施し、その処理による毛髪の耐湿性および軟化率を調べた。それらの測定にあたって使用する毛髪としては、15人のパネラーが指触および観察により選択した硬くてクセのある毛髪を選んだ。これは上記毛髪が周囲の水分変化により広がりやすいという性質を有していることに基づくものである。そして、そのサンプル毛髪のシャンプー処理にあたって使用したシャンプーは、下記の組成からなり、毛髪に水分を導入するのに適したものである。このシャンプーにおいても、その配合成分の配合量を示す%は重量%であり、配合にあたって溶液状や分散液状で用いた成分についても、その配合量を純分で示している。
【0023】
シャンプーの組成: N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニントリエタノール 12.0% アミン 塩化 O−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニ 0.05% オ)プロピル〕ヒドロキシエチルセルロース テトラデセンスルホン酸ナトリウム 1.5% 2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエ 3.5% チルイミダゾリニウムベタイン ポリクオタニウム51 ※1 0.01% ショ糖ヤシ油脂肪酸エステル 0.2% 香料 0.3% クエン酸にてpH調整 pH6.5にする 精製水 計100%にする【0024】上記※1のポリオクタニウム51は、日本油脂(株)から市販されている下記の一般式で表される高分子化合物の商品名である。
【化1】

【0025】そして、上記シャンプーによるサンプル毛髪のシャンプー処理は、38℃で、30%の水溶液を調製し、その中にサンプル毛髪(重さ=0.8g、長さ=15cm)を5分間浸漬することによって行った。そして、そのサンプル毛髪をシャンプー水溶液中から取り出し、水洗した後、以下に示す実験1および実験2において毛髪保護剤で処理するサンプル毛髪とした。
【0026】実験1:シャンプー処理後の毛髪を毛髪保護剤で処理した場合の毛髪の耐湿性〔実験方法〕上記シャンプー処理後のサンプル毛髪に対して実施例1および比較例1の毛髪保護剤をそれぞれ5gずつ塗布し、指で充分に揉み込むことによってトリートメント処理を行い、その後、毛髪保護剤を水で洗い流した。
【0027】上記トリートメント処理後の毛髪を絶対乾燥下に24時間放置して毛髪中の水分を除去した後、温度35℃、湿度70%の条件下で170時間放置し、その高湿条件下に放置中に、サンプル毛髪に吸収された水分量をカールフィッシャーによる水分量測定方法〔VAPORIZOR VA−06を使用〕により測定した。その結果を表1に示す。なお、上記の絶対乾燥条件とはデシケーター内に乾燥剤として五酸化二リンを入れ、そのデシケータ内をアスピレーターなどで吸引して真空状態にした条件をいい、この絶対乾燥条件下に毛髪を24時間放置した場合には、毛髪の内部に含まれる水分量はほぼ0%になったものとみなすことができる。
【0028】
【表1】

【0029】表1に示すように、実施例1の毛髪保護剤で処理した場合は、比較例1の毛髪保護剤で処理した場合に比べて、吸収水分量が少なく、実施例1の毛髪保護剤で毛髪を処理した場合には、毛髪に周囲の水分変化に対する抵抗力を付与できることが明らかであった。これは、実施例1の毛髪保護剤で毛髪を処理した場合には、毛髪上に耐湿性皮膜が形成されたことによるものと考えられる。
【0030】実験2:シャンプー処理後の毛髪を毛髪保護剤で処理した場合の毛髪の軟化率〔実験方法〕まず、実施例1の毛髪保護剤の30%水溶液(36℃)および比較例1の毛髪保護剤の30%水溶液(36℃)をそれぞれ調製した。ついで、図1に示すように、上記シャンプー処理後のサンプル毛髪1をクリップ台2に装着したものを測定サンプルとし、カトーテック社製こし感テスター〔KES−FB−E2〕を用いてサンプル毛髪の曲げ応力を測定し、これを処理前の曲げ応力とした。つぎに、上記測定サンプルを上記実施例1の毛髪保護剤の30%水溶液および比較例1の毛髪保護剤の30%水溶液にそれぞれ別々に5分間浸漬した後、再びその曲げ応力を測定し、これを処理後の曲げ応力とし、それらの曲げ応力から下記の式により毛髪の軟化率を求めた。その結果を表2に示す。なお、上記クリップ台2間の距離は10mmであり、サンプル毛髪1は、図1では7本しか図示していないが、実際は10本であり、曲げ応力はそれらの平均値として求められたものである。
【0031】軟化率(%)=〔(処理前の曲げ応力−処理後の曲げ応力)/処理前の曲げ応力〕×100【0032】
【表2】

【0033】表2に示す結果から明らかなように、実施例1の毛髪保護剤で処理した場合は、比較例1の毛髪保護剤で処理した場合に比べて、毛髪の軟化率が大きかった。これは、実施例1の毛髪保護剤で処理した場合には、毛髪の表面に耐湿性の皮膜が形成され、その耐湿性皮膜により、前記シャンプー処理により毛髪に導入された水分が毛髪中から外部に放出されるのが防止されて毛髪中に残存し、それによって、毛髪に高度な柔軟性が付与されたものと考えられる。
【0034】このように、本発明の毛髪保護剤によれば、毛髪に周囲の水分変化に対する抵抗力を付与することができ、その結果、水分変化による毛髪の広がりを抑制することができ、それによって、毛髪のスタイルの崩れを防止することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、毛髪に柔軟性を付与することができるとともに、毛髪に周囲の水分変化に対する抵抗力を付与し、毛髪の水分変化による広がりを抑制して、スタイルの崩れを防止することができる毛髪保護剤を提供することができた。
【出願人】 【識別番号】592255176
【氏名又は名称】株式会社ミルボン
【出願日】 平成13年5月9日(2001.5.9)
【代理人】 【識別番号】100078064
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 鐵雄
【公開番号】 特開2002−332216(P2002−332216A)
【公開日】 平成14年11月22日(2002.11.22)
【出願番号】 特願2001−138238(P2001−138238)